【文徒】2014年(平成26)10月23日(第2巻200号・通巻402号)

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1)【記事】恥ずかしながら私も「VERY」が好きである
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】恥ずかしながら私も「VERY」が好きである

サイゾーウーマン」の芹沢芳子による「女性誌速攻レビュー」が「VERY」の本質を的確にとらえている。
「広告でもファッションページとして十分参考になり得るのが『VERY』の特長。ほかの雑誌にはないこうした細やかさが、雑誌を分厚くさせるのでしょう」
「VERY」もそうだが、光文社はマガジンハウスやアシェット婦人画報社と並んで編集タイアップが上手な出版社のひとつである。加えて光文社の女性ファッション誌が異彩を放っているのは、企画に関して「絵コンテ」ではなく、文章で提出させていることである。
「なぜ『VERY』だけが、『意識の高い』誌面作りに成功しているのか。それは、『VERY』の読者層である『主婦』『ママ』という立場には、子どもの安全、夫婦間の人間関係、ママの友達関係など、問題意識をくすぐる悩みが多くあるからでしょう」
ここも重要なポイントなのだが、「VERY」は一歩、間違うと「銃後のママ」雑誌になりかねないのだが、そこで一歩間違えないのが、「VERY」の綱渡りの知性と言うべきだろう。
http://www.cyzowoman.com/2014/10/post_13895.html
私も滝沢眞規子の連載「タキマキの目指せ! ニッポンのお母ちゃん」のファンである。これも一歩間違えると大変なことになるというか、バカ化しかねない企画なんだよなあ。滝沢のセンスもさることながら、担当編集者が優秀なのだと思う。
http://veryweb.jp/diary/
http://matome.naver.jp/odai/2136992442178457401
滝沢のイラストも良いんだよね。
https://m.facebook.com/maegamimami?v=timeline&timecutoff=1398163082&page=4§ionLoadingID=m_timeline_loading_div_1388563199_1357027200_8_4&timeend=1388563199×tart=1357027200&tm=AQBQ4ErURAbJ4VJ5
滝沢眞規子は雑誌だけではなく書籍でも売れる可能性を秘めた才能である。滝沢眞規子の絵本ってどうよ!

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2)【本日の一行情報】

◎光文社の「FLASH」の記事でパチンコメーカーの「ユニバーサルエンターテインメント」が名誉を傷つけられたとして損害賠償を求めていた訴訟で東京地裁は光文社に220万円の支払いを命じた。
http://www.47news.jp/CN/201410/CN2014102001001796.html
http://minkabu.jp/announcements/6425/140120141022062354.pdf
週刊誌は名誉毀損に弱い。

主婦の友社「早わかりインデックス カロリーハンドブック」で15品目にわたって肝心のカロリー部分の数値が間違っていた。
http://corporate.shufunotomo.co.jp/?p=7826

講談社小学館が協力しているコミック・コミュニケーションのアプリ「コミコミ」がiOS版をリリースした。マンガの吹き出しを自由に使えるんだよね、これ。マンガのデジタル戦略を女性ファッション誌は学ぶべきだと思う。女性ファッション誌のサイトを見ていると、全然、更新されていないコーナーが野放しのまま放置されているというケースがあり、こいつらヤル気あるのかよと思わざる得ないことも多いのである。「紙」さえしっかりしていれば良いという傲慢さは、やがて読者から見放されることになるということをわかっていないのである。話が脱線しちゃったな。
http://internetcom.jp/busnews/20141020/communication-application-using-comic-books.html

講談社の「テレビマガジン」11月号の付録はバンダイとコラボした「シフトスピード」。「仮面ライダードライブ」の変身アイテムである。
http://kodomo.kodansha.co.jp/telemaga/4910065751143.html

みすず書房から12月8日に刊行されるのか。5500円!高いけれど買わねばなるまい。トマ・ピケティの「21世紀の資本」。
http://www.msz.co.jp/book/detail/07876.html

◎私は、いしいのりえのイラストのファンであると同時に、彼女の官能小説評のファンでもある。睦月影郎の「淫ら上司 スポーツクラブは汗まみれ」(実業之日本社)が取り上げられている。ちなみに私の知り合いの「露出狂」もスポーツクラブを利用して楽しんでいる。
http://www.cyzowoman.com/2014/10/post_13908.html

ピースオブケイクが「note」のiPhoneAndroidスマートフォン用アプリを同時リリースした。「note」とは何かといえば、それは「出版」である。
http://www.dreamnews.jp/press/0000101552/

