【文徒】2015年(平成27)11月26日(第3巻216号・通巻666号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】小学館「新広告企画 発表会」に出席した
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2015.11.26 Shuppanjin

1)【記事】小学館「新広告企画 発表会」に出席した

客 昨日は小学館の「新広告企画 発表会」に出席していたんだよね。オイラは講談社に出たけれど、集英社でもあったんだよね。
主 集英社の広告からはお呼びがかからなかったので出席してないけどね。集英社に確認したところ今年から業界誌紙は呼ばないことにしたんだってさ。
客 所詮、オレたちはそんな程度の存在なんだろうな。
主 良いじゃないか、それで。そんな程度の存在と認識されないように努力すれば良いだけの話だわな。今日の本題に入るけど昨日の発表会は出席して本当に良かったよ。まず最初に小学館の「AD POCKET」がリニューアルされたという報告があったんだけれど、これは評価したいね。そのなかで小学館が広告において「できること」が明確になったのは良いことだと思う。折角、広告に「こういうことはできないんでしょうか」と提案しても、その返答に時間がかかっていたのでは、折角のビジネスチャンスを逃してしまうことになりかねないからね。広告会社からすれば小学館が「即断即決」の姿勢を打ち出したことは大いに評価できるんじゃないのかな。
客「反転攻勢」という言葉も使われたそうだね。
主 結局、「反転攻勢」に欠かせないのは女性誌の活性化だよね。女性誌局だけで「CanCam」「AneCan」「オッジ」「美的」「ドマーニ」「プレシャス」「和楽」というラインを持ち、女性週刊誌の「女性セブン」を擁している小学館は、ある意味で女性誌王国と言って良い。これらを生かしながら、デジタルシフトを積極的に進め、小学館の広告局も自覚しているように「雑誌とウエブの渾然一体化」を図る必要があるわけさ。認識としては正しいと思うよ。
客 君が一番注目しているのは「美的」と「和楽」なんだって。
主「美的」は「美的.com」に注目している。ソーシャル化を図りやすいからね。これは小学館に限らないのだけれど、出版社のデジタル戦略がダメなところは、ウエブでも読者を読者に固定して考えてしまうところだと思っている。ウエブでは水平軸のコミュニケーションを確立する必要があるのは間違いない。ユーザーが情報発信も担うし、編集力を発揮できる場を用意する必要があるということさ。「美的.com」は、そういう仕組を作りやすいはずだ。
客 「和楽」に注目しているのは、何故なんだい。
主 事業室モデルを導入したからね。事業室のもとに雑誌があり、ウエブがあり、イベントがあるという、それこそ雑誌とウエブとリアルの渾然一体化をはかれるビジネスモデルだと思う。紙の世界で生きて来て人間からすると、雑誌が隔月となることをマイナスに捉える傾向もあるけれど「雑誌+ウエブ+リアルイベント=和楽」と考えるのであれば、雑誌が月刊である必要ないもの。他の雑誌でもそうなんだよ。無理に月刊である必要はないと思うんだ。例えば「和楽事業室」が他の雑誌と組んで何かしでかしても良いと思う。「小学一年生」と組むなんて面白くない?小学館以外の雑誌と組んでも良いはずさ。世界文化社の「家庭画報」とかと組めば、それこそ最強の「ハイエンド連合軍」を形成できる。

                                                                                                                        • -

2)【本日の一行情報】

◎NHNテコラスが提供するネットショップ構築サービス「コレカゴplus」は、アマゾンのアカウントを利用して簡単に商品が購入できる「Amazonログイン&ペイメント」を導入した。「Amazonログイン&ペイメント」の利用範囲が拡大しているそうだ。
https://ecnomikata.com/ecnews/build/6933/

◎「週刊朝日」の長友佐波子編集長のパワハラ、セクハラを糾弾する怪文書が出回っているらしい。リテラは「…セクハラは事実でないとしても、パワハラについては実際に、あるようだ。長友編集長の高圧的な姿勢に反発する編集部員は少なくないという」と書いている。
http://lite-ra.com/2015/11/post-1707.html
主婦と生活社の「週刊女性」でも過去にパワハラが原因で女性編集長が異動になったことがある。

◎「NHKはなぜ、反知性主義に乗っ取られたのか」を上梓した前NHK経営委員会委員長代行にして、早大法学部教授の上村達男が「週プレNEWS」で次のように発言している。
「ところが籾井さんは基本的に人の意見を聞かないどころか、自分と違う意見の人を『敵』としか見ないので議論にならない。理事の人事に関しても『経営委員会の同意を得て、会長が任命する』という放送法の規定があるにもかかわらず、理事にあらかじめ辞表を提出させるなど、NHKの組織ガバナンスを無視するかのような独断専行を行なうようになった。それに異を唱えた私もまた『敵』と見なされるようになりました」
http://wpb.shueisha.co.jp/2015/11/24/56953/

◎休刊となる文芸誌「en-taxi」(扶桑社)がミュージシャン・黒木渚を小説家としてデビューさせた。
http://getnews.jp/archives/1265906
黒木はセカンドアルバム「自由律」を10月にリリースしている。「傾いた平和がバランスを失う」って歌っているシンガーだ。
http://lineblog.me/kurokinagisa/

