【文徒】2016年(平成28)3月24日(第4巻55号・通巻742号)

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1)【記事】オプト「監査等委員会設置会社」移行に米投資ファンドが反対する理由
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】オプト「監査等委員会設置会社」移行に米投資ファンドが反対する理由

オプトホールディングスは「監査等委員会設置会社」への移行する予定であったそうだ。3月25日に開催される株主総会で移行が決まる段取りであったが、この議案に、株主である米投資ファンドRMBキャピタルが反対票を投じる意向を明らかにし、他の株主にも反対票を投じるべく、プロキシーファイト(委任状争奪戦)を実施する計画なのだそうだ。
何故、監査等委員会設置会社に移行することに反対なのか。金融ジャーナリスト伊藤歩が「東洋経済オンライン」でRMBキャピタルのポートフォリオマネージャー細水政和(野村証券出身だ)にインタビューをしている。
「そもそも、オプトの経営陣だけでなく、多くの日本の経営者は、コーポレートガバナンスの目的を、業務改善のための内部管理システムだと勘違いしています。だから業務に精通している人でないと社外取締役に相応しくない、人材がいないと言うわけです。
でも、我々株主が監視したいのは業務ではなく、経営陣そのものです。経営陣そのものを監視するのに、業務に精通している必要はありません」
http://toyokeizai.net/articles/-/110362
http://www.opt.ne.jp/files/topics/3408.pdf
「現代ビジネス」では磯山友幸が「ガラパゴス化する日本のコーポレート・ガバナンス〜なぜ今、海外投資家が懸念するような独自の制度を?」で、こう書いている。
「それまでの会社法では『委員会設置会社』といえば、社外取締役が過半を占める『指名委員会』と『報酬委員会』、『監査委員会』の3つを設置することが義務付けられていた。ところが、新制度では、指名と報酬の委員会は置かず、監査委員会だけを置けばよい。しかも、従来からの監査役制度を廃止することができる。
当初は国際的に理解を得にくいこの新制度を導入する会社は多くないとみられたが、実際は導入する企業が相次ぎ、今年6月の株主総会シーズンまでに400社以上の会社が新制度に移行する見通しになっている」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48255
何だかんだと言っても「ムラ」は住みやすいからね。「ムラ」を守りたいんでしょ、日本の企業は。「東洋経済」にしても、「現代ビジネス」にしても「ムラ」とは無縁ではあるまい。

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2)【本日の一行情報】

任天堂にとっては初めてとなるスマホ向けアプリ「Miitomo」のユーザー数がリリースから3日間で100万人を突破!「Miitomo」は作成した自分のアバターMii」を通じて、友達が作成したMiiとのアプリ上での交流を楽しむSNSアプリである。
http://ggsoku.com/2016/03/miitomo-app-installed-1-million-users/
任天堂にとってもスマホは無視できなくなったのだろう。
一方、日経は任天堂が「Wii U」の生産を年内にも終了すると報じた。
任天堂は主力の据え置き型ゲーム機Wii U」の生産を年内にも終了する。人気ソフトが少ないことなどから、前機種「Wii」に比べ、販売が振るわず、回復が見込めないと判断したもようだ」
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO98745680T20C16A3TI5000/
ところが任天堂は、この報道を否定している。「ねとらぼ」は次のように書いている。
任天堂は23日、据え置き型ゲーム機Wii U』の生産を年内にも終了するとの日本経済新聞の記事について『当社からの発表ではない』として、『来期以降も生産は継続して行う予定』だと取材に答えた」
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1603/23/news081.html
日経は任天堂に関しては飛ばし記事が多いという印象が私にはある。「Wii U」に電子書籍やカーナビ機能を付けてスマホに対抗するという記事も、アジア市場をターゲットに3DSを販売するという記事も、いわゆる「飛ばし」であった。
http://matome.naver.jp/odai/2133887596023833001

