【文徒】2014年(平成26)12月25日(第2巻242号・通巻444号)

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1)【記事】書店の未来を示唆する「湘南T-SITE」
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】書店の未来を示唆する「湘南T-SITE」

藤沢市にオープンした湘南蔦屋書店を擁する「湘南T-SITE」が2月28日まで「本と物の店」を営業している。「本と物の店」とは糸井重里、中原慎一郎をはじめ、ギャラリーやライフスタイルショップの店主・生活工芸作家・建築家・デザイナー・雑誌編集長・バイヤーなど、それぞれが影響や刺激を受けた「本」とオススメの「物」を展示・販売している。
http://top.tsite.jp/news/o/21096353/
「湘南T-SITE」の内部を覗いてみよう。
湘南蔦屋書店は世界中の雑誌が集合するマガジンストリートが名物であるようだ。
「代官山 蔦屋書店の幅4m×長さ55mに対し、湘南 蔦屋書店では幅も長さも約2倍になっている。3棟にわたって旅行、デザイン、ビジネス、人文、料理、暮らし、スポーツ・アウトドア、キッズ(児童書)の7ジャンルが展開され、雑誌好き、本好きにはたまらない空間だ。さらにそこから枝分かれするように、それぞれの書籍の棚が配置されているのがおもしろい」
http://top.tsite.jp/news/i/21064520/
「湘南T-SITE」は出版物だけを売っていたのでは書店がビジネスとして成立しない時代になったことを象徴しているように思えてならない。アマゾンがそうであるように。

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2)【本日の一行情報】

講談社は、少女マンガ誌「なかよし」の60周年を記念して、同誌の人気作品だった「カードキャプターさくら」をテーマにしたプロジェクトの一環として、「完全復刻版 CLAMP描きおろしクロウカードセット」「完全復刻版 クロウカードフォーチュンブック」を2015年1月29日より書店で発売する。
http://www.j-cast.com/trend/2014/12/22222313.html

◎2015年は「映画ドラえもん」が35周年を迎える。1月31日より、神保町シアターで「ドラえもん映画祭2015」が35日間にわたって開催される。
http://cinema.pia.co.jp/news/4785/60759/

MMD研究所の「2014年スマートフォンアプリ/コンテンツに関する調査」によれば、1日のうち1時間未満スマートフォン接触している人が49.8%。SNS利用率の第1位はLINE、第2位はFacebook、第3位はTwitter。ニュースアプリの利用率は第1位「Yahoo!ニュース」、第2位「SmartNews」、第3位「LINE NEWS」。
https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1381.html

◎LINEの代表取締役CEOには出澤剛代表取締役COOが昇格する。出澤は言ってみればライブドアのプロパーだ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1412/22/news141.html

アーセナルツイッターのフォロワー数が500万人を突破した。これで世界的にはレアル・マドリードバルセロナに次いで第3位だそうだ。SNSはマスメディアの概念を変えようとしているのかもしれない。
http://jp.reuters.com/article/sportsNews/idJPKBN0K102X20141223

博報堂と株式会社博報堂プロダクツ、スマホVRサービスを手掛けるハコスコは、注目の高まるVRVirtual Reality)を、企業のマーケティングに活用するソリューション開発を共同で開始する。共同開発の第1弾として、ハコスコが提供しているダンボール製ビューワー「ハコスコ」と個人のスマートフォンを活用した、VR体験ソリューションを提供する。
http://www.hakuhodo.co.jp/archives/newsrelease/19826

無印良品は「自分マーケティング」でヒットを飛ばしているようだ。
http://blogos.com/article/101950/
私はこう問いたい。雑誌編集者は自分マーケティングをしているのか?

◎読売新聞は20日付朝刊で、広告企画「妖怪新聞 誕生の秘密だニャン!」を実施。協賛はグリコ、花王サントリーauダイハツ日本生命LIXIL住宅研究所の8社で、1社ごとにカラー全ページを使った計8ページの大型企画だった。
http://dentsu-ho.com/articles/2030

◎やや古い話だが、産経新聞誤報を「GoHoo」が取り上げている。5月20日付朝刊に掲載された連載記事「歴史戦」について、「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動」などが、8月6日付で産経新聞社に訂正要求書を送付。9月19日付朝刊で記事の一部を訂正している。
http://gohoo.org/14122201/
訂正記事自体、とても小さいものだが、ここでお詫びは一切していない。朝日新聞慰安婦検証でもそうであったが、新聞社は、右から左まで「謝罪」は必要ないと考えているのだろうか。

◎「週刊少年マガジン」の創刊55周年を記念して6月27日から9月4日まで実施したチャリティ企画「きふよみ!」は、同誌連載作品の電子書籍が、電子書店で有料・無料問わず1冊ダウンロードされるたびに、55周年にちなみ55銭(0.55円)を岩手県福島県宮城県東日本大震災義援金受付に寄付するという企画だったが、1,913,367円が寄付された。期間中のダウンロード数は3,478,848であった。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000549.000001719.html

◎「美味しんぼ」の単行本111巻「福島の真実編(下)」が刊行された。雑誌掲載時とは、例の鼻血問題も含めて「セリフ」に変更が加えられている。「おたぽる」が、どう変わったのか検証している。
http://otapol.jp/2014/12/post-2171.html

パピレスは、フルボイス版「コミックシアター」の配信を「電子貸本Renta!」で開始した。「コミックシアター」はデジタルならではの演出を付加し、従来の漫画を動画コンテンツとして進化させたものだが、フルボイス版は、更に声優によるキャラクターのセリフ音声やBGM、効果音などを加えている。第一弾として選ばれたのは、現在まで累計売上数が300万ダウンロードを突破している「嘘!アイツが私の旦那様!?〜目覚めたら10年後の未来〜」だ。
http://www.papy.co.jp/info/index.php?page=/release/141222.htm

講談社が1月5日に何かやってくれそうだ。謎のティザーサイトをオープンした。「マガジン」ブランドのキャラクターが揃っているだけに「少年ジャンブ+」に対抗する「何か」であると私は期待している。電子コミックの世界は紙と連動しながら熱く盛り上がっている。
http://567.kodansha.co.jp/
こういう盛り上げ方は、これからデジタル戦略を本格化しようと考えている総ての雑誌が見習うべきだ。デジタル戦略はマンガ誌に学べ!である。

◎「週刊少年マガジン」で連載され、テレビアニメ化もされた「七つの大罪」のキャラスポットが2月から東京、大阪、広島で、期間限定でオープンする。
http://animeanime.jp/article/2014/12/24/21346.html

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3)【深夜の誌人語録】

義務は強制されるものではない。義務は権利を獲得するために自ら課すものである。