【文徒】2015年(平成27)5月27日(第3巻97号・通巻542号)

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1)【記事】「アプリ×雑誌」の新感覚ソーシャルメディア「EDIST.」
2)【記事】福岡県飯塚市長尾の「からすのほんや」に行ってみたくなった!
3)【本日の一行情報】
4)【人事】
5)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】「アプリ×雑誌」の新感覚ソーシャルメディア「EDIST.」

enishは、2015年5月25日(月)に、0.5歩先の女性が集まる新規ソーシャルメディアアプリ「EDIST.」(エディスト)のティザーサイトをオープンした。
https://www.edist.jp/
「EDIST.」は「アプリ×雑誌」の新感覚ソーシャルメディアをコンセプトとし、大人の女性たちによる、大人の女性のためのファッション、ビューティー、ライフスタイルなど、いますぐシェアしたいトピックスが凝縮した完全ユーザー参加型のコンテンツを揃える。
メインユーザーは1990年代に世間を驚かせるムーブメントを創り、日本に“大人可愛い”カルチャーを確立させた世代の女性たちを想定している。そのリアルな情報は雑誌「EDIST.」に落とし込むそうだ。
グランドオープンは今夏を予定している。
http://www.enish.jp/news/2015/12988
enishは、東証一部上場企業。売上高は65億円。ソーシャルゲームの開発からスタートした企業である。これまで「ぼくのレストラン」、「ガルショ☆」、「千年の巨神」、「プラチナ☆ガール」などのソーシャルゲームを手がけユーザーの半数以上を女性が占めている。代表取締役社長の安徳孝平はヤフー出身。
http://www.enish.jp/message/
雑誌のライバルは次々にネットから出現している。むろん、雑誌も黙っているわけではない。しかし、マンガ誌を別にすれば、雑誌のネット戦略がダメなのは、ソーシャル化にあまりに鈍感なことである。
雑誌で鍛え上げた編集力をもって良質なコンテンツを提供すれば良いというイデオロギーから脱却できないのだ。ネットにおいては誰もが自由に関与できる「広場」を用意しておくことが不可避であるにもかかわらず、ネットにおいても紙の雑誌同様に垂直軸のコミュニケーションしか想定していないのだ。

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2)【記事】福岡県飯塚市長尾の「からすのほんや」に行ってみたくなった!

福岡県飯塚市長尾の児童書専門店「からすのほんや」。オープンは2001年。店主の子どもの頃の思い出の絵本は「からすのパンやさん」だという。店内には靴を脱いで入る小さな本屋だそうだ。
様々な講座を開催しているし、サービスとして「ご相談」を掲げる。予約は必要だが、随時受け付けている。ホームページには「子育ての中で、立ち止まってしまった時、ぜひ遊びにいらしてください。悩みに大きさなんてありませんよ。どんなことでもご相談くださいね」とある。「紙芝居舞台」といったオリジナル商品も販売している。
http://www.karasunohonya.com/event.shtml
http://www.karasunohonya.com/product.shtml
5月25日付西日本新聞は次のように書いている。
飯塚市長尾で児童書専門店『からすのほんや』を営む芳野仁子さん(43)が6月1日、不登校に悩む児童の再出発を目指すフリースクールを店舗近くに開設する」
閉園となった幼稚園を利用しての開設となる。スクール名は「みんなのおうち」だ。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_chikuhou/article/171041

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3)【本日の一行情報】

◎「ナンバー」が878号「黒田博樹カープの伝説」、877号「すべては野茂英雄から始まった」、876号「イチロー主義」と3号つづけて野球特集を組んだのは、ブログ「野球が好き」によれば34年ぶりのことらしい。1981年は32号「怪童バレンズエラ」、33号「『甲子園』野球こそ日本野球のエクスタシーだ!」、34号「がんばれタブチくん熱愛!」とつづいたようだ。
http://www.yakyu-suki.com/entry/2015/05/24/182733
「ナンバー」がスポーツジャーナリズムとして信用を得たのは、巨人に寄りかからなかったからだと思う。

オンライン書店紀伊國屋書店ウェブストア」で注文した商品を紀伊國屋書店リアル店舗で購入することができる「店舗受取サービス」が5月27日より新宿本店と新宿南店の2店舗で開始された。
https://www.kinokuniya.co.jp/c/company/pressrelease/20150525120044.html

講談社の「G2」が休刊する。ウエブ編集者の佐藤慶一との対談で安田浩一が次のように語っている。
「自分がやりたいものをやる、書きたいことを書く、訴えたいことを訴える・・・青臭いけど、現場のみんなは社会を変えたいと本気で思っていたので、なぜ読者に媚びないといけないんだと仲間の編集者たちは言っていました。
ただ、現場ではそう言っていた人が編集長やデスクになると、だんだんと読者目線とか言うようになって、それにだんだんと反発が強くなっていきました」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43459
講談社佐藤慶一を売り出しにかかっている。

博報堂は、アプリ解析のメタップスとアプリ向けの統合マーケティング分野において協業契約を締結。共同開発したスマートフォン・アプリのデータ解析ツール「Vision-Graphics for Apps powered by Metaps」は、テレビCMとアプリダウンロード・アプリ内アクティビティの相関をタイムリーに追跡でき、広告効果の可視化が可能となり、ダウンロードの流入経路としてテレビCMが有効かの見立てや、ネット集客、コンバージョンまでを統合的に管理・分析が可能となる。
http://www.hakuhodo.co.jp/archives/newsrelease/21497

