【文徒】2016年(平成28)年11月28日(第4巻221号・通巻908号)
Index--------------------------------------------------------
1)【記事】最近書店閉店事情
2)【記事】八戸ブックセンターと金入建雄
3)【記事】朝日VS読売の最高裁判決について
4)【本日の一行情報】
5)【人事】白泉社11月25日付 役員編成および担務
6)【深夜の誌人語録】
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- 2016.11.28.Shuppanjin
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1)【記事】最近書店閉店事情
種子島の河野書店が10月31日をもって閉店。
「南種子町の河野書店が閉店して半月あまり。 中種子町には国道58号線沿いの和田書店と、一本入った町道の役場裏に寺田書店の2店があるのだが、目的の本があることはあまりないので、西之表のTSUTAYAに行くことになる。 何なら日帰りで鹿児島ということも」
https://twitter.com/mageshiman1025/status/799157893052305408
フタバ図書 福岡パルコ新館店が11月6日をもって閉店。
http://www.futababooks.com/store/detail/store/78
兵庫県加古川市 のブックスユーカリが11月20日をもって閉店。
「ブックスユーカリ、ついに明日が閉店となります。新刊入荷も今日で終了となります。最後にお店に寄って頂けるだけでも店員一同とても嬉しく思いますので、何かのついでにでも是非お立ち寄りください! 」
https://twitter.com/booksukari/status/799885394154135552
「絶えずお客さまおひとりおひとりから暖かいお言葉をかけて頂いており感謝感激です!先程は学生時代よりご来店頂いていたお客様よりお花を頂き、メッセージを読んで泣きそうになりました(嬉) 本当ご愛顧頂き有りとうございました」
https://twitter.com/booksukari/status/800325715010822144
「ブックスユーカリ最後の日となります。お客さまからなんとバームクーヘン(店員一同美味しく頂きました)とお手紙までもらって、感謝しきりと申しますか、愛されていたのだなあと感慨にふけっております… 」
https://twitter.com/booksukari/status/800175509745209344
啓文社ハピータウン店(広島県尾道市 )が11月13日をもって閉店。
「啓文社ハピータウン店は2016年11月13日(日)をもちまして閉店いたしました。 1992年4月23日のオープン以来24年余り、向島地域のお客様には永きに渡りご愛顧賜りまして、誠にありがとうございました。今後は近隣の新浜店、コア福山西店をご利用ください」
https://twitter.com/keibunsha_book/status/797808038249799680
大阪府豊中市 の日進堂書店が11月18日をもって閉店。
「これまで定期購読されていた雑誌なども、条件次第では今後も自宅まで届けてくれるサービスがあるみたいなので、お店で聞いてみてください 」
http://www.toyo-2.jp/archives/48861914.html
竹島書店大袋店が11月19日をもって閉店。
「当店は、今週の土曜日までの営業で、閉店することになりました。
尚、他の竹島書店各店は、営業しております。
これからも、よろしくお願いいたします。
尚、当アカウントも閉鎖の予定です」
http://heiten-sale.jp/archives/27868
石川県七尾市 のきくざわ書店パトリア店が11月30日をもって閉店。
http://www.patria770.com/detail/kikuzawa.html
http://kaiten-heiten.com/kikuzawashoten-patria/
アシーネ小束山店(神戸市垂水区)が11月30日をもって閉店。
「しまってまうんかぁ 」
https://twitter.com/yyuurrsskk/status/797378185126150144
文教堂 新栃木店が12月4日をもって閉店。
「またひとつ、町から本屋が消えてしまう。文教堂新栃木店が、12月4日で閉店だそうです。。。」
https://twitter.com/FuruhonTochigi/status/798683223244951552
須原屋 蕨店が12月5日をもって閉店。
「須原屋蕨店、12月5日で閉店とのこと。寂しい限り。39年間お世話になりました 」
https://twitter.com/yoichishindo/status/800208125701681152
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2)【記事】八戸ブックセンターと金入建雄
青森県八戸市は市営の書店「八戸ブックセンター」を12月にオープンする。産経ニュースは次のように書いている。
「ブックセンターは市中心部のビル1階に入居し、小さな書店では見かけにくい海外文学や人文・社会科学、芸術などの書籍を扱う。書店での勤務経験があり、市に新規採用されたスタッフが選書し、315平方メートルの売り場に8千〜1万点を並べる。店内ではアルコールを含む飲み物も販売。1人掛けの椅子を設置し、くつろいで本と向き合える空間にした」
http://www.sankei.com/life/news/161123/lif1611230025-n1.html
「八戸ブックセンター」のディレクションには「B&B」の内沼晋太郎が一枚噛んでいる。オープニングイベントとして八戸市長・小林眞 と内沼によるトークイベントが開催される。
https://8book.jp/287/
この市営書店によって、八戸市内の「民営」書店は打撃を受けないのだろうか。民業圧迫という言葉もある。八戸市を代表する書店はカネイリ番町店だ。
