【文徒】2016年(平成28)年11月25日(第4巻220号・通巻907号)

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1)【記事】博報堂出身者が創業したボルテージ
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】博報堂出身者が創業したボルテージ

ボルテージの代表取締役会長兼社長の津谷祐司は1985年に東京大学工学部卒業後、博報堂に10年勤務した後、起業している。博報堂時代にUCLA映画監督コースへ自主留学し ているそうだ。
http://www.yuzi-tsutani.com/wordpress/profile/
ボルテージの「恋愛ドラマアプリ」は 現在80タイトル以上のラインナップを有し、英語翻訳版も含めると世界累計で5000万人以上の女性が体験 しているそうだ。
http://www.voltage.co.jp/contents/romance/
副会長をつとめる東奈々子も博報堂の出身である。
http://www.voltage.co.jp/company/exective/higashi/
ボルテージが手がけているのは、本来であれば、出版社がチャレンジしても良い領域だ。ボルテージにしても出版社の生み出すコンテンツは「恋愛ドラマアプリ」にとって魅力的なはずである。
実際、ボルテージは出版社と組むことになった。相手は白泉社である。
白泉社から刊行されている中条比紗也 の少女マンガ「花ざかりの君たちへ〜Boys love you〜」 を「恋愛ドラマアプリ」化することになったのだ。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=announcement&sid=33266&code=3639
これが、そのティザーサイトである。
http://koi-game.voltage.co.jp/school/hnkm/index.php
花ざかりの君たちへ〜Boys love you〜」 を「恋愛ドラマアプリ」化すると発表しただけで、ボルテージの株価は「一時262円高の1285円まで買われた」という。
http://kabushiki.jp/sokuhou/stock/100457
ボルテージが提供しているようなコンテンツを本当は出版社が開発すべきではなかったのではないだろうか。

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2)【本日の一行情報】

◎夢みるアドレセンスは、ゲスの極み乙女。川谷絵音が作詞・作曲 している最新シングル「大人やらせてよ」をリリース。このアイドルグループを運営しているのが博報堂というところに目をつけ、「アサ芸プラス」は「川谷絵音がアイドルに楽曲を提供!すでに広告業界はゲス不貞を許していた?」を掲載している。
http://www.asagei.com/excerpt/70670
一昔前であれば、この記事において博報堂という固有名は出さず、大手広告代理店と書いていたのではなかったか。広告会社のデジタルシフトによって、広告会社が書かれるケースは増えるのだろう。

◎広告代理店・電通の新入社員が過労死した問題で、毎日新聞によれば遺族代理人川人博弁護士は厚生労働省主催のシンポジウムで講演し、自殺の背景に「『社員の健康より仕事の目標達成が大事』という社の風土があった」と電通を批判したそうだ。
http://mainichi.jp/articles/20161123/k00/00m/040/052000c

◎ハヤカワSFコンテスト で特別賞を獲得した草野原々の中篇「最後にして最初のアイドル」が電子書籍オリジナルとしてリリースされた。
http://www.webdoku.jp/newshz/ohmori/2016/11/23/053724.html

加藤貞顕が率い、cakesとnoteを運営するピースオブケイクは、佐渡島庸平が率いるコルクとnoteを使ったマンガ投稿コンテストを開始した。審査員にはコルクの柿内芳文 も名前を連ねる。
http://www.the-miyanichi.co.jp/special/dreamNews/detailep.php?id=0000143034
加藤はダイヤモンド社の元編集者で「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を当てたことで知られる。佐渡島講談社で将来を嘱望されたマンガ編集者。柿内は光文社の元編集者で「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 」を当てたことで知られている。この組み合わせは、ちょっと興味が湧く。

河野裕の小説「サクラダリセット」 (角川文庫/角川スニーカー文庫) がTVアニメ化されることになった。
https://akiba-souken.com/article/28401/
小説のアニメ化はKADOKAWAの得意とするところだ。

