【文徒】2017年(平成29)年8月3日(第5巻145号・通巻1074号)

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1)【記事】最近書店閉店事情
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                                • 2017.8.3 Shuppanjin

1)【記事】最近書店閉店事情

札幌市中央区の白鳥社書店が7月31日(月)をもって閉店。来年の創業70年を前にしての閉店となった。もともとは翻訳書や児童書を扱う出版社として歴史をスタートさせている。
https://twitter.com/konbusakelove/status/892134113519443968
「2代目の金井絋三さん(74)によると、『実は亡くなった父(祐三さん)が、白鳥社という出版社をやっていたんですよ』。小樽高等商業学校(現小樽商科大学)を出た先代は英語が堪能だったので、戦争が終わった1945(昭和20)年に白鳥社を設立し、児童書の翻訳を中心に出版業を始めた。
その4年後に、現在地から1丁離れた8丁目に書店を開く。現在の建物は、移転後の69年に建てられたものだが、元は勉強堂という文房具店だったとか」(朝日新聞北海道版)
http://www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20151211011330001.html
ブックライフ野毛店が8月15日(火)の終戦記念日をもって閉店。
「野毛のブックライフ、8月15日で閉店とな…」
https://twitter.com/zaikabou/status/890568514188083200?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=http%3A%2F%2Fkaiten-heiten.com%2Fbooklife-noge%2F
三洋堂書店阪南店が8月27日(日)をもって閉店。
三洋堂書店阪南店は、2017年8月27日(日)をもって、閉店することとなりました。
なお、買取業務につきましては7月23日(日)、レンタルの貸し出し業務につきましては8月1日(火)をもちまして終了させていただきます。
永らくのご愛顧誠にありがとうございました。またご不便をおかけいたしますこと、お詫び申し上げます」
https://www.sanyodo.co.jp/shops/133/
八重洲ブックセンター日比谷シャンテ店が8月31日(木)をもって閉店。
「平素より、日比谷シャンテ店をご利用いただきまして誠にありがとうございます。
皆様方からのあたたかいご支持、ご愛顧により営業を続けてまいりましたが、
この度都合により日比谷シャンテ店は、
2017年8月31日(木)をもちまして閉店させていただくこととなりました。
ここに謹んで閉店のお知らせを申し上げるとともに、
これまでのお引き立てに、厚く御礼申し上げます。
また、閉店までの1ヶ月間は、これまでのご愛顧に感謝し、特別フェアやスペシャルセールを企画しております。
お近くへお越しの際には、是非日比谷シャンテ店へお寄りいただきますよう、お願い申し上げます」
http://www.yaesu-book.co.jp/topics/12391/
「【日比谷シャンテ店】約5年間、日比谷でお世話になりました。劇場にいらっしゃるお客様と共に、店舗も歩ませていただきました。ありがとうございます。最後の夏、どうぞよろしくお願いいたします。懐かしいシャンテの展示『ミュージカル シラノ』衣装&パネル展示と共に原作本も販売いたしました」
https://twitter.com/yaesu_book/status/892179905303031808
ITmediaビジネス」は次のように書いている。
八重洲ブックセンターは8月1日、『八重洲ブックセンター 日比谷シャンテ店』(東京都千代田区)を8月31日に閉店すると発表した。
日比谷シャンテ店は2012年にオープン。近隣に東京宝塚劇場や帝国劇場があるため、宝塚歌劇団や演劇に関する本の品ぞろえが充実していることで知られていた。宝塚ファンを中心に、閉店を惜しむ声が上がっている」
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1708/02/news093.html

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2)【本日の一行情報】

文化出版局の「装苑」が隔月刊化することになった。今年11月28日発売(1月号)までは、月刊誌として発行し、12月27日発売号、来年の3月28日発売号は合併号として、5月28日発売号から隔月化をスタートさせる。
https://www.fashionsnap.com/news/2017-08-02/soen-change/
雑誌は隔月刊化や季刊化を恐れてはなるまい。その一方でデジタル化や情報発信にとどまらないサービスの提供を積極的に進めるべきである。

演劇集団キャラメルボックス制作総指揮の加藤昌史祥伝社から「前説のプロ直伝!10秒で人の心をつかむ話し方」を刊行。トーク&サイン会が三省堂書店池袋本店で8月10日(木)に開催される。
http://ikebukuro.books-sanseido.co.jp/events/2623

◎宝島社が刊行している「ひつじのショーンをさがせ!」シリーズは、第1弾を2015年に発売以来、累計48万部を発行する「さがし絵本」だそうだ。第3弾は日本を舞台にした「えほん ひつじのショーンをさがせ!ショーンが日本にやってきたDX(デラックス)」が発売された。「ひつじのショーン展」が名古屋、広島、愛媛、宮崎、岡山などで開催される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000555.000005069.html

