【文徒】2015年(平成27)12月7日(第3巻223号・通巻673号)
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1)【記事】卸・仕入れサイト 「スーパーデリバリー」に偕成社とほるぷ出版が絵本を出展
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
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- 2015.12.7 Shuppanjin
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1)【記事】卸・仕入れサイト 「スーパーデリバリー」に偕成社とほるぷ出版が絵本を出展
ラクーンが運営するファッション&雑貨の卸・仕入れサイト 「スーパーデリバリー」に偕成社とほるぷ出版が出展し、絵本の販売をスタート させた。絵本は玩具・ホビーに分類されている。
http://www.superdelivery.com/
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000953.000003091.html
スーパーデリバリーは2002年2月から運営を開始している。商品掲載数は約47万点。メーカーにとっては、全国45,164店舗への販路拡大ツールとして効果を発揮し、小売店にとっては1,058社の出展企業とインターネットを通して取引でき、仕入先を大幅に拡大することが可能になる。 偕成社、ほるぷ出版は絵本をベビー・キッズ用品を扱うアパレルショップやおもちゃ・雑貨を扱うセレクトショップ を流通チャネルとして開拓したいのだろう。 ラクーンとしては絵本を手始めにして様々なジャンルの出版物に手を広げていきたいのだろう。
アパレルショッブにしても出版物を併売することのシナジー効果は期待できる。事実、滋賀県の彦根に 拠点を持つ書店の天晨堂はアパレル企業のアーバンリサーチ と組んで、同社が展開するショップである「DOORS」の全国70店舗 で 出版物を販売している(数字は7月末現在)。「DOORS虎ノ門店」のブログでは度々、書物を話題にしている。
http://ur-blog.jp/doors/toranomon/
スーパーデリバリーは、今後、絵本以外のジャンルに関しても取り扱いを広げていきたい と考えているようだが、むしろジャンルからアプローチするのではなく、棚を丸ごと提供できるような方法を模索すべきなのではないか。
しかし、流通チャネルを広げることは、出版社にとってもろ手を挙げて賛成はできまい。出版物を他の何かを売るための販促ツールに利用されては元も子もないはずだ。「蔦屋家電」がオープンした際、私が最も危惧したのは、この点であった。
そうは言っても出版社にとって、書店の兼業化と流通チャネルの多様化は避けざるを得ない現実である。ただ出版物を送っていれば良いという牧歌的な時代は二度とやっては来ないことだろう。
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2)【本日の一行情報】
◎ボイジャーがRomancer のリニューアルを開始した。Romancer を使ったデジタル出版は公開・非公開を含め 5,000作品を超えたそうだ。低調といわれた日本のセルフ・パブリッシングの夜明けは近いと判断してのリニューアルだそうである。
https://romancer.voyager.co.jp/151203_romancer_renewal
https://romancer.voyager.co.jp/
「デジタル出版をはじめる人へ」はボイジャーらしい文章だ。アジっているんだよね。熱い。
https://romancer.voyager.co.jp/pdf/first-digital-publishing-guide.pdf
◎「日本が好きすぎる中国人女子」「世界カワイイ革命」「アニメ文化外交」 などの著書で知られるむポップカルチャー研究家の櫻井孝昌がJR西日暮里駅 ホームから転落し、電車にひかれて死亡した。
http://www.fashionsnap.com/news/2015-12-04/sakurai-takamasa/
https://www.youtube.com/watch?v=laj3tWUVHp0
声優の上坂すみれ がブログで追悼している。
http://lineblog.me/uesaka_sumire/archives/436279.html
歌手の高橋愛もブログで追悼している。
