【文徒】2017年(平成29)年6月9日(第5巻107号・通巻1036号)

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1)【記事】エニグモの子会社ロケットベンチャーが「雑誌」に乗り出す
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】エニグモの子会社ロケットベンチャーが「雑誌」に乗り出す

「バイマ」(BUYMA)を運営するエニグモの子会社ロケットベンチャーは6月12日に、同社初の紙媒体「フォーミーマガジン」(4MEEE magazine)を刊行する。
https://www.wwdjapan.com/424339
エニグモは海外在住のパーソナルショッパー(出品者)から世界中のアイテムを購入できるソーシャルショッピングサイト「BUYMA」 を運営している。取扱いアイテム200万点以上もあるそうだ。
また、会員数400万人を超える「BUYMA」の購買データに基づいた「今本当に売れている」アイテム やブランドを集計し、おしゃれを楽しみたいすべての女性たちに向けて、ファッション情報を発信する「STYLE HAUS 」を運営している。
http://www.enigmo.co.jp/business/buyma/
https://stylehaus.jp/
エニグモの設立は2004年2月。代表取締役は須田将啓 。
http://www.enigmo.co.jp/blog/suda/
須田は博報堂を退社してエニグモをやはり博報堂を退社した田中禎人とともに立ち上げるが、田中は2013年に同社を去る。
http://www.enigmo.co.jp/blog/tanaka/
http://toyokeizai.net/articles/-/12739
エニグモロケットベンチャーを買収したのは、2015年2月である。
http://www.enigmo.co.jp/wp-content/uploads/2015/02/press_20150210.pdf
龍川誠がロケットベンチャーを設立したのは2013年12月 のことである。龍川は次のように語っている。
「女性は自分を輝かせるために、女性誌から最新の情報を得てきたことに気付いたのです。しかし、スマートフォンが爆発的に普及したことよって環境が大きく変わりました。彼女たちはスマホを駆使して、より最新の情報へ、今までよりもはるかに気軽にアクセスできるようになった。これは僕にとってもチャンスだと感じました」
https://superceo.jp/tokusyu/hirameki/100183
こういう勢力が紙のメディアたる雑誌に乗り出してくる。

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2)【本日の一行情報】

◎「スプートニク日本版」によれば、ロシアジャーナリスト連盟が公開している「ロシアのジャーナリストのプロフェッショナルとしての倫理規範」 には「・・・自身のプロフェッショナルとしての活動の中で、中立でいなければならないという義務はない」 と書かれているそうだ。確かに「公正、中立、客観的という伝統的な日本メディアの理想からすれば、真逆とも思える考え方」である。
https://jp.sputniknews.com/opinion/201706063722445/

小学館のアウトドアライフスタイル誌「BE-PAL」の大澤竜二編集長が、6月10日(土)に「パタゴニア京都」で開かれるトークセッション「CLOUD RIDGE TALK SESSION」 に登場する。インターネット上のニュースサイトである「Akimama」が、「登山/アウトドア雑誌」の編集長をゲストに迎え、日本の豊かなフィールドや山の話、2017年話題のギア、一般的には知られていない雑誌制作・WEBメディア制作の現場、メディアのこれからなどについてざっくばらんに座談会形式で語るというイベント だそうだ。
大澤は十代のころからクライミングに取り組み、南アルプス甲斐駒ケ岳北アルプス黒部峡谷伊豆半島波勝崎などに新ルートを開拓をしたという 凄い経歴の持ち主だ。
http://www.bepal.net/news-2/news/36050
「Akimama」はフジロックフェスティバルをはじめとする、国内のさまざまな野外フェスの運営サポートを行ってきたヨンロクニが運営している。
http://www.a-kimama.com/company/

夕刊フジの「強まる新潮の“紙上告発”正当性、文春『不正なし』主張変わらず トーハン社内調査結果」は次のように結論づけている。
週刊文春の新谷学編集長は公式サイトで『情報を不正、不法に入手したり、それをもって記事を書き換えたり、盗用したりした事実は一切ない』としているが、この反論で切り抜けられるほど、簡単な状況ではなくなっている」
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170607/soc1706070005-n1.html
私には文藝春秋のやったことがトーハンが社内調査によって明らかにした通りのことであったとしても、「週刊新潮」が主張するように「到底看過できない不正行為であり、ジャーナリズムの信頼性の根幹を揺るがす重大問題」だとは思えないのである。
週刊新潮」の物言いはカンニングで退学を求めるようなものであり、これじゃあ文藝春秋も素直に謝れないのではないだろうか。私はこの問題で「週刊文春」の見解に必ずしも同意できないけれど、「週刊新潮」には同情も、共感もできない。読者ってそういうもんじゃないのかな。

青木理が「月刊日本」で次のように書いている。
「しかし、最近出たケント・ギルバート著「儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇」(講談社+α新書)は一応読んでみようと思った。理由は2つ。まず、版元がヘイト本を量産する出版社ではなく、日本を代表する最大手の出版社であること。また、かなり売れ行きがよいと伝えられ、すでに発行部数は30万部近くに達し、いまなお売れ続けているらしいこと。
ならばどんなものか。そう思って手に取ったのだが、数ページめくっただけで激しく後悔した」
青木は「単なる罵詈雑言を羅列した下品な侮蔑本であり、タイトルにうたった儒教への深い洞察など一切なし」と結論づけているのだが、私などが青木に解説してもらいたいのは、ネトウヨレベル のこの本が何故に例えば青木自身の書いた、これまた講談社を版元とする「抵抗の拠点から 朝日新聞慰安婦報道』の核心」など問題にならないくらい 売れるのかである。
http://gekkan-nippon.com/?p=12296

