【文徒】2016年(平成28)8月25日(第4巻159号・通巻846号)

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1)【記事】安倍首相のスーパーマリオ蓮舫参議院議員ジョー
2)【本日の一行情報】
3)【訂正とお詫び】
4)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】安倍首相のスーパーマリオ蓮舫参議院議員ジョー

リオ五輪の閉会式でスーパーマリオのコスプレで登場した安倍首相。「東洋経済ONLINE」によればBBCは「閉会セレモニーの最も大きな喝采は、安倍首相がマリオになって登場した時におくられた」と報じ、デイリーメールも「ツィッターはマリオが首相だとわかると、熱狂の渦に包まれ、『日本の首相は史上最高の登場を遂げた』などといった声にあふれた」と報じた。米CNNは「首相はマリオになり、ショーの主役を奪った」と絶賛しているし、米NBCも「スーパーマリオが閉会式の主役を奪う。マラカナ競技場は安倍首相がコスチュームを脱ぎ、登場した瞬間に喝采と拍手が沸き起こった」と絶賛している。
海外からは「極右」とさえ評されていた安倍首相は、今回のコスプレ披露によってイメージチェンジに成功したといえよう。こうした現実を正面から受け止めない国内の「リベラル言説」に私は辟易している。
http://toyokeizai.net/articles/-/132735
小池都知事の着物が霞んじゃったものなあ。
一方、民進党の代表選に出馬する蓮舫参議院議員。確かに、この朝日新聞の記事は蓮舫議員の真意を伝えていない。朝日新聞に掲載された蓮舫議員の発言。
民進党のイメージを思いっ切り、私が代表にさせていただくことで変えたい。私は岡田克也代表が大好きです。ただ、1年半一緒にいて、本当につまらない男だと思いました。人間はユニークが大事です。私にはそれがあると思います。ぜひ、みなさんのご支援をいただければ」
これは、朝日新聞の記事に対しての蓮舫のツイート。
「この編集のされ方は残念すぎます。
私は『編集しないでほしい』との前提で、岡田代表への敬意を表しました。その上で、ユーモアのない真面目さを現場で伝えたかったのです」
https://twitter.com/renho_sha/status/768032135538028544
そうは言っても朝日の政治部には(会場笑)とか(笑)は入れる習慣がなかっただろう。
実際の発言は「ハフィントンポスト」によればコレ。
「あとは、民進党のイメージを思いっきり、私が代表にさせていただくことで、変えたいと思います。ここが大事なのでぜひ編集しないでいただきたいのですが、私は岡田克也代表が大好きです。ただ、1年半一緒にいて、本当につまらない男だと思います。(会場笑)人間はユニークが大事です。私にはそれがあると思います(笑)。ぜひみなさんのご支援、いただければ。このあとぜひ質疑応答で議論させてください。ありがとうございました」
蓮舫議員のニュアンスを再現するのには、「ハフィントンポスト」のように(会場笑)とか(笑)を入れて、"編集"を加えなければできないのではないか。
いずれにしても、ジョークだとはいえ、朝日新聞のように書かれることを想定せずに、「編集しないでほしい」と発言してしまう蓮舫の政治家としての資質も問われるけどね。安倍ちゃんのマリオの勝ちぃ!

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2)【本日の一行情報】

代々木アニメーション学院は「アニメージュ」を発行する徳間書店とのコラボ企画として、同学院の入学案内書を「代アニメージュ」として制作し、9月1日(木)より配布を開始する。
https://www.yoani.co.jp/yoanimage/
https://www.atpress.ne.jp/news/110068

電通イードは、両社が共同で運営する中小企業のためのビジネス情報プラットフォーム「HANJO HANJO」(ハンジョー・ハンジョー)を通じ、新たにクラウドキャスト株式会社との協業で、フィナンシャル・テクノロジー(FinTech)を活用した中小企業経営支援サービス事業を開始する。3社は、中小企業の生産性向上を目指し、経理・総務・営業など多様な観点でスマート経営をサポートするサービスの開発・提供を検討しており、その第1弾として、キャッシュフロー管理を自動化するソリューション「Staple Pulse」(ステイプル・パルス)を「HANJO HANJO」内で提供する。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2016100-0815.pdf

電通は、日本語教師養成講座ほか教育事業を運営するヒューマンアカデミーおよび東京外国語大学の荒川洋平教授との共同で、産学連携の「やさしい日本語ツーリズム研究会」を発足させた。この研究会発足の背景には、政府が推進する「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、福岡県柳川市が推進する「日本語ツーリズム」が交付金対象事業になったことがある。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2016101-0818.pdf

電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」は、消費者のブランド体験や経験価値にフォーカスしたアクティベーション領域に強みを持つドイツのライフスタイル・マーケティング会社「Markenloft GmbH」(マルケンロフト社)の株式を100%取得することで合意した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2016102-0818.pdf

◎「こち亀展 こちら中央区日本橋高島屋内派出所」が日本橋高島屋8階ホールで9月14日(水)から9月26日(月)まで開催されるが、何と「HELLO KITTY」とのコラボレーションアイテムが同展及び一部のサンリオショップで販売されるそうだ。主催の「こち亀展実行委員会」には集英社のみならず、読売新聞社も入っている。
http://www.yomiuri.co.jp/adv/komachi/release/00020266.html