ソニーが提供するAndroid端末向けニュースアプリ「News Suite」(ニューススイート)は世界70カ国でインストール総数は約4000万、MAU(月間アクティブユーザー)も約600万人なのだそうだ。広告のセールスも開始している。
「アプリを使用している人の多くは『Xperiaユーザー』になります。Xperiaユーザーにはソニーファンが多く、商品を買うときも決して値段優先ではなく、こだわり志向の30〜40代の男性が多い。一言で『ニューススイート』を表現すると『経済力があり、プレミアム志向の男性に強いメディア』になるでしょうか。
そのため、自動車や金融商品をはじめとしたプレミアムな商品の広告に適しています。実際に、広告の配信テストをしたところ、不動産の広告の成績がすごく良かったですね。そのほかにも、テクノロジーやガジェット、アニメ、ゲームなど男性が好きなコンテンツとの相性もいいです」
ソニーのUXマーケティング本部 プランニング&サービス2課 上木建一郎統括課長の発言だ。
http://www.advertimes.com/20160322/article219306/

◎本業は縮小傾向にあっても、不動産ビジネスが本業を支えているのは何もフジテレビに限ってのことではない。
「…フジ・メディア・ホールディングスの収益の柱である不動産事業は安泰と言っていいでしょう。サンケイビルに加えて、今期より連結された子会社・グランビスタがいきなり大きく収益貢献しております。今後も益々、不動産への依存を高めていくのでしょうか」
http://blog.goo.ne.jp/dancing-ufo/e/080d8e49ed6a070b613d1ad63e68e960

トランスコスモスとLINEは、共同出資による新会社「transcosmos online communications株式会社」を設立することになった。transcosmos online communicationsでは、LINE上における企業と顧客のコミュニケーションをより加速させるため、LINE ビジネスコネクトを活用した新しいサービスメニューの開発や、企業向けのコンサルティング、企画業務をトランスコスモスとLINEで共同で行う。その先駆けとして、トランスコスモスが特に得意とする、LINE上でのOne to Oneカスタマーサポートソリューションのさらなる導入促進を図り、企業がユーザーからの問い合わせをLINE上で対応する“コンタクトセンターのLINEチャット化”を促進するという。
http://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/160322_0002.html

◎新潮社出版部長の中瀬ゆかりは「経歴詐称」で「報道ステーション」などを降板したショーン・マクアードル川上TOKYO MX「5時に夢中」で徹底的に擁護したそうだ。
http://otapol.jp/2016/03/post-6094.html
週刊新潮」があらゆる理屈を総動員して川上を擁護する記事を載せれば面白いんだけどなあ。

クックパッドは3月22日の取締役会で創業者の佐野陽光を執行役から解任。取締役にはとどまる。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ22HUH_S6A320C1000000/

文教堂書店座間駅前店が3月21日をもって閉店。
「座間駅前の文教堂書店が3月をもって閉店とのこと。
ロータリー横のミスドも閉店してそこまで経っていないのに、それに続いてだからなぁ。
しかも、ハイツ近辺のスーパーオオゼキもバレンタインデーに閉店したし、座間がどんどん衰退の一途を辿っている気がする」
https://twitter.com/yako050112/status/703582541496737793

昼間たかしは「おたぽる」の「『社員が無能……』自主廃業を断念した太洋社への“冷ややか”な評価」で次のように書いている。
「太洋社破産の原因の一つとして、出版産業が縮小する中でトーハン、日販に優良顧客を奪われてしまったことは、多くのメディアが指摘している。これに対する出版社の見方は冷ややかだ。
『結局は、社員が無能だったってことですよ』(別の出版社社長)」
http://otapol.jp/2016/03/post-6098.html

◎今度の舞台は、イランの首都テヘランだ。孫崎享の「小説 外務省II――陰謀渦巻く中東」(現代書館)。日本の外交官とCIAのエージェントが繰り広げる情報戦は、元イラン大使ならではの迫力だ。
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-5783-2.htm
カバー装幀には、戦前からニューヨークで活躍し、開戦後はアメリカの戦時情報局で対日プロパガンダを引き受けざるを得なかった画家・国吉康雄の「ミスターエース」が使われている。ベネッセの福武哲彦・福武總一郎親子が集めていたんだ!
http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/kenbi/kniyoshi-sakka2.html

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3)【深夜の誌人語録】

易しいことほど難しいことはない。