【文徒】2016年(平成28)9月1日(第4巻164号・通巻851号)

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1)【記事】私たちは「ポケモンGO」以前に戻れない
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】私たちは「ポケモンGO」以前に戻れない

日経トレンディネット」の「ポケモンGOのブームは長続きするのか?」を興味深く読んだ。「ポケモンGO」について、「App Annie」(アップアニー)のリージョナルディレクター 日本・韓国担当の滝澤琢人は次のように述べている。
「…初日からものすごい勢いでダウンロードされました。正直、そのスピード感はもう他のヒットゲームの比ではありません。すでにLINEやツイッターフェイスブックといった主要SNSと同等のユーザー数を獲得しているという点からも、まさに驚異的ですよね。
また弊社では『ポケモンGOの1日あたりの収益が700万ドル(約7億円)を超えた』というニュースを発表しました。リリースしてたった3週間で、全世界のアプリ市場で収益ランキングの1位をかっさらったというのは、非常に大きなインパクトでした」
この私にしてからが7月22日にダウンロードしている。「アプリマーケティング研究所」代表の鶴谷智洋は次のように指摘している。
「…海外のある調査会社のデータによると『ポケモンGOプレーヤーの約4割は他のゲームアプリに課金したことがなかった』そうです。これはつまり、スマホゲームへの課金に興味がなかったユーザーに、課金のすそ野を広げたことを意味します」
ちなみに私にとってスマホでのゲームは「ポケモンGO」が初体験である。そしてクリント・イーストウッドの映画「ホワイトハンター ブラックハート」が好きな私は、この夏、ものの見事に「ポケモンGO」にハマってしまった。気分は「アフリカの女王」を撮影しているジョン・ヒューストンである。
滝澤はこうも言っている。
ポケモンGOによって他のアプリの利用時間が大きく減るというデータも出ませんでした。ポケモンGOは普段の生活や通勤・通学の合間にプレイするケースが多いので、『スマホを利用する新たな時間が生み出された』と考えられます。そう考えると、ポケモンGOの影響の大きさを感じずにはいられません」
然り。私もまた通勤時間や交通機関を使って移動する際に「ポケモンGO」による「狩り」を楽しんだ。これが何を意味するかといえば、私の30年以上にわたる習慣を「ポケモンGO」が変えてしまったということである。私は通勤時間や電車やバスを使って移動する際にスポーツ新聞やマンガ誌を読んで来たのだが、この一カ月、スポーツ新聞やマンガ誌を読むのをピタリとやめてしまった。
こうしたプレイヤーは私に限ったことではない。出版業界も「ポケモンGO」の影響を蒙らざるを得なかったということである。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/082400070/082400002/
そう言えば私は7月24日、フェイスブックに次のように投稿している。
「人生に、ポケモンGOを。ポケモンGOを知らなければ、どうやって人生を想像するのだ(文学か?)」
私は現在レベル29。捕獲したポケモンの数は114である。気分はもうピーター・ヴィアテル…なんてね。

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2)【本日の一行情報】

◎投稿プラットフォーム「暮らしニスタ」(http://kurashinista.jp)を共同運営するウィルゲートと主婦の友社は、「妊娠・出産・育児」領域においても共同でメディアサービスを開発・運営し、女性のライフイベントにおける新たな情報プラットフォームの構築を目指すことについて合意し、8月29日(月)に、妊娠・出産・育児期の女性とその家族のための情報サイト「Milly」(ミリー)(https://millymilly.jp)をリリースした。主婦の友社からすれば2001年1月から運営している妊娠・出産・育児に関するWebサイト「mama street」のリニューアルである。
https://www.willgate.co.jp/blog/2660/
主婦の友社の「協業」によるデジタルシフトに注目したい。

集英社は「ジャンプスペシャルアニメフェスタ2016」を11月27日に東京・よみうりホール、12月4日には札幌、名古屋、大阪、福岡で開催する。抽選で全会場あわせて2150組4300名を招待する。
応募シートは8月29日発売の「週刊少年ジャンプ」39号から10月24日発売の47号までついている。また「ジャンプSQ」10月号、11月号、「Vジャンプ」11月号、12月号、「最強ジャンプ」11月号にもついている。
http://www.jumpfesta.com/anime/
ポケモンGO」に対抗するための「ジャンプブランド」が総力をあげてのリアルシフトである。

