【文徒】2016年(平成28)1月14日(第4巻7号・通巻694号)

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1)【記事】1月1日発売「週刊文春」女性版がほぼ完売
2)【本日の一行情報】
3)【人事】集英社 2016年1月12日付人事
4)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2016.1.14 Shuppanjin

1)【記事】1月1日発売「週刊文春」女性版がほぼ完売

客 井崎彩を編集長に据え、女性スタッフだけで編集し、1月1日に発売した「週刊文春 Woman 2016 新春スペシャル限定版」の売行が好調だったようだね。
主 結局、今年もセブン-イレブン限定での発売になったけれど、完売に近い数字を叩き出したようだ。
客 今年は「週刊文春」だけではなく、「週刊現代」「週刊ポスト」も参入したわけだけれど、「週刊文春」に一日の長があったということだろうか。
主 話題作りが上手だったもの。1959年の「週刊文春」創刊以来、臨時増刊を含めて初の女性編集長だというカタチで、パブリシティも利かせていたしね。
客 それで新春の第一発目がベッキーの不倫スクープなんだよなあ。女性読者が「週刊文春」に飛びつかないはずはない。
主 三か月の「休養」となっていた新谷学編集長の復帰第一号に当たるんだよな。右肩で古館伊知郎の「報道ステーション」降板を「週刊文春」らしい厚みをもって取り上げ、左肩でスキャンダリズムを全面展開させている。上手だよな。
客 こういうスクープをやられると女性週刊誌は真っ青だよね。その存在価値が問われてしまう。
主 読者が女性週刊誌の限界を見切っちゃうよね。「週刊文春」が万能なわけではなく女性週刊誌はタブーが多過ぎる。どの雑誌にだって、そりゃあ「できないこと」はあるだろうよ。でも「できないこと」がいくつもあったんじゃ読者からソッポを向かれてしまう。
客 我が道を行く「週刊新潮」が好きだなあ。
主 ただ、広告媒体としていえば、「週刊文春」の評価が圧倒的に高い。それはそうと新潮社の経営は大変なんじゃないのかな。給与水準を下げたという話だろ。文庫にメスを入れなければならない時期だと思うけれど。
客 新潮社は、いつの間にやら雑誌と出版が別会社のようになってしまったよね。
主 佐藤社長がしゃかりきになって図書館にイチャモンをつけているのも、経営が苦しい証拠だろ。

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2)【本日の一行情報】

◎「…原作者が同人誌の二次創作を黙認する理由の一つには、同人誌で経験を積み、プロとしてデビューした作家が少なくない」ことから、TPPの大筋合意で海賊版の取り締まり強化の対象外とされる見通しだが、「非親告罪の範囲設定が難しい面」があるのは間違いあるまい。1月11日付産経「コミケ最新事情 TPP合意で同人誌はどうなる? 著作権強化で漫画・アニメの二次創作に残る不安」は次のように書いている。
「昨年12月29〜31日、東京都江東区で開かれ、3日間で52万人が集まった。
出展された作品の多くは二次創作。作り手は取材には応じてくれるものの、作品の撮影は困難を極めた。二次創作は原作者の許諾を得ていないことから、作り手側は表立った販売を控える傾向がある。主催するコミックマーケット準備会の以前の調査では、同人誌制作サークルの約7割が赤字だという」
http://www.sankei.com/premium/news/160111/prm1601110013-n1.html

◎「ショーン・ペンは時おり、新聞社や雑誌に記事を寄せるジャーナリストとしても活動」しているのか!知らなかった。
http://japanese.engadget.com/2016/01/11/blackberry-messenger/

ぴあフィルムフェスティバルの8ミリ自主映画の特集企画が2月開催の第66回ベルリン国際映画祭、3月開催の第40回香港国際映画祭で実現することになった!
http://pff.jp/jp/news/2016/01/8mm-1.html
http://pff.jp/jp/directorsblog/2016/01/8mm.html
もっと話題になっても良いニュースなんだけれどなあ。私は、こういう「ぴあ」が好きである。