◎オンラインビデオ総研と慶応義塾大学によるテレビ接触頻度に関する調査によれば10代後半の46%がテレビをほぼ見ていないという結果になった。全年代でもテレビCM非接触層は37.4%になる!
http://www.movie-times.tv/topic/7704/
私などにしてもテレビは週に1時間程度しか見ていない。

芳文社の「まんがタイムきららフォワード」に連載されている「あんハピ♪」(琴慈)がテレビアニメ化されることになった。
http://www.animate.tv/news/details.php?id=1448328415

◎厳戒態勢のつづくベルギーの首都ブリュッセル。市民に対し、テロ摘発活動に関するソーシャルメディアでの発言を控えるようツイッターで呼びかけた連邦警察に対し、市民は猫の写真を大量に投稿した。これに対して連邦警察もキャットフードの投稿で応じている。こういうユーモアのセンスは、さすがである。
http://jp.wsj.com/articles/SB10666961791936904616304581374670877061768

◎無料で読める電子雑誌を発行するブランジスタは、「4meee!」などのキュレーションメディアを運営するロケットベンチャーと連携し、「ワクワクする旅情報が見つかる!」旅行系キュレーションメディア「旅色プラス」(TABIIRO PLUS)をオープンした。
http://plus.tabiiro.jp/
http://www.brangista.com/pdf/20151124_tabiiroplus.pdf

◎ここのバーのハイボールは絶品だった。松山市の「サントリーバー露口」が紹介されている。
http://www.sankei.com/west/news/151124/wst1511240017-n1.html

◎メディアドゥは2016年を「電子図書館元年」と位置付けている。ちなみにアメリカの電子図書館では、2014年度の年間貸出回数が1億3700万回で前年度対比33%増となり、年間100万回以上の貸出を行う図書館数が10館となり、2015年度には16館に増加する見込みだそうだ。日本でも「障害者差別解消法」が来年4月から施行され、電子図書館に対する期待が高まることが予想される。
http://www.mediado.jp/corporate/1281/

小学館オールコミックフェア“小コレ!”が全国の書店で12月1日から開催される。参加書店で小コレ!シールのついた対象コミックスを購入すると、あらゆるところにペタッと貼ってペロッと剥がせる “どこでもペタペロステッカー”が貰えるそうだ。キャラクターラインナップは「ドラえもん」「名探偵コナン」「妖怪ウォッチ」「うる星やつら」「タッチ」「ポーの一族」など、全部で24種類ある。
http://www.shogakukan.co.jp/pr/scc/

講談社の「なかよし60周年記念サイト」に開設された、「“なかよし”なつかし表紙検索」が面白い。年代別に表紙を表示できる。
http://nakayosi60.com/search/

Yahoo! JAPANはJリーグとデジタルコミュニケーション領域におけるパートナーとして業務提携を締結。Yahoo! JAPANはJリーグの「サポーティングカンパニー」として、主にインターネットを活用したプロモーションやマーケティングなどのデジタルコミュニケーション領域に関する業務をJリーグと連携して進めることになる。その第1弾として、Yahoo! JAPANが子会社のワイズ・スポーツと協力して運営する日本最大級のスポーツ情報サイト「スポーツナビ」において、「明治安田生命リーグチャンピオンシップ」特集ページを公開した。
http://pr.yahoo.co.jp/release/2015/11/24b/

◎米アマゾンがフィリップ・K・ディック原作のドラマ「The Man in the High Castle」のプロモーションでニューヨークを走る地下鉄の椅子に施したナチスの鷹の紋章と旭日旗のデザインによる広告が撤去されることになった。ドラマは、第2次世界大戦に米国が敗れ、東部をナチスに、西部を日本に占領された1960年代の米国を舞台にしているそうだ。
http://www.afpbb.com/articles/-/3067941

◎「週刊SPA!」11月24日発売号が「きょうのゲイバー」の作者であるTSUKURUに謝罪した。
「本誌11月3・10日号で掲載した『アラサーちゃん』の『他人の幸せの色は青い』中のセリフの一部が、コミュニティサイト2CHOPOで連載中の漫画『きょうのゲイバー@2CHOPO』に類似していると作者のTSUKURU先生からご指摘をいただきました。当該作品を拝読した峰なゆか先生が、オマージュ的に当該作品を踏まえたうえで、さらに展開を加える形で4コマ化しており、編集部としては新たな作品として成立していると判断いたしましたが、TSUKURU先生に対して配慮を欠き、不快な思いをさせてしまったことを真摯に受け止め、改めてお詫び申し上げます」
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1511/24/news101.html
これに応えて「きょうのゲイバー」も次のようにツイート。
「今週号SPA!さんで今回の経緯をご説明頂きました。峰なゆか先生に未熟な私の漫画をご覧頂いていたことは大変うれしく思っています。しかし、まだまだ当方は無名な若輩者。引用元が分かる形で使って頂けなかったのは、私の不徳の致すところ、ということなのでしょう。これからも精進いたします」
https://twitter.com/kyonogayber/status/669000732046024706
峰なゆかは、この件に関してはツイッターで何も発言していない。

                                                                                                                        • -

3)【本日の一行情報】

感謝は義務であるが、他人に感謝を要求してはなるまい。