【文徒】2015年(平成27)12月8日(第3巻224号・通巻674号)

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1)【記事】デジタルシフトについて
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】デジタルシフトについて

私もまたコンデナストジャパンの新井良ジェネラルマネージャ同様に 「日本のデジタルメディアはまだ発展途上の段階」 だと認識している。また、「東洋経済オンライン」の山田俊浩 編集長の次のような指摘にも納得できる。
「百貨店の本店にお客さんが来て、その場でモノを買ってくれる時代は幸せだった。今は同じモノを売るのでも、原宿、軽井沢、千葉県、など場所によってお客さんの質や層が変わるので、売るモノは変わるし、売り方も変わる。同様のことがメディアのビジネス環境にも起こっている」
https://markezine.jp/article/detail/23361
わが国の場合、IT企業が出版社を買収して、既存のメディアビジネスのデジタルシフトを加速化させるということは大いにあり得るだろう。カドカワも、そうした歴史的必然性によって成立したと考えられよう。
こんなことも言えるかもしれない。既存ビジネス自身がデジタルシフトに懐疑的であったり、なかなか攻めの姿勢になれないのは、それまでの歴史が蓄積してきた遺産が様々な「思惑」を生じさせるからである。その点、IT企業はデジタル革命を突き進むしか生き残る道は残されていないのである。

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2)【本日の一行情報】

ミクシィの完全子会社で結婚支援事業を手掛けるダイバース が運営する「AM」は、今を生きる女性に向けて様々なコラムを通して恋愛、性、人生を語る恋愛マガジンだが、幻冬舎とコラボして、真野朋子 による官能小説「楽園の罠」の連載を行っている。
http://am-our.com/sex/258/12661/
http://am-our.com/cp/gentosha/

◎セクハラ事件で揺れる日本テレビ宣伝部。東スポは「女帝」と呼ばれていた副部長に焦点を当てた記事を書いている。
http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/479964/

日本ネット経済新聞 がEC事業者を対象にコスト意識調査 をしたところ、EC事業で最も負担に感じている費用は、「広告宣伝費」30・3%、「物流費」27・3% 、「システム費用」18・2% 、「商品原価」「顧客対応費用」「代金回収費用」が各6・1%、「サイト制作・メンテナンス費用」は3・3% という結果となった。
http://www.bci.co.jp/netkeizai/article/1231

◎「火花」の電子書籍は13万DLを突破しているそうだ。
http://music-book.jp/book/news/news/102121

三笠書房は、「三笠書房年末年始準備フェア」として、Amazon Kindle版で最大50%オフのキャンペーンを12月1日から1月31日(日)まで実施する。
https://www.value-press.com/pressrelease/153455

◎新読書推進キャンペーン実行委員会は、12月29日(火)から1月3日(日)まで全国の参加書店で「年末年始は書店に行こう!コミックスdeお年玉キャンペーン2015−2016」を開催する 。
協賛社は、秋田書店、アニメタイムズ社、一迅社エイガウォーカー王子製紙、大阪屋、宙出版、KADOKAWA、共同印刷、協和出版販売、栗田出版販売廣済堂講談社集英社小学館祥伝社少年画報社スクウェア・エニックス大王製紙大日本印刷、太洋社、竹書房中央社トーハン徳間書店ドコモ・アニメストア図書印刷凸版印刷ドワンゴ、日本出版販売、日本製紙日本文芸社白泉社双葉社ぶんか社芳文社北越紀州製紙丸住製紙リイド社
http://honya-go.com/
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000012118.html

◎「TIFFANY A to Z TIFFANY STYLE BOOK 」が幻冬舎から発売される。NYティファニーが特別に製作したオリジナル USBメモリ付きのスペシャルセットが、2700円+税 。通常版は1300円+税 。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000150.000007254.html
幻冬舎は商売上手である。

ペンネームからしてラジカルなまんしゅうきつこのコミックエッセー「まんしゅう家の憂鬱」が 集英社から発売された。これ傑作!トークイベントが12月12日 に三省堂書店池袋本店で、12月30日にロフトプラスワンエストで開催される。
http://natalie.mu/comic/news/168142
ブログ「まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど」や「小説すばる」に掲載された コミックエッセーをまとめたものだ。
http://manshukits.exblog.jp/
グレーとピンクの装丁が 、作者の精神状態を表しているようで良いよね。それにしても美人だ。
http://matome.naver.jp/odai/2142978731661526201
http://www.news-postseven.com/archives/20151205_368920.html

◎「クロワッサン特別編集 親を看取る 」(マガジンハウス)が売れているようだ。
http://getnews.jp/archives/1285372
http://www.sankei.com/life/news/151205/lif1512050024-n1.html
マガジンハウスで介護といえば、大島洋一の名前を思い出さずにはいられない。
http://kaigo.suumo.jp/article/detail/2014/12/10/1762/

都築響一の「圏外編集者」が朝日出版社 から刊行された。「POPEYE」「BRUTUS」の名編集者のひとりである。
トークイベントが模索舎の主催で開催される。
http://www.cinra.net/news/20151204-tsuzukikyoichi
http://www.labornetjp.org/EventItem/1448980483004ylaur

