【文徒】2017年(平成29)年3月17日(第5巻51号・通巻980号)

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1)【記事】読売新聞が記事「捏造」でおわび
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】読売新聞が記事「捏造」でおわび

河北新報の2月7日付「<避難解除>帰町しない職員 昇格させない」には、「…福島県楢葉町の松本幸英町長が、町職員への対応で『帰町しない場合、昇格・昇給させないようにしたい』との趣旨の発言をしていたことが6日、分かった」とあった。この「発言があったのは2月の町長の私的新年会」だったそうだ。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201703/20170307_63020.html
読売新聞にも7日付夕刊(と8日の朝刊一部地域)で「帰還しない職員 昇格・昇給なし 楢葉町長」という記事が掲載され、朝日新聞によれば「東京電力福島第一原発事故による避難指示が2015年9月に解除された楢葉町の松本町長が昨年11月の庁議などで『避難先から帰還しない職員は昇格・昇給させないようにする』との趣旨の発言をしたという内容だった」そうだが、この読売の記事が捏造であったことが判明した。
http://www.asahi.com/articles/ASK3H3FXLK3HUTIL00C.html
産経ニュースは、こう書いている。
「記者は7日朝、町に確認せず、この内容を報じていた複数の他紙の記事を参考に記事を書いて出稿、町長の談話も本人に取材せずに作成していた。記者は『締め切りが迫る中、取材しないまま安易に書いてしまった』と話しているという。町側の指摘で発覚した」
http://www.sankei.com/affairs/news/170315/afr1703150013-n1.html
「複数の他紙」のなかには河北新報も入るのだろうか。読売新聞は15日付朝刊に「おわび」を掲載した。
「7日夕刊と8日の朝刊一部地域で掲載された『帰還しない職員 昇格・昇給なし 楢葉町長』の記事は、福島県・いわき支局の男性記者(25)が、確認せずに他紙の記事の内容を後追いし、町長の談話を捏造していたことがわかりました。本社は重大な記者倫理違反と認識しており、関係者、読者のみなさまにおわび致します。談話部分を削除し、記者の懲戒処分などを行います」
読売新聞7日付夕刊には次のような小さな記事が掲載された。
東京電力福島第一原発事故による避難指示が2015年9月に解除された福島県楢葉町の松本幸英町長が、昨年11月の庁議や今年2月の新年会で、『避難先から帰還しない職員は昇格・昇給させないようにする』との趣旨の発言をしていたことがわかった」
ここまでに捏造はない。捏造は、これにつづく次のような部分である。
「松本町長は7日、読売新聞の取材に『(発言は)町職員が率先して帰還する姿勢を示すべきだという思いからだった。今後については改めて協議したい』と話した」
町長に取材もしていないのに取材したことにしてしまったわけである。各紙とも「男性記者(25)」を匿名で報じている。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG15H1V_V10C17A3CR0000/
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2017/03/16/kiji/20170315s00042000571000c.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170315/k10010911891000.html

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2)【本日の一行情報】

◎日販とぴあは、横浜赤レンガ倉庫に14万人の集客を果たした「パンのフェス」のサテライト版「ららぽーと湘南平塚SHONAN TREE HOUSE meets パンのフェス」を3月18日(土)〜20日(月・祝)に開催する。
http://pannofes.jp/shonan_1703/
http://www.nippan.co.jp/news/pannofes2017_shonan/

◎日販は、マキノ出版から「壮快・安心ベスト健康法!食べて治す最強療法」「壮快・安心ベスト健康法!自分で治す最強療法」の2誌を3月15日(水)に日販独占流通(PB)商品として、全国の取引先書店で同時に発売した。
http://www.nippan.co.jp/news/pb_makinomook/

