【文徒】2015年(平成27)4月9日(第3巻67号・通巻512号)

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1)【記事】クックパッドイーブックイニシアティブジャパン筆頭株主に!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】クックパッドイーブックイニシアティブジャパン筆頭株主に!

暮しの手帖」(暮しの手帖社)の編集長を9年間務めた松浦弥太郎が4月1日付でクックパッドに入社したことも私たちを驚かせはした。「暮しの手帖」の編集長がマガジンハウスに入るというのであれば別に驚きもしないが、クックパッドに入社するとは、時代は変わったのである。むしろ、生活実用を看板に掲げる出版社こそ松浦に食指を動かすべきなのだが、そのような発想を持てないのだろう。
http://www.excite.co.jp/News/it_g/20150403/Itmedia_news_20150403072.html
このニュースの熱気が冷めないうちに、またしてもクックパッドがやってくれたのだ!何とイーブックイニシアティブジャパンと資本・業務提携するという。イーブックイニシアティブジャパンの第三者割当増資を引き受け、23日付で発行済み株式の約10%を保有するそうだ。出資額は5億円。これによりクックパッドイーブックイニシアティブジャパン筆頭株主となり、クックパッド代表執行役の穐田誉輝氏はイーブックイニシアティブジャパン社外取締役に就任する。
「IT mediaニュース」は、次のように書いている。
「イーブックは、クックパッド傘下で漫画家・作家向け配信プラットフオームを手がけるマグネットと共同で制作・配信システムを開発するほか、開発したシステムを『eBookJapan』へ転用する。イーブックによるマグネットへの資本参加も検討する。クックパッドから女性向けマーケティングのノウハウの提供を受け、新規ユーザーの取り込みにもつなげる」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1504/07/news129.html

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2)【本日の一行情報】

◎アマゾンは「フランス書院文庫オールタイムベスト100」をキンドルから無料で配信している。こういう企画は有り難い。こういうところがアマゾンにあって楽天にないサービスである。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1504/07/news034.html

講談社は「松田優作DVDマガジン」を2015年5月26日(火)に創刊。テレビの「探偵物語」が収録されているのは嬉しい。長谷部安春村川透、澤田幸弘、加藤彰、西村潔らが監督をつとめていた。コンプリート版というのだから、工藤栄一の傑作「ヨコハマBJブルース」も、当然、入っているんだろうな。これに村川透の「最も危険な遊戯」、鈴木清順の「陽炎座」が私にとってのベスト3。主役じゃなかったけれど黒木和雄の「竜馬暗殺」の松田も良かった。
http://ym.kodansha.co.jp/

スターツ出版が通勤中や就寝前のちょっとした時間に楽しめる電子書籍レーベル「マカロン文庫」を創刊。
http://www.berrys-cafe.jp/pc/static/books/lineup/ebooks/lineup.html

◎文芸誌「メフィスト」(講談社)が電子版の配信を開始した。
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062194426&_ga=1.103221952.1780081469.1428470046

◎日本のDropboxのユーザー数が約1000万に到達。私も使っているくらいだもの。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1504/07/news073.html

◎宝島社は「このWeb小説がすごい!」のアンケートを開始。「この〜がすごい」は宝島社のお家芸である。
https://ssl.tkj.jp/f/webnovel2016/

白泉社Webコミックサイト「花とゆめonline」と「LaLaメロディonline」を合体させ、新たに「花LaLa online」としてスタートした。少女マンガ誌「花とゆめ」「別冊花とゆめ」「LaLa」「メロディ」が合同で運営する。Android向けアプリも提供している。
http://www.hanayumeonline.com/
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1504/06/news116.html

ドワンゴスマホ向けのニュースサービス「LDR Pocket」をリリースした。「スマートニュース」にソックリだ。
http://dmm-news.com/article/938633/

ツイッターは、他のユーザーのツイートを引用する際に、元のツイートの文字数に関係なく、別途、116文字までのコメントを付けられる機能を追加した。これは便利になる。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20150407_696556.html

◎第46回大宅壮一ノンフィクション賞は須田桃子の「捏造の科学者 STAP細胞事件」(文藝春秋)に決定した。須田は毎日新聞科学環境部記者だ。
http://mainichi.jp/select/news/20150408k0000m040049000c.html

◎「ふなっしー」を「専属モデル」に起用したことで「AneCan」(小学館)が色々と言われている。
http://blog.livedoor.jp/idolover/archives/44152252.html

本屋大賞は、上橋菜穂子の「鹿の王」(KADOKAWA)に決定。「いちばん!売りたい本」という惹句は降ろしてもらいたい。ここのところ本屋大賞は「売りたい本」というよりも、「いちばん」ではないにせよ、すでに「売れている本」に贈られている。「鹿の王」が小説としてダメだと言っているのではない。書店員としての「目利き」が問われないような選考に私は疑問を感じているだけである。
http://www.hontai.or.jp/
私が書店員であれば、この候補作のなかから、どうしても選べというのであれば、自衛官を主人公に据えた月村了衛の「土漠の花」に一票を入れたことだろう。

◎「週刊実話」がペリリュー島から奇跡的に生還した山口永元少尉(94)、永井敬司元軍曹(94)の二人を取り上げている。
http://wjn.jp/article/detail/5817863/
http://wjn.jp/article/detail/5866993/
http://wjn.jp/article/detail/6503176/

小学館は無料のニュースアプリ「newnews」のアンドロイド版もリリースした。「NEWSポストセブン」との連携を何故に考えないのだろうか。
http://newnews.jp/

◎「文學界」5月号の総力特集「映画の狂宴」は読まなくちゃ!蓮實重彦青山真治阿部和重の鼎談があるんだもの。
http://www.bunshun.co.jp/mag/bungakukai/

◎メディアドゥは、2015年2月期の連結決算を発表。売上高が前期比45.6%増の80億7400万円、営業利益が同63.7%増の4億1300万円、経常利益が同81.0%増の4億1300万円、最終利益が同36.0%増の2億3900万円。大幅な増収増益を達成したが、電子書籍ビジネスのパイはまだまだ小さいことを物語っている数字でもある。
http://gamebiz.jp/?p=142365

エムティーアイが運営するスマートフォンタブレット向け電子書籍読み放題サイト「yomel.jp」は、小説や実用書などに加え、4月8日よりコミックを配信、5月中旬より雑誌の配信を開始する。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000257.000002943.html
エムティーアイは今や東証一部に上場されている。
http://www.mti.co.jp/?p=20301

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3)【深夜の誌人語録】

常に考えつづけているのであれば、「これから考えます」という類の言い訳は必要ない。