【文徒】2016年(平成28)年11月24日(第4巻219号・通巻906号)

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1)【記事】ベネッセ「いぬのきもち」「ねこのきもち」のデジタルシフト
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】ベネッセ「いぬのきもち」「ねこのきもち」のデジタルシフト

ベネッセホールディングスは、ペットに 関連するメディアおよびアプリの開発・運営を行う、Vapesの発行済み株式の 35.2%を取得する旨の株式譲渡契約を締結した。Vapesは「ペットフィルム」や「ペット生活」を運営している。
http://vapes.co.jp/service/index.php
これにより、ベネッセHDの子会社であり、「いぬのきもち」「ねこのきもち」を擁するベネッセコーポレーションは、Vapesとの間で、相互に協力してペット領域における事業を強化していくことを旨とする業務提携契約を締結 した。
ベネッセHDではペット事業を次の成長領域と位置 付けており、この領域での事業拡大を進めるうえで不可欠となるペットオーナーとの継続的な顧客接点を構築できる WEB メディアの短期間での大幅な強化を検討していたという。
何しろ「ペットフード協会の調査によると、2015年の国内の犬と猫の飼育数は合計約2000万匹。『進研ゼミ』や『こどもちゃれんじ』の主な対象である15歳以下の子どもの数(約1600万人)よりも多い」(日経)のである。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ21IIG_R21C16A1000000/
一方、Vapes は WEB コンサルティング事業で培ったノウハウを活かして「ペット生活」「ペットフィルム」等の自社運営の WEB メディアを短期間で国内屈指の規模まで成長させてきたが、オーナーとの顧客接点を活 かした今後の事業展開を模索するうえで、戦略的に事業を展開できるパートナー企業との提携を検討していたそうだ。
そういう意味では相思相愛の資本業務提携が実現したことになる。
http://blog.benesse.ne.jp/bh/ja/news/m/2016/11/21/docs/20161121release.pdf
「進研ゼミ」や「こどもちゃれんじ」のデジタルシフトには失敗したベネッセHDだが、ペット事業は成功するのではないだろうか。

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2)【本日の一行情報】

◎ピコ太郎が小学館の女性ファッション誌「キャンキャン」のCMに起用されたぞ。専属モデルの坂田梨香子池田エライザ、堀田茜、松村沙友理を従えて「アイハブアペン アイハブアキャンキャンキャン キャンキャンキャンペーン!」と「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」を披露する。
https://www.youtube.com/watch?v=199eC8rbv7o

日本橋浜町にある大相撲の荒汐部屋の飼い猫、モルとムギに関する書籍が10月上旬から約5週間の間に、リブレ、リトルモア河出書房新社平凡社という4つの出版社から発売された。
荒汐部屋のモルとムギ」(リトルモア)「相撲部屋の幸せな猫たち」(リブレ)「モルとムギ 相撲部屋の猫親方」(河出書房新社)「荒汐部屋のすもうねこ: モルとムギと12人の力士たち」(平凡社)といった具合だ。
http://arashio.net/
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/1032181/111500076/?rt=nocnt
まさに「ネコノミクス」だね。ちなみに荒汐部屋はウエブ戦略に長けていることで知られている。

大日本印刷は、オリジナル書体「秀英体」で活版印刷の風合いを再現した「にじみフォント」を開発した。アナログの持ち味もデジタルが再現してしまうということだ。
http://www.dnp.co.jp/news/10129574_2482.html

又吉直樹の「火花」が小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」で武富健治によりマンガ化され、28日発売号から連載がスタートする。
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/11/21/kiji/K20161121013768200.html

◎「WIRED」の「チームで執筆、1話60分、PVも作成…『TVドラマ方式』で小説を配信する米出版社Serial Box」は次のように書いている。
電子書籍の出版社Serial Boxが配信する『連載小説』は、1人の書き手ではなく、ライターがチームで制作して生み出されている。読者からのフィードバックもストーリー展開に反映される方式だ」
「テレビドラマのように、週毎に1つの『エピソード』をそれぞれ違う作家が書き、それをリリースしている」
「HBOの犯罪サスペンスドラマ『The Night Of』の各エピソードと同じように、1つの作品を読むのにかかる時間は1時間足らずだ」
「1作品は13〜15のエピソードで構成されている。1エピソードは1ドル99セントで販売されていて、『定期購読』申し込みをすると、1エピソードあたり1ドル59セントの割引価格で買える。19〜22ドルのシーズンパスも用意されている」
http://wired.jp/2016/11/20/serial-box-books-like-tv/
ひとつの小説を分業で書くというアプローチは既にラノベ界隈で散見されるだけに、日本でもこうしたカタチでのコンテンツ配信はあり得るだろう。特にマンガにおいては試みる可能性が高いのではないか。

