【文徒】2015年(平成27)3月13日(第3巻48号・通巻493号)

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1)【記事】小学館『大人の逸品 The selection』創刊。発表会&記者懇談会を開催
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】小学館『大人の逸品 The selection』創刊。発表会&記者懇談会を開催

近頃ではすっかり珍しくなった「新刊発表会」に昨日参加した。会場は神保町の小学館仮本社9階の会議室。集まった記者がテーブルを囲み、編集長と至近距離での懇談形式でやりとりするというささやかなものだったが、むしろこのほうが今回の新刊の佇まいに相応しいなとも思えた。『サライ』『BE-PAL』『DIME』特別編集版として明日3月14日に発行される男性向けムック『大人の逸品 The Selection』だ。
『大人の逸品』は小学館のライフスタイル誌編集局が上記3誌と連動させる形で行っている通販事業のブランドだ。『サライ』『BE-PAL』に毎号6ページ、『DIME』に同4ページが設けられている通販連載ともリンクしつつ、各誌を通じて『大人の逸品』通販付録版、いわゆる「マガジンインマガジン」を年に4〜5回発行。さらにはそこから獲得した顧客向けに同「DM版」を年6回(奇数月発行)、毎号15万部送付する。
一般的に雑誌の通販といえば隣の集英社がそうであるように女性向け、アパレル関連主体とのイメージがあるが、小学館の場合は上記3誌発行元であるライフスタイル誌局が系列の小学館集英社プロダクションと共同で運営。男性誌が母体ということもあり顧客の72%は男性、かつ平均年齢は57歳と、経済的にゆとりのあるシニア層をターゲットに展開しているところが他にない特長だ。
「4年前には年間約7億円だった売り上げが、昨年度決算では約15億円と倍増しています」
テーブル上に見本誌や媒体資料のほかにケーキがふるまわれるという、まったりムードの会議室で、『大人の逸品』編集長を務める廣田晋氏(48歳)は物腰も穏やかに語った。平成元年に入社して以来『テレパル』『DIME』などライフスタイル誌の編集を中心に手掛けてきたが、通販事業には今はなき『ラピタ』にて90年代後半より読者サービスの一環として取り組んだのが最初。
「当初はビジネスと呼べる規模ではありませんでした。また、小学館で通販を手掛けているのもずっと私一人だったんです」
現在でも物流などについては小学館集英社プロダクションを通じて行っており、担当スタッフの6名も廣田氏以外の5名は小集プロ所属のバイヤーという小世帯だ。とはいえそうした「ビジネスとも呼べない」規模だった通販事業がその後はぐんぐん成長。4年前には黒字に転換し、さらにそこから現在までに売上高が倍増というのだから、近頃の出版業界では数少ない明るい話題だ
「もとよりアマゾンや楽天に勝てないことはわかっていますし、こちらはあくまで“街のセレクトショップ”として独自性を打ち出す形でやってきました」と廣田氏は言う。
実際その掲載商品のラインナップは独特だ。例えば今回の『The Selection』の巻頭特集はシニア層に根強い人気を誇る吉田カバンとのタイアップ企画。『サライ』などのブランドを見込んだ同社との間ではオリジナルブランドを企画のうえ通販で売り出すなど良好な取引関係が生まれており、今回の創刊号ではマイクロソフトのノートPC新機種「サーフェス」とも組む形で『大人の逸品』編集部と吉田カバンの共同制作による12インチPCケースも大きな売り物だ。
また、カメラの有名ブランドであるライカから出品・掲載されている「ライカM-E コンプリートキット」は何と税込み価格93万9600円! およそ他の通販雑誌では考えられない品揃えだ。
ライフスタイル誌編集局の通販事業部もウェブサイトによる展開の比重が多くなっており、特に『DIME』などは今やほぼ100%近くがウェブにシフトしているという。そうした中で敢えて紙媒体の「創刊」に踏み切ったのは「ライフスタイル誌編集局の媒体は今でも紙との親和性が強いですし、何より書店さんの売り上げにもつながります」(海老原高明取締役)との狙いによる。通販を軸に、ウェブだけではなく従来からの紙媒体における広告・販売ビジネスをも再び活性化されたいとの期待も込められているようだ。なお、『The Selection』の第2号は今秋に発売が予定されている。(岩本太郎)

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2)【本日の一行情報】

インフォレストの倒産により休刊に追い込まれていた「小悪魔ageha」が4月18日に復刊することになった。発売元となるのはネコ・パブリッシング。当面は隔月で刊行し、月刊を目指すという。ギャル系雑誌が次々に店じまいするなかで、果たして「小悪魔ageha」は目論見通り、月刊にたどり着けるのかどうか。
http://k-ageha.jp/2015/03/10/%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%94%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b9/%e4%bc%9d%e8%aa%ac%e3%81%ae%e3%82%ae%e3%83%a3%e3%83%ab%e8%aa%8c%e3%80%8c%e5%b0%8f%e6%82%aa%e9%ad%94ageha%e3%80%8d%e3%81%8c4%e6%9c%8818%e6%97%a5%e3%81%ab%e5%a0%82%e3%80%85%e5%be%a9%e5%88%8a%ef%bc%81/

◎「作りおきで毎日おいしい!NYスタイルのジャーサラダレシピ」(世界文化社)とハンバーガーカフェ「J.S.BURGERS CAFE」がコラボし、りんひろこ監修レシピで3種類のジャーサラダが「J.S.BURGERS CAFE」に登場した。
http://getnews.jp/archives/856846
http://blog.baycrews.co.jp/js-burgers/?p=10151&_ga=1.230495583.2112655188.1426055326

