【文徒】2015年(平成27)11月25日(第3巻215号・通巻665号)

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1)【記事】「しばき隊」の「壇宿六」こと新潟日報上越支社報道部長が新潟水俣病弁護団長に謝罪
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】「しばき隊」の「壇宿六」こと新潟日報上越支社報道部長が新潟水俣病弁護団長に謝罪

「対レイシスト行動集団」というか「しばき隊」の「壇宿六」は新潟日報上越支社報道部長であったことが発覚した。新潟水俣病弁護団長の高島章弁護士にツイッター上で暴言を浴びせかけたところ、高島弁護士に抗議され、身元を明かしたうえで謝罪文を書いていたことが判明してのことだ。現在、謝罪文は削除されている。
高橋弁護士のツイログから「壇宿六」とのやり取りを推測してみることはできる。
http://twilog.org/BarlKarth/search?word=sadmaz6&ao=a&order=allasc
「壇宿六」は「うるせーな、ハゲ!はよ、弁護士の仕事やめろ。プロのハゲとして生きろ。ネトウヨ弁護士。クソ馬鹿ハゲ野郎!」とか、「クソハゲと電話で話す必要あるわけ?はよ、弁護士の仕事やめろ。プロのハゲとして生きろ。ネトウヨ弁護士。クソ馬鹿ハゲ野郎!」といった内容のツイートを繰り返したらしい。
こうした文体は新潟日報上越支社報道部長のものとして決して許されまい。だから高橋弁護士の事務所に謝罪に訪れたのだろう。
http://togetter.com/li/903081
http://getnews.jp/archives/1266166
高島弁護士は次のようにツイートしている。
「【告知】闇のキャンディーズ@sadmaz6こと新潟日報社上越支社報道部長坂本秀樹氏が本日10時半ころ,当職事務所に謝罪に訪れました。謝罪には,新潟日報本社編集局総務の高位役職者が同行しましたので,新潟日報社として公式の謝罪と,私は受け止めています」
https://twitter.com/BarlKarth/status/668975660753227776
新潟日報社には抗議のメール・電話が殺到しており,上越支社は業務が困難なほどの域に達しているとのことでした。いわゆる『はすみリスト』に関し,坂本氏は『問題を感じながらも消極的賛成であった。しかし,はすみリストを許すとこのような事態になってしまうと身に染みて感じた』とのことでした」
https://twitter.com/BarlKarth/status/668976697572634624
「坂本氏の謝罪は,新潟水俣病第3次訴訟に関する不正確なツイート,その他私や一般市民に対する脅迫全般に対する反省を含んだもので,真摯な謝罪であったものと評価します」
https://twitter.com/BarlKarth/status/668977722400489472
「坂本氏から,反省文をアップ後,一週間をめどにアカウントを削除するとの約束を得ました」
https://twitter.com/BarlKarth/status/668982490674032641
かくして「壇宿六」=「新潟日報社上越支社報道部長坂本秀樹」がツイッターで正式に謝罪した。
「今回の高島弁護士に対する私の一連の侮辱的な暴言を一方的に浴びせた行為は非常に恥ずべきものでゆるされないものだと、強く思っています。今後は匿名に隠れて、人を傷つけるような卑怯なことをしないことを固く誓います」
https://twitter.com/sadmaz6/status/669033633261326336
インターネットでは坂本のツイッターでの過去の暴言が次々に暴露されている。例えば「お前の赤ん坊を、豚のエサにしてやる!」「こいつを自殺させるのが、当面の希望」といった下品で、下劣なツイートだ。当たり前のことだが原則的に新聞記者が実名で公表できないような文章を匿名で発表すべきではあるまい。
http://hosyusokuhou.jp/archives/46090752.html
http://hamusoku.com/archives/9089099.html
昨今の新聞記者は、こういうバカな行為がマスコミに対する権力の不当な介入を招く撃鉄になってしまうことくらい理解できないものなのか。

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2)【本日の一行情報】

◎これは買っておいて損はない。「ハヤカワ文庫SF総解説2000」は創刊から2000点に至るまでの全書影、書誌データが収録されている。
http://www.hayakawa-online.co.jp/new/2015-11-20-160605.html