http://www.kaneiri.co.jp/store/bancho.html
カネイリ番町店は、各種コンピュータ及び周辺機器の販売、コンピュータシステムの開発設計・販売、各種OA機器販売とメンテナンス 、オフィス家具やオフィス文具を販売する金入が経営している。
http://www.kaneiri.co.jp/biz/service.html
金入の金入建雄社長は自らのブログで次のように書いている。金入は「八戸ブックセンター」 に賛成しているのだ。
「ブックセンターは単なる市営の本屋という事では全く無く、本屋という仮の姿を持った地方発の新たな知の拠点だと思っています 」
「よく聞かれるのは競合になるから大変ですね?民業圧迫ですよね?本屋としてどう思いますか?赤字をどう思いますか?という質問ですが、これは全く論点のずれたものだと思っています。むしろ比べるべき、考えるべきは、10年後の大学や学校施設そして、未来の図書館や博物館や美術館施設等の役割であり、反知性主義がすすむ世界の中での文化・知恵を伝える役割をだれが担うのかという事だと思います。
これは過去あった施設や本屋のあり方から語るだけでは到底追いつかない新しい公共のあり方についての議題です。
本屋は知のインフラである、その土地の文化度を測ると一般的には言われ、私どももその点に置いてまだまだであるとお叱りを頂く事もあります。しかしながら本屋という業態は一書店のコントロールできる範疇を超えてマーケットが形成されている業界です。これからの社会に必要な個人への知の伝播は、マーケットの行くがままに放って置くだけでは、決して広まらず、消えていってしまうものです」
http://kaneiri.tumblr.com/post/153680508125/%E5%85%AB%E6%88%B8%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC
金入建雄が社長に就任したのは2013年10月で弱冠33歳のときであった。金入は祖父母が立ち上げたという。
金入は八戸と仙台の2ヵ所に東北6県の工芸品やデザイン雑貨を揃える「カネイリ ミュージアムショップ」を運営しているが、発案したのは 金入建雄であった。「現代ビジネス」が金入建雄を紹介していた。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39879
「八戸ブックセンター」を運営するのは八戸書籍販売 。八戸書籍販売は、木村書店、伊吉書院、カネイリという市内3書店による本に関する共同事業を行うための組合だ。
https://www.facebook.com/hachinohebooks/?fref=nf
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3)【記事】朝日VS読売の最高裁判決について
こちらは朝日新聞の記事。
「プロ野球・読売巨人軍の新人契約金をめぐる朝日新聞の記事で名誉を傷つけられたとして、巨人軍が5500万円の損害賠償などを朝日新聞社に求めた訴訟の上告審で、記事の根幹部分は『真実性がある』と認めた一方、一部の記述について朝日新聞社に330万円の支払いを命じた二審・東京高裁判決が確定した。最高裁第一小法廷(池上政幸裁判長)が、24日付の決定で双方の上告を退けた」
http://www.asahi.com/articles/ASJCT55HDJCTUTIL02T.html
こちらは読売新聞の記事。
「朝日記事による名誉毀損きそんの成立を認め、朝日新聞社に330万円の支払いを命じた2審・東京高裁判決が確定した。
(中略)
1審・東京地裁判決は、記事が真実だったとして巨人軍の請求を棄却したが、今年6月の高裁判決は、朝日記事が、巨人軍の一部選手との契約は、球界を統括する日本野球機構(NPB)から『厳重注意処分』を受けるような非難されるべき行為だったと報じていると指摘。巨人軍の契約は、12球団の申し合わせを踏まえて導入された出来高払いを制度化したものであり、『NPBから処分を受ける可能性はなく、記事は真実ではない』と判断した」
http://www.yomiuri.co.jp/national/20161125-OYT1T50109.html
最後に毎日新聞の記事。この記事がもっともわかりやすい。
「2審・東京高裁も記事の主要部分は真実としたが、他球団が超過契約金を支払い、07年に日本野球機構から厳重注意を受けた問題を挙げて『(他球団と)同じ非難を受けても仕方ない』と論評した編集委員の記事については、『巨人と他球団の事例は違う』などとして名誉毀損の成立を認めた」
http://mainichi.jp/articles/20161126/k00/00m/040/015000c
朝日新聞の記事は編集委員の書いた記事を「一部の記事」と矮小化し、読売新聞の記事は記事の主要部分が真実と判断されたことを無視しているのである。
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4)【本日の一行情報】
◎「人生を変える 最強の英語習慣」(祥伝社)の刊行を記念して、著者の三浦将トーク&サイン会が12月16日に八重洲ブックセンターで開催される。
http://www.yaesu-book.co.jp/events/talk/10858/
◎三島由紀夫の命日に岩波書店の「文学」は休刊となったということである。岩波書店は11月25日に次のようにツイートしている。
「『文学』11・12月号は本日発売です.特集は《東京の文学》.小誌『文学』は,本号をもちまして休刊とさせていただきます.長年のご愛読,誠にありがとうございました」
https://twitter.com/Iwanamishoten/status/802059339217465344
http://iwnm.jp/bungaku
◎ハースト婦人画報社 の女性ファッション誌「25ans 」の新カバーガールに決まった森星の祖母は森英恵 !
http://www.oricon.co.jp/news/2081970/full/
◎双葉社の「月刊アクション」は鬼才・西島大介 がベトナム戦争を舞台に描く「ディエンビエンフー TRUE END」の連載を開始することになった。これを事件と言わずして何と言おう!