http://ameblo.jp/takahashiai-blog/entry-12102654177.html
櫻井は光文社の出身で、赤瀬川原平の担当者であった。
https://twitter.com/sakuraitakamasa
https://www.facebook.com/takamasa.sakurai.77
◎ファミリーマートはサークルKサンクスを傘下にもつユニーグループ・ホールディングスと来年9月に存続会社をファミリーマートとして経営統合に踏み切る。12月1日には、東海地方を地盤とする中堅コンビニのココストアを吸収合併した。ファミマ、サークルKサンクス、ココストアを合わせた店舗数は18393店となり、セブンイレブンの18099店を凌ぐことになる。
http://biz-journal.jp/2015/12/post_12691.html
コンビニの数はまだまだ増える傾向にあり、雑誌市場は縮小傾向にある。雑誌を単にコンビニに送れば良いという時代は終わってしまった。
◎フジテレビは11月23〜29日のゴールデンタイムの週間視聴率が7.6%で民放5位の座に転落した。テレビ東京は8.0%だった。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/170866/1
◎田原総一朗の「経営統合し、いま社員が3000人の大きなグループになった。そんなにいっぱいいてどうするの?」という問いにカドカワの川上量生社長は、こう答えている。
「ほんとですよね。でも、企業の社会的役割で一番重要なのは雇用です。だから人数が多いのはいいこと。うちは多すぎますが、それだけ社会のために役に立たない人間を雇っているわけだから、多すぎることに胸を張ってもいい。もちろん、そのぶん儲ける必要はありますが」
http://president.jp/articles/-/16760
◎LINEの公式アカウントを利用したニュース配信機能を外部メディア向けに開放する「LINEアカウントメディア プラットフォーム」を発表し、公開から約1日となる12月2日正午時点で、自社メディアを含む第一弾パートナーメディアのLINEアカウント友だち数(購読者数)が累計300万人を突破した。私もその一人である。
http://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2015/1174
◎シャストシステムによる10代に限定してのSNS利用実態調査によれば女性の「MixChannel」利用状況は西日本が25.3%、東日本が15.0%と東西差が顕著に出た。
http://ict-enews.net/2015/12/03fast-ask/
◎日本製紙連合会は、20代〜50代のビジネスパーソンを対象に、紙媒体及びデジタル媒体の利用に関する意識・実態調査を2015年11月10日(火)〜12日(木)の期間で実施した。これによれば“デジタルより紙の方がうれしいもの”は何か聞いたところ、「書籍」(60.3%)が最も多く、次に「手紙」(53.7%)、「漫画」(53.3%)という結果になった。また“今後紙で使いたいもの”は「書籍」(83.3%)、「雑誌」(79.0%)、「漫画」(78.7%)という順番となった。
一方、電子書籍の使用経験者は半数以上の56.3%。使用経験者のうち、59.8%は「スマートフォン」で閲覧している。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000016567.html
◎痛いところを衝いている。「週プレ外国人記者クラブ」に登場したデイビッド・マックニールの発言。
「確かにBBCは多くの点でNHKと似ていますし、現実には政府からの圧力も受けているので、決してパーフェクトとは言えませんが、両者の最も大きな違いは「ジャーナリズム」に対する基本的な認識というか、一種の「文化」ではないかと思います。イギリスでは好むと好まざるとにかかわらず、メディアが権力から独立した自由な存在でなければならない、あるいは「権力の監視」という役割を持っているという意識が広く国民全体に共有されていて、たとえそれが政治家にとって不都合な場合でも、そうしたメディアに対する認識は受け入れざるを得ない。
こうした基本的な認識を社会全体でしっかりと守ることが報道の自由を守ることであり、それが民主主義を守るためには欠かせないものだということを日本のメディアや日本人がもっと理解する必要があると思います」
http://wpb.shueisha.co.jp/2015/12/03/57661/