ソネットは、NTTドコモのXi/FOMAネットワークを利用したスマホ向けのプリペイド式データ通信専用SIMカード「Prepaid LTE SIM」をJR東日本の東京駅、品川駅、上野駅改札内にある駅ナカ書店「book express」(ブックエキスプレス)で販売を開始した。
訪日外国人向けだが、 日本人も利用できる。
http://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/20151120_731695.html

◎ビジネス書書評メディア「美女読書」が全国約1000書店で展開する「仕事を楽しくするビジネス書」フェア だって。
http://www.sinkan.jp/news/index_6320.html

◎三洋堂ホールディングス が多角化を進めている。ゲオホールディングス と資本業務提携することでゲーム売り場を導入し 、学習塾のフランチャイズチェーン(FC)に加盟し、売り場の一部で塾も開校 している。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFD18H1T_Q5A121C1L91000/
専業書店は激減するかもしれない。

講談社の「月刊モーニング・ツー」で連載されている雨瀬シオリラグビーマンガ 「ALL OUT!! 」がテレビアニメ化される。
http://animeanime.jp/article/2015/11/20/25755.html

講談社のビューティマガジン 「VoCE」 2016年1月号の「2015年 下半期ベストコスメ」特集で、花王の新しいプレミアムヘアケアシリーズ「ASIENCE MEGURI」(アジエンス メグリ)が「 ヘアケア部門1位」を獲得した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000346.000009276.html
集英社の「MAQUIA」 2016年1月号の「MAQUIAベストコスメ〜2015年下半期〜」特集では、花王の新ブランド「SOFINA iP」の「美活パワームース(土台美容液)」 が、「新知見・テクノロジー部門 第1位」を獲得した。「ASIENCE MEGURI」は「シャンプー&コンディショナー部門1位 」を獲得している。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000349.000009276.html
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000351.000009276.html
小学館 の「美的」2016年1月号の「2015年 美容賢者が選ぶ年間ベストコスメ」特集では花王の「ASIENCE MEGURI」が「ヘアケア部門 1位」を獲得した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000345.000009276.html

◎「カイシャの評判」で集英社講談社が比較され、集英社に軍配が上がっているけれど……。
https://en-hyouban.com/journal/841/

◎日経によれば「ファミリーマートカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)傘下のTSUTAYAはCD・DVDレンタル店とコンビニエンスストアの一体型店を拡大する」そうだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO94273860Q5A121C1TI5000/

◎米「People」誌が選ぶ2015年度「最もセクシーな男性」に デビッド・ベッカム に決定した。
http://top.tsite.jp/news/celebrity/i/26279004/

◎日販とサンリオは、サンリオのバンドをテーマとしたキャラクタープロジェクト「SHOW BY ROCK!!」に登場する人気バンド「シンガンクリムゾンズ」の日めくりカレンダー「日めくり黙示録・シンガンクリムゾンズ!」を日販独占販売商品として11月30日(月)にサンリオより発売し、全国の取引書店および日販のオンライン書店 Honya Club.comを通して販売 する。
http://www.nippan.co.jp/news/show-by-rock_20151120/

◎出版にしてもそうだと思う。50代は経営者も含めて「逃げ切れる」可能性の高い世代だ。「業態転換」を担うのは50歳以下の社員たちである。
http://mediagong.jp/?p=13194

◎フジテレビが大枚500万円をはたいて風水師や霊媒師を本社に呼んで 占ってもらったうえに除霊までしたと「トカナ」が伝えている。人事の「歪み」をただすほうが先決だろうに。
http://tocana.jp/2015/11/post_7992_entry.html

朝日新聞出版から刊行された「帝国の慰安婦」の著者である韓国・世宗大の朴裕河教授が、元慰安婦に対する名誉毀損で在宅起訴された。 毎日新聞は11月21日付社説で取り上げている。
「朴教授は、朝鮮人慰安婦と日本軍の関係を『基本的に同志的』と表現して問題視された。だが著作から読みとれるのは、『帝国』に動員された一線の兵士と慰安婦の双方を弱者と捉える視線である。朴教授は、兵士の側に朝鮮人に対する強い差別意識があったことを批判してもいる」。
http://mainichi.jp/opinion/news/20151121k0000m070176000c.html
ところで、ニューヨークタイムズは社説で「…民主主義的自由を朴槿恵大統領が退行させることに没頭しているように見えることは憂慮される 」とまで書いている。
http://japan.hani.co.kr/arti/international/22564.html

