【文徒】2014年(平成26)10月2日(第2巻186号・通巻388号)

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1)【記事】KADOKAWA dwangoが発足!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】KADOKAWA dwangoが発足!

KADOKAWA dwango 統合キャンペーン ニコニコカドカワ祭り」の一環として、「ニコニコ書店会議」を開催する。これは全国10ヶ所の書店を回る、ネットと書店が連動したイベントである。店頭では、ニコニコのカテゴリ「歌ってみた」「ゲーム実況」などのユーザー参加型企画を実施するほか、KADOKAWA 作品に関連したサイン会やトークショーを開催し、イベントの模様はニコニコ生放送で全国に生中継する。また、ニコニコ書店会議の開催日に店頭を訪れた高校生以下のニコニコユーザーを対象に、「ニコニコプレミアム会員1 年間無料権」も数量限定で配布する。
現在、スケジュールが決まっているのは
11 月9 日(日):鳥取県米子市 本の学校 今井ブックセンター
11 月23 日(日:北海道留萌市 留萌ブックセンター
12 月7 日(日):山形県天童市 TENDO 八文字屋
12 月21 日(日):石川県金沢市 金沢ビーン
1月以降の開催書店は公募により決定するそうだ。
http://ir.kadokawa.co.jp/topics/20140930_b1vk9.pdf
技術力(ドワンゴ)が編集力(KADOKAWA)を呑み込めるのであれば面白いことになるのだけれど。要するに川上量生会長がドワンゴが旬なうちに絶対的なリーダーシップを発揮すれば、この経営統合は成功すると思うのだが、KADOKAWAサイドの大人たちに川上がコントロールされてしまうと凡庸な経営統合に終わるだろう。その場合、KADOKAWAのこれまでを振り返ってみれば分かるように、株価対策のために更なる経営統合を模索するはずだ。
川上は自信満々である。経営統合の記者会見で次のように言い放ったようだ。
「合併してすぐに僕は結果を出すつもりなんですよ。KADOKAWA・DWANGOは成功します」
http://ascii.jp/elem/000/000/938/938243/
ちなみに昨日の記者会見に私たちは角川歴彦からも、佐藤辰男からも、川上量生からもお呼びがかからなかった。川上とは面識はないが、角川や佐藤とはメディアワークス設立時から知らない仲ではないはずである。KADOKAWAから私たちは、その程度にしか認識されていないのだろう。
http://japan.cnet.com/news/business/35054483/

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2)【本日の一行情報】

◎CCC傘下のTポイント・ジャパンは、「Tポイント」のアクティブ・ユニーク会員数が5000万人を突破したと発表した。
「…日本総人口の約4割におよび、さらに5,000万人のうち、一ヶ月間では3,500万人、1週間では2,000万人の方々が毎日の生活の中でTポイントを利用されています」
TSUTAYAをむろんのこと、ENEOSファミリーマート、スリーエフ、ガスト、カメラのキタムラ、マルエツ、ウエルシア、洋服の青山Yahoo!ショッピングソフトバンク携帯電話など提携店舗数はリアル+ネットで23万店舗に及んでいる。
http://www.ccc.co.jp/news/2014/20140930_004602.html
CCCが崩れるときは、「Tポイント」からおかしなことになるのだろう。逆に言えばCCCは「Tポイント」同盟をもっともっと拡大する必要があるということだ。
楽天が10月1日から「Rポイントカード」の提供を開始した。
「加盟店は飲食店の「プロント」や「ミスタードーナツ」、コンビニの「サークルK」「サンクス」「ポプラ」「生活彩家」、百貨店の「大丸」や「松坂屋」、この他に、出光興産が展開するガソリンスタンドや「パレットプラザ」「55ステーション」など12社」
http://shopping-tribe.com/news/11011/

◎「アラサーちゃん 無修正」の峰なゆかによる恐るべきノンフィクション・コミックス「セクシー女優ちゃん ギリギリモザイク」(双葉社)も映像化すれば話題になるだろう。
http://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-30741-2.html