◎文藝春秋の電子書籍編集部では、12月10日より、「文春e-Books 週刊文春ミステリーベスト10 2015」を電子書籍化し、無料でリリースする。これは読者にとっても、書店にとっても有り難いことだ。
https://www.atpress.ne.jp/news/83497
国内部門で第一位となったのは東京創元社から刊行された米澤穂信の「王とサーカス」。東京創元社は国内部門で3作、海外部門で4作をベストテン入りさせている。
http://www.tsogen.co.jp/news/2015/12/15120314.html
海外部門の第一位はピエール・ルメートルの「悲しみのイレーヌ」。文藝春秋の刊行である。ちなみに昨年の一位は同じ著者の「その女アレックス」(文藝春秋)だった。
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167904807
◎ダイエットと筋トレがテーマの実用ムック「S Cawaii! Presents 1カ月限定プログラム 本気でやせナイトSPECIAL」と「へやトレスタートBOOK アプリで効果大幅アップ」の2点がトーハンオリジナルムックとして主婦の友社から発売された。
http://www.tohan.jp/news/20151203_639.html
◎川島なお美の手記「カーテンコール」が新潮社から発売される。
http://www.sankei.com/entertainments/news/151202/ent1512020014-n1.html
◎電通の伊藤誠司執行役員が「WEDGE」のインタビューに応じている。
「日本ではテレビの存在が大きいので売上総利益に占めるデジタル事業構成比はそれほど高くはないが、海外事業を統括している電通イージス・ネットワーク(DAN)でみると、デジタル事業構成比は14年度に43%、15年度上期に46%となっており、着実にデジタル比率が高まっている」
「海外事業構成比が50%を超え、今後、重要なグローバルの意思決定を日本人中心ですべきかどうか、といったことが経営課題になってくるだろう」
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5684?page=1
◎電通と電通国際情報サービス(ISID)は共同で、ユーザーが自由にアングルを切り替えて配信映像を楽しめる「マルチアングルキャッチアップ配信」と、それを活用した新しい広告配信「Viewpoint Release Ad(ビューポイント・リリース・アド)」を行うそうだ。12月1日〜2016年1月4日、テレビ朝日と新日本プロレスリングが共同運営する「新日本プロレスワールド」内での実施となる。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/1201-008553.html
◎電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」は、フィリピンのクリエーティブエージェンシー「ASPAC Creative Communications Inc.」の株式70%の取得と、今後段階的にシェアを拡大して完全子会社化するオプションを有することで合意した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/1204-008558.html
◎メガネトップが展開するALOOK(アルク)では、徳間書店のモノ情報誌「GoodsPress」と連動したコラボメガネプロジェクト「ALOOK HACIENDA(アルク ハシエンダ)」の第1弾商品を12月4日より数量限定で販売している。
http://www.alook.jp/goodspress/hacienda/
https://digitalpr.jp/r/14425
◎三省堂書店は、「To the Higher Stage 〜今より少し違う景色が見える書店〜」をコンセプトとして、全体の15%に当たる150坪を雑貨・カフェゾーンとした「三省堂書店 池袋本店」を、西武池袋本店別館地下1階・書籍館地下1階〜4階で12月6日(日)にグランドオープンした。
https://www.atpress.ne.jp/news/83541
◎「第4回静岡書店大賞」が決定。小説部門は辻村深月の「朝が来る」(文藝春秋)、児童書新作部門は、のぶみの「ママがおばけになっちゃった!」(講談社)、児童書名作部門はエリック・カール作、もりひさし訳の「はらぺこあおむし」(偕成社)、映像化したい文庫部門は北川恵海の「ちょっと今から仕事やめてくる」(KADOKAWA)だ。
http://www.at-s.com/news/article/culture/shizuoka/176227.html
