【文徒】2016年(平成28)年11月2日(第4巻205号・通巻892号)

Index--------------------------------------------------------
1)【記事】「コミュニケーション=交通革命」について
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2016.11.2.Shuppanjin

1)【記事】「コミュニケーション=交通革命」について

「編集会議 2016年秋号」が「週刊文春」の新谷学編集長と「Yahoo!ニュース」のビジネス責任者である有吉健郎の対談を企画している。次のような新谷編集長の認識は正しい。
「これまでは、テレビをつくる側が圧倒的優位な立場にいたから、テレビを観たければ何曜日何時から何チャンネルに合わせろという感じで、受け手側もそれに従わないと観ることができなかった。
それが今は、『観たい』と思ったときにすぐ観ることができないと、もう観ないですからね。そうした受け手側の変化に対応できないと、メディアとして生き残っていくのは難しい状況にあると思います」
https://www.advertimes.com/20161031/article236982/
新谷編集長は「流通革命」が起こっていると言っているが、「流通」を含めた「コミュニケーション=交通革命」が起こっているのではなかろうか。コミュニケーションのあり方が「垂直軸のコミュニケーション」から「水平軸のコミュニケーション」へと変わりつつあるということだ。
この「コミュニケーション=交通革命」を牽引しているのがスマホである。ロイターは次のように報じている。
「ゼニスが発表した『モバイル広告予測』によれば、18年には世界のネット広告の6割はモバイル向けになるという。さらに同年のモバイル広告は1340億ドルに達すると見込まれ、『新聞、雑誌、映画、野外広告の合計を超える』と予測した」
インターネット利用の75%がスマートフォンタブレットといったモバイルによって占められているのだから、当然と言えば当然の予測である。
http://jp.reuters.com/article/internet-mobilephone-idJPKBN12U0YP
http://iphone-mania.jp/news-142852/
マスメディア業界には「逃げ切り」を画策している50代後半の連中が役職の軽重にかかわらず多いように思うが、こうした勢力が社内で力を持っている限り、取り返しのつかないことになるはずだ。
時代との格闘を放棄して「逃げ切り」を画策している連中こそ本来であればリストラすべきなのではないだろうか。女性誌から週刊誌に至るまで、雑誌よ!「水平軸のコミュニケーション」を繰り込んだ動画シフトを急げ!デジタルシフトとは動画シフトなしにはあり得ない局面を迎えていると私は認識している。

                                                                                                                        • -

2)【本日の一行情報】

◎お笑いコンビ・キングコング西野亮廣は多才である。にしのあきひろとして絵本「えんとつ町のプペル」(幻冬舎)を上梓し、西野亮廣としてビジネス書「魔法のコンパス」(主婦と生活社)を上梓している。加えて既に小説も書いている。「グッド・コマーシャル」(幻冬舎よしもと文庫)がそうだ。
http://ddnavi.com/news/330692/a/

◎ブックスユーカリ(兵庫県加古川市)が11月20日をもって閉店。
「【お知らせ】
既にご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、この度、二十八年十一月二十日をもちまして閉店させて頂きます。ご愛顧頂きました皆々様には心から厚くお礼申し上げます。誠にありがとうございました」
https://twitter.com/booksukari/status/790061092076556288
閉店をツイートした日にこうもツイートしている。
「やられた・・・閉店決まってから本パクられんのは更にキツいわ・・・orz」
https://twitter.com/booksukari/status/790085496273711105
書店にとって万引は利益を圧迫する要因のひとつでもある。

光文社新書から三浦展の「毎日同じ服を着るのがおしゃれな時代」が刊行されたが、三浦はこんなことを言っている。
「もう20年近く前、現代人の年齢は昔の八掛け、七掛けと言われていましたが、私は、もはや六掛けだ、『六掛け世代』だと提案しました」
http://jisin.jp/serial/life/kurashi/26199
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334039493
しかし、中学生男子の2割が母親と入浴しているという現実には驚かされる。