◎日販が発表した9月の雑誌・書籍・コミック合計売上は前年同月比5.9%減。雑誌は7.2%減。書籍は9.1%減。コミックは2.5%増。
http://ryutsuu.biz/sales/g102004.html
そんな日販が今年も「全国書店員が選んだおすすめコミック2015」を決定するためのアンケート募集を開始した。
http://www.excite.co.jp/News/release/20141020/Dreamnews_0000101518.html

毎日新聞ツイッターで話題となっている「社畜童謡」を取り上げている。
http://mainichi.jp/shimen/news/m20141021dde012040002000c.html
社畜童謡」をもっと聴きたければ、こちらをご覧下さい。
http://togetter.com/li/726541
http://matome.naver.jp/odai/2141230088030855201

新潮文庫から刊行される宮部みゆきの「ソロモンの偽証」第6巻をもって完結するが、第6巻には本編の20年後を描く150枚の続編が書き下ろされている。
http://www.shinchosha.co.jp/solomon/#iii
これを記念した朗読会もラカグで開催される。
http://peatix.com/event/55927
映画化もされる。
http://www.solomon-movie.jp/

◎「空想書店 書肆紅屋」が「鈴木書店の成長と衰退」(論創社)について書いている。
「経営の屋台骨である岩波書店の既刊本が売れなくなったことによって新刊の売上比率が高まり、結果として返品率の上昇を招いて、鈴木書店が衰退していく経緯も述べられていますが、これは現在でも当てはまることでしょう」
http://d.hatena.ne.jp/beniya/20141020

安倍晋三首相が女性誌編集者6人との懇談会を21日に実施した。集英社からは「MORE」「MAQUIA」の2編集長が出席し、政権との距離の近さを猛アピールした、のだろう。他に「アンアン」「たまごクラブ」「25ans」の編集長が出席したようだ。日経によれば安倍首相は「仕事と育児を両立する身近なロールモデル女性誌の企画で取り上げてほしい」と求めたという。
http://mainichi.jp/select/news/20141022k0000m010049000c.html
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg10693.html
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS21H0X_R21C14A0PP8000/
オレが女性誌の編集長だったら、総理様と面会できるほど偉い稼業とは思わないだろうから出席しないね。お国のトップから話を聞きたいと思われるような雑誌が果たして魅力的なのかどうかである。

◎2014年上半期のスマホ広告市場は1583億円。前年同期比187%というから驚きである。内訳は検索連動型広告36%、アドネットワーク32%。
http://ascii.jp/elem/000/000/943/943703/

◎元KARAのメンバーで女優として活躍している知英が、集英社の女性ファッション誌「non・no」の専属モデルとなった。
http://japanese.joins.com/article/641/191641.html?servcode=700§code=740

秋田書店がマンガサイト「チャンピオンクロス」を立ち上げた。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1410/21/news081.html

大日本印刷の家計簿アプリ「レシーピ!」が100万ダウンロードを突破。
http://www.monz.co.jp/news/user/2014/10/21/10568

集英社はアプリ「少年ジャンプ+」で月刊誌「Vジャンプ」と「Vジャンプブックス」シリーズを読めるようにした。
Vジャンプは12月号から、Vジャンプブックスシリーズは、『モンスターハンター4G 最速解禁!ギガンティックGスターターガイド』と『モンスターストライク 公式ビクトリーガイド』の2タイトルに、少年ジャンプ+アプリ内で入力するためのデジタルコードが付属する」
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1410/21/news101.html
私の関心は「少年ジャンプ+」が300万ダウンロードをいつ頃に達成するか、である。「少年ジャンプ+」はメディアではなく、プラットフォームと位置づけるべきだろう。

竹書房の4コママンガ誌「まんがくらぶオリジナル」が休刊。
http://mantan-web.jp/2014/10/22/20141021dog00m200045000c.html

◎「つるとはな」っていうネーミングが良い。「クウネル」の岡戸絹枝と「芸術新潮」の松家仁之が組んで、実験的な手法をもって創刊したライフスタイル誌である。本来、マガジンハウスが実現しても良かった企画だよなあ。
「創刊号に関しては、雑誌広告は三越伊勢丹1社のみで、『この雑誌でしか読めない広告』を実現するため、宣伝部と協業して作り込んだコンテンツが掲載されるとのこと。出版取次は介さず、同社が直接やりとりした書店やAmazonなどのWeb流通、そして『ほぼ日刊イトイ新聞』での販売を実施する」
http://news.mynavi.jp/articles/2014/10/22/tth/

◎メテオが医学書専門の電子書店「メディカルオンライン・イーブックス」をオープンした。
http://ebooks.molcom.jp/

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3)【深夜の誌人語録】

悪いことを考えるのは、いつも決まって無駄な時間においてである。