【文徒】2014年(平成26)10月7日(第2巻189号・通巻391号)

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1)【記事】集英社2015年 雑誌・デジタル媒体説明会に出席してみた!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】集英社2015年 雑誌・デジタル媒体説明会に出席してみた!

集英社の2015年雑誌・デジタル媒体説明会に出席した。雑誌、ウエブ、アプリ、イベント、ECサイトSNSをもって読者を取り囲む。私の考える「雑誌の未来」と充分に重なる説明が最初から終わりまでつづいた。
LINEにおける「セブンティーン」の公式アカウントは95万、「ノンノ」11月号がツィッターに動画配信したところ、当初の予測は一週間で4万だったが、結果は42万を数えた。「マキアアプリ」は14万ダウンロードを達成、「ハッピープラス」は2850万PVで会員が49万人…。
総ては、異議なし!異議なし!異議なし!である。現段階で言えば集英社は「雑誌の未来」を切り拓こうとしているトップランナーと評価することもできよう。
しかし、しかし、私は物足りなさを感じた。例えば「少年ジャンプ+」が立ち上がったときのような「驚き」を昨日は感じられなかったというべきか。
少年ジャンプ+」に私が驚きを禁じ得なかったのは、「少年ジャンプ+」が何の告知もなく、突然、立ち上がったからではない。
少年ジャンプ+」が私を驚かせたのは、「少年ジャンプ+」が言ってみれば「広場」を志向していたからだ。「広場」とは、読者やユーザーに開かれていて、その読者力やユーザー力が「広場」にフィードバックされる契機を孕んでいるということだ。「少年ジャンプ+」は編集力が読者やユーザーに解放されることに躊躇していないと言ったら良いのだろうか。
翻って女性誌にその覚悟はあるのか。読者やユーザーを囲い込む対象としてしか見ない垂直軸のコミュニケーションに依拠するだけでなく、水平軸のコミュニケーションに自ら身を投じる。そこに私は「雑誌の未来」の可能性を見出したいのである。

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2)【本日の一行情報】

◎10月3日付毎日新聞によれば非常勤講師の植村隆を解雇しなければ大学を爆破するといった物騒な脅迫にさらされている北星学園大学を応援すべく「負けるな北星!の会(マケルナ会)」が結成されたが、呼びかけ人を代表するのは池澤夏樹である。暴力の行使を示唆することで「大学の自治」や「思想・信条の自由」を侵害しようとすることは断じて許されまい。それはその通り。
しかし、慰安婦問題について沈黙を守りつづけるという植村の姿勢も批判されてしかるべきではある。「饒舌」(=記者)を稼業としていた以上、植村は自らの記事も渦中に置かれているといって良い慰安婦問題について発言すべきである。
http://mainichi.jp/select/news/20141003k0000m040135000c.html

◎前項の植村問題で毎日新聞は実名を出して報道しているが、大阪市交通局幹部の「不適切会食」の件では「大手広告代理店」の実名は避けられている。
大阪市交通局の幹部ら5人(特別職3人、一般職2人)が今年4月、大手広告代理店の社員らと会食していたことが分かった。市の内規『公正契約職務執行マニュアル』は、同社など市の入札参加資格がある業者と、契約に関係する一般職との会食を規制しており、市は『抵触する』としている」
http://mainichi.jp/select/news/20141004k0000m040141000c.html

サイバーエージェントなる企業の経営者であるらしい藤田晋が電子版とはいえ日経に連載するブログに次のように書いたことがネットで話題になっている。
「先日、とある若い社員が、突然サイバーエージェントを辞めたいと言って有給消化に入ったという話を聞き、私は『激怒』しました。『社長が怒っている』という噂が社内に拡散するよう、意図的に怒りました」
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO77749270Q4A930C1000000/
http://ameblo.jp/shibuya/entry-11932795160.html
藤田は正直者?藤田は単なるバカだと思う。私は、こういう口の軽い経営者に私の労働力を売りたくない。
http://blogos.com/article/95604/
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2014/10/post-0fab.html
http://aiben.hatenablog.com/entry/2014/10/03/122432

◎「週刊新潮」に掲載された「『山谷大臣』在特会写真を批判した『有田芳生』議員に痛恨写真」の舞台裏。もともとはツーショット写真ではなく、トリミングされたものであることが判明。魚谷亮太記者の記事だそうだ。「週刊新潮」とのやり取りも暴露されている。
「あの写真はツーショットではないですよね」「いやツーショットとしてTwitterで出回っていたものを紹介しただけです」「えぇっ、Twitterの情報で記事書いてるんですか?」「そうではありませんが」「今そう言ったじゃないですか」
http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20141002

◎「女たちの戦争と平和資料館」が「文藝春秋」及び塩野七生に公開質問状を送付したという。塩野は「文藝春秋」10月号に「朝日新聞の“告白”を越えて――『慰安婦誤報』日本の危機を回避するための提言」を発表している。
http://wam-peace.org/20141004/
塩野は「オランダの女も慰安婦にされたなどという話が広まろうものなら、日本にとっては大変なことになる。そうなる前に手を打つ必要がある」と書いているが、確かに塩野はスマラン事件を知らなかったと言われても仕方あるまい。池田信夫によれば、この質問状を書いたのは元NHK池田恵理子だそうだ。
池田によれば彼女は「女性国際戦犯法廷を主催し、昭和天皇に欠席裁判で「強姦罪」を宣告し、NHKで放送させた張本人」だという。ベルばらの池田理代子ではないので、念のため。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51914346.html

◎「吉田秀雄記念事業財団」の元事務局次長が業務上横領の容疑で逮捕された。1億円着服していた可能性があるという!
「小口容疑者は01年に電通から財団に出向し、定年後も預金を1人で管理していたという。今年3月に行方不明になったため、財団が内部調査をしたところ不正が発覚。財団は7月、小口容疑者を懲戒解雇した」
http://www.yomiuri.co.jp/national/20141005-OYT1T50072.html

徳間書店から刊行されるAKB48木崎ゆりあ写真集は、ソーシャルメディアの時代を意識しているのだろうな。
「同書は、『木崎ゆりあに言ってほしい言葉』を募集し、木崎本人が自由にそのフレーズを解釈して、表情や衣装、シチュエーションをイメージするという、これまでにない完全ファン参加型の写真集企画となっており、「言ってほしい言葉」は10月24日まで『木崎ゆりあ1st写真集特設サイト』で募集されるとか」
http://thepage.jp/detail/20141004-00000017-wordleaf

NEC、FashionTV、GMOメディア、イーブックイニシアティブジャパンの4社は共同で、季刊のファッション誌「persona.」(ペルソナ)を創刊していた。知らなかった。毎日、書店をチェックしているはずなのに…。首都圏の美容室で配布するフリーマガジンなのか!創刊を気づかなかったはずだ。文字を使ってないんだって。写真のみで構成されている。
「専用のスマートフォン向けアプリケーションを起動し興味を持った写真にかざすことで、画像認識し写真の背景に存在するファッションストーリーやブランドwebページの閲覧、クーポンの入手などが可能です」
http://jpn.nec.com/press/201410/20141006_01.html

鈴木涼美は「リテラ」に寄稿した文章を次のように締めている。
「『日経記者がAV女優』であることよりも『鈴木涼美がAV女優』であることのほうが余程大きな問題を孕んでいる、と私は思う」
http://lite-ra.com/2014/10/post-521.html

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3)【深夜の誌人語録】

溜息は堕落の始まりである。