◎ビデオリサーチは、この度、関東・関西・名古屋の各民放5局を対象にテレビCMのオンエア状況を調査している「テレビ広告統計」データより、2016年1月1日〜3日の間に関東地区でオンエアされたテレビCM動向を取りまとめた。結果は次の通り。
「タレント別出演CM本数」
1位 DAIGO
2位 広瀬すず
3位 小泉今日子
「企業別CM本数」
1位 ソフトバンク
2位 スズキ
3位 ダイハツ工業
「商品・サービス別CM本数」
1位 ソフトバンク(企業CM)
2位 Cygames グランブルーファンタジー
3位 エレックスワイヤレス クラッシュオブキングス
https://www.videor.co.jp/press/2016/160105.htm

ドミノ・ピザは、LINEのトーク画面でピザが注文できる「ドミノ簡単注文」での累計売上が、公開から4カ月で1億円を突破したと発表した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000006501.html

◎マガジンハウスの「Hanako」が日本ハム大谷翔平投手を「ロッカールームで待ち合わせ」で取り上げるそうだ。
http://www.daily.co.jp/baseball/2016/01/12/0008714578.shtml

ジャストシステムの「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査」(2015年12月度)によれば、Instagramの認知率が2014年12月調査時は48.6%であったが、2015年12月の調査では72.8%にまで増加している。2015年で接触頻度が最も高かったと感じる広告媒体は「テレビ」が38.5%と最も多く、「パソコンで表示される広告」(27.8%)、「スマートフォンで表示される広告」(24.4%)とつづく。10代では「テレビ」(33.3%)を抜いて「スマートフォンで表示される広告」が47.4%と最も多い。
https://ecnomikata.com/ecnews/strategy/7710/

◎横浜DeNAベイスターズが12日付スポーツ新聞6紙をジャックした。
http://www.baystars.co.jp/news/2016/01/0111_01.php

◎「デジタルジャーナリズム・フォーラム2016」が3月11、12の両日、講談社本館講堂・高層棟会議室で開かれる。実行委員会のメンバーである講談社の瀬尾傑がリリースで次のように語っている。
「メディアが転換点を迎える中で開催する今回のイベントは、取材現場を駆けずり回る記者、あるいは最新のテクノロジーや膨大なデータと格闘するエンジニア、アナリスト、そしてメディア企業やスタートアップの経営者といった、それぞれ違う立場でジャーナリズムにかかわる人たちが同じ場所に会することにもっとも意義があると考えています。IT技術やスキルを共有するだけではなく、その倫理や社会的な役割をあらためて議論しあう、そんなコミュニケーション空間の実現を目指します」
http://www.digitaljournalism.jp/
http://www.digitaljournalism.jp/doc/DJF2016_release.pdf
出版社で実行委員となっているのは、講談社ダイヤモンド社東洋経済新報社の3社である。

◎KADOKAWAは、首ウォーマー 付きの「つけて深睡眠 疲れとり首ウォーマー ネイビー」を発売した。価格は1500円+税。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002037.000007006.html

◎3月12日(土)に角川映画40周年記念作品「エヴェレスト 神々の山嶺」が全国公開されるのに合わせて、KADOKAWA集英社の両社は出版社の垣根を越えタッグを組み、夢枕獏の原作小説「神々の山嶺」・コミックス・映画を3本柱で盛り上げていく「連合登頂プロジェクト」を1月12日(火)から実施している。
http://challenge-everest.jp/

◎1月12日にペットメディア「INU MAGAZINE」が正式ローンチされた。
http://jp.techcrunch.com/2016/01/12/inu-magazine/
https://inumagazine.com/

リクルートライフスタイルは、スクール情報誌「ケイコとマナブ」、資格専門誌「稼げる資格」、通信講座の総合情報誌「通信講座大事典」を休刊し、今後はサイト「ケイコとマナブ.net」に資格や習い事に関するメディアを一本化することになった。
http://www.recruit-lifestyle.co.jp/news/pressrelease/education/nw15342_20160112

