【文徒】2017年(平成29)年6月12日(第5巻108号・通巻1037号)

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1)【記事】東京新聞・望月衣塑子記者をご存知ですか?
2)【記事】新潮社が「週刊文春カンニング追及報道で同情されない理由
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】

                                                                                • 2017.6.12 Shuppanjin

1)【記事】東京新聞・望月衣塑子記者をご存知ですか?

元木昌彦が次のように書いているが、東京新聞の望月衣塑子 であろう。
「昨夜(2017年6月8日)の『報道ステーション』はおもしろかった。"冷血動物"菅官房長官が、定例会見でしどろもどろになったのだ。前川の言っている文書はあるのか、文科省は調査しないのかと女性記者(どこの社だろう、すごい迫力だった)が質問攻めにして、さすがの菅も薄ら笑いを浮かべるしかなかった」
https://www.j-cast.com/tv/2017/06/09300259.html?p=all
これ、これ。
https://www.youtube.com/watch?v=Y1M1w44KQFE
「千葉、埼玉など各県警、東京地検特捜部、東京地高裁の裁判担を経て出産後、経済部に復帰。社会部で武器輸出、軍学共同を主に取材」
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI?lang=ja
望月は「武器輸出と日本企業 」(角川新書)を上梓している。
東京新聞に入社してから、ほぼ社会部一筋でした。俗にいう事件記者ですね。政治家の汚職事件などを取材してきました。でも出産を経て復職したときに配属されたのが、まったく畑の違う経済部だったんです。3・11原発事故の後で、大混乱のまっただ中です。経産省の役人に取材をしたり、勉強会に出たりしなければならないのですが、保育園に子どもを迎えに行く時間になると私一人先に切り上げなくてはならない。
悶々としているときに、当時の部長が、大きなテーマに取り組んで長い時間かけて掘り下げてみたらどうかと提案してくれました。そして、二人目の子どもを出産後、二〇一四年四月に『武器輸出三原則』にかわる『防衛装備移転三原則』が閣議決定されました。事実上の武器輸出の解禁です。再び部長から「武器輸出問題をテーマにして取材してみろ」とアドバイスを頂いたんです」
http://bp.shogakukan.co.jp/mado/1706/interview.html
ツイッターではネトウヨと思しきユーザーから「頭おかC 」などと言われているが、元木さん、望月記者は美人である。菅官房長官からすればジャパンタイムズの吉田玲滋の質問もイヤだろうな。
https://twitter.com/reijiyoshida_JT

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2)【記事】新潮社が「週刊文春カンニング追及報道で同情されない理由

週刊新潮」による「『文春砲』汚れた銃弾」報道はトーハン文藝春秋の営業に「週刊新潮」の中吊り広告の内容を事前に「カンニング」させていた問題であり、トーハン文藝春秋による「カンニング」の言ってみれば共同正犯である。それだけにトーハンは事態を重く見て、「週刊新潮」の記事にトーハンと名指しされたわけでもないのに「お詫び」を発表し、その後、何故に「カンニング」に協力したか、新潮問題特別調査委員会 によって事の経緯を明らかにした。
その余波は「当事者」以外の版元にも及んでいる。トーハンはむろんのこと、もう一方の取次の雄である日販や大日本印刷凸版印刷までが出版社に対して、あらゆる情報の提供に慎重になり始めたのである。大手出版社の雑誌販売担当者は言う。
「中吊り広告を事前に見るようなことはなかったけれど、雑誌で言えば競合誌の販売データは印刷会社から は印刷部数を、取次店からは実売数を聞いて来たわけです。それこそ情報戦の一環だったわけですが、今回の件が問題になって以降、そうした情報の提供に関しても、取次店、印刷会社ともに臆病になってしまいました」
書籍販売にも、この問題は影を落としている。別の大手出版社の販売関係者は「作家の初版部数を決めるのに、前著の部数を調べるのも大変になった」と嘆いている。
こうしたこともあり、新潮社に同情する声は出版業界では少ないのだろう。

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3)【本日の一行情報】

◎「リテラ」の「山口や読売だけじゃない! 安倍べったり・NHK岩田明子記者の政権と一体化した"仕事"の数々、会長賞受賞にも疑惑が」によれば、「NHK解説委員で政治記者の岩田明子氏」は、「業界では、前述の山口氏、産経新聞論説委員の阿比留瑠比氏と並んで、"安倍の太鼓持ち番記者三羽ガラス"とまで呼ばれるほどの有名人である」だそうである。
http://lite-ra.com/2017/06/-nhk.html
岩田は「取材対象に肉薄し情報交換して監視する」なる文章を「WEBRONZA」に発表している。
http://webronza.asahi.com/journalism/articles/2017021700004.html