◎「週刊少年マガジン」(講談社)に連載されている真島ヒロ の「FAIRY TAIL」が舞台化される 。
http://www.oricon.co.jp/news/2063357/full/

◎教科書を手がけている三省堂が「編集会議」と称して検定中の教科書を学校教員らに見せて謝礼を支払っていた問題で、こうした「編集会議」は平成21年以降で計7回開かれ、26都府県の教員計53人が参加していた という。
http://www.sankei.com/life/news/151204/lif1512040024-n1.html

アメリカで24時間放送の銃器専門ショッピングチャンネル「GunTV 」が1月よりスタートする。
https://gunosy.com/articles/aFPqH
ニューヨーク・タイムズ は一面で銃規制の必要性を訴える社説を掲載しているのだが。「1面の社説掲載は大統領選候補について書いた1920年以来、初めて 」だそうだ。
http://mainichi.jp/articles/20151206/k00/00m/030/044000c?fm=mnm
http://www.nytimes.com/2015/12/05/opinion/end-the-gun-epidemic-in-america.html?ref=opinion

◎あまり知られていないことかもしれないが、齋藤薫は「東京アドエージ」出身である。
http://i-voce.jp/feed/1631/

◎「comico」と「 ミス慶應コンテスト」がコラボし、「 ミス慶應コンテストin comico」を実施した。「ミスcomico賞」を受賞した山田来夢を主人公にしたマンガを公開している。
http://www.comico.jp/articleList.nhn?titleNo=13449

◎アイドル育成アプリ「あんさんぶるスターズ!」のコミカライズは「ARIA」講談社)で連載され、また「pixivコミック」では同作のユニット別、クラス別などのスピンオフショートストーリーが連載されているが、更にアニメ化と舞台化が決定した。
http://natalie.mu/comic/news/168213
http://stars.happyelements.co.jp/#anchor_units

◎産経に掲載された「戦後入門」(加藤典洋)の書評。評者の上原隆は「思想の科学」で編集に携わっていた一人である。
http://www.sankei.com/life/news/151206/lif1512060018-n1.html

毎日新聞紙面審査委員の山田道子が「週刊朝日」と「サンデー毎日」の表紙を原節子が飾ったことについて次のように書いている。
「人気男性タレントではないのに表紙で売れた原さん。原さんを表紙にした女性週刊誌はなかった。総合週刊誌の読者は高齢化が著しいことをしみじみ痛感した」
http://mainichi.jp/premier/business/articles/20151204/biz/00m/010/013000c

◎「週刊実話」の編集長が退任したという。「リテラ」は山口組分裂報道が原因と書いている。
http://lite-ra.com/2015/12/post-1755.html

非正規雇用者の多いNHKハケン切りの嵐が吹き荒れているそうだ。
http://biz-journal.jp/2015/12/post_12738.html

KADOKAWAラノベ編集者・三木一馬は、これまで累計で6000万部を売り上げた。
「多くの作家を担当した中で印象に残っているのは『禁書目録』の作者・鎌池和馬さんだ。鎌池さんの最初の応募作について『正直、物語は破綻していましたが、作家の好きなことが文章から熱く感じられ、読者をひっぱる力があった。ただ人に読ませたことがないだけで、欠点を直せば良くなると思いましたから』と話す」
http://mantan-web.jp/2015/12/06/20151204dog00m200022000c.html

三省堂書店は、BookLiveとの取組みにより、12月7日(月)に「電子書籍店頭決済」サービスを自動ダウンロード化する。「電子書籍店頭決済」は、電子書籍ストア「BookLive!」で取り扱う電子書籍コンテンツを三省堂書店で購入することができるサービスで、このサービスを自動ダウンロード化することにより、レジで代金を支払うと同時に「BookLive!」本棚へ購入商品が自動で出現することになる。
https://www.atpress.ne.jp/news/83599
また三省堂書店が提供している“クラブ三省堂アプリ”に、いつでもどこでも、指定した店舗に在庫が存在するかどうかを確認できる「書籍検索機能」と「クラブ三省堂ポイント残高確認機能」を12月1日(火)に追加アップデートしている。
https://www.atpress.ne.jp/news/83679
今後、書店にとってOtoO施策は欠かせまい。

◎野中かをるによる「失格人間ハイジ」は男性書店員と出版社の女性編集者の恋を描く「comico」に週刊連載されているマンガである。スポニチの「スマホ漫画家 小さな画面に大きな可能性!業界の構造までも変化」は次のように書いている。
「従来の漫画が右から左、上から下へと読むのに対し、コミコは画面を上から下の一方向にスクロールさせて読む。4コマ漫画のように、コマが自然と上から下に一直線に並ぶ仕組み。野中はここにも利点を見いだしている。『動的な絵が描きやすい。1コマずつ読むから、読み飛ばしも先読みもなく、視線誘導しやすい』という。映像フィルムを映写機で再生するような回想シーンなど独自の手法を編み出し、読者を驚かせている」
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2015/12/07/kiji/K20151207011641870.html

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3)【深夜の誌人語録】

人生に結論や結果を求めるべきではない。人生は、その日を迎えるまで過程なのである。