サイバーエージェントは、リクルートホールディングスと共同で、新規事業を創出するプロジェクト「FUSION」(フュージョン)を開始する。
「本プロジェクトでは、リクルートサイバーエージェント両社従業員の混合チームを編成するためのミートアップイベントを経て、合同チームでの新規事業案を募集します。その後、書類選考を通過した案のブラッシュアップをするアイディアソンイベントを経て、最終審査に進んだ事業案については両社の経営陣にて検討を進め2016年秋冬に事業化を目指します」
https://www.cyberagent.co.jp/newsinfo/press/detail/id=11505
http://www.recruit.jp/news_data/release/pdf/20160112_01.pdf

◎「皇国の守護者」がマンガ図書館Zで一度は公開されたのだが、たちまち削除されたもようだ。
佐藤大輔の小説を伊藤悠がマンガ化、「ウルトラジャンプ」に連載されていたが、未完のまま連載を終了していた。
http://togetter.com/li/924864
一時、公開されていたページには、「現在こちらの作品の収益はプールされています。 権利者様は収益お受け取りの手続きをお取りください。」という文言があった。グーグルのキャッシュは以下。
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:-PSiZtvN6hEJ:https://www.mangaz.com/book/detail/105711+&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp

ちくま文庫の2015年4月〜2016年3月までの新刊の帯についている専用応募券を3枚1口で応募すると、「非売品ちくま文庫解説傑作集II」が貰える。
http://www.chikumashobo.co.jp/special/bunko30th/

朝日新聞社会部の1月12日のツイート。「なりすまし」ではなく「本物」であることが悲しい。
「『SMAP解散』を日刊スポーツが明日の朝刊で掲載する、との一報が。社内は騒然。事実確認に走っています」
https://twitter.com/Asahi_Shakai/status/686963555694841857
こんなことぐらいで騒然とするなよ!イスタンブール自爆テロでは騒然とならなかったのにさ!!

大日本印刷は、自動車業界向けに、車載機器に搭載されているアプリケーションの改ざんや秘密情報の不正な取得などを防止し、車載システムのセキュリティ性を高めるサービスの提供を開始した。
http://www.dnp.co.jp/news/10118414_2482.html

蓮池透のツイート。
「私は決して嘘は書いていません」
https://twitter.com/1955Toru/status/686799077229473792
これ書店は「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」(講談社)の手書きPOPに使えるよね。

朝日新聞社は地域面とフィーチャー面の校閲と編集を分社化するそうだ。
http://edgefirst.hateblo.jp/entry/2016/01/13/083000
大手出版社にも分社化の波は押し寄せそうだ。広告部門の分社化は検討に値するだろう。具体的にいえば、関連会社として名前を連ねる広告代理店にその機能を移管するということだ。

ロンドンブーツ1号2号の田村淳は1月9日付日刊スポーツで、こんな発言をしている。
双葉町に『原子力明るい未来のエネルギー』っていう看板がありました。残したかったですよね…。ボクもツイッターで残そう、と呼び掛けたけれど。マイナス面を消し去るってことは、絶対しちゃいけないと思ってるんです。
東京電力が街にやって来て良いこともあったし悪いこともあった。事故も実際起きた。そこを全部知ることが歴史じゃないかと思うんです。戦国大名みたいに、“勝ったら都合が悪い歴史を塗り替えていく”みたいなことをしだしたら、これから先の人が見て学ぶ術や、情報を減らすことになってしまう。ああいうものって、残せるだけ残した方がいいとボクは思います」
http://www.nikkansports.com/entertainment/column/tamura-atsushi/news/1589454.html
ツイッターで田村は、こう呼びかけている。
「あくまでも僕が行って感じた事なので、参考までに読んでみて下さい。
色んな意見があった方が自然な事なんだと、思いながら読んでくれると嬉しいです」
https://twitter.com/atsushilonboo/status/685792666445942784

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3)【人事】集英社 2016年1月12日付人事

■田中 恵(タナカ メグミ)
新:取締役(第6編集部、第10編集部、女性誌企画編集部、広告部担当) 兼 第10編集部部長 兼 広告部部長
旧:取締役(第6編集部、第10編集部、女性誌企画編集部、広告部担当) 兼 第10編集部部長

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4)【深夜の誌人語録】

偏向するにしてもバランスを取りながらでなければなるまい。