◎出版業界は昔から不倫が多いんだよね。
http://www.asagei.com/excerpt/68882

伊藤桂一が亡くなった。99歳。「遥かなインパール」は傑作だった。
http://www.asahi.com/articles/ASJB0571KJB0UCLV00G.html
http://www.shinchosha.co.jp/book/865118/

◎学研グループのデジタル事業会社であるブックビヨンドは、ePub3形式の電子書籍データ作成から、自社運営ストアによる無料配信・有料販売までをサポートする電子出版プラットフォーム「Beyond Publishing」(ビヨンド・パブリッシング)のサービスを開始した。
http://www.bookbeyond.co.jp/news/201610/20161031_2.html

飯田グループホールディングスは、ベネッセコーポレーションが発行する主婦向け生活情報誌「サンキュ!」とコラボし、子育て世代層のニーズにマッチした住宅を提案する“My home for my kids”プロジェクトを開始した。このプロジェクトでは、「サンキュ!」の人気ブロガーと、飯田GHD及び、グループ企業の女性建築士が「子育てにいい家」を検討し、具現化する。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=announcement&sid=32969&code=3291

◎「グランドジャンプ」にされているマンガ「不能犯」が実写映画化されることになった。
http://animeanime.jp/article/2016/10/31/31125.html

◎10月30日に東京新聞の主催で「第二十六回神保町ブックフェスティバル」の関連イベントの一つとして「本の雑誌社」の浜本茂編集長、杉江由次営業部長の講演会が開かれたそうだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201610/CK2016103102000135.html
その前日にトークイベントを開催した私としては、何人くらい集まったのか気になるところである。

◎「クレヨンしんちゃん」25周年を記念したコラボカフェ「ビストロオラマチ」が、墨田区の東京ソラマチに期間限定で(11月3日〜2017年1月9日)オープンする。
https://www.atpress.ne.jp/news/115180
http://shinchan25.com/news/

資生堂主催のイベント「LINK OF LIFE エイジングは未来だ展」に「透明な筒に入った砂糖水に野菜やフルーツ、植物などを漬け込み、それらが実際に発酵する様子を見ながら、発酵時の音をスピーカーから聞くことができる」展示をサントリーが出展しているそうだ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1610/31/news074.html
これは聞いてみたいものだ。

◎ぴあMOOK「お取り寄せ&手みやげ」が発売された。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000295.000011710.html

◎「東洋経済ONLINE」の「ショップチャンネル、『1日20億円』への超挑戦」によれば、日本のテレビショッピング市場規模は5223億円で、売上高は1394億9400万円のショップチャンネルが首位。2位が963億円のQVC、そしてテレビ通販売り上げが415億円(全体売り上げは1559億1400万円)のジャパネットたかたが3位だそうである。
http://toyokeizai.net/articles/-/142784

◎中国・韓国・台湾・香港・マカオ合計で220万部を突破し、フランスでの出版も決定している安倍夜郎の「深夜食堂」(小学館)のポスター17種が、11月6日までの期間、JRの27駅に掲出されている。世界累計では550万部を突破している。
ドラマ新シリーズ「深夜食堂 -TOKYO Stories-」が、Netflixで世界190か国で配信され、映画「続・深夜食堂」が11月5日に公開される。
http://news.mynavi.jp/news/2016/10/31/501/

大日本印刷凸版印刷東京オリンピックのスポンサーになった。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016103100671&g=spo

大日本印刷と、同社グループの図書館流通センターは、電子書籍コンテンツの普及を推進する日本電子図書館サービス(JDLS)と10月31日に資本提携したことを大日本印刷が正式にリリースした。
http://www.dnp.co.jp/news/10128833_2482.html

                                                                                                                        • -

3)【深夜の誌人語録】

年齢が若いからといって感性が若いとは限らない。若いくせに棺桶に片足を突っ込んだような古臭い感性の持ち主は結構多いのである。