◎これは面白い。博報堂は、社会研究の一環として、1960年から今日までの、社会を映し出す「ことば」を集めたWEBサイト「ことば社会年表」を開設した。
http://timeline.kotobaology.jp/

小学館では、5月29日「土竜の唄45巻」「土竜の唄外伝 狂蝶の舞4集」の同時発売を記念して、読者が漫画に登場することができるキャンペーンを実施する。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1505/26/news098.html

講談社の「ヤングマガジン」で小学館の「CanCam」専属モデルの久松郁実がビキニ姿を披露すれば、小学館の「ビッグコミックスピリッツ」で、主婦の友社の「Ray」専属モデルの鹿沼憂妃がセクシー美脚を披露している。小学館の「スピリッツ」に「CanCam」専属モデルの久松郁実登場とはならないようだ。
http://mdpr.jp/news/detail/1489205
http://mdpr.jp/news/detail/1489171

◎JTの自動販売機事業を買収するのは、サントリー食品インターナショナルに決まった。取得金額は1500億円。缶コーヒー「ルーツ」や清涼飲料の「桃の天然水」のブランドも取得する。
清涼飲料市場シェアは、コカ・コーラグループが27.6%で首位、サントリーが20.5%で第2位、アサヒが12.9%で第3位となっているが、今回の取得により、サントリーコカ・コーラの差が更に縮まりそうだ。サントリーは買い物上手である。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0YG2JQ20150525

トーハンのほんをうえるプロジェクトは、明治屋のオリジナル商品「おいしい缶詰」と「父の日」に向けた販促活動で連携。5月下旬から6月21日まで、関東を中心とした約30書店で特設コーナーを設置し、「牛肉のデミグラスソース味」「国産鶏のオリーブ油漬(洋風アヒージョ)」「広島県産炙りかき」「プレミアムほぐしコンビーフ(粗挽き黒胡椒味)」など8種類の「おいしい缶詰」を販売する。
http://www.meidi-ya.co.jp/delicious-canned/fathers-day/
http://www.tohan.jp/news/20150525_525.html

◎「Amazonログイン&ペイメント」の提供が日本でも始まった。このサービスは、アマゾン・ジャパン以外のECサイトで、アマゾンアカウントによるログインと、アマゾン経由の決済を行えるというもの。「東洋経済オンライン」で松村太郎は次のように書いている。
「オンライン、オフライン双方から、さまざまな端末を活用しながら、決済市場の競争がさらに激化していくものと考えられる。実店舗でのカード決済の割合が比較的小さい日本市場では、世界とは異なる競争が展開されることになるだろう」
http://toyokeizai.net/articles/-/70823

毎日新聞によれば「脱色して紫やピンクに染めた髪、英国のスーパーモデル風の太い眉や濃い口紅。グレーなど色の薄いカラーコンタクトをはめ、足元は厚底靴−−外国人風の派手な装いがネオギャルの特徴」なのだそうだ。最初に紹介したのは講談社の「ViVi」だった。そういうことは書かねえのが、新聞なんだろ。
http://mainichi.jp/select/news/20150526k0000e040162000c.html?fm=mnm

宮崎学イーストプレスから「ヤクザとテロリスト 工藤會試論」を刊行した。
http://www.eastpress.co.jp/shosai.php?serial=2380
この宮崎の「荒業」を通じて東海テレビで「ヤクザと憲法 暴力団対策法から20年」というドキュメンタリーが3月に放映されていたことを初めて知る。このドキュメンタリー、見たいなあ!
http://www.tokai-tv.com/yakuzatokenpou/

◎「人種差別撤廃施策推進法案」が参議院に提出されたが、発議者である有田芳生参議院議員は、このことについて時事通信共同通信毎日新聞東京新聞産経新聞が報じたにもかかわらず、朝日新聞が報じないことに首を傾げている。次のようにツイートしている。
「こんなものかと思いつつ、やはり問うべきでしょう。金曜日に参議院に提出した『人種差別撤廃施策基本法』をどうして朝日新聞は『いっさい』!報じなかったのでしょうか。数行でも報じたのが、産経、毎日、東京でした。これが朝日新聞の現状だと新宿『ささもと』で飲んだ勢いで本音を書いて置きます」
http://yukan-news.ameba.jp/20150525-95/

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4)【人事】文藝春秋役員人事
(2015年5月26日の決算役員会で内定。6月18日の株主総会、取締役会で正式決定)

代表取締役社長 松井清人
専務取締役 西川清史(昇任)
 総務局統括(宣伝プロモーション局、広告局担当)
常務取締役 古田 維
 経理局、経営企画室、資材製作局統括
常務取締役 木俣正剛(昇任)
 ノンフィクション編集局、ナンバー・クレア局、営業局統括(情報・流通システム担当)
取締役 村上和宏
 (デジタル・メディア局、編集総務局、出版総務局、文藝振興事業局担当)
取締役 飯窪成幸
 (文藝出版局、文庫・新書局、国際局担当)
取締役 中部嘉人
 (経理局、経営企画室、資材製作局担当)
執行役員 石井潤一郎(新任)
 (ナンバー・クレア局担当)
執行役員 内田博人(新任)
 (総務局担当)
執行役員 鈴木洋嗣(新任)
 (ノンフィクション局担当)
執行役員 山本喜由(新任)
 (営業局担当)
監査役 勝尾 聡

なお、常務取締役・庄野音比古、常務取締役白幡光明、取締役・青山徹は退任

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5)【深夜の誌人語録】

私は隙のない人間を信用しないことにしている。