大阪市は、漫才でオススメ本を紹介する「第3回 書評漫才グランプリ in OSAKA」を11月23日、大阪市立中央図書館で開催するが、参加者を募集している。書評漫才のプロが現れれば面白いんだけれど。
http://resemom.jp/article/2014/09/30/20657.html
新聞の書評欄に出るような本を笑い飛ばしながら紹介するって「批評」だと思うんだよね。

新生銀行の調査によればサラリーマンの小遣いが2年振りに上昇した。平均額は3万9572円。といっても調査開始以来、過去4番目に低い水準である。一回の飲み代は3483円。読書費には、なかなか回らない。
http://dime.jp/genre/158795/

◎白旗ならぬ白タオルを朝日新聞木村伊量社長のお詫びの手紙とともに配っているのか!
お詫びの手紙では「どうか、引き続き厳しい目で朝日新聞を見守り、いま一度チャンスを与えていただけますよう、お願い申し上げます」と泣き落とし!
ロベルト麻生は次のように書いている。
「販売店の店員が不祥事を起したときには、朝日新聞は「取引先である新聞販売所がセールス業務を委託した会社の従業員がウンヌン」なんて、よそよそしい言い訳をしたりします。
なのに朝日新聞誤報を出せば、販売店のスタッフが「お迷惑おかけしました」と、各戸をまわってタオル配りさせられているわけです」
http://news.nicovideo.jp/watch/nw1255657
朝日新聞社には編集、営業にかかわりなく全社員が白タオルを配って回るという発想は皆無なのだろう。「言論機関」としてのプライドが許さない? だから、ダメなんだよ、新聞は!

◎今度はコスプレだ。ゾンビメイク!なんてあるんだぜ。ハロウィンを盛り上げるには、打って付けの一冊だ。主婦の友社から「S Cawaii!Beauty vol.2 コスプレメイク&fashionのアイデアまとめてみた・」が刊行された。
https://www.youtube.com/watch?v=h1U9R0BFcRo

◎メディアシークは、三栄書房が発行する女子小学生向けファッション情報誌「JSガール」と共同で、女子小学生のトレンドマーケティング事業「JS総研」を開始した。
http://www.mediaseek.co.jp/pdf/2014/2014_0930_01.pdf

トーハンの平成26年度版「書店経営の実態」。売上高伸長率は、健全企業−0.9%、欠損企業−7.4%、総平均−3.2%。総平均では19年連続のマイナス成長となった。
http://www.tohan.jp/whatsnew/news/post_350/

◎「壇蜜日記」が文春文庫から刊行される。10月15日19時から、紀伊國屋書店新宿本店8階イベントスペースで「サイン本手渡し&握手イベント」が開かれる。
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167902124

◎「こびとづかん」を刊行していたことでも知られる長崎出版が破産。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140930-00010000-teikokudb-ind

大日本印刷は、ノートパソコンやタブレット端末の製造受託大手のQuanta Computer Inc.(台湾)と共同開発したカラーマネジメントLSIを搭載した法人向けオリジナルタブレット端末2機種を、企業や教育機関、美術館等に向けて12月に発売する。
http://www.dnp.co.jp/news/10103300_2482.html

真木悠介の「現代社会の存立構造」は1977年に筑摩書房から刊行されたが、現在、絶版となっているし、岩波書店の「定本 真木悠介著作集」にも収められなかった、幻の「代表作」である。朝日出版社から復刊された。しかも、ただの復刊ではなく、大沢真幸による重厚な解題も収録されている。こういう書物を書店で発見すると出版業界も捨てたものではないことを痛感する。
http://blog.livedoor.jp/asahipress_sake/
加藤典洋の「人類が永遠に続くのではないとしたら」(新潮社)との併読がオススメである。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO75466430Z00C14A8MZB001/

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3)【深夜の誌人語録】

「一度だけ」が一度で終わった試しはない。もし「一度だけ」を受け入れるのであれば二度、三度を覚悟しておかなければなるまい。