【文徒】2015年(平成27)9月8日(第3巻170号・通巻615号)
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1)【記事】大新聞、NHKの「報道と隠蔽」
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
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- 2015.9.8 Shuppanjin
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1)【記事】大新聞、NHKの「報道と隠蔽」
NHK出身の池上彰が次のように語っている。
「籾井勝人会長自ら、報道するなと言ったら大問題だし、彼は言わないですよ、わからないから。『会長はきっとこう思うであろう』と忖度するヤツがいて、下に向かって『慎重に』と放送総局長なり中間管理職が言うんでしょ」
戦前も、戦中も、戦後も組織を支配するのは、いつも「空気」だ。池上は、こうも語っている。
「安保法制賛成の新聞は反対意見をほとんど取り上げない。そこが反対派の新聞と大きく違う点です。読売は反対の議論を載せません。そうなると、これがはたしてきちんとした報道なのかってことになる」
http://toyokeizai.net/articles/-/82234
9月7日付毎日新聞によれば8月30日の安保法制反対の国会前デモについて、毎日と朝日は1面2番手で報じたが、読売は社会面で「安保法案『反対』『賛成』デモ」と、賛否双方のデモを対比させた程度の扱いであったそうだ。ちなみに東京新聞は1面トップの扱いであった。
http://mainichi.jp/shimen/news/20150907ddm004010023000c.html
安保法制のような国論を二分するようなテーマに限らず、わが国のマスメディアにとって、報道は絶えず隠蔽と対になっていると考えてよいのではないだろうか。例えば安倍晋三首相が参院で安保法制の審議をしていた日に大阪に出向き、読売テレビの情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」に出演していた件では毎日新聞や日経新聞は、安倍首相が大阪を訪れテレビ出演したとは書いているが、どの番組に出演したかは触れていない。
産経は「読売テレビのワイドショーに生出演」したこと、司会者が宮根誠司であったことは書いても、遂に番組名は明らかにしなかった。読売テレビの情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」と何故に書かないのだろうか。スポーツ紙の日刊スポーツはちゃんと書いている。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS04H5T_U5A900C1PP8000/
http://www.sankei.com/politics/news/150904/plt1509040051-n1.html
http://mainichi.jp/select/news/20150905k0000m010124000c.html
http://www.nikkansports.com/general/news/1533526.html
朝日新聞会津若松支局長が酒気帯び運転の容疑で逮捕された件にしてもそうだ。読売新聞は実名を出さず、毎日や産経は実名を報じている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150905-OYT1T50056.html
http://www.sankei.com/affairs/news/150905/afr1509050015-n1.html
http://mainichi.jp/select/news/20150905k0000e040215000c.html
読売は共産党の前砂川市議だと同じ酒気帯び運転容疑であっても実名で報道している。
http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20150901-OYTNT50055.html
ちなみに朝日は実名だ。
http://www.asahi.com/articles/ASH953S6GH95UGTB00C.html
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2)【本日の一行情報】
◎9月12日(土)にゼビオアリーナ仙台で開催される「ももいろクローバーZ」のライブ「3 SINGLES PROJECT LIVE」はCDを購入したファン限定のコンサートだが、主催のキングレコードは、当選ハガキを発送したという旨を記載したメールを当選者に送る際に、担当者が誤って当選者全員のメールアドレスを宛先欄に入力してメール送信をおこない、934名分のメールアドレス及び、氏名が流出してしまったという。キングレコードはお詫びを発表した。
http://www.kingrecords.co.jp/cs/pages/20150904_momoclo.aspx
◎創立70周年を迎える光文社は「JJ」「CLASSY.」「VERY」「STORY」「HERS」「美ST」「Mart」「Gainer」の8誌連合の記念イベント「Kirari Party」を10/31(土)&11/1(日)に渋谷ヒカリエ 9Fヒカリエホールで開催する。読者3000組6000名を招待する。
http://web-kob.jp/
◎「BE・LOVE」(講談社)連載の「あとかたの街」(おざわゆき)が完結した。映画化しないのかな。
http://www.asahi.com/articles/ASH915JTHH91OIPE022.html
◎プロ野球巨人戦の中継と言えば、テレビでは最強のコンテンツだったが、8月25日の巨人―ヤクルト戦の視聴率は、たったの3.7%!フジテレビの放映であったこともあるのだろうが、日本テレビの中継であっても7〜8%しか稼げないのが現状だという。
http://dailynewsonline.jp/article/1009641/