◎井川楊枝 の「モザイクの向こう側 」(双葉社)がAV業界の現在を伝えていて面白かった。
http://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-31181-5.html
井上は映画「ベースメント」の監督である。
http://ameblo.jp/alicekusanagi/entry-12193980156.html
井上は現在「ベースメント」の小説化に取り組んでいる。
https://twitter.com/igawayouji/status/800667474551193601

◎日販の2016年4〜9月期連結業績は減収減益。売上高が前年同期比2.7%減の2970億円、営業利益は33.6%減の7億円。雑誌の落ち込みに歯止めがかからず、更に書店店頭の売上減少や輸配送効率の悪化がマイナスのインパクトを与えた。
http://www.nippan.co.jp/news/kessan_20161122/

◎「JJ」専属モデルで「テラスハウス」出身の筧美和子が写真集「Parallel」とスタイルブック「Me」を光文社から二冊同時刊行。
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334842864
http://jj-jj.net/fashion/40999/
写真集は男性ファン向けなんだろうね。私は、この写真が好きだ。
http://www.oricon.co.jp/news/2081530/photo/4/

田中善一郎(メディア・パブ)は「ニュズウィーク日本版」に掲載された「日本人のニュースメディア接触、『非ソーシャル』で『受動的』」で次のように書いている。
「日本人のメディア接触は受動的で非ソーシャルである。
英ロイター(Reuters Institute)は、26か国のオンライン・ニュース・ユーザーを対象に年初に実施したメディア接触調査で、そのようにレポートしていた。さらにそのレポートを補完する形でロイターは、同じ調査を今年4月に、香港、シンガポール、台湾、マレーシアのアジア4国でも実施し、このほど『REUTERS INSTITUTE DIGITAL NEWS REPORT 2016 - ASIA-PACIFIC SUPPLEMENT』としてまとめた。そのレポートでも、これらアジア4国と比較しても、日本人のメディア接触が最も受動的で非ソーシャルであると見ている」
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/11/post-6393.php?utm_content=bufferef4a8&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer

◎アマゾンとオトバンクが取り組んでいるオーディオブックの市場が拡大しつつあるようだ。アマゾンは月額1500円で聴き放題となる「オーディブル」を昨年7月に上陸させている。オトバンクがオーディオブックの配信サービス「FeBe」を立ち上げたのは2007年のことだ。
「Sankei Biz」は「“ながら聴き”出版界を活性化できるか? スマホタブレットに徐々に広がる『オーディオブック』」を掲載している。
オーディブルスマートフォンやパソコンにアプリをダウンロードすれば、いつでもどこでも対象書籍を聴くことができる。大手出版社と契約を重ね、今では1万冊以上を配信する。今月は俳優の風間杜夫さんが朗読する『ハリー・ポッター』シリーズ全巻の配信を発表した」
「FeBe」については次のように書く。
「8年かけて10万人(14年)に達したユーザーは、この2年ほどで20万人に倍増する見込みという」
http://www.sankeibiz.jp/business/news/161124/bsj1611240550001-n1.htm

ハースト婦人画報社の「エル・ガール」1月号特別版は、レブロンのリップスティックが付録。カラーは全7色(#25、#105、#107、#108、#201、#202、#204)のうちどれかがセットになっている。これで価格850円は安い。
http://ellegirl.jp/magazine/

◎東急プラザ銀座と小学館の「Oggi」、「Domani」、WEBメディア「しごとなでしこ」のコラボにより、来年3月まで様々なイベントを展開するが、第3弾として12月1日に「Domani創刊20周年×東急プラザ銀座 大人のHoly Night」を開催する。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000022780.html

祥伝社から、やまもとりえの「Aさんの場合。」が発売となる。このマンガ、面白いよ!
http://shodensha.tameshiyo.me/9784396615871
http://ameblo.jp/rinpotage/

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3)【深夜の誌人語録】

基本は一を聞いて一を誤らないことだ。