【文徒】2015年(平成27)7月16日(第3巻133号・通巻578号)

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1)【記事】安保法制審議を中継しなかったNHKと中継したネットメディア
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】安保法制審議を中継しなかったNHKと中継したネットメディア

NHK自民党公明党が採決を強行した安保法制の審議を中継しなかった。茂木健一郎は次のようにツイートしている。
「え〜と、番組表のどこを見ても、今日の委員会採決のNHK中継がないようなのですが、ぼくの見落としなのでしょうか? どういうことか、理解に苦しみます。。。」
https://twitter.com/kenichiromogi/status/621080967097135104
これは乙武洋匡のツイート。
「なぜ、NHKは今日の国会中継を放送しないの? これほど国民の関心が高い法案を無視して、"公共放送"と言える?」
https://twitter.com/h_ototake/status/621119454483582976
内田樹も次のようにツイートしている。
「おはようございます。等々力で目覚めるなう。今日の午前中に特別委員会で強行採決が行われる見込みです。NHKはこの歴史的分岐点にあたる国会の審議を中継しないようです。NHKは報道機関として歴史的汚点を残すことになりました。多くの職員が恥入っていることでしょう」
https://twitter.com/levinassien/status/621083829692821504
小田嶋隆も。
強行採決可能な議席数を与えてしまったことがこの度の強行採決を招いたことは誰の目にも明らかなことだが、その強行採決が行われる国会審議を公共放送であるNHKが中継しないという出来事もまた、政権与党に強行採決可能な議席数を与えたことの結果ではあるのだろうね」
https://twitter.com/tako_ashi/status/621124238104117248
小説家の盛田隆二ツイキャス国会中継をしていることを報告している。
NHKは15日・16日ともに、国会のTV中継をしません。ツイキャス国会中継はこちらです」
https://twitter.com/product1954/status/621128269371277312
津田大介はニコニコでも中継していると紹介した。
「ニコ生でもやってる。なんでNHK中継しないんだろうね」
https://twitter.com/tsuda/status/621142457527328769
田中康夫のツイートは皮肉たっぷりだ。
「『国民の理解が進んでいないのも事実』と本日午前の特別委で安倍晋三ちゃまが『告解』した国会での与党単独採決映像よりも今田耕司ちゃまが『スタジオパークからこんにちは』で『ピアノ生演奏を披露』の方がNHK的には『呆道』価値が大きいらしいw」
https://twitter.com/loveyassy/status/621149989033525248
NHKには抗議や非難が殺到したのだろう。NHK広報局は次のようにツイートしている。
国会中継の放送がないことについて、こちらのアカウントにたくさんのご意見・お問い合わせをいただいています。いただいたご意見は私の方から担当に必ず伝えます。(2号)」
https://twitter.com/NHK_PR/status/621145050525765632
一方、ネットメディアによる中継は、アクセスが集中してしまったため見にくくなっていたそうである。

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2)【本日の一行情報】

◎バーンズ&ノーブルは全店舗でアメコミとマンガの販売スペースを従来の2倍に拡げるそうだ。「アニメ!アニメ!」は次のように書いている。
ポップカルチャー情報の専門誌ICv2によれば、2014年の米国のコミック/マンガ市場は9億3500万ドル(約1120億円)、前年比で7%増加し過去最高である。これは2004年頃に比べておよそ倍になる。
一方、日本マンガは2000年代後半より、売上を減らしてきた。しかし、2013年に売上げが反転し、2014年も堅調とみられている。バーンズ&ノーブルの新たな戦略が、北米における日本マンガの転機を示しているのか、今後の動向も注目だ」
http://animeanime.jp/article/2015/07/13/24104.html

ジャストシステムの調査によれば電子書籍を利用している人の割合は男女全体で16.9%。利用するつもりはないは41%、関心を持っていないは24.5%。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1507/13/news107.html

◎KADOKAWAはビーズログ文庫「(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜離婚のはずが大波乱!?〜」、B's-LOG COMICS「(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜離婚できたら一攫千金!〜 1」を同時発売した。小説とマンガの同時発売である。
http://bslogbunko.com/karihana/fair.html

博報堂DYメディアパートナーズはテレビ、新聞、雑誌、ラジオ、インターネットメディアなどメディア企業・コンテンツホルダーを対象に動画事業に必要な機能をワンストップで提供し、動画ビジネスの展開を可能にする博報堂DYメディアパートナーズオリジナルの「動画ビジネスマネジメントシステムVMS(Video Business Management System)」を開発、提供を開始する。
http://www.hakuhodody-media.co.jp/newsrelease/service/20150714_10419.html