◎「週刊少年ジャンプ」が「BLEACH」で知られるマンガ家の久保帯人を「ネタ」にしてネットでイジル行為に「ご注意ください」として警告を発した。
「まったく別人の肖像を、あたかも漫画家・久保帯人先生の肖像であるかのように思わせて紹介する行為が、ツイッターをはじめ、インターネット上に見受けられます。
こうした行為は久保帯人先生の人格権を侵害する行為であり、悪質な場合には、法的措置も含めて厳しく対処せざるをえませんので、ご注意ください」
http://www.shonenjump.com/j/2015/09/150904news01.html
日刊スポーツは次のように書いている。
「久保氏はなぜか匿名掲示板やツイッター上で“ネタ”の標的にされることが多く、セクシー男優や佐村河内守氏(51)、音楽ユニット・B’zのギタリスト松本孝弘(54)といった少しでも久保氏に似た風貌の人物の画像に『久保帯人先生』とキャプションをつける遊びが流行した」
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1533680.html
作家を守るのは出版社にとって重要な仕事である。
◎「TRILL」が「2014年11月〜2015年5月までの間、広告表記のない記事広告を掲載してい」たとして謝罪した。
「当社では、2015年3月に改定されたJIAA(日本インタラクティブ広告協会)の「インターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドライン」に沿って対応を進め、 現在、判明している該当記事への広告表記の記載はすべて完了しております。
また、広告表記のない記事広告が誤って外部メディアへ配信されておりました。
配信先メディアに対してはご連絡を差し上げ謝罪するとともに、該当記事については掲載の終了を依頼させていただいております。
ユーザーの皆さまには、広告記事を編集記事と誤解を招くような表現があったことを深くお詫び申しあげます。
今後もメディア倫理に照らし、適切な運営を行っていくよう努めてまいります」
http://trill-corp.jp/news/2015_0904.html
「TRILL」はヤフーの子会社である。ヤフーはステマ撲滅宣言をして話題になったばかりである。何しろヤフーはマイナビや「モデルプレス」を配信するネットネイティブとの配信契約までも解除しているのだ。
「数多くの媒体から記事の配信を受けているYahoo!ニュースでは、ニュース提供各社との契約で、広告としての表記の有無にかかわらず記事広告やタイアップ記事を配信することを従来から明示的に禁止しており、また、記事中のリンクから広告に誘導することも禁止しています。
ニュース提供各社には契約遵守を強く要請していますが、残念ながら違反が認められた場合には、速やかに契約を解除してきました。今後も、契約違反が明らかになった場合は、契約解除はもちろんのこと、Yahoo!ニュースが信頼を損なうことによって被った損害や信頼回復のために要した費用の請求、その他法的措置を含む厳正な対処を行います」
http://staffblog.news.yahoo.co.jp/info/20150730.html
ちなみに「TRILL」は女性誌のライバルである。出版社のウエブサイトも総点検しておく必要があるのではないか。
http://trilltrill.jp/
◎双葉社から刊行された「少女・ザ・ワイルズ」(ZHENA、HUN )は、LINEマンガで連載され人気となった作品だ。双葉社は小説でも、マンガでもデジタルボーンの作品を拾うのが上手である。
http://ddnavi.com/news/256850/a/
◎NHKはテレビ放送とインターネットの同時配信を実証実験する。
http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/shiryou/kaichou/2015/09/001.pdf
◎光文社の「STORY」、「美ST」で活躍するモデルの前田ゆかが「スーパーで毎日買う食材だけで美人になる!」なる書籍を刊行し、三省堂書店成城店で発売記念イベントを行ったそうだが、この書籍の版元は光文社ではなく二見書房であった。
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20150906-OHT1T50065.html
http://www.futami.co.jp/book/index.php?isbn=9784576150956
◎モデル・タレント・俳優の藤田富は東京医科歯科大学歯学部の学生だ。「Samurai ELO×読モBOYS&GIRLSオーディション」の出身である。
http://www.oricon.co.jp/news/2058700/full/
◎APの記者の経験を持つ元Storifyの共同創業者のBurt Hermanは、ソーシャルメディア時代のジャーナリズムはジャーナリストが自分の書いたものをユーザーに読んでもらうのではなく、ジャーナリストとユーザーがインタラクティブになり、双方向の関係になることだと考えているようだ。
http://japan.cnet.com/news/business/35069416/
◎武雄市図書館について「ネット上では『蔦谷書店の在庫処分ではないか』という指摘もあります」というインタビュアーの発言に対してCCCの広報は
「そうした声が出るのは非常に残念ではございますが、まったくの事実無根です。(リニューアルオープンの)準備段階で用意した1万冊については、すべて『ネットオフ』から購入したものです」
と答えている。こうした発言から明らかなのはCCCに図書館の運営は任せるべきではないということだ。
http://wpb.shueisha.co.jp/2015/09/07/53198/
CCCのバイイングパワーを前に沈黙を決め込む雑誌が多いなか「週刊プレイボーイ」が骨のあるところを見せてくれた。「すばる」10月号の特集「国民のための新しい道徳教科書」も一読の価値がある。
http://subaru.shueisha.co.jp/
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3)【深夜の誌人語録】
人生は誰にとっても過程であるということは、人生の結果は誰にとっても死である。