◎宝島社の女性ファッション誌「steady.」が働くアラサー女子1000人を対象にした調査「BODYのお悩みアンケート」では、1位が「ムダ毛」41%、2位に「におい」27%、3位が「黒ずみ、ザラつき」18% となった。ムダ毛の中で気になるパーツは、1位「ワキ」41%、2位「脚」35%、3位「腕」10% 。
面白いのは同世代の男性の本音も調査したところ、女性のムダ毛が「気になる」と回答した男性は86%で、よく目につくパーツの1位は「腕」41%、2位「脚」33%、3位「うなじ」12% という結果になったことだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000526.000005069.html
一世を風靡したAV女優・黒木香の昔から男性は女性の「ワキ毛」は別の意味で気になるのかもしれない。

◎6月6日放送の フジテレビ系「ノンストップ!」は赤城乳業が発売する人気のアイス「ガリガリ君」で「火星ヤシ」 なる実在していない味を番組内で紹介していたことが判明し、7日放送の同番組内で謝罪したという。報知新聞は次のように書いている。
「同社によると『ガリガリ君』はファンが架空の味を描いたパッケージをインターネット上にアップすることは、これまでもたびたび見られるという。今回の放送も、こうしたネットの画像を本物だと勘違いした可能性があるという。その上で同社は『こちらから、経緯をお聞きすることもいたしませんし、抗議することもありません』と話した」
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20170607-OHT1T50102.html
http://www.huffingtonpost.jp/2017/06/07/fuji-apologizes-again_n_16978626.html
http://gogotsu.com/archives/29982
フジテレビの番組制作におけるネット依存症は相当に重症のようである。

◎テレビの「再現ドラマ女優」のギャラは犬や猫よりも安く1本1万円いくかいかないか だという。
https://www.j-cast.com/2017/06/07299945.html?p=all

SHOWROOMはオーディション企画で雑誌と組むことが多い。今度は主婦の友社の女性ファッション誌「S Cawaii! 」のモデルオーディションを実施する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000026205.html

KADOKAWA の生活実用誌「レタスクラブ」は創刊30周年企画として読者が選んだ「くり返し作りたいベストシリーズ」の刊行を開始した。第一弾は「やせるおかず」 。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003303.000007006.html

博報堂の新しい大人文化研究所は40〜60代女性を「自分爆発レディ」と命名した。
http://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2017/06/20170607.pdf

東京新聞は「頭狂新聞」と呼ばれている。産経新聞は「3K新聞」と呼ばれている。「3K」とは「きつい(主張)・汚い(論法)・危険(な思想)」とも、「狂ってる 腐ってる 偏ってる」とも言われている。読売新聞は「ゴミ売り新聞」、朝日新聞はアカヒ新聞と呼ばれいる。
https://twitter.com/kitanihonganba/status/872028129010655232
http://ryuma681.blog47.fc2.com/blog-entry-1131.html
https://twitter.com/pigumon2016/status/870956707458859008
https://twitter.com/tano1256/status/872251793358467072

さいとう・たかをの「ゴルゴ13」が「ビッグコミック」での連載50周年を来年迎える。しかも一度も休載がない!
http://www.oricon.co.jp/news/2091984/full/
「連載50周年記念特別展 さいとう・たかを ゴルゴ13」が開催される。
https://www.golgo-13.com/

◎金融とITを融合したFinTechベンチャーであるTranzax(トランザックス)は、電通および幻冬舎グループ3社(幻冬舎幻冬舎メディアコンサルティング幻冬舎総合財産コンサルティング)と、資本業務提携契約を締結した。
http://www.tranzax.co.jp/wp-content/uploads/2017/06/b74e043f85c09d6bccada6aa854597201.pdf
電通のプレスリリースには幻冬舎グループ3社の名前がない。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2017074-0608.pdf

電通5月度単体売上高。マス4媒体のみならず、ネットも前年同月を割っている。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2017073-0607.pdf

◎「出版梓会」が、「第1回京都読者謝恩ブックフェア」(府書店商業組合後援)を京都市内のふたば書房御池ゼスト店、丸善京都本店、大垣書店イオンモールKYOTO店という三書店で開催する。1,000点を超える話題書&ロングセラーを特価で販売するそうだ。毎日新聞によれば「再販制度を弾力運用した書籍の日本最大の特価フェアで、東京以外での開催は初めて」のことである。
https://mainichi.jp/articles/20170607/ddl/k26/040/452000c
http://www.azusakai.or.jp/news_list.php?type=news

◎日販が発表した5月の店頭売上前年比調査によると、書店店頭売上は前年同月比7.5%減。内訳は、雑誌9.9%減、書籍2.4%減、コミック15.5%減、開発品9.3%増。
https://ryutsuu.biz/sales/j060711.html

ゴマブックス電子書籍として「加計学園問題『総理の意向』文書全文」を648円(税込)で配信している。「紙の本で32ページ相当の本」だそうだ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1706/08/news074.html

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3)【深夜の誌人語録】

正しいと思えることほど疑ってかかるのが私の流儀である。