ミリオン出版のスキャンダル誌「BLACKザ・タブー」が休刊することになった。
http://www.j-cast.com/2015/07/13240126.html
「BLACKザ・タブー」編集部は次のようにツイートしている。
「BLACKザ・タブーは明日7/13発売号をもちまして休刊することになってしまいました。 アンチの方々おめでとう。本誌を愛してくれた方々、力不足をお許し下さい。 突然で本当にごめんなさい。無念です……理由はきかないでください。当分の予定は未定ですが(つづく)」
「私のツイートを勝手に使用して『BLACKザ・タブーが発売禁止に追い込まれた』という記事を作って配信しているネットニュースがあります。すべて画撮したので法的に対処します。本誌は発売禁止ではありませんし、すべての記事が差し替えられることなくそのまま売っています」
https://twitter.com/the_taboo_/status/620073952191221760
https://twitter.com/the_taboo_/status/620388829564768256

山崎豊子が戦争中に書いていた日記が発見された。新潮社から刊行される「山崎豊子スペシャル・ガイドブック」に日記の半分が掲載されている。
http://mainichi.jp/select/news/20150713k0000e040115000c.html

◎「新聞のデジタル化が難しい理由」はニューヨークタイムズについて書いているが、「週刊アスキー」2014年12月16日号に掲載された記事だという。
「収入の大半を印刷メディアから得ていて、さしあたりデジタル・メディアの収入面での貢献度は少ない。実際の売り上げと、未来がかかっているはずのデジタル分野に割くべき力のバランスを取りにくいのだ。わかりきったことができない一番の理由はこれだろう」
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/354/354364/

◎Lip Inc.は、人工知能による入会審査をクリアした約1%の大学生、大学院生のみが入会できるSNS「Lemon」をスタートさせた。
http://iotnews.jp/archives/2957

小学館は「ドラえもん」の電子コミック配信をスタートさせた。
http://csbs.shogakukan.co.jp/doraemon/

赤川次郎は「三毛猫ホームズの遠眼鏡」(岩波書店)で次のように述べているそうだ。
「書き手として独立した精神をもっているということより、逆に、大きな権力にすり寄って、権力のなかに入りたいというような作家が目立つようになってきました。作家だからといって反体制であるべきとは思いません。しかし、権力から独立していることは、ものを表現する人間としては最低限のモラルです」
百田尚樹を念頭に置いているようだ。
http://news.livedoor.com/article/detail/10348762/

NHKも酷かったが民放も負けてはいない。小林よしのりはテレビ各局のニュース番組を的確に表現している。
「読売新聞系の4チャンネルは、これだけ重大な法案の問題であるにも関わらず、明確に批判的な立場をとることがない」「フジの8チャンネルは今日の公聴会の報道でも、岡本行夫ともう一人の賛成派の意見しか紹介しない」「読売とフジは戦前の大本営発表メディアと同じのようだ」
http://blogos.com/article/122383/

毎日新聞によれば「時事通信社は14日、菅義偉官房長官の会見時に不適切な質問をしたとして、編集局経済部の男性記者(47)を同日付で総務局に異動させ、今後、記者を含め関係者の処分を検討すると発表した」。
不適切な質問とは「「国としても、ある意味見限ってもいいような気がするが、その辺はいかがでしょうか」「もう、そんな連中は放っておいてもいいと思うんですけど、いかがでしょうか」という、普天間沖縄県民についてのものであった。
http://mainichi.jp/select/news/20150715k0000m040034000c.html
政治家も、テレビマンも、新聞記者も劣化してしまっている。さて編集者は大丈夫だろうか。

◎アムタスは、参天製薬講談社のコラボレーション企画「サンテ×進撃の巨人 疲れ目を駆逐せよ!キャンペーン」に参画した。このキャンペーンは、キャンペーンサイトの中にあるヒントを頼りに、秘密の暗号を答えて応募すると、抽選で10,000名に、講談社の電子版「進撃の巨人」がアムタスの運営する「めちゃコミック」において、無料で3話読める権利がプレゼントされるというものだ。
http://www.amutus.co.jp/info/press/2015/p15071401.html

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3)【深夜の誌人語録】

成功は一日も早く忘れたほうが良い。成功を引きずると失敗が待っているのだから。