◎中小出版社88社で組織される日本出版者協議会は 栗田出版販売民事再生計画案に反対を表明した。
「50万円以下の債権者に対する全額弁済および全体としての予定弁済率が、一般的な民再生事案と比べ高い点は評価できるといえるが、そもそもこの再生案の問題点は、債権者に債権額以上の加重負担を返品で強いるスキームに拠っていることへの不信感にある。今後、現・栗田出版販売帳合の書店が大阪屋帳合の書店として取引が始まれば、再生債権内に含まれているはずのものが大阪屋の返品となって出版社に戻されてくるだろうことは想像に難くない」
「元来、事業合併と債務解消は別の次元で考えられるべき問題であり、加えて、出版及びその関連業界は公共性の高さから、公正性・公平性・透明性が求められるべきであり、この点からもこの再生案自体に首肯できない」
http://shuppankyo.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-e131.html
日本出版者協議会はアマゾンに対して高率ポイント付与からの除外要請の受け入れを求める声明も出している。
「これまでアマゾンは、直接取引(契約)関係にないという理由で、出版協会員社との協議に一切応じず、取次を通じての度重なる除外要請にも応えることがない、いわばやりたい放題の状態である。こうしたポイント付与の原資がどこから出るのかはわからないが、国内書店の取引条件からは考えられない値引率である。まして、再販契約を順守する通常のリアル書店、国内の他のネット書店は、再販契約無視のアマゾンの高率ポイントにより営業上不当なハンデを負わされており、アマゾンの寡占状態になることを危惧する。
出版協は、アマゾンに対して、こうした高率のポイント付与を再販契約違反と判断し、同サービス対象からの自社商品の除外を要請した出版社の商品を、各社の要望に沿って、直ちにポイント付与の対象から除外するよう、改めて求める」
http://shuppankyo.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-2092.html

◎上野に往来堂書店の笈入健志店長が選書を担当する「ROUTE BOOKS」がオープン。
https://www.facebook.com/Route89-BLDG-675437235925544/

◎「花とゆめ」24号(白泉社)の付録は、椿いづみ俺様ティーチャー」のドラマCD 。
http://natalie.mu/comic/news/166634
Sho-Comi」24号(小学館)の付録は佐野愛莉「オレ嫁。〜オレの嫁になれよ〜」のドラマCD 。
http://natalie.mu/comic/news/166660

change.org で「書店・出版業界は『そうだ!難民しよう!』による差別と憎悪の拡散に加担しないでください!」というタイトルのもと署名活動が立ち上がった。発信者は「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会(BLAR)」というのだが、誰が代表なのかわからない。宛先は「書店関係者」「日本書籍出版協会」「日本雑誌協会」「日本出版取次協会」となっている。
https://www.change.org/p/%E6%9B%B8%E5%BA%97-%E5%87%BA%E7%89%88%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%81%AF-%E3%81%9D%E3%81%86%E3%81%A0-%E9%9B%A3%E6%B0%91%E3%81%97%E3%82%88%E3%81%86-%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E5%B7%AE%E5%88%A5%E3%81%A8%E6%86%8E%E6%82%AA%E3%81%AE%E6%8B%A1%E6%95%A3%E3%81%AB%E5%8A%A0%E6%8B%85%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A7%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84
http://yukan-news.ameba.jp/20151121-53/

赤塚不二夫生誕80周年記念作品『おそ松さん』(テレビ東京系)のDVDが1月に発売されるが、第1話と第3話の一部が 収録されていないそうだ。「リテラ」は次のように推測している。
「公式サイトでは「製作委員会の判断」とだけ説明されているが、ネット上では、作中に散りばめられていた『美少女戦士セーラームーン』『ドラゴンボール』『ドラえもん』『進撃の巨人』『黒子のバスケ』『となりのトトロ』などに由来する、膨大な量のパロディからいずれかの作品の権利者と揉めたからではないかと噂されている」
http://lite-ra.com/2015/11/post-1705.html

