【文徒】2015年(平成27)4月16日(第3巻72号・通巻517号)

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1)【記事】DNPとトゥ・ディファクトの「読割50」は、紙の本を買うと電子書籍が半額になる
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】DNPとトゥ・ディファクトの「読割50」は、紙の本を買うと電子書籍が半額になる

大日本印刷と、DNPグループのトゥ・ディファクトは、紙の書籍を購入すると同じ電子書籍商品を50%オフで購入できるサービス「紙書籍購入で電子書籍の読書機会を提供するサービス 読割50」をスタートさせた。
具体的に言うと、hontoサイトのネット通販や、丸善ジュンク堂書店文教堂のhontoポイントサービスを実施している書店でhontoカードを提示して紙の書籍を購入すると、hontoサイトで販売している同一商品の電子書籍を50%オフで購入できるようになった。
このサービスの対象となるのは、hontoサイトおよびhontoポイントサービス実施書店で販売している紙の書籍(ポイント対象商品)のうち、電子書籍版がある商品(紙の書籍と電子書籍のISBNコードが一致する商品。一部対象外)。紙の書籍購入時に対象の電子書籍がなく、後日電子書籍が発売されて読割50の対象となった商品。
サービス提供には、紙の本購入から5年間以内(購入時に電子版が発売されていないものは、電子版発売から5年間以内)という期限がある。
http://www.dnp.co.jp/news/10109212_2482.html
電子書籍ファーストでないところが、このサービスの限界だろう。電子書籍は価格破壊を必然的にもたらすが、その文明的な宿命に抗うのでなく、ブレイクポイント一の一番先に乗っているのがアマゾンであることろが、悩ましく悔しいところだ。

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2)【本日の一行情報】

◎「ポケットコンシェルジュ」を運営するポケットメニューは、文藝春秋から発行されている「東京いい店うまい店」とのタイアップ特集ページを公開している。
http://tokyo.pocket-concierge.jp/
http://www.mobilenews.jp/release/39620.html

◎JTBパブリッシングは、MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店と連携して、電子書籍サービス「たびのたね」サイトで取り扱うご当地本を中心とした「『たびのたね』コラボ企画 旅をもっと楽しくしませんか? ご当地本大集合フェア」を実施している。
http://www.jtbpublishing.com/newsrelease/20150409205.pdf

◎国内の出版社と書店を中心に、20の書籍ブースが出展する「写真集飲み会 at VACANT」が4月18日 (土)・19日 (日) の2日間、原宿・VACANTで開催される。出展するのは、Shelf / ナナロク社 / newfave / Rondade / Osiris / twelvebooks / flotsam books / roshin books / 赤々舎 / SO BOOKS / リブロアルテ / 山羊舎 / 二手舎 / IMA concept store / Tycoon books / MATCH and Company Co., Ltd. / 街道 / Book of Days / 代官山 蔦屋書店 / ユカイハンズ / BrewDog。
http://fashionpost.jp/archives/36027
代官山蔦屋書店が参加しているところに注目しよう。ここは本当にブランディングが上手だ。

◎マガジンハウスから「THE STORY OF L'OSIER 最高のレストラン『ロオジエ』最上のおもてなしの秘密」(橋本麻理)が刊行されている。もちろん資生堂ロオジエである。実はマガジンハウスと資生堂のつながりは深い。山名文夫資生堂を支えたデザイナーの一人であり、所謂「資生堂スタイル」を確立したが、マガジンハウスの礎を築いた100万部雑誌「平凡」の題字デザインを手がけているのも山名なのである。
http://openers.jp/article/954706

◎「ダブル・ハード」(集英社)の市原剛と今野直樹のコンビによる「龍帝-DRAGON EMPEROR-」が映画化。監督をつとめるのは原作者の市原剛。沢山のマンガ家がゲスト出演している。どうでも良いことだが撮影監督は今井哲郎。オレんちの長男である。
http://prw.kyodonews.jp/opn/release/201504149372/

◎「小悪魔ageha」が4月18日にいよいよ再デビューを飾る。
http://mdpr.jp/gal/detail/1480437

博報堂は、同社のフィロソフィーである「生活者発想」を体感できるカフェ「HASSO CAFFE with PRONTO」を5月15日(金)より「テラススクエア」(東京都千代田区錦町)」にてオープンする。「テラススクエア」は「神田錦町三丁目共同建替計画」によってできたビルの名称。「テラススクエア」1F・2F 部分は、博報堂旧本館を復元している。
http://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2015/04/20150414.pdf

学研パブリッシングは青文字系ファッション誌「mer」(メル)の2周年記念イベントを、4月25日(土)に丸善 仙台アエル店、4月26日(日)に三省堂書店 札幌店で開催する。
http://asbs.jp/news.php?id=2176

◎不動産・住宅情報サイト「HOME'S」を運営するネクストと、電子雑誌を発行するブランジスタは4月14日、無料で読める住宅・インテリア電子雑誌「マドリーム」を共同で創刊した。
http://www.s-housing.jp/archives/70117

自民党は17日に開催する情報通信戦略調査会(会長・川崎二郎厚生労働相)に、報道番組で「やらせ」などが指摘されたNHKと、テレビ朝日の経営幹部を呼び、直接事情を聞くという。別に行かなくたっていいんでしょ。行っちゃうとテレビの現場は委縮するだろうな。テレビだって、新聞だって、雑誌だって、サラリーマン社会なのだから、そりゃあ「上」の空気を読む。読まなければ「無能」の烙印を押されかねないからね。
http://www.47news.jp/CN/201504/CN2015041401002232.html

内田樹が自身のブログで次のように書いている。
「安倍は対米従属のポーズをとりながら、アメリカに対する嫌悪と敵意が漏洩することを少しも意に介さないし、ナショナリストのポーズをとりながら、天皇にいかなる敬意も示さない」
http://blog.tatsuru.com/2015/04/14_1010.php

◎出版社「エムエム・ブックス」が、岐阜の美濃市に移転した。中日新聞は、こう書いている。
「新しい編集部は、江戸時代の情緒が残る『うだつの上がる町並み』にある築九十年の元商店を借りた」
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20150415/CK2015041502000029.html

◎テレビ「戦う!書店ガール」に本物の書店ガールが鋭い突っ込みを入れている。「このドラマはフィクションです!ノンフィクションは店内の様子だけです!」とか。
http://togetter.com/li/808550?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

西加奈子「サラバ」(小学館)のテレビCMである。小説の内容には触れず、「圧倒的に売れている」とアピールしている。
https://www.youtube.com/watch?v=A4en7Gmu9uE&feature=youtu.be

◎言わずと知れた「さわや書店フェザン店」を毎日新聞が取り上げている。「新刊書は黙っていても売れる。いま読んでほしい本に力を入れて売る」という田口幹人店長。田口は朝4時に起きて本を読む。頭が下がる。
http://mainichi.jp/journalism/listening/news/20150415org00m040006000c.html

小学館ミュージック&デジタル エンタテイメントは、2015年4月15日より、中高生に向けて、情報サイト「スクピ!」を立ち上げた。
http://sukupi.com/

電通は、欧米・アジアなどの海外企業を主な対象にベンチャー投資を行う、総額50億円のファンド「電通ベンチャーズ1号グローバルファンド」を組成した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/0415-004027.html

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3)【深夜の誌人語録】

基本を疎かにして応用問題に向き合っても何ら得るところはあるまい。時間の浪費だ。