【文徒】2015年(平成27)3月16日(第3巻49号・通巻494号)

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1)【記事】「ViVi」4月号「プロ彼女」特集についてネットで炎上
2)【記事】竹書房も懸賞でインチキをしていた!
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2015.3.16 Shuppanjin

1)【記事】「ViVi」4月号「プロ彼女」特集についてネットで炎上

「ViVi」4月号が「プロ彼女」を特集しているけれど、これが決して少なからぬ女性を敵に回してネットで炎上しているようだ。「BUZZAP!」は、次のように書いている。
「例えば『彼に作る料理は…』という項目ではフツウの彼女が『簡単洋食メニュー』を作る一方でプロ彼女は『常に10品以上の和食』という、とんでもないスペックを要求されます。さらに『彼とのデートでは…』では『彼に荷物をもたせる』フツウの彼女に対して『彼の三歩後ろを歩く』など、完全に男性目線で男性に尽くす女性として描かれています。
極めつけは『彼が浮気をしたら…』なのですが、『メチャクチャ怒る』フツウの彼女に対してプロ彼女は「『帰ってきてくれたらいい』と許す」などとどう考えても都合のいい女でしかありません」
http://news.livedoor.com/article/detail/9880032/
「プロ彼女」とは、コンサバ男子の理想像のようなものだが、これに女性が大反発をして炎上しているというわけだ。いや、怒っているのは女性ばかりではない。怒っている男性も少なくはないようだ。
ツイッターで「プロ彼女」と検索してみると「彼と歩くときフツーの彼女は手をつないで一緒に歩く、プロ彼女は三歩下がってついていくって、いつの時代の話だよ。戦前教育をしようってことか? だんだん腹が立ってきた」(蔵前仁一)といったツイートで溢れかえっている。
https://twitter.com/Jinichi_Kuramae/status/576278738511380480
http://togetter.com/li/793730
「プロ彼女」という言い方はエッセイストの能町みね子が最初に用いたようだが、その能町にしてからが「ViVi」に対して次のように怒っているではないか!
「男尊女卑で今時ありえない&プロ彼女ってそういうんじゃないだろうとちょっと話題になってる某女性誌の『プロ彼女ならこうする!』の特集ですが、私は取材依頼を断った経緯があります。こういうことをいうのは反則だと思うけど、ああいう取り上げ方は良くないと思うので、言いました→」
https://twitter.com/nmcmnc/status/575614034751311873
「→『プロ彼女』は皮肉や嘲笑も込めた言葉だと知った上で取り上げたいので話を聞かせてほしい、と依頼があったんですけど、私はあの言葉を番組以外で広める気がないので断りました。皮肉だと知っててあんな取り上げ方をするなんて馬鹿げてるし、あんな形でまとめるつもりだったなら断ってよかったです」
https://twitter.com/nmcmnc/status/575614903030972416
「たかだか女性誌の一記事とはいえ、自分が言い出した言葉のせいで『レベルの高い男をつかまえるためには→料理にダメ出しされたら素直に作り直そう!』なんて記事ができたとしたらちょっと冗談で流せないよ。やんなるね」
https://twitter.com/nmcmnc/status/575615712380628992
「いま確認してみたら、『プロ彼女』について取材希望メールをくれた某誌編集の人、私が送った『申し訳ありませんがお断りします。言葉については何の権利もありませんので使ってもかまいませんが』という内容のメールに対して返信くれてない」
https://twitter.com/nmcmnc/status/575683505050406913
「忙しくてもふつうは了解しましたとかなんとか2行くらいでもメールくれますよねえ、無視はないよねって思いました」
https://twitter.com/nmcmnc/status/575685417753706496
「ViVi」の特集をよく読めば、「ViVi」のスタンスが必ずしも「プロ彼女」礼賛でないこともわかるのだが、ソーシャルメディア上では、そうした「仕掛け」があることをスルーされてしまっていることも付記しておかねばなるまい。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/soichiromatsutani/20150313-00043797/

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2)【記事】竹書房も懸賞でインチキをしていた!