◎新潮ミステリー大賞は受賞作なし。
http://www.shinchosha.co.jp/prizes/mystery/4/
http://www.shinchosha.co.jp/news/article/655/

◎ぴあの矢内廣社長は中大の映画研究会出身。モッツ出版高須基仁の後輩にあたることは「出版人・広告人」8月号で紹介した通りである。
http://www.sankei.com/life/news/170801/lif1708010023-n1.html

北海道新聞社が帯広支社の総務担当だった54歳の女性社員を懲戒解雇した。350万円を着服していた。金庫に保管していた現金を繰り返し持ち出していたそうだ。
http://www.sankei.com/affairs/news/170731/afr1707310021-n1.html

◎産経によれば朝日新聞は6月19日付オピニオン面「語りつぐ戦争」の投稿「引き揚げの女性に中絶手術」について一部を訂正し、おわびした。
「投稿は終戦後の引き揚げ女性の中絶手術のことを旧友から聞いた話として書かれた。16歳以上の女性を集めて担当者が呼びかけたという内容で、「旧友に聞くと、『今おめでたの方はいませんか。ご主人であろうと、またソ連兵、朝鮮人に犯されての子でも、今から育てるのは苦労です。思い切って見殺しにすることです』と女性たちに呼びかけたという」のうち「ご主人であろうと」を削除。「見殺しにすることです」を「身を軽くすることです」に訂正した」
http://www.sankei.com/west/news/170801/wst1708010051-n1.html

サム・シェパードが亡くなったのか。戯曲でピューリッツァー賞を受賞している俳優である。映画の脚本も書く。ヴィム・ヴェンダースの「パリ、テキサス」の脚本を手がけたことは多くの追悼記事が触れるだろうけれど、映画史的に忘れてはならないのはミケランジェロ・アントニオーニの「砂丘」に脚本で一枚噛んでいることであろうし、ロバート・アルトマンの「フール・フォア・ラブ」はシェパード自身の戯曲をベースに自らが脚色・主演したことであろう。
https://news.yahoo.co.jp/byline/saruwatariyuki/20170801-00073996/

◎オプティムは、ユニクロとコラボし、ユニクロが提供している「ユニクロアプリ」に、オプティムの雑誌読み放題サービス「タブホ」から厳選した雑誌を、9月より無料で毎週20誌以上を提供開始する。
https://www.optim.co.jp/wp-content/uploads/20170801_unlimited_tab.pdf
http://www.uniqlo.com/jp/magazine/index.html

直木賞受賞により、岩波書店佐藤正午の「月の満ち欠け」を返品可能とした。
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO1945164031072017BC8000/

◎「週刊現代」によれば「徳島の夏の風物詩である阿波おどりが、主催者である徳島新聞の杜撰な運営によって、実に4億3000万円にものぼる巨額の赤字を積み上げている」そうだ。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52364

◎「プレイボーイ」のヒュー・ヘフナーは22歳にして初体験をした。
http://www.huffingtonpost.com/2011/02/07/hugh-hefner-talks-age-at-_n_819475.html

◎さすがAFPだ。ジャンヌ・モローの追悼文で「エヴァの匂い」や「小間使の日記」という作品をしっかりと押さえている。「ジャン・ジュネ(Jean Genet)やマルグリット・デュラス(Marguerite Duras)といった作家の小説が原作の挑戦的な映画にも好んで出演した」とあるが、トニー・リチャードソンの「マドモアゼル」は原作がジャン・ジュネであり、脚本がマルグリット・デュラスである。
http://www.afpbb.com/articles/-/3137647

◎学研プラスは、Webサイト「夏休み! 自由研究プロジェクト2017」を立ち上げている。
https://kids.gakken.co.jp/jiyuu/

毎日新聞の「新本屋道」が誠光社を取り上げている。堀部篤史の「ムチャクチャがんばらなくてもいいように、分母を小さくしました」という言葉が印象的である。
http://mainichi.jp/articles/20170801/dde/018/040/029000c

小学館で「ビッグコミックスピリッツ」の編集長をはじめ数々のマンガ誌にかかわった後にマンガ原作者として独立した長崎尚志が講座「本気でマンガ原作者を目指してみないか?」で次のように発言したという。
「マンガは小説と違って、過程を評価されるもの。小説は書き終わった1冊の本に賞が与えられるけど、マンガは物語の途中で面白い作品に賞が与えられる」
http://natalie.mu/comic/news/242858
ひたすらテロを描きつづける傑作「クロコーチ」(日本文芸社)の原作者リチャード・ウーの正体も長崎である。
http://www.nihonbungeisha.co.jp/cgi-bin/search.cgi?keyword=%83N%83%8D%83R%81%5B%83%60&submitButtonName=%8C%9F%8D%F5

KADOKAWAの「ファンタジア文庫大感謝祭」は10月21日(土)にベルサール秋葉原で開催される。
http://www.fujