【文徒】2014年(平成26)9月26日(第2巻182号・通巻384号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】マガジンハウス創業70周年で「Olive」が復活!
2)【深夜の誌人語録】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2014.9.26 Shuppanjin

1)【記事】マガジンハウス創業70周年で「Olive」が復活!

これは大賛成だ。私もかねがね主張していたことだし。
マガジンハウスが70周年記念事業のひとつとして、電通マーケティングパートナーとして「Oliveプロジェクト」を立ち上げた。既にFacebookページも9月24日に立ち上げている。イベントも開催するというし、2015年3月には「GINZA」の別冊付録として100頁程度の「Olive」特別号を発行する。スーパーバイザーに淀川美代子、ゲストエディターに岡本仁!異議な〜し!これで岡戸絹枝も揃えば万全なんだよなあ。
いずれにしても、マガジンハウスや電通の思惑を超えて成功すれば、ちょっと面白いことになるのだけれど。「GINZA」の次は「ポパイ」の別冊付録にするとか、そういう動きを踏まえて21世紀バージョンの「Olive」が創刊するとかね。これ、冗談で言っているのではないんだよ。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000011332.html

                                                                                                                        • -

2)【記事】本日の一行情報

◎「コンドームところてん」「コンドームの押し寿司」だって。前代未聞のレシピ集がキンドル本として観光された。タイトルは「作ってあげたいコンドームごはん」とそのものズバリ。しかし、内容は大真面目!コンドームの伸縮性・耐久性を活かして調理ツールとして活用しきっている。
http://www.value-press.com/pressrelease/131451
http://www.narinari.com/Nd/20140928040.html

◎旅雑誌「Coyote」の新井敏記編集長の発言。キザだけれど、こういうことを臆面もなく言える編集者が減ってしまったような気がする。
「僕らが提案したいのは『地図は自分で作る』ということです」
http://www.huffingtonpost.jp/triport/coyote_b_5859130.html
Coyote」第50号の「カサヴェテスへの旅」は傑作であった。

◎「東北食べる通信」は河北新報によれば「農漁業者を紹介する冊子と生産物をセットで届ける月刊情報誌」だ。フェイスブックも駆使して交流を図り、生産現場を訪ねるツアーも実施している。花巻市NPO法人「東北開墾」が被災地の農漁業者支援を兼ね2013年7月に創刊したのだが、この考え方は雑誌の未来を示唆しているのではないだろうか。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140923_33019.html

◎ローソンとフタバ図書は複合書店とコンビニエンスストアの一体型店舗を展開することで合意し、包括業務提携を締結し、フタバ図書の旗艦店である「フタバ図書GIGA広島駅前店」の1階部分を改装し、10月23日に「ローソンフタバ図書GIGA広島駅前店」をその第一号店としてオープンする。広島県を中心に来春までに5店、3年間で20店まで拡大を目指すそうだ。地方のチェーン書店はコンビニと競合するのではなく、協業する道を模索し始めている。
http://ryutsuu.biz/topix/g092219.html

◎米「エスクワイア」は9.11について書かれ、2003年以来、2000万に読まれている記事「THE FALLING MAN」で2.99ドルの寄付を募る取り組みを始めた。イスラム国によって殺害されたジャーナリストのジェームズ・フォリー基金のためである。
http://blogos.com/article/94962/

◎日販は、日販限定流通商品として「ウイスキーがもっと美味しくなる本」(エイ出版社)を9月29日より全国の取引書店およびコンビニで販売する。
http://www.dreamnews.jp/press/0000099957/
しかし、限定流通商品であるのだから、トーハンと競合しないような企画を考えるべきではないのだろうか。トーハンは「PB企画商品」という名称を使って「ウイスキーぴあ」を刊行したばかり。取次の悪いところがモロに出ていると思うのは私だけであろうか。

◎佐賀の次は熊本か。宝島社がブランドムックシリーズとして「LOVE!熊本」を発売。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000087.000005069.html

◎LINEの年内上場は見送られたようだ。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPT9N0RB0A920140922
日本の新聞は韓国の検索サイト大手ネイバーの日本子会社という言い方をしないんだよねぇ。
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20140922-OYT1T50113.html?from=ytop_ylist
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140922/k10014801811000.html

サイバーエージェントは、スマホ向け学園恋愛カードゲーム「ボーイフレンド(仮)」で雑誌「ジュノン」(主婦と生活社)とコラボして「JUNON×ボーイフレンド(仮)裏イケメン総選挙2014」を開催する。
http://www.inside-games.jp/article/2014/09/23/80869.html

電子書籍読み放題アプリ「ビューン」に新たに6誌が加わった。「GoodsPress」(徳間書店)、「GQ JAPAN」「WIRED」「VOGUE JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)、「flick! Digital」(エイ出版社)、「おいしい肉の店 首都圏版 2014」(ぴあ)の6誌。これで総82誌となった。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1409/22/news118.html