竹書房秋田書店につづき景品表示法違反がわかった。消費者庁は、再発防止を求める措置命令を出した。表示上の当選者1368人に対し、実際の当選者は327人に過ぎなかった。各雑誌での不正は2013年9月号までなので、2013年に秋田書店の一件で慌ててやめたようだ!
<弊社は、弊社発行の漫画雑誌『まんがライフ』、『まんがくらぶ』、『まんがライフオリジナル』、『まんがくらぶオリジナル』、『本当にあったゆかいな話』、『本当にあったゆかいな話 芸能ズキュン!』及び『まんがライフMOMO』(以下「本件商品」という。)を書店等を通じて一般消費者に販売するに当たり、例えば、平成24年8月4日発売の「まんがくらぶ2012年9月号」の誌面上で実施した「お疲れサマー!リフレッシュプレゼント★」と称する懸賞企画において、「(2) iPodShuffle+iTunesカード3000円分 夏を記録しよう♪ 3名様」、「(3) 超音波美顔器 お肌のお手入れを! 3名様」、「(4) 保温弁当箱 持ち運びトート付き☆ 5名様」、「(5) ジェット歯間ブラシ 清潔な歯を! 3名様」と記載するなど、あたかも、本件商品の誌面上で実施した懸賞企画においてはそれぞれの景品類について誌面上に記載された当選者数と同数の景品類が提供されるかのように表示していました。
しかし、実際には、本件商品の誌面上で実施した懸賞企画においては誌面上で記載された当選者数を下回る数の景品類の提供を行っていました。
これらの表示は、本件商品の取引に関し本件商品の取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であり、景品表示法の規定に違反するものでした>
社内調査で不正が発覚したことから、元従業員の告発によって不正が発覚した秋田書店よりマシだという指摘もあるが、こんなことをやっていると、雑誌は、ますます大衆から信用されなくなってしまうこともまた間違いあるまい。悪貨は良貨を駆逐するのである。
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/150313premiums_1.pdf
http://www.takeshobo.co.jp/apology
http://irorio.jp/agatasei/20150313/213480/

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2)【本日の一行情報】

講談社のデジタルメディア「現代ビジネス」の最高技術責任者(CTO)に19歳のTehuが就任した。
「Tehu氏は灘中学校在学時に開発したiPhoneアプリ『健康計算機』が、iTunes App Storeの世界総合ランキングで最高3位にランクインし一躍有名に。現在は複数の映像作品やイベント・事業の企画にクリエイティブディレクターとして活躍、プログラミング・デザインや映像制作も自ら行い、アーティストのコンサート演出なども手がけている」
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000598.000001719.html
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42385
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42388
最近の講談社、デジタル絡みでの話題が多くなった。

◎「ミキハウス」と白泉社育児雑誌「kodomoe」が「絵本プロジェクト」を始動させた。子どもたちが大好きなシーンが連なった台紙と思い思いに重ね貼りしてカスタマイズしていける シールがセットになった「世界にひとつの絵本が作れるシールブック絵本(仮)」を作るそうだ。
http://www.dreamnews.jp/press/0000108997/
http://www.kodomoe.net/

朝日新聞の三浦英之アフリカ特派員が連続ツイートで曽野綾子を批判している。産経新聞についても次のように批判。
産経新聞は『意見の一つとして掲載した』と釈明するが、例えば慰安婦問題で朝日新聞が同様の釈明をしたら、産経新聞は『そうだね』と頷いただろうか。もしチェック機能が働かなかったのだとしたら、問題の根を突き止めきちんと謝罪すべきだと私は思う」
https://twitter.com/miura_hideyuki
http://togetter.com/li/794659
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/576402353462480898/photo/1

イーブックイニシアティブジャパンが2015年1月期決算は売上高51億円(前期比23.4%増)、営業利益3.1億円(同30.4%減)、経常利益3.1億円(同25.9%減)、当期純利益1.8億円。電子書籍事業が大きく数字を伸ばしたが、人員採用や販促のためのポイント付与、新規会員獲得のための広告宣伝などで経費も増加し、これが利益面を直撃し、大増収大減益の決算となった。
http://zuuonline.com/archives/48819