小学館の美容雑誌「美的」10月号の付録は、接写&広角のスマホレンズと資生堂ベネフィークの「秋の『美人養成』3点セット」。650円也。「わお、めちゃめちゃお得感たっぷりですっ」と夢野うさぎ。
http://youpouch.com/2016/08/29/378927/
集英社女性誌「モア」10月号の付録は「スタージュエリー」のL字ファスナー★マルチウォレット。
http://top.tsite.jp/news/fashion01/o/30263744/?sc_int=tcore_news_recent
付録の醍醐味は紙の雑誌でしか味わえないのは確かである。

マクロミル電子書籍について調査した。電子書籍の利用経験者は41%。「電子書籍読み放題サービス」の利用経験者はわずか9%、ただし利用未経験者の4人に1人は「利用してみたい」。
電子書籍でどのようなジャンルを読むか聞いたところ、1位は「コミック・マンガ」で69%に上った。2位「雑誌」36%に2倍近い差をつけている。3位「小説・文芸書」31%にしか過ぎない。もっと文学を!
「紙の書籍に電子書籍がとって代わる」と考える人は21%。電子書籍の利用経験者に「電子書籍」と「紙の書籍」のどちらが好きかという問いに「紙の書籍」が好きだと回答した人は69%にものぼる。
紙の書籍を利用する理由のトップは「読みやすい」が37.2%。これには驚いた。実際は電子書籍のほうが読みやすいんだけどなあ。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000279.000000624.html

◎映画配給会社ギャガが運営する動画配信サイト「青山シアター」はPFFぴあフィルムフェスティバルコンペティション部門「PFFアワード」の入選作品をオンライン配信する。
http://ticket-news.pia.jp/pia/news.do?newsCd=201608300004
http://aoyama-theater.jp/feature/pff
PFFぴあフィルムフェスティバルは映画の芥川賞であると私は思っている。

◎日本で唯一のアメフト専門誌「月刊TOUCHDOWN」が休刊。
http://www.nikkansports.com/sports/news/1702492.html
http://www.touchdown.co.jp/
http://www.47news.jp/sports/turnover/news/japan_news/207481.html

◎文春文庫の定番「鬼平犯科帳」シリーズがテレビアニメ化されることになった。文藝春秋は10月22日に「オール讀物」増刊号として「永遠の鬼平犯科帳」(A5判 定価950円)を発売する。
http://natalie.mu/comic/news/200060

◎渋谷から池袋パルコ本館7階に移転オープンしたパルコミュージアム安野モヨコの個展「『STRIP!』 PORTFOLIO 1996―2016」を9月1日から26日まで開催している。
http://www.asahi.com/articles/ASJ857QG3J85ULFA02K.html

◎ネットメディアの「Business Journal」が「お詫びと訂正」。
〈まず、「取材の映像でも、少女の部屋はモノで溢れており、エアコンがないと言っているにもかかわらず女子高生の部屋にはエアコンらしきものがしっかりと映っている」と報じましたが、実際には、女子高生の部屋にはエアコンはなく、取材の映像にエアコンらしきものがしっかり写っているという事実も確認できませんでした〉
〈当該記事では、「今回の疑惑に対しNHKに問い合わせのメールをしてみたところ、「NHKとしては、厳正な取材をして、家計が苦しく生活が厳しいという現状であることは間違いないと、担当者から報告を受けています。ですので、ネット等に関しましては、取材の範囲ではありません。但しご意見は担当者に伝えます」との回答を得た」と報じましたが、実際には、弊社はNHKに取材しておらず、回答は架空のものでした〉
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16526.html?utm_content=buffer69ab0&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer
毎日新聞小川一ツイッターで「これは罪深い。傷を付け、その傷口をさらに広げた」と呟いていたが本当にその通りだ。記事をでっち上げたうえに人権侵害までしでかしてしまったということである。
https://twitter.com/pinpinkiri/status/770866908086149121
津田大介が次のようにツイートしている。
「ネット真に受けて最低限の情報確認もせず記事書いて架空の情報垂れ流し、実名出して問題提起した若者の人権侵害するって詫び訂記事1本アップして済む問題なのかね。といっても、まだ謝罪するだけマシな方で大半のまとめサイトは頬被りして終了という」
https://twitter.com/tsuda/status/770853092082458625
津田はこうも書いている。
サイゾーはメディア企業だったから責任も問われているわけだけどネットにはこの貧困問題で情報のウラも取らずにバッシング記事載っけてたどこが運営主体かもわからないようなバイラルメディアやまとめサイトがたくさんあるわけで、責任が問われないという点ではそっちの方が実は大きな問題なんだよな」
https://twitter.com/tsuda/status/770892314768134144

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3)【深夜の誌人語録】

確信するよりも、まず検証である。検証するには、あらゆる価値観から、できる限り自由にならなければならない。