【文徒】2014年(平成26)10月1日(第2巻185号・通巻387号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】産経新聞レフチェンコ事件
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2014.10.1 Shuppanjin

1)【記事】産経新聞レフチェンコ事件

英インディペンデント紙の記事。タイトルは直訳すると「在日韓国人を標的とするネオナチ疑惑に日本の内閣が揺れている」ということになる。
http://www.independent.co.uk/news/world/asia/japans-cabinet-rocked-by-new-claims-of-links-to-neonazis-who-target-the-ethnic-korean-population-9758852.html
で、日本のネオナチや右派から「サヨク」「アカヒ」などと蛇蝎の如く嫌われている朝日新聞は、どう報じているのか?山崎雅弘のツイートが的を射ている。
朝日新聞は、現首相/閣僚と日本会議や有力ヘイト団体の繋がりについて「事実をありのままに」報道すれば、吉田調書や吉田証言で失われた信用を多少は回復できるのでは、と思うが、「プロとして本来やるべき仕事を粛々と行う」正統的な手段で信頼を取り戻すという意志があまり感じられない。勿体ない」
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/516497333479960578
一方、右寄りの論調で毎朝、私を刺激してくれる産経新聞だが、歴史を紐解くならば、日本をソビエト連邦に売ったという可能性も否定できないのではないだろうか。「朝まで生テレビ!」(テレ朝系)で青木理が指摘したように所謂レフチェンコ事件で、産経新聞の山根卓二常務取締役編集局長が辞任したのは、本人は否定したものの、ソビエト連邦工作員であったことがレフチェンコによって暴露されてしまったからである。
http://lite-ra.com/2014/09/post-504.html
山根は産経新聞を去ってからもマスコミの要職に居座り続けた。その訃報記事には元産経新聞編集局長、元テレビ埼玉社長としか記されていない。
http://www.47news.jp/CN/200809/CN2008090501000526.html

                                                                                                                        • -

2)【本日の一行情報】

ダイエーという店舗名がなくなる。常見陽平ダイエー創業者・中内功の伝説のスピーチを紹介している。中内は毛沢東主義を流通業界にあって実践した経営者であったことを忘れてはなるまい。自らが絶版にしてしまった「わが安売り哲学」には毛沢東思想の痕跡がはっきりと刻まれている。
http://www.news-postseven.com/archives/20140928_278754.html
別冊宝島」282号(1996)に掲載された中内のインタビューは「戦争」と「革命」について語って実に読み応えがある。
「だいたい日本型システムといわれているものは、古来からの文化の特殊性に根ざしているのではなく、実際には1940年に制定された国家総動員法産業報国会を基盤とした戦時システムやないですか。大東亜戦争の前に、岸信介がドイツをモデルにつくった官僚統制の翼賛体制ですよ。たとえば日銀法、食管法、アルコール専売法。いずれも国家総動員にもとづいてつくられた戦時立法で、『戦争目的遂行のために』と書いてある。そんな法律による規制が今も温存されとる。規制撤廃にしても行革にしても、根本的にはこの40年体制を変えるのか、温存しようとするのか、そこにかかってくる」
http://www.hh.iij4u.or.jp/~iwakami/daiei2.htm

◎「井田真木子著作撰集」を刊行した「ひとり出版社」の里山社・清田麻衣子が紹介されている。
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20140924-OYT8T50074.html

八木書店は、小学館グループのネットアドバンスと提携し、ウエブ版「群書類従」(全133冊3750書目)をオンラインで全文検索・閲覧できるサービスを10月1日よりJKBooksシリーズとして配信を開始する。価格はフルセットで150万円(税別)。ジャパンナレッジは「知」のプラットフォームとして着実に進化しているようだ。
http://www.books-yagi.co.jp/pub/content/c0000000170.pdf

◎「フォルトゥナの瞳」(新潮社)の刊行を記念して、11月2日に東京堂書店百田尚樹のサイン会が開催される。ちょうど神保町ブックフェスティバル2日目にあたる。
http://www.tokyodoshoten.co.jp/blog/?p=7183
百田はツイッターで亡くなった土井たか子に「売国奴」のレッテルを貼りつけている。
「土井たかこが死んだらしい。彼女は拉致などない!と断言したばかりか、拉致被害者の家族の情報を北朝鮮に流した疑惑もある。まさしく売国奴だった」
https://twitter.com/hyakutanaoki/status/516113929617948672
愛国主義は無頼漢たちの最後の避難所であると喝破したのはサミュエル・ジョンソンであった。