イーブックイニシアティブジャパンオンライン書店を運営するブークスを買収した。
http://www.nikkan.co.jp/newrls/pdf/20150312-23.pdf

講談社は「進撃の巨人」(諫山創)第1巻の関西弁版を各電子書店を通じて無料でリリースした。これはウケる!
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1503/13/news050.html

集英社が運営するファッション通販サイト「FLAG SHOP」とKDDIは、双方のユーザーにおトクにスマホや洋服を購入できる「au×集英社FLAG SHOP 春のファッションスペシャルウィーク♪」キャンペーンを実施している。
http://flagshop.jp/fs/shop/pages/fscts743.aspx?id=ex150312brfs743

電通は、ギリシャのデジタルエージェンシーである「Mindworks S.A.」の株式80%の取得することで合意した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/0312-003993.html

講談社が昨年7月に小説投稿サイトのエブリスタと組んでスタートさせたスマホ向け無料アプリ「小説マガジン エイジ」のダウンロード数が8万を達成。読売新聞は次のように書いている。
「紙の書籍の販売につながった例には、2013年に文庫化された加藤元さんの短編集『嫁の遺言』がある。売れ行きが止まる中で収録7作のうち3作を掲載したところ、昨年8月と12月に2000部ずつ増刷に。一部を掲載した石田さんの短編集『sex』も、電子書籍販売が好調という」
原稿用紙15枚くらいから接触率が落ちると石田衣良が重要な指摘をしている。
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20150306-OYT8T50141.html

オカヤドが「月刊COMICリュウ」(徳間書店)で連載する「モンスター娘のいる日常」はコミックスの累計発行部数が150万部を突破しているが、遂にテレビアニメ化が決定した。3月21日、22日に東京ビッグサイトで開催されるイベント「AnimeJapan 2015」にも出展する。
http://monmusu.tv/
http://animeanime.jp/article/2015/03/13/22323.html

◎静岡の戸田書店西郷店では横浜のアジア雑貨店「ASUWA」とのコラボ企画で 「アジア雑貨フェア」開催中。
https://twitter.com/toda_saigo/status/576934778835849216
書店は出版物以外の商品も積極的に手がけつつある。出版物だけでは利益を上げられないからだろう。今後、専業書店から兼業書店へ移行する書店が増えるはずだ。

◎ちきりんの「マーケット感覚を身につけよう『これから何が売れるのか?』わかる人になる5つの方法」(ダイヤモンド社)によれば「変わることを拒否するモノは、替えられてしまう」のである。雑誌編集者は、この言葉をよ〜く噛みしめたい。
http://dentsu-ho.com/articles/2296

◎リテラによれば産経新聞には「ほぼ10日に1回は幸福の科学関連の広告が掲載されている状態だ」という。新興宗教団体は新聞広告が昔から好きである。
http://lite-ra.com/2015/03/post-937.html

◎「少年ジャンプ+」は、ジャンプコミックス電子版の有料配信を開始した。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1503/13/news094.html

里中満智子「天上の虹」第23巻=最終刊(講談社)が発売された。持統天皇を描く大河マンガが30年をかけて遂に完結した。
http://kisscomic.com/news150225.html

デジタルカタパルトが運営する「ソク読み」で、双葉社秋田書店の合同フェア「漫画アクション×ヤングチャンピオン〜雑誌コラボ記念キャンペーン〜」がスタートした。「ソク読み」では双葉社秋田書店の対象作品を毎週金曜入れ替えで半額配信、 また「漫画アクション」と「ヤングチャンピオン」の全作品をポイント20倍で提供する。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1503/14/news008.html

白泉社は、無料WEBコミックマガジン「ヤングアニマルDensi」で、マンガ「誰がために 〜黒田博樹物語〜」を配信している。今年の広島は熱い?
http://cyclestyle.net/article/2015/03/13/20554.html

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3)【深夜の誌人語録】

どんな思いも思っているだけでは他人に伝わらないものだ。