◎AFP通信のグローバル・ニュースディレクターのMich_le L_ridonは次のように書いている。
「反体制派が支配する地域では、外国人ジャーナリストはもはや地元住民の苦しみを外部に伝える目撃者としては歓迎されておらず、攻撃のターゲット、あるいは身代金のための『商品』として見られている。
そのため、AFPはフリーのジャーナリストが、私たちが足を踏み入れない地域で取材してきた素材を受けつけないことにした。これは明確な決定であり、周知するためにもここで念を押しておきたい。フリーの記者がシリアに行って取材してきた情報も写真も映像も、私たちは使わない。
フリーランスはシリア内戦で大きな犠牲を払ってきた。大きすぎる犠牲だ。そのようなリスクを背負おうとする彼らの背中を、私たちは押したくはない。
紛争地帯では大抵の場合、ジャーナリストが取材でき休息も取れるような、比較的安全な場所がいくつかあるものだ。だが現在のシリアで反体制派が支配している地域には、そんな場所は1つもない」
http://www.afpbb.com/articles/-/3026762

フランソワ・トリュフォーが亡くなってから30年も経つのか。私も年をとったはずである。「没後30年フランソワ・トリュフォー映画祭」が開催される。
http://mermaidfilms.co.jp/truffaut30/program.html
私にとってベストワンは「恋のエチュード」か「大人は判ってくれない」だけれど、失敗作も好きなんだよね。「ピアニストを撃て」とか、「黒衣の花嫁」とか、「暗くなるまでこの恋を」「華氏451」といった作品である。私の場合、「トリュフォー経由ヒッチコック行き」の映画ファンであった。

◎発行がCCC系列のアイビーレコード、発売が徳間書店で復活したのはプロレス誌「ゴング0号」だが、今年発売されたプロレス関連書として最高週間売上(オリコン調べ)を記録したという。次が期待できそうだ。
http://www.musicman-net.com/business/39760.html
「昭和」雑誌の復刊がブームになるかもしれない。

双葉社は「キノコの娘プロジェクト」を立ち上げた。その第一弾として刊行されたのが、「oso的 キノコ擬人化図鑑」だ。これにつづき、マンガ化や小説化、スマホ向け育成アプリゲームなどが次々に仕掛けられるらしい。
http://www.inside-games.jp/article/2014/09/24/80905.html

◎パルコブックセンター池袋店は祥伝社から「AYAMO」が刊行されたのを記念してAYAMOのサイン&握手会を10月19日日曜日に開催する。
http://www.libro.jp/blog/pbc-shibuya/event/ayamoayamo.php
AYAMOを知らない?こういう女性です。

◎このところ元朝日新聞記者・井上久男が八面六臂の活躍だ。「BusinessJournal」で「任天堂記事捏造」問題について書いている。この記事を書いた記者は「経済部1年生」だったそうだが、井上はキャップが事件を未然に防げなかった背景を次のように書いている。
「朝日経済部のキャップの中には、自分の下に付く若い記者をこき使って、自分はふんぞり返っている者も少なからずいる。自分の無能さは棚に上げ、若い記者の悪口を上司に告げ口する者も散見する。朝日では、そういうキャップが統率力のある人材とみなされ、管理職になっていくのである。最近は、自分にだけはやたらと甘く、若い記者には厳しいキャップやデスクが増え、精神的に参ってしまう若い記者もいるやに聞く」
任天堂から抗議があったにもかかわらず、事件を隠蔽してしまった部長については、こう書く。
「この大阪経済部長は、元朝労働組合本部委員長だ。委員長を務める前にも一度労組に専従職として出ている。2度も労組役員(専従職)を務めるキャリアは朝日の中でも極めて異例だ。朝日の場合、労組は「第二人事部」であり、労組本部委員長は会社に気に入られた者や将来を嘱望された者が務める傾向が強い。しかも、労組役員経験者は将来のポストや待遇がある程度約束されているため、判断や振る舞いが非常に政治的かつ傲慢になる者も少なからずいる。この隠蔽は、労組役員の経験者にありがちな政治的な判断から生まれたものと言えるだろう」
http://biz-journal.jp/2014/09/post_6125.html

博報堂は、香港に本社を置き、富裕層向けビジネスを得意とするPRエージェンシー「Grebstad Hicks Communications Ltd.」の株式を60%取得した。
http://www.hakuhodo.co.jp/archives/newsrelease/18615

日本航空不正アクセスで最大75万件のマイレージ会員情報漏洩か!
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPT9N0QA03O20140924

◎「少年ジャンプ+」の評判が良い。この文章は取り敢えず読んでおきたい。
http://www.excite.co.jp/News/reviewapp/20140924/E1411495695060.html
マンガの読まれ方は間違いなく変わるのではないだろうか。

◎マガジンハウスから刊行された絵本「新・戦争のつくりかた」が重版決定。
http://sentsuku.jimdo.com/
http://www.atpress.ne.jp/view/51427

フランス書院文庫編集部のツイートが知的だ。
http://togetter.com/li/722566

                                                                                                                        • -

3)【深夜の誌人語録】

どんなに自分自身で紡ぎ出した言葉でも、他者に読まれた段階で、その言葉はひとり歩きを始める。