◎講談社は「Kiss」「BE・LOVE」「ハツキス」「ITAN」の4誌が「オトナ女子が読みたい漫画」をテーマに主催する「講談社オトナ少女漫画大賞」 を新設した。「Kiss」「ハツキス」の鈴木学編集長が次のように語っている。
「もともとは会社の機構改変でBE LOVE・ITAN編集部とKiss・ハツキス編集部が合併したことから始まったプロジェクトですが、紙の雑誌が4つもあるというメリットを最大限に生かし、新しい才能に出会いたいと生まれたのが《オトナ少女漫画大賞》なんです! 」
http://comic-sp.kodansha.co.jp/ksm/taidan.html
http://comic-sp.kodansha.co.jp/ksm/index.html
◎映画監督にして、東京と大阪で開催された美術展には約39万人を動員 してしまう「鬼才」ティム・バートンがレストランの紙ナプキンに描いたスケッチを集めた画集「ナプキンアート オブ ティム・バートン」をヴィレッジヴァンガードが独占販売している。
http://vvstore.jp/i/vv_000000000092156/
◎CBCラジオの升家誠司社長 が放送批評懇談会セミナー2015「ラジオの可能性を真剣に考える?すべてを語る150分」 でこんなことを言っている。
「平日午後のワイドを担当している北野誠が、毎週月曜にリスナーと飲む会、『マコ酒RUN』を自腹で開いている。既に190回以上行われ、毎回40〜50人が集まるので、もうすぐ1万人になる。飲んでしゃべって悩みを聞き、一緒に写真を撮る。北野にとってもネタの宝庫だ。名古屋だけではなく、東海三県に足をのばす。CBCラジオの夏祭りでは、北野のステージに飲み会の参加者が大勢集まる。古くて新しい方法だ。刺さり方の深さでリーチにプラスαをつけられる 」
http://toyokeizai.net/articles/-/94726
◎コミュニティーFM局「渋谷のラジオ」 が来春開局される。運営するNPO法人CQ には福山雅治 も出資している。
http://www.shibukei.com/headline/11246/
◎境治が次のように指摘している。
「つまり、世帯視聴率は、昭和の標準的(とイメージされていた)家庭が多数を占めていた時代には非常にマッチしていたが、21世紀の日本社会に合っていない。あるいは、今の日本社会のいびつさの影響をはっきりと受けてしまった指標なのだ。
だから、世帯視聴率は不要かというと、そんなに単純な話ではない。先述の通り、指標がないとビジネスが動かせなくなってしまう。日本の全世帯で各番組がどう視聴されているか、そのモノサシとしてはよくできているし、広告の大まかなリーチを測るのに第一義的には有効な指標なのだと言える。
ではどうすればいいのか。明確な答えはまだないが、多様な試行錯誤はすでに始まっている。おそらく、世帯視聴率をx軸としたうえで、y軸となる指標を設定し、1次元的だった視聴計測を2次元的に進化させるべきなのだろう」
https://crevo.jp/video-square/column/viewerrateandottvideo/
◎Facebookは、ストリーミングビデオ配信機能「Live」を、米国内の一般iOSユーザー向けに12月3日からテスト公開した 。
http://jp.techcrunch.com/2015/12/04/20151203facebook-collages/
◎ハイブリッド型書店サービス「honto」の 2015年年間ランキング。
「honto電子書籍ストア 」の総合ベスト5は次の通り。
1位 「火花」(文藝春秋)
2位 「鹿の王」(KADOKAWA)
3位 「嫌われる勇気」(ダイヤモンド社)
4位 「進撃の巨人」(講談社)
5位 「その女アレックス」(文藝春秋)
「hontoネットストア 」の総合ベスト5は次の通り。
1位 「21世紀の資本」(みすず書房)
2位 「火花」(文藝春秋)
3位 「今日の治療薬 解説と便覧 2015 」(南江堂 )
4位 「TOEIC テスト新公式問題集 Vol.6 」(国際ビジネスコミュニケ ーション協会 )
5位 「マップス 新・世界地図」(徳間書店)
http://www.2dfacto.co.jp/pdf/151204_1.pdf
http://honto.jp/cp/hybrid/recent/ranking.html
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3)【深夜の誌人語録】
お金は必要だし、重要だが、すべてではないし絶対でもない。