【文徒】2016年(平成28)3月23日(第4巻54号・通巻741号)

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1)【記事】雑誌情況への提言 デジタルシフトの課題とは?
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】雑誌情況への提言 デジタルシフトの課題とは?

客 大手出版社の雑誌ビジネスにおけるデジタルシフトが加速してきたね。
主 良い傾向だと思うよ。ただ課題も多い。
客 どんな課題があると考えているのかね。
主 これはアメリカなんかの雑誌社と比較すると一目瞭然なんだけれど、エンジニアの数が圧倒的に足りない。
客 エンジニアを採用し始めている出版社もあるよ。
主 編集者であれば、大手出版社の中途採用試験に受かれば、まず辞退しないけれど、エンジニアの場合は平気で辞退する。エンジニアからすれば大手といえども出版社では自分の能力を十分に生かし切ることができないと判断してしまうんだろうな。これがアメリカの出版社だと営業部門や編集部門をリストラしてでも、エンジニアを大量に採用している。それこそ編集3、エンジニア2という構成比になっている。
客 ハーストなんかエンジニアだらけなんだろ。
主 編集とエンジニアの壁がないんだよね。もう一つの課題はデジタルシフトが進んでいるといっても、ブランド数が少なすぎる。もっと増やさなけりゃ駄目だね。三人で一媒体が理想だと思う。多くても五人で一媒体は必要だ。単純計算すると社員が300名いるのであれば、100の媒体は立ち上げなけりゃデジタルシフトしたとは言えないと思うんだ。
客 そんなに!
主 雑誌ビジネスのデジタルシフトの本質は「塵も積もれば山となるビジネス」だと思うよ。日本語は英語と違って世界言語じゃないからね。それからコンテンツでいえばテキストのみならず、動画に積極的になる必要がある。雑誌的な動画をいかに提供するかということだよな。雑誌社はテレビ局じゃないんだからさ。

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2)【本日の一行情報】

◎ガラポンはワンセグ8ch全番組録画機「ガラポンTV」の新提供形態として、「ガラポンTVプレミアムプラス」をスタートさせている。「ガラポンTVプレミアムプラス」は、月額980円(税別)の費用負担のみで、ガラポンTVの端末購入代金を負担することなくガラポンTVが使えるプラン。契約期間中は回数無制限の故障無償修理保証がついたガラポンTVを利用できる。
http://garapon.tv/pr_premium_plus/

ディーン・フジオカは「マルトモ・プレ節 25ミクロンソフトけずり」で日本のテレビCMに初登場した。
https://www.youtube.com/watch?v=PqzAknxAUAs

◎オプトは、テレビ神奈川と業務提携し、訪日外国人客の誘致やビジネス支援を目的にした動画の海外インターネット配信事業「日本 千宝箱」 (Japan Treasure Box)」を立ち上げることになった。
http://www.opt.ne.jp/news/pr/detail/id=3436

Facebookは、「ビジネスストーリーメイカー」日本語版の提供を開始した。
https://www.facebook.com/business/news/3-million-advertisers-jp
Facebookページに提供されるサービスであり、8枚の写真と簡単なテキストを組み合わせ、BGMを4種類の中から選択すると、10秒程度のイメージ動画を作成できるというものだ。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20160318_749074.html
既存のビジネスの常識を否定することで、新しいビジネスが可能になる。そういう時代である。模倣するよりも否定せよ!

KADOKAWA角川アスキー総合研究所が共同で実施した調査によれば女子小学生のスマホ利用率は18.5%。前年調査では9.7%だったから、二倍近い数字となり、パソコンを超えたという。
http://www.lab-kadokawa.com/release/detail.php?id=0033

◎ipocaが運営し、リアルタイムに店頭情報が見られるアプリ「NEARLY」(ニアリ)の登録店舗数がスタート14ヶ月で1万店舗を突破した。1万店舗の内訳は、「ファッション・雑貨」の店舗が全体の52%を占める。ニアリのビジネスモデルは、商業施設からのサービス利用課金が主となっているそうだ。
https://ipoca.jp/news/20160317_455/

◎日販は、3月26日(土)の北海道新幹線開業を記念し、KADOKAWA交通新聞社JTBパブリッシングの協力のもと、関連雑誌・ムックの書店店頭フェアを全国約450店舗で展開している。
http://www.nippan.co.jp/news/hokkaidoshinkansen_2016/

◎「自炊」代行訴訟は作家側の勝訴が最高裁で確定した。
http://www.asahi.com/articles/ASJ3L5719J3LUTIL042.html

◎累計発行部数で何と1,000万部を超える、あさのあつこの「バッテリー」(角川文庫)がTVアニメ化され、7月より放映開始される。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002226.000007006.html

トーハンベネッセコーポレーションと共同で「ベネッセコーポレーション たまひよ 音の出る絵本 アウレットセール」をトーハン独占販売のMVP商品として3月下旬より全国約850書店で展開する。「おしゃべりカードえほん」「なかよしマラカス」「せかいのおうたえほん」「ぴかぴかどかーんすごいたいこえほん」の4点を希望小売価格990円で販売する。旧版価格が1,980円だから、値引率は50%となる。
http://www.tohan.jp/topics/20160322_709.html