◎「ぴあ Movie Special 2017 Summer」に追加注文が殺到し、緊急重版が決定した。嵐の大野智が表紙だ。
http://top.tsite.jp/news/johnnys/i/35892676/?sc_int=tcore_news_geinou

◎フィリップ モリス ジャパンは、「LINE」を活用したIQOS向け新サービスを共同開発するプロジェクトを開始することを発表した。サービスの第一弾として、LINE ビジネスコネクトを活用し、6月8日(木)からIQOSのLINEアカウント上で、IQOS.jpの新規会員登録やIQOSが利用できる場所を探せる、アイコススポット検索機能などを開始。順次、プロジェクトを通して新サービスを共同開発し、IQOSストアの予約やIQOSに関する問い合わせなどのサービスを展開していく予定だという。
http://www.pmi.com/ja_jp/media_center/press_releases/pages/20170608.aspx

◎「カーゴニュース」の「日販、業界連携で輸配送改革を加速」は次のように書いている。
「最大手の日販では4月1日付で『輸配送改革推進室』を新設するとともに、流通環境の変化に対応した物流を目指す3つのプロジェクトチーム(PT)を発足。自社だけでなく、出版関係業界団体や取次他社との連携を通じて、納品時間指定の緩和、自家配送エリアの共配化、業量の平準化など輸配送環境の改善に向けた施策も進めていく」
「取次が直面する“輸配送の危機”の背景にあるのが「雑誌の低迷」。1996年をピークに出版物の売上高は右肩下がりだが、とくに落ち込みが目立つのが雑誌。「出版社、取次、書店ともに雑誌の利益を中心に経営をしてきた。雑誌は毎日発売され、その配送網を使って書籍を“相乗り”させてきたが、基軸となる雑誌が低迷したことがターニングポイントとなった」と酒井和彦専務は説明する」
http://cargo-news.co.jp/contents/code/170608_1

◎アシアルとKADOKAWAは、「RPGツクールMV」で開発されたゲームを簡単にiOSAndroidアプリ化するクラウドサービス「Monaca for RPGツクール」の提供を開始した。
http://www.asial.co.jp/pressrelease/457

KADOKAWAは、来る2020 年の「ところざわサクラタウン」(仮称)開業に向け、WILLERとの間で、移動とカルチャーの融合を目的とした提携を開始する。具体的な取り組みとして、角川アスキー総合研究所の子会社であるクールジャパントラベルへの WILLER による出資に合意した。KADOKAWAが持つコンテンツの価値と WILLER が持つ付加価値交通の創出力を組み合わせることで、インバウンド顧客を中心に、今までにないエンタテインメント性の高い二次交通網を活用した旅行体験を提供することを目指す。
http://info.kadokawadwango.co.jp/files/20170608.pdf

サイバーエージェント連結子会社のCygamesと共同で、アニメIPへの投資を目的としたファンド「CA-Cygamesアニメファンド」を組成する。ファンド総額は30億円を予定している。
https://www.cyberagent.co.jp/newsinfo/press/detail/id=13798

アサツー ディ・ケイの2017年5月度単体売上高。前期比101.9%。
https://www.adk.jp/wp/wp-content/uploads/2017/06/release_Billing_201705j1.pdf

電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」は、6月8日付で、同社グループの10のグローバルネットワーク・ブランドの一つでメディアエージェンシーである「Dentsu media」を、「dentsu X」へと改称し、ブランドを再構築 する。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2017075-0608.pdf

電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」は、シンガポールの有力コンテンツマーケティング会社「Novus Group Holdings Pte Ltd」(ノバス社)の株式100%を取得することで合意した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2017076-0609.pdf

◎マガジンハウスから刊行されたコミックエッセイ「#ピヨトト家〜うちのアホかわ男子たち〜」はインスタグラムから生まれた企画だ。著者である「ぴよとと なつき 」のフォロワー は10万人を超えている。
https://www.atpress.ne.jp/news/130442

◎アマゾン の取次外しを可能にしているのは、中小零細版元 が取次から強いられる「差別取引」であると、日本出版者協議会で理事をつとめるリベルタ出版の田悟恒雄 は指摘している。確かに中小零細版元にとっては「前門のアマゾン、後門の取次」なのである。
「翻って、そもそも『歩戻し』とは何なのか? 『注文支払い保留』とは何なのか? そして、それらをもっぱら後発の弱小版元に課すことの正当性は、どこにあるのか? これらの問いかけに取次の説得的な説明がなされたとは、寡聞にして知らない。
1973年に勃発した『ブック戦争』は、翌74年に『版元出し正味を最低69%、取次マージン8%(8分口銭)』で一応の決着をみたものの、80年代以降、取次店は新規取引版元を中心にこれを68%、67%へと、なし崩し的に切り下げていった。こうして『取次8分口銭』という原則は、いつしか『9分』へ、さらには『10分口銭』へと変えられてしまった。
 しかも、それがもっぱら弱い立場の新規版元に対して進められたことが、今日ある差別取引の基本構造をつくりあげたと言っても過言ではないだろう。創業したての版元が巨大寡占取次相手に条件交渉できる余地など、これっぽちもない。取次店の「優越的地位」は、いささかも揺らぐことがないのだ 」
http://shuppankyo.cocolog-nifty.com/