◎UNTITLED×ファッション誌「Oggi」×スタイリスト望月律子のコラボニット。
http://www.world.co.jp/untitled/brandblog/4442/

文化庁による平成 25 年度「国語に関する世論調査」。1か月1冊も本を「読まない」が 47.5%。「1,2冊」の割合が 34.5%,「3,4冊」の割合が 10.9%,「5,6冊」の割合が 3.4%,「7冊以上」が 3.6%。そんなものなのだろうなぁ。「1冊も読まない」が増え続けている。
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchousa/h25/pdf/h25_chosa_kekka.pdf

◎全米レコード協会 (RIAA)が発表した米国音楽市場の上半期レポート。ALL DEGITAL MUSICは次のように書いている。
アメリカの音楽市場は前年同期比の33億5000万ドルから4.9%ダウンして32億ドル (約3790億円)に減少しました」
「デジタル音楽の収益は昨年同期とほぼ横ばいの(マイナス0.5%)22億ドル(約2400億円)となり、全体収益の69%をしめました。その割合はデジタル・ダウンロードが41%、ストリーミングが27%、フィジカル(CD+アナログレコード)が28%、シンクロ権が3%、リングトーンが1%でした」
http://jaykogami.com/2014/09/9298.html

ロフトプラスワンで「朝日新聞問題の深層」緊急座談会が10月6日に開催される。川村二郎(元週刊朝日編集長)、竹信三恵子(ジャーナリスト・元朝日新聞編集委員論説委員)、山田厚史(ジャーナリスト・元朝日新聞社編集委員)が登壇するようだ。
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/plusone/27889

在特会桜井誠青林堂から刊行した「大嫌韓時代」がアマゾンの書籍カテゴリーで第1位を獲得した。
http://ameblo.jp/fuuko-protector/entry-11932090559.html

ソフトバンクアメリカの映画会社ドリームワークス・アニメーションの買収に乗り出している?
http://ascii.jp/elem/000/000/937/937611/
ASCII.jpの記事なのだが、「買収交渉が事実とすれば、狙いはコンテンツ強化による差別化とみられる」という表現が、私の場合、どうしても気になってしまう。マーケティング関係の文章を読んでいると、「差別化」という言葉が何の躊躇もなく使われている。「差別意識」なく書いているのだろうが、「差別」を肯定的に捉えている言い回しではないだろうか。私は「差異化」という言葉をもっぱら使うようにしている。

トーハン主婦の友社との共同企画で「主婦の友社アウトレット」を全国の書店でフェア展開。ダイエットや美容関連商材3点と、動物図鑑や宇宙地図など児童向け商材4点を旧価格の50%〜最大70%OFFと大幅に値引し、全品900円以下の新価格で販売している。
http://www.tohan.jp/whatsnew/topic/mvp_12/

アニメイト主婦の友社の「ヒーロー文庫2周年記念フェアが10月21日まで開催されている。
http://www.animate.co.jp/fair/fair_20141021herobunko/

デアゴスティーニ・ジャパンの週刊「仮面ライダー オフィシャル パーフェクト ファイル」は発売日前倒しで店頭に並んだ。
http://news.mynavi.jp/articles/2014/09/29/kpf/

TOKYO FMは12月26日(金)まで平日の24時51分-54分で「見えてくるラジオCMキャンペーン」を展開する。TOKYO FMアサツー ディ・ケイ、コピーライターが三位一体となり、音声表現ならではの_シズル感“をもって、あたかも商品が_見えてくる”ような長尺CMを実現している。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000466.000004829.html

文教堂グループホールディングスは関西圏でチェーン展開しているキャップ書店8店舗を譲受する。
http://ryutsuu.biz/store/g092905.html
これがキャップ書店。
http://capbook.net/?page_id=2

                                                                                                                        • -

3)【深夜の誌人語録】

当たり前のことだが、解決できる問題と解決できない問題があり、解決できる問題から処理していかなければ時間の無駄である。