【文徒】2015年(平成27)5月19日(第3巻91号・通巻536号)

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1)【記事】産経と「週刊実話」の書評
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】産経と「週刊実話」の書評

産経の書評は毎週、楽しみにしている。今回はエドゥアール・ルイの「エディに別れを告げて」(東京創元社)を取り上げている。西野智紀が次のように書いている。
「著者は、本書の中で取り沙汰される貧困、格差、差別といった社会問題の数々に対し、声高に改善を主張してはいない。糾弾しているわけでもない。生のままの体験をさらけ出し可視化することにより、それらの問題がいかに根深く、複雑であるかを暗示しているのだ。だからこそ、この物語は荒唐無稽にならず、問題の実態に真に迫っているのである」
http://www.sankei.com/life/news/150517/lif1505170034-n1.html
西野にはブログ「ミステリ耽溺者の書評集」がある。
http://nashino13188.hateblo.jp/
伊藤裕作による「風俗ルポ 昭和末年のトルコロジー」(人間社/900円+税)を知ったのは、「週刊実話」の書評によってである。編集プロダクション「ディラナダチ」を率いる小林明が次のように書いている。
トルコ嬢たちが当時の“源氏名”そのままで登場し、インタビューも初出のまま掲載されている。男が作った借金500万円を返済するため働く沙織、母子家庭で育ちトルコに流れ着いたローザ、マット運動日本一といわれた神戸の静香など、昭和という時代のにおいを色濃く漂わせたトルコ嬢たちが、平成のソープ嬢とは違う哀感と生々しさを持って描かれている」
http://wjn.jp/article/detail/1438538/
伊藤には歌集「シャボン玉伝説」がある。
「ローションが肉体の奥にしみてゆく 膝、肘、心ツルリツルツル」
更に「娼婦学ノート 戦後物語られた遊女たちの真相」や「私は寺山修司・考 桃色篇」などの著書もある。

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2)【本日の一行情報】

◎トゥ・ディファクトが運営するハイブリッド書店サービス「honto」 のhonto電子書籍ストアで、2015年5月28日(木) まで「月刊少年マガジン」創刊40周年大感謝祭を開催している。日本月刊少年誌史上最長連載作「なんと 孫六」第1巻を無料で配信し、また名作コミックセットを20%OFFで配信している。
http://www.2dfacto.co.jp/pdf/150515_1.pdf

出版デジタル機構は、「ebook Lover」が電子書籍の魅力などを語るキャンペーンサイト「電子書籍、私も読んでます!“I Love ebook”宣言」を開設した。KADOKAWA・DWANGO川上量生が「ebook Lover」に選ばれているのは、出版デジタル機構の新名新社長がKADOKAWAの出身だからだろうか。
http://www.pubridge.jp/i_love_ebook/

◎いつかは、こういう日が来ると思っていた。交通新聞社は、タブレット端末用の時刻表アプリ 「デジタルJR時刻表」のサービスを5月28日よりスタートする。月刊誌「JR時刻表」の掲載内容を、目的に応じてカスタマイズできる機能を搭載している。
http://www.kotsu.co.jp/files/2014/3159/4952/.pdf

名古屋市に本社を置くCBCラジオと東海ラジオは、「FM補完中継局」を共同で整備し、今秋から放送を開始する。両社のAM放送と同じ内容の番組がFM放送でも聴取できるようになる。
http://mainichi.jp/select/news/20150516k0000m020003000c.html

◎日経によればドワンゴスマホを使った生中継サービス「ニコキャス」をこの冬にも再開するそうだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO86874760V10C15A5TI0000/

◎三上悠亜は元SKE48鬼頭桃菜だそうだ。1本限定でAVに出たことが話題だが、他にも結構いるんだよね。日刊サイゾーによれば―。
「これまでAKB1期メンバーの中西里菜(AV名・やまぐちりこ)を皮切りに、AKB9期・高松恵理(橘梨紗)、AKB4期・成瀬理沙(逢坂はるな)、AKB3期・米沢瑠美(城田理加)、SKE4期・野々山茉琳(川瀬ともか)と続き、SKE2期の鬼頭で、『セクシー女優』は6人目となる」
http://www.cyzo.com/2015/05/post_21931.html
この6人が一堂に会したAVが出たら売れるだろうなあ。

◎ライフメディアのリサーチバンクは、ツイッターに関する調査結果を発表。これによると「アカウントを持っていて、利用している」と答えたのは26%。10代男性は59%、10代女性は70%と若年層の利用が非常に高い。
http://research.lifemedia.jp/2015/05/150513_twitter.html

相米慎二の同伴者であったプロデューサー伊地智啓に上野昂志と木村建哉が迫る「映画の荒野を走れ」(インスクリプト)。日本映画好きには、たまらない一冊だ。伊地知はロマンポルノも数多くプロデュースしているが、最も印象に残っている作品は曽根中生の「わたしのSEX白書 絶頂度」だと答えている。
http://www.inscript.co.jp/b1/978-4-900997-56-1
竹内好の「直系」にあたる上野昂志は「週刊現代」の記者出身である。

◎「DMMニュース」がジャニーズ事務所がらみの記事を総て削除してしまったそうだ。「NewsCafe」によれば、ジャニーズ事務所山下智久をDMMグループのテレビCMに起用するためらしい。ネットジャーナリストの次のような発言を紹介している。
「実は近々、DMMグループのCMにジャニーズの山下智久(30)が起用されます。だから、ニュースを配信しているDMM.comの社長・松栄立也氏(50)が『イメージキャラが所属する事務所の悪口を書いたら申し訳ない』と考え、削除指示を出したようです」
http://smph.newscafe.ne.jp/detail/1642200/?m=next_btn

尾木ママの愛称で知られる教育評論家の尾木直樹が某新聞社系週刊誌の取材に激怒した。尾木は自らのブログで記者に対して30分かけて丁寧に応対したが、ゲラを見ると質問に答えた部分は殆ど無視され、「付録でお話した内容を自分たちの都合のいい部分だけ利用」されていたことを暴露した。尾木は編集部に猛烈に抗議して、コメントを訂正させたという。
「最近ではスポーツ紙でもこんな扱い受けませんので、大新聞社発行のこれまで何度も協力してきた媒体だっただけに強烈なショック受けています…」
「一人の取材記者の問題では済まされない編集部全体、新聞社全体の我田引水的な取材姿勢の問題だと思います」
http://ameblo.jp/oginaoki/entry-12027764615.html

◎江戸時代の一関藩藩医建部清庵(1712〜82年)を顕彰する建部清庵文化顕彰会が15日、発足し、マガジンハウスのデジタル事業部長でコロカル編集部編集長の及川卓也が記念講演したと岩手日日新聞が報じている。
http://www.iwanichi.co.jp/ichinoseki/1732.html

◎5月30日、31日に開催される「ムーンロードヨガ&サンライズヨガ 2015 in 熱海」に「FYTTE」(学研パブリッシング)も一枚噛んでいる。
http://fytte.jp/information/1505/530.php

◎ニュース閲覧アプリ「スマートニュース」に「読書チャンネル」が加わった。翔泳社、新刊JP(提供元:オトバンク)、ダ・ヴィンチニュース(KADOKAWA)、はてなブログブクログHONZ(提供元:HONZエンタープライズ)、本の話WEB(文藝春秋)、ほんのひきだし(日本出版販売)が協力する。
http://markezine.jp/article/detail/22455

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3)【深夜の誌人語録】

事実が真実とは限らないが、真実は事実でなければならない。