ドウシシャ講談社の「モーニング」創刊35 周年を記 念し、「宇宙兄弟」「GIANT KILLING」「鬼灯の 冷徹」の オリジナルコラボTシャツ4 種を製品化した。「モーニング」そのものを彷彿とさせるパッケージ展 開で、6 月 14 日(水)より ファッションセンターしまむらで発売する。
http://www.doshisha.co.jp/pdf/2015product/20170609.pdf

◎料理のカテゴリではなく 、メニュー単位でレストランを探したいというニーズに応えるため生まれたアプリ 「SARAH」 は講談社の「おとなの週末」と提携する。講談社は SARAHに出資もしている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000012648.html
SARAHの 起業は2014年12月。代表取締役は 高橋 洋太。こんなキャリアである。
「法政大学在学中の19歳の時に、学生起業家選手権での優勝賞金300万円を元手に、ストリートダンサーを活用した人材ビジネスを起業しました。社員5名に増えたところで事業拡大に限界を感じ、ソーシャルショッピングサイト『バイマ』を運営するエニグモに入社、web事業の経験と人脈、そして2012年7月に東証マザーズ上場という経験もしました。Web事業の経験や人脈を築いて今回の起業に至りました」
http://www.independents.jp/article/item001265?back=list1

◎次のような電子書籍ストアで「双葉社創立70周年記念企画!ぜ〜んぶ1巻完結!20タイトル70%off!」が開催されている。
https://www.sukima.me/store/campaign/20170609hutaba1100400/
http://book.dmm.com/list/campaign/gO680fe,hpaGgLiN1J3tAFGAp57VgNDRyvrS2YeBi7GC9YvW2reCs6SKjKbQtPXU4NMH04eCgZfuhYL23dm2AlWCsoaFtMXRu*3Su5gBVtjd4FlQVg__/
https://bookwalker.jp/campaign/6654/
https://mibon.jp/s-futabasha-70th.php
https://www.cmoa.jp/special/?page_id=170609_kanketsu70off
http://seiga.nicovideo.jp/book/cp/futa70y
https://book.oricon.co.jp/php/special/Special.php?pcd=book085
https://sp.handycomic.jp/feature/index/id/fcpn_cp2017060913
http://unext.bookplace.jp/feature_new/futabasha70/
Amazon楽天も同タイトルを値下げしている。あれっ…AppleとebookJapanは定価のまま?

KADOKAWAが「魔法のiらんど」ユーザーの高校生に実施したスマートフォン利用調査によれば高校生のSNS利用率はLINE(95.4%)、Twitter(81.3%)、YouTube(61.8%)、Instagram(56.7%)、Google+(20.4%)、Facebook(13.9%)、pixiv(12.9%)、Ameba(10.9%) の順番だ。
実名と顔出しのFacebookは人気がない。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1706/08/news137.html

パピレスGYAOにより設立された合弁会社であるネオアルドは、電子書籍投稿サイト「upppi」(ウッピー)を5月31日(水)に縦スクロール型コミック「タテコミ」とイラストを中心とした 女性向けサイトへと全面リニューアルしたという。リニューアル第1弾企画として、「upppiオトナ乙女漫画コンテスト」を6月8日から開始している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000022475.html

誠文堂新光社 の海外コミック邦訳レーベル「G-NOVELS」は、eBookJapanでの電子書籍版の配信を開始 した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000267.000012109.html

◎「白泉社即日デビューまんが賞」が開催される。 白泉社の擁する「花とゆめ」「別冊花とゆめ」「LaLa」「メロディ」「ヤングアニマル」5誌の編集部が合同で、9月17日(日)に1日限定で東京・ワテラスコモンホールを会場として午前10時より 、持ち込み原稿の全てを即日審査 する。大賞は100万円と特選グッズ。しかも、 白泉社が運営するデジタルコミック媒体に即日掲載予定 だという。
http://www.hakusensha.co.jp/sokujitsu-manga/

◎光文社の女性ファッション誌「STORY」で連載されていた唯川恵の小説「セシルのもくろみ」(光文社文庫) が真木よう子 主演でドラマ化される。7月13日からフジテレビで木曜日夜10時より 放映開始だ。
http://www.fujitv.co.jp/Cecile/

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4)【深夜の誌人語録】

前のめりになり過ぎると転びやすくなるものだ。