「打倒!アマゾン」から転向し、アマゾンに尻尾を振ったKADOKAWA

ADOKAWAは社内カンパニー制を廃止したことで、更なるリストラに突き進むことになるだろうと私も予想している。
http://otapol.jp/2015/04/post-2818.html
もし私が現在、KADOKAWAの社員であれば、かつて佐藤辰男がそうしたように「同志」を募って、別会社を設立するけどね。KADOKAWAの株価に振り回される経営は、やがて焦土をもたらすことになるはずだ。いずれにせよ、KADOKAWAの市中在庫は、とんでもない状態になっているのは間違いあるまい。
ADOKAWAは今後、リストラとともに、出版業界に大混乱をもたらすような、なりふり構わない施策を次々に打ってくるものと思われる。その幕開けがアマゾンとの直取引の開始だといって良いだろう。日経は「角川が発行するすべての書籍や雑誌が直接取引の対象」と書いている。
ADOKAWAからすれば物流コストを圧縮できるし、アマゾンもまた仕入のコストカットを実現できる。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ21HPG_R20C15A4MM8000/
しかし、角川歴彦は2013年の第20回東京国際ブックフェアの基調報告で「打倒!アマゾン」を唱えていた「攘夷派」であったはずである。何しろ次のような文章を「アスキークラウド」の澁野義一に書かせていたほどである。
「角川会長は『Amazonが大きくなるに任せてしまったのは、出版業界に問題があったから』と断言する。旧来の制度が、内側からのイノベーションを妨げていたが、今後は出版業界全体がひとつになって『黒船』に対応していく必要があるというのだ」
「角川会長は『Amazon.comができることは、出版業界がひとつになってやらないといけない』と指摘する。『余生をかけて出版業界のルールを変える活動をする』(角川会長)。日本が培ってきた豊かな出版文化を守り育むための戦いの始まりだ」
http://ascii.jp/elem/000/000/804/804815/
ADOKAWAは「打倒!アマゾン」どころか、アマゾンに尻尾を振って、直取引を始めてしまったのである。しかも「抜け駆け」である。
実は、角川歴彦に「Amazon.comができることは、出版業界がひとつになってやらないといけない」などという「志」は微塵もなかったのである。口から出まかせを言ったに過ぎなかった。これほど無責任な出版人は、過去、この業界にいたであろうか。KADOKAWAはユダたることを選択したのである。
気をつけるべきは中小の版元であろう。恐らく、KADOKAWAは取次を外したアマゾンとの直取引を実現したことで、再販制をなし崩し的に瓦解させるような暴挙に必ずや出て来るものと私は予想している(最初は時限再販を利用しながら)。
後世、日本の出版業界をひとつにできなかった戦犯はKADOKAWAであると語り継がれることになるだろう。角川歴彦よ、恥を知れ!今は他の大手出版社がKADOKAWAにつづかないことを願うばかりである。
いずれにせよ、アマゾンは大阪屋を傘下に収めた楽天をせせら笑っているに違いない。