【文徒】2014年(平成26)9月24日(第2巻180号・通巻382号)

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1)【記事】「少年ジャンプ+」突然の創刊に驚く!
2)【記事】朝日新聞の「弱者に寄り添う」は嘘っぱち!
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2014.9.24 Shuppanjin

1)【記事】「少年ジャンプ+」突然の創刊に驚く!

少年ジャンプ+」のティザーサイトが立ち上がった時、いったいこれは何なのだと思ったものだが、こういうことだったのか!
集英社は、9月22日にスマートドフォンやタブレット端末機向けに「少年ジャンプ+」の配信を突然スタートさせた。22日朝に届いた集英社のリリースによれば「少年ジャンプ+」はウエブサイトでも展開し、パソコンからも利用できる。
少年ジャンプ+」は毎日5作品前後が更新され、25作以上に及ぶ無料のオリジナル連載マンガの配信と月額900円(単号で300円)で紙雑誌の発売日と同日に全連載作品を提供するサイマル配信を行う(月額900円の定期購読をすると年6回発行される「増刊ジャンプNEXT!!」も読める)。加えて「週刊少年ジャンプ」歴代の名作も毎日無料で読めるそうだ。
つまり、有料サービスと無料サービスを巧みに組み合わせているところに最大の特徴がある。最強のマンガ誌「週刊少年ジャンプ」は万全の体制を整えて、単なるデジタル化ではなく、プラットフォームとしてデジタルの世界に姿を現したと言えるだろう。山が動いた、のである。
集英社は「少年ジャンプ+」の創刊に合わせて、誰でもジャンプでデビューできるウエブ投稿・公開サービス「少年ジャンプルーキー」もスタートさせたのである。9月22日より作品の応募受付を開始し、11月より受付作品の公開を行い、「ジャンプルーキー賞」も設定する。
9月22日には作家・荒木飛呂彦の新作描き下ろし「望月家のお月見 岸辺露伴は動かないエピソード4」を掲載し、話題作りにも余念がない。9月13日発売の42号の期間限定無料配信も実施し、「少年ジャンプ+」を体感してもらうサービスも実施している。
こうなると「週刊少年マガジン」や「週刊少年サンデー」も同じような参入を果たさざるを得なくなるのではないか。
http://plus.shonenjump.com/
http://otapol.jp/2014/09/post-1626.html
http://yaraon.blog109.fc2.com/blog-entry-27058.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1409/22/news060.html
http://mantan-web.jp/2014/09/22/20140922dog00m200003000c.html

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2)【記事】朝日新聞の「弱者に寄り添う」は嘘っぱち!

確かに任天堂岩田社長のインタビュー記事捏造は、読者を蚊帳の外に置いている点で悪質である。朝日新聞の元論説委員薬師寺克行が「ニューズ・オプエド」で「任天堂には謝罪していても、読者に対しては2年以上放置していた。昔はしていなかったことを、いまはしていて、そのことが深刻だ」と語ったそうだ。
http://no-border.co.jp/archives/27069/
こうした読者軽視の姿勢がニューヨークタイムズ社、集英社と組んで創刊する「T JAPAN」の販売方法にも繋がる。「T JAPAN」は「朝日新聞社の宅配地域データに基づいた首都圏の年収1,500万円以上の世帯が多い地域に16万部、月刊誌『メディカル朝日』を購読する関東・中部・関西在住の開業医に2万部」を無料配布するというが、これは同じ購読料金を支払っていても、中流以下の多く住む世帯には配らないという「差別」主義的な販売方法ではないのか。
http://adv.asahi.com/modules/adtopics/index.php/content0228.html
以前にも書いたが朝日新聞社行動規範には「特定の団体、個人等を正当な理由なく一方的に利したり、害したりする報道はしません。取材・報道に当たっては人権に常に配慮します」とあるが、「T JAPAN」の配布方法は「年収1,500万円以上の世帯が多い地域」を一方的に利することになるだろうし、「人権」に配慮すべきは「取材・報道」に限ってのことではあるまい。
にもかかわらず朝日新聞社は「T JAPAN」において「年収1500万円以下の世帯が多い地域」を切り捨てるという「金持ちに寄り添う」方針を選択した。そうすることが社会における様々な「差別」を助長することにも繋がるとは朝日新聞社が微塵にも考えないのだろうか。ことは読者軽視どころの問題ではないのだ。
朝日新聞社の記者は口が裂けても「弱者に寄り添う」などといった発言はできないはずである。こういう記者たちは「T JAPAN」を一体どう考えているのだろうか。是非とも得意のツイッターを活用していただきたいものである。
https://twitter.com/komoriku_n/status/508652681536077824
http://www.asahishimbun-saiyou.com/voice/tsukidate_ayako.html