このマンガは角川書店の批評誌「Comic新現実」で連載が開始され、同誌が休刊すると小学館の 「IKKI」 に舞台を移し、連載が再開されたが、やはり同誌の休刊によって未完 となっていた作品だ。
https://twitter.com/DBP65/status/801806389693673472
http://mainichi.jp/articles/20161124/dyo/00m/200/038000c
まずは、これを見よ!
http://taishu.jp/detail/25625/
◎日経BP社がトレンド情報誌「日経トレンディ」の編集者・記者を正社員として募集している。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/manual/15/1048699/112200003/?rt=nocnt
◎今年の「VOGUE JAPAN Women of the Year」に選ばれたのは 小池百合子、高畑充希、高田茜、安藤サクラ、金藤理恵、渡辺直美、村田沙耶香、木村佳乃。
http://www.vogue.co.jp/woty/winners/
◎就職・転職のための社員クチコミサイトとして知られているヴォーカーズは、ヤフーが運営する「Yahoo!しごと検索」と11月25日からコンテンツ連携を開始した。この連携により「Yahoo!しごと検索」のページ内でVorkersのクチコミ閲覧が可能になるほか、「Yahoo!しごと検索」を通して、Vorkersへのクチコミ投稿が可能になる。
http://vorkers.jp/press/20161125
◎幻冬舎は、電子書籍として「武田塾FC 成功への軌跡」をリリースした。価格は50万円!幻冬舎の電子書籍史上最高価格って、そりゃあそうでしょ。へん
http://www.gentosha.co.jp/book/b10496.html
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000229.000007254.html
◎「読もう!行こう!静岡×光文社 本屋さんへ行こうキャンペーン」が実施されている。
http://kokode.jp/go-honya/shizuoka/index.html#top
東京はいつから東静岡になってしまったのだろうか?
◎学研プラス は「大人の科学マガジン カエデドローン」を12月20日に発売する。カエデの種を模した 小型のドローンが3980円(税別) !
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1611/26/news014.html
◎「4500円+税」となると決して安くはないのだが、出版業界の片隅に身を置いている以上、これは絶対に買わねばなるまい。モーリス・ブランショの「終わりなき対話 1 ─複数性の言葉(エクリチュールの言葉)」!
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480775511/
◎仲俣暁生のフェイスブックで知ったのだが、京都大学の河合潤が「ヤフー!知恵袋」の回答者として、次のように述べている。
「最近(2016年9月)も和歌山地裁に意見書を提出したばかりですが,その最後で『私(=河合)の一連の鑑定書・意見書が鑑定を超えて指し示す新たな真実は,不明な動機によって4名を殺害し63名に傷害を負わせた真犯人は,凶器の亜ヒ酸を現在も所持したまま,野放しであるという事実である』と結論しました」
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10166953385
「和歌山カレーヒ素事件における亜ヒ酸鑑定の問題点」はネットで読める。
http://www.process.mtl.kyoto-u.ac.jp/pdf/shinpo47_kawai.pdf
◎朝日出版社から「まだまだ知らない 夢の本屋ガイド 」が刊行されている。
http://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255009636/
この本を企画・編集した花田菜々子 の「パン屋の本屋」は12月1日にオープンするという。
http://panyanohonya.com/
◎オリバー・ストーンのドキュメンタリー映画「コマンダンテ」のDVDが入手不能になっている。オリバー・ストーン自身がカストロにインタビューしている映画だ。
https://www.goo.gl/oo22EC
アメリカでは公開禁止となった映画だ。
http://bigissue-online.jp/2013/03/21/comandante/
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5)【人事】白泉社11月25日付 役員編成および担務
阿部勇
新:専務取締役(全社統括)
旧:常務取締役(営業部門・管理部門担当)
前田哲也
取締役(第1・2編集部担当)
菅原弘文
新:取締役(第3編集部・出版部・MOE編集部・キャラクタープロデュース部担当兼出版部・MOE編集部・キャラクタープロデュース部部長)
旧:役員待遇(MOE編集部・デジタル事業部・コンテンツビジネス部担当)
馬場建輔
新:取締役(販売宣伝部・制作部・総務部・経理部・編集総務部担当)
旧:役員待遇(販売宣伝部・制作部担当)
堀内丸恵
取締役
大塚寛
取締役相談役
八巻健史
新:役員待遇(総務部・経理部・編集総務部担当)
旧:MOE編集部部長兼MOE編集長
島田明
新:役員待遇(デジタル事業部・コンテンツビジネス部担当兼コンテンツビジネス部部長)
旧:コンテンツビジネス部部長
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6)【深夜の誌人語録】
感情に流されてしまうのは、感情を武器にできないからだ。