谷崎潤一郎賞中央公論新社主催)は絲山秋子の「薄情」(新潮社)と長嶋有の「三の隣は五号室」(中央公論新社)に決定した。
http://www.yomiuri.co.jp/culture/20160822-OYT1T50156.html

中日新聞の社説「むのさん逝く ジャーナリズムを貫く」は次のように書いている。
「『戦時中、憲兵特高内務省の役人が新聞記事の内容に細かく干渉してくることはなかった。軍部と対立すれば新聞社の経営に困るから、会社側が原稿のチェック体制を作った。これが新聞社の活気を失わせた。新聞社をダメにしたのは自己規制だった』。本紙のインタビューにはこう語った。
今も同じ過ちを繰り返していないか。権力におもねって真実を伝えることを放棄していないか。報道機関の私たちが沈黙したときに戦争は忍び寄るのではないか」
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2016082302000110.html
大新聞の記者は、私に言わせれば「官僚」気質が染みついている。だから「上」をいつも気にしている。リオ五輪の報道を見ていると、ヤリクチは戦中と何ら変わっていなかったことも指摘しておきたい。

◎連載型新作マンガ配信サービス「GANMA!」で連載中の吉開かんじ「リセットゲーム」の評判が良いようだ。何しろ9億PVを突破しているというのだ。徳間書店から第3巻が発売された。
http://news.walkerplus.com/article/84976/
「GANMA!」は、セプテーニ・ホールディングスの子会社であるコミックスマートが運営している。
https://www.septeni-holdings.co.jp/
http://comicsmart.co.jp/
マンガではデジタルでの連載から紙の単行本へというパターンがますます増えることだろう。そうした時代の流れにあって休刊を余儀なくされるマンガ誌も今後増えることも間違いあるまい。何しろ電車の中でスポーツ新聞やマンガ誌を読んでいるという乗客はスマホの登場によって激減しているではないか。今朝は同じ車両に新聞や雑誌を広げている乗客は東京新聞を読んでいる私ひとりであった。

ツイッターiOS版公式アプリで、背景がダークカラー、フォントが白という夜間モードを導入した(Android版は実装済み)。
http://japanese.engadget.com/2016/08/23/ios-twitter/

◎「LINE」はビジネスプラットフォーム化に向け、「LINE」と企業のWebサービスを連携させシームレスな体験を提供する「Official Web App」の本格ローンチを今秋に予定しているが、これに先駆け、一部機能に対応した部分開放を開始している。
http://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2016/1480

人工知能ソリューション「AMY」(エイミー)を提供するAutomagiと読売広告社は、Automagiの「AMY」を活用し、酒場での会話を盛り上げるための人工知能を開発するプロジェクトを開始することで合意した。サントリーが日本での生産・販売ライセンスを持つビールブランド「カールスバーグ」のプロモーションとして、会話の中で気まずい沈黙を打ち破るため、酒場で膨大な会話を学習し育てた人工知能「カールスロイド」をAutomagiと読売広告社が共同で開発するということだ。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000012535.html

Gunosyは、記事広告のメニューの一つとして、同社から企画・提案するマンガコンテンツで、商品を魅力的に訴求することができる商品「Gunosy Native Ads マンガ」を提供開始した。
http://gunosy.co.jp/news/82
おい、おい!この程度のレベルかよ。

◎「VOGUE FASHION’S NIGHT OUT」(ヴォーグ・ファッションズ・ナイト・アウト)が9月10日(土)に東京、11月19日(土)、20日(日)に大阪にて開催される。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000288.000000930.html
こういうリアルシフトは女性ファッション誌を擁する出版社にとって必須の課題と言えよう。講談社を媒介役にして光文社、ハースト婦人画報社の3社が共同してスケールの大きなイベントを開催するとか考えて欲しいよね。小学館集英社が共同するのも良いし、そこに例えば主婦の友社が加わるとか、そういう大胆な発想をもって女性ファッション誌はリアルシフトを構想すべきなのではあるまいか。

◎「ひとり出版社」が増えているのは間違いない。私もそのひとりになろうとしているわけだし…。
http://www.sankei.com/life/news/160824/lif1608240011-n1.html

◎盛岡のさわや書店フェザン店が考えた「文庫X」を紀伊國屋書店グランフロント大阪も展開中だ。
https://twitter.com/Kino_GFOsaka/status/766587145586810880

◎これ快作。「東京人」出身の鈴木伸子による「シブいビル 高度成長期生まれ・東京のビルガイド」(リトルモア)だ。写真は白川青史。1964年東京オリンピック前後、高度経済成長期に建設された、昭和のビルを紹介している。タイトルが良いね。
http://www.littlemore.co.jp/store/products/detail.php?product_id=952

ブレイディみかこの「THIS IS JAPAN――英国保育士が見た日本」が太田出版から刊行された。いやあラジカル!カネに苦手な日本の左派はダメということですよ。カネより平和を訴えるから、夢物語としてしか聞いてもらえないのではないだろうか。
http://www.ohtabooks.com/sp/this-is-japan/

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4)【深夜の誌人語録】

効率を求めることは労を惜しむことではない。労を惜しまないことを無駄と切り捨ててはならないはずだ。