ユニクロ×集英社による「親子deUNIQLO」ベストコーデ大賞の参加者を募集している。受賞者は、「LEE」6月号の誌面でユニクロのモデルとして登場できる。
http://hpplus.jp/lee/clip/2093753/

◎「週刊少年ジャンプ」関連のグッズを取扱う集英社のオフィシャルショップ「ジャンプショップ広島店」がオープンした。これで10店舗となる。
http://hiroshima.keizai.biz/headline/2055/
http://www.shonenjump.com/j/jumpshop/store_hiroshima.html
倉敷でも廣文館は「ジャンプショップ」とタッグを組む。廣文館アリオ倉敷店のオープンは3月20日だ。
http://www.shonenjump.com/j/jumpshop/store_kurashiki.html

◎駒村康平の「中間層消滅」。「角川SSC新書」ではなく「角川oneテーマ21」と一本化して「角川新書」と言うようになったのか。
http://www.kadokawa.co.jp/product/301411000789/

BIGLOBEは、「小学館ランダムハウス英和大辞典」アプリのiPhone/iPad版及びAndroid(TM)版をリリース。15,552円(税込)で販売されている紙版の「小学館ランダムハウス英和大辞典第2版」と同内容を収録している。発売記念セール期間は、3,800円(税込)で提供する。
http://www.biglobe.co.jp/pressroom/info/2015/03/150311-1

小学館女性社員オススメ!神保町のおいしい「カレー」ランキングBEST3は、第1位がボンディの「ビーフカレー」、第2位がエチオピアの「野菜カリー」、第3位がマンダラの「チキンバターマサラ」となっているが、私からすれば異議ありだ。私であれば第3位がまんてんの全部のせカレー、第2位でボンティかな、で第1位は共栄堂のポークカレーだ。二日酔いに最も効くのは、まんてんのカレーだよ。
http://www.womaninsight.jp/archives/122471
まんてんの全部のせはコレ。
http://tabelog.com/tokyo/A1310/A131003/13000603/

◎米バーンズ・アンド・ノーブルの2014年11月〜15年1月期の決算は、純利益が前年同期比14%増!
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK11H0I_R10C15A3000000/

◎昨年、東京で開催された「わたしのマーガレット展 〜マーガレット・別冊マーガレット 少女まんがの半世紀〜」が北九州市漫画ミュージアムでも開催される。
http://asianbeat.com/ja/feature/daily_topics/943.html

◎「フィガロジャポン」創刊25周年記念イベント「Bon Voyage」が3月28日(土)と29日(日)の両日、表参道ヒルズ 本館 B3F スペース オーで開催される。
http://madamefigaro.jp/25th/event/
TBSブリタニカで創刊され、阪急コミュニケーションズを経て、現在の版元はCCCメディアハウスである。

佐藤秀峰の佐藤漫画製作所が運営する無料投稿サイト「漫画 on Web」は4月1日、Web雑誌「マンガ on ウェブ」を創刊する。価格は324円(税別)。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1503/11/news033.html

◎「cocosquare」で知られるトライバルメディアハウスとオレンジページは、読者と企業をつなぐ共創マーケティングプラットフォーム「オレンジページサロンWEB by くらし予報」を開設した。トライバルメディアハウスは石黒不二代のネットイヤーグループに属する。
https://orangepage.cocosq.jp/tops
http://www.netyear.net/news/press/20150310.html

◎動画やゲームのオンデマンドに慣れ親しんでしまった視聴者はテレビ局側の都合には合わせてくれなくなった。その通りだと思う。同じようにインターネットに慣れ親しんでしまった読者も雑誌の都合に合わせてくれなくなってしまったのである。マスメディアの垂直軸で一方通行の論理が崩壊過程にあるのである。マスメディアといえども水平軸で双方向のソーシャルメディアの論理にいかにして舵を切るかが問われているのだ。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42421

◎スタートトゥデイは、LINEにおいて、「LINE ビジネスコネクト」を活用した、ファッションショッピングサイト「ZOZOTOWN」の公式アカウントを2015年3月17日(火)より開設する。これによりZOZOTOWN公式アカウントを友だち登録し、LINEアカウントとZOZO IDを連携すると、これまでメールマガジンやサイト内で通知していた「お気に入り」登録アイテムのセールや在庫情報など、ユーザー一人ひとりに合った情報を、公式アカウントから通知されることになる。「ZOZOTOWN」の決済方法に「LINE Pay」が加わることにもなる。
http://www.starttoday.jp/wp-content/uploads/2015/03/ReleaseZOZOLINE20150310.pdf

◎「第9地区」「エリジウム」のニール・ブロムカンプ監督による人工知能搭載兵器ロボットを主役に据えた「チャッピー」が世界的に大ヒット。日本では5月23日(土)より公開される。
http://news.aol.jp/2015/03/11/chappie/?ncid=jpGsNW
http://www.chappie-movie.jp/

◎モデル・梨花のライフスタイルブック「MY NAME IS…RINKA AtoZ DICTIONARY」(マガジンハウス)が売れている。
http://www.narinari.com/Nd/20150330500.html

セブン&アイ出版はスタンダードマガジンと女性誌「ビーズアップ」の発行発売について業務提携を結んだ。
http://www.7andi-pub.co.jp/topics/detail/20150310_01.html
セブン&アイ出版はまたモール・オブ・ティーヴィー、ジャック・インベストメントとも、女性ファッション誌「Soup」の発行発売について業務提携を結んだ。
http://www.7andi-pub.co.jp/topics/detail/20150311_01.html
雑誌の販売市場が縮小するなかで、いわば販売のプラットフォームづくりを目指した業務提携は増えるのかもしれない。

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3)【深夜の誌人語録】

失敗したならば、それは進歩に向けて第一歩を踏み出したことになる。成功したならば完全な成功などないことに気がつくべきだ。