トーハンは「キラキラ☆プリキュア アラモード マグネットきせかえトランク」「プリキュアドリームスターズ おえかき&おてがみバッグ」という「キラキラ☆プリキュア アラモード」関連商品2点をトーハン独占販売のMVPブランドとして3月中旬より全国約1,700書店で販売を開始した。
http://www.tohan.jp/news/20170315_944.html

ドワンゴのモバイル業務統括本部が運営する通販サイト「ドワンゴジェイピーストア」は、「ヤングアニマル」(白泉社)で連載中の「ベルセルク」とガラスクリエイター「ガラス野郎」のコラボ商品「ガラス細工 ベヘリット」を3月15日(水)〜10月31日(火)の期間限定で販売している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000200.000007551.html

◎グリーとKADOKAWAは、「電撃文庫」から刊行されているラノベゼロから始める魔法の書」のスマホ向けゲームアプリを2017年初夏より配信する。既に事前予約を開始している。
http://corp.gree.net/jp/ja/news/press/2017/0312-01.html

荒木経惟のデビュー作にして1964年太陽賞を受賞した「さっちん」は雑誌発表後にネガが紛失し、写真集として出版されることはなかった。この「さっちん」をデザイナーの町口覚と図書印刷の栗原哲朗のゴールデンコンビが、印刷技術の粋を尽くして再生させ、オリジナル版「さっちん」として河出書房新社から刊行された。
http://www.jiji.com/jc/article?k=000000069.000012754&g=prt

◎ヤフーが3月11日(土)に実施した「Search for 3.11 検索は応援になる。」では429万4532人が「3.11」と検索し、寄付金額は4294万5,320円となった。また、「チャリティーオークション」では約1,800万円、「Yahoo!ネット募金」では約2,400万円など多くの寄付が集まり、「3.11応援企画」を通じた寄付総額は約1億円となった。
https://about.yahoo.co.jp/pr/release/2017/03/14a/
ネットの力をまざまざと見せつけてくれた。日本ではヤフーが突出した存在であるというところに日本のデジタル文化、デジタルビジネスの特殊性があると私は考えている。

集英社女性誌「セブンティーン」「ノンノ」「マキア」のプロデュースで、3月12日から「dejavu『わたし、まつげは、女優です。』cafe」が渋谷ロフト2階のShibuya City Loungeで期間限定オープン。化粧品ブランド「dejavu」(デジャヴュ)のキャンペーンの一環だ。
http://j-town.net/tokyo/news/localnews/240555.html

◎メンズスキンケアの「ラボ シリーズ」と集英社集英社の男性ファッション誌「MEN’S NON-NO」「UOMO」がコラボし、全国5都市横断のスナップキャラバンを実施している。
http://getnavi.jp/entertainment/116456/

◎更井真理がイタリアの出版「DAMIANI」社よりヌード写真集「SPEAK EASY」を出版した。更井はピーター・グリーナウェイの影響を受けているんだってね。集英社の女性ファッション誌「シュプール」でも活躍している。
https://www.vogue.co.jp/lifestyle/news/2017-03/15/bookmarc/page/2

◎4月1日(土)、東京・南青山のINTERSECT BY LEXUS - TOKYOにおいて、坂本龍一の8年ぶりとなるニューアルバム「async」とレクサスのコラボレーションプロジェクトのオープニングを飾るのは「GQ JAPAN」鈴木正文編集長とのトークショーである。
http://gqjapan.jp/culture/event/20170309/listening-drive-ryuichi-sakamoto-lexus

渡瀬恒彦逝く。代表作は「鉄砲玉の美学」(中島貞夫)であり、「セーラー服と機関銃」(相米慎二)であり、「時代屋の女房」(森崎東)だろう。
http://www.sankei.com/entertainments/news/170316/ent1703160004-n1.html
「鉄砲玉の美学」は頭脳警察の「ふざけるんじゃねえよ」にのって登場する。あの煙草の吸い方が良かったんだよね。

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3)【深夜の誌人語録】

臆病は誇るべきであって恥じることではない。