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3)【本日の一行情報】

◎11月2日(日)〜11月8日(土)の日程で、第16回図書館総合展が開催される。会場はパシフィコ横浜展示ホール、アネックスホール他。
http://2014.libraryfair.jp/about
「読者の心をつかむー書店と図書館」などフォーラムも充実している。
http://2014.libraryfair.jp/node/2111

主婦の友社契約社員を募集している。待遇は「25歳モデルケース 月給19万7,000円〜+キャリア手当」「30歳モデルケース 月給21万円〜+キャリア手当」。キャリア手当は2〜3万円。
http://corporate.shufunotomo.co.jp/?p=7798&utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

幸福の科学の言い分。
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8434
幸福の科学の凄いところは「『週刊文春』とベルゼベフの熱すぎる関係」なんていう書籍を刊行し、島田真「週刊文春」編集長の守護霊インタビューなんてやっちゃうことだ。大川隆法のオハコだが、これはもう「芸能」の域に達していると言わねばなるまい。「芥川龍之介が語る『文藝春秋』論評」という一冊も出している。オレなんかタイトルを見ただけで笑ってしまうわけだが、信者はこれを「真実」として読むんだろ?宗教はアヘンだというマルクスの至言を思い出さずにはいられない。
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=723
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=783

主婦と生活社が刊行した「うちのカレー」に掲載された「チキンヨーグルトカレー」の材料表記に「カレー粉…大さじ2」が抜けていた。
http://www.shufu.co.jp/topics/detail/778462
「キャラさがしランド10・11月号」では印刷の不具合により絵柄の一部は欠けるわ、解答ページに誤りがあるわで大混乱。
http://www.shufu.co.jp/topics/detail/781464/

◎独立系書店「Powell’s Books(パウエルズ・ブックス)」では「古本の買取も行っており、同じタイトルでも、ハードカバー、ペーパーバック、新古本、古本など、形態も値段も様々な本を、一緒に並べて販売するスタイル」なのだそうだ。迷路のような店内に好感が持てる。
http://www.roomie.jp/2014/09/200187/

◎全7巻が1冊に収められた「完全版 あらしのよるに」が講談社より刊行されている。
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20140916-OYT8T50095.html

岩波文庫大江健三郎自選短篇」は、私も購入したが、大江は初期の作品が圧倒的に優れていることを痛感させられる一冊となっていた。「飼育」なんてサイコーなんだよね。
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20140919-OYT8T50120.html

小学館集英社プロダクションの2014年3月期の売上げでは、メディア事業局が142億円、エデュケーション事業局が136億円となっているそうだ。
「エデュケーション事業局の売上げ構成は、教室系事業(33%)、保育サービス(37%)、通信教育(11%)、公共施設の管理運営(15%)、矯正教育(4%)、その他となっている。ドラゼミは通信教育に含まれているが、キッズ英語などの教室事業と保育サービスが事業局全体の70%を占めているのが特徴だ」
小学館集英社プロダクションは刑務所運営の仕事も行っている。
http://s.response.jp/article/2014/09/20/233013.html

ドワンゴアニメイトも一枚噛んでいる「池袋ハロウィンコスプレフェス」が10月25日、26日の二日間にわたって開催される。
http://snn.getnews.jp/archives/412050

リクルート上場で最低でも138人の億万長者が誕生する。あの人もそうなんだろうなあと、複数の顔が思い浮かぶ私であった。
http://diamond.jp/articles/-/59402

田母神俊雄閣下が視察団長となって実施されたイスラエル国防視察ツアー。イスラエルの外務省は「イスラム国家」に日本人も9名参加していると認識しているようだ。
http://ameblo.jp/toshio-tamogami/entry-11927690420.html

秋田書店は10月下旬にウエブで大人のためのマンガ誌「チャンピオンクロス」を立ち上げる。
http://natalie.mu/comic/news/126625

◎読売新聞は朝日新聞慰安婦検証報道を徹底的に拡販に利用しようとしているようだ。日刊ゲンダイによれば「読売おためし新聞」(1週間無料)に申し込むと、今月30日発売の中公新書ラクレ「徹底検証 朝日『慰安婦』報道」をプレゼントしてくれるというキャンペーンを展開している。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/153554/1

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4)【深夜の誌人語録】

敵の裏をかくためにも正面から向き合うのである。