電子書籍オリジナルの「キャンパスクイーンコレクション〜あの大学の、気になるあの子たち 」は「ミス・キャンパス」に出場した 13人 の水着も拝める写真集だ。配信元は文藝春秋!産経は次のように書いている。
「10月末に配信された80ページの写真集なのに、撮影したのはその直前、なんと9月上旬からの1カ月余りだったという。光沢のある高級紙を用いる写真集では考えられないスピード感あふれる編集作業工程は、電子書籍ならではといえる 」
「今回の企画を考えた文芸春秋電子書籍編集部の吉永龍太部長は『売り上げを考えた場合、知名度が高くない子で(書籍の)写真集を制作するには勇気がいるが、電子書籍ならその壁は低くなる』と、コスト面での利点をあげる」
http://www.sankei.com/premium/news/151123/prm1511230009-n1.html

早川書房昭和女子大がコラボして10月にハヤカワ・ミステリ文庫内に立ち上げた新レーベル「my perfume」(マイ・パフューム)。「昭和女子大の学生46人がプロジェクトに参加。レーベル名とロゴマーク、邦題、カバーデザイン、キャッチコピーなどに協力した」(産経ニュース)そうだ。
http://www.sankei.com/life/news/151123/lif1511230016-n1.html

講談社の女性マンガ誌「デザート」は、全作品の年賀状応募者全員プレゼント を実施。
http://go-dessert.jp/news/sp1601/index.html

◎11月23日付毎日新聞の「TSUTAYA図書館:論議を呼ぶ選書や個人情報」のなかで次のような指摘があった。
「多くの公立図書館では、業者があらかじめ入力した分類コードに従って、職員が本を配置している。しかし、ツタヤ図書館は独自の分類をするため、より多くの手間とコストがかかる。仮に将来、CCCとの契約が打ち切られた場合は、全ての書架を入れ替えなければならなくなる」
http://mainichi.jp/shimen/news/20151123ddm004040005000c.html
CCCが「本との出会い」がある図書館を目指している のは、ここにメリットを見出しているからでもあろう。

◎この本のタイトル、いろいろな意味で問題あるよな!
http://www.shufu.co.jp/books/detail/978-4-391-14743-8
8月に主婦と生活社から刊行された「スマホ暗証番号を『8376』にした時から運命は変わる!」 がソーシャルメディアで問題視されている。
http://togetter.com/li/903315?utm_content=bufferad2aa&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer
佐々木俊尚も「なんか出版業界の現状もITリテラシーも含めていろんな意味で興味深いというか何というか… 」とツイートしている。
https://twitter.com/sasakitoshinao/status/668564721386315776
主婦と生活社は高納体制では「何でもあり」と聞いているけれど、こういうタイトルはヤバイと遠藤大介会長をはじめ誰も思わないのだろうか。

フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグが二か月間にわたる育児休暇をとるそうだ。
http://wired.jp/2015/11/22/mark-zuckerberg-parental-leave/

ジャストシステム「10代のスマホ利用に関するアンケート」によれば、女子の50.3%と半数以上がInstagramを利用しているのに対して男子は16.7%と、3倍以上の開きがあった。
http://news.mynavi.jp/news/2015/11/23/033/

講談社の「アフタヌーン」が1月号から定期購読キャンペーンを開始した。定期購読すると幸村誠の幻の読み切りや植芝理一田丸浩史などの新作読み切りが読める超プレミアム小冊子「アフタヌーン13月号」がプレゼントされる。
http://afternoon.moae.jp/news/2616

◎「ビッグコミックオリジナル」(小学館)に連載された「家栽の人」の原作者であった毛利甚八が亡くなった。「九州独立計画 玄海原発と九州のしあわせ」(講談社)といったノンフィクションも書いている。
http://mainichi.jp/select/news/20151124k0000m040029000c.html

講談社女性誌新年号キャンペーンを展開している。「ViVi」「VoCE」「With」「FRaU」「おとなスタイル」を買うとオリジナルマスクケースがプレゼントされる。
https://twitter.com/Books_Hasegawa/status/668974763100913664

レースクイーンだったタレントだよね。森下千里河出書房新社から「倍以上彼氏」を刊行した。750枚の大作だ。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309024264/
何と新堂冬樹がプロデュースしている。
http://ameblo.jp/shindo-fuyuki/entry-12094838994.html
http://ameblo.jp/morishitachisato/entry-12095041830.html

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3)【本日の一行情報】

知をもって理解するのみならず、情をもって理解できるかどうかが大切だ。

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