大場久美子が「アサヒ芸能」(徳間書店)を皮切りにして「週刊ポスト」(小学館)、「フライデー」(講談社)でビキニ姿を披露。週刊誌は「熟年誌」なのである。女性ファッション誌も紙である限り、そうならざるを得ないのではなかろうか。
http://dot.asahi.com/wa/2016031500247.html

楽天は、オンライン書店楽天ブックス」の新サービスとして、スマホ向けの読書管理アプリ「Readee」(リーディー)の提供を開始した。ユーザーは、スマホのカメラで、本の背表紙に記載されているISBNバーコードを読み取るだけで、本のタイトルや著者名、表紙画像などをアプリに登録できる。「楽天ブックス」で購入した本は、楽天会員IDでログインすると自動的にアプリに反映されるため、登録の手間を省ける。
登録した本は、好きな名称で「棚」を設定して分類管理できるだけでなく、本のジャンルや著者名、星評価(0.1?5.0で0.1ポイント刻みの50段階)や好きなキーワード(タグ)などをあらかじめ設定しておけば、本を新たに登録すると、条件に当てはまる「棚」に自動的に分類されて収納される。
http://corp.rakuten.co.jp/news/press/2016/0317_01.html

凸版印刷は、日本遺産を訪日外国人旅行者に紹介するスマホ向け多言語観光アプリ「日本遺産ストーリーガイド」を開発した。第一弾として2015年4月に日本遺産に認定された「祈る皇女斎王のみやこ 斎宮(さいくう)」(三重県)の訪日外国人向け観光アプリとして採用され、3月19日より公開されている。
http://www.toppan.co.jp/news/2016/03/newsrelease160317.html

◎「ソウルにある街中の中小書店が変貌しつつある。単なる書店から、街の複合文化空間へと進化しているのだ」と書くのは「東洋経済オンライン」の「ソウルの小型書店でユニークな試みが続々」である。
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で『ビールとワインを売る書店』としてが広がった書店が、『ブック・バイ・ブック』と『ブックバー』だ。
両書店とも普通の書店の雰囲気とはまったく違う。たとえば、仕事を終え帰宅する際にビールを1杯飲みながら本を読むことができる。ブック・バイ・ブックは作家とのトークショーや講演会といったイベントを開催し、まるで書籍とコミュニケーションできるような経験をも提供する」
http://toyokeizai.net/articles/-/108711

◎「できる人の会食術 仕事ごはん 部下ごはん」(CCCメディアハウス)の著者は平原由紀子!「ザ ゴール」の創業を担った平原由紀子だ。
http://books.cccmh.co.jp/list/detail/1831/

◎ティエリー・ダナ駐日フランス大使の妻フロランス・ゴドフェルノはパリの出版社「アルバン・ミシェル」社のコミュニケーション・メディア部門の責任者だが、毎月、もしくは半月に1回の頻度で来日し、大使夫人の役割も果たしているという。「フォーサイト」が彼女をインタビューしている。
「秘訣は行き帰りとも夜行便を利用することで、これだと機中で眠れるので、着いたらその国の時間に合わせて動けます。例えば日本からだと深夜に出て、早朝にパリに着きます。そして朝10時には出社しています。今回はもっと大変で、今夜の深夜便で戻り、あすは朝5時半にパリに着き、8時半にはラジオ局に行っていなければなりません」
http://www.huffingtonpost.jp/foresight/japan-french-embassy_b_9493900.html

白泉社師走ゆきの「高嶺と花」第4巻の発売を記念し、「目指せ!全国制覇!!高嶺さんの天下取り!47都道府県視察参り」企画をスタートさせた。毎月、4つ程度の都道府県の各1書店に主人公である高嶺の原寸大(182センチ)の「ご当地高嶺さん立て看板」を巡回させる。
http://www.hanayume.com/takane/
http://www.dreamnews.jp/press/0000128250/

◎2010年4月9日に亡くなり、まもなく七回忌を迎える井上ひさしが学生時代に翻訳した未発表の戯曲原稿が発見され、「オール讀物」4月号に掲載されたが、以下のサイトが詳しい。
http://hon.bunshun.jp/articles/-/4674

博報堂DYメディアパートナーズはサービスを提供している、スマートテレビのホーム画面上で動画広告を配信・掲載するサービス「スマートTVAD」のネットワークの拡大を目指し、3月18日よりシャープが提供するアクオス向けネットサービス「AQUOS City」内の「プレミアム動画」サービスでのトライアルサービスを開始した。
http://www.hakuhodody-media.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/03/HDYmpnews201603181.pdf

福岡パルコ・ミツカルストアは「relax」(マガジンハウス)の復刊を記念して「OUR FAVORITE SHOP」を開催している。
http://fanfunfukuoka.com/feature/40197/

◎米アマゾンはシアトルにつづきサンディエゴでもリアル書店をオープンする。「NewSphere」は次のように書いている。
「ロサンゼルス・タイムズ紙(LAT)によれば、このところ業績は持ち直しつつあるという。『ショップ・ローカル(地元で買おう)』ムーブメントにより、オンラインに流れた客が近所の書店に回帰しており、小さな書店の売り上げは増加している。2015年の全米書店協会の登録加盟店は、2009年に比べ35%アップの2227社。加盟店の売り上げ数も、2014年比で10%以上増加した」
http://newsphere.jp/business/20160320-1/

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3)【深夜の誌人語録】

出会いは別れなしにはあり得ないものだ。