◎「週刊女性」が芸能・社会ニュース記者・編集者を募集している。「固定月額報酬/26万円以上」だという。
http://tenshoku.mynavi.jp/jobinfo-140785-4-3-3/
「PASH!」も契約編集者を募集している。「固定月額報酬/20万〜35万円」。
http://tenshoku.mynavi.jp/jobinfo-140785-4-3-2/
ともに業務委託契約のため、休日の決まりはないそうだ。

電通は、新年恒例の「電通年賀会」を来年は中止することになった。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2016136-1122.pdf
新聞各紙も当然取り上げている。
http://mainichi.jp/articles/20161122/k00/00e/040/234000c
http://www.sankei.com/life/news/161122/lif1611220032-n1.html
http://www.asahi.com/articles/ASJCQ5WRVJCQULFA02R.html
「サンデーとマガジン」(光文社新書)の著者である大野茂の次のようなツイートが目についた。
鬼十則はね、いま嬉々として電通こき下ろし報道をしている民間放送を日本に作るために奔走した吉田秀雄が、その大仕事をした忘備録として記したものなんだ。まぁ、民放は恩人の教えを否定するニュースを、深夜の編集室で泊まり込みしながら作っているというワケさ。矛盾だらけなんですな」
https://twitter.com/0onos/status/799273764441571330

東野圭吾強し。実業之日本社から刊行された「恋のゴンドラ」が紀伊國屋書店全店ランキング でも日販週間ベストセラー でも第1位だ。
http://www.j-n.co.jp/news/?article_id=389

◎「GQ Men of the Year」 に選ばれたのは菅田将暉ベイカー茉秋トレンディエンジェル、吉川晃司、陸上男子400メートルリレー日本代表、渡辺謙だ。
http://gqjapan.jp/magazine/20161122/gq-men-of-the-year-2016-winners-comments

文化放送の「吉田照美 飛べ!サルバドール」(月〜金曜、午後3時30分)が来春に終了することになった。日刊スポーツによれば「80年10月から『てるてるワイド』など冠帯番組(月〜金曜)を途切れることなく続けてきたが、36年半で終止符を打つことになる。日本を代表するラジオパーソナリティーの声がいったん、ラジオから毎日聴けなくなる 。
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1741400.html

◎学研グループは、香港のNew World Development Company Limitedグループ(新世界発展グループ)の周大福慈善基金と協業を開始する。
第一弾として、学研グループで医療福祉サービスを手掛けている、学研ココファンは、周大福慈善基金の傘下のCARE & SERVICES COMPANY LIMITEDと、香港島にある高齢者施設のリノベーションにおけるコンサルティング契約を締結した。
教育事業においても、協業をすすめており、既に本年7〜8月にかけて、幼児から小学生を対象としたSTEAM教育(Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics)プログラムの実証実験を開始しているが、中国本土も含め幅広い展開を計画中だそうだ。
http://ghd.gakken.co.jp/news/hd/201611/20161121.html

堤未果が光文社の女性ファッション誌「JJ」から取材を受けたようだ。
女性誌『JJ』から校閲ガールばりの可愛い女性記者がインタビューに来た。今は洋服やおしゃれだけでなく、社会問題や人生など読み物記事の需要が増えてるらしい。終わった後目をキラキラさせて『1年分位目からウロコが落ちました!』と。彼女達みんなに、うんと沢山の機会が開かれてる未来にしたい」
https://twitter.com/TsutsumiMika/status/801300293157785600?lang=ja

◎介護民俗学を実践する六車由美のツイート。
「『クロワッサン』11月25日特大号の『女の新聞―介護』に、すまいるほーむでの取り組みが紹介されました。『開かれた対話の場にあるケア①』今回は、『すまいるかるた』を中心に紹介。利用者さんたちも今日この記事を見てワイワイ喜んでいました。次回は、すまいるほーむでのケアの考え方です」
https://twitter.com/marronmiymiy/status/801027277987291137?lang=ja

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3)【深夜の誌人語録】

饒舌に逃げるのではなく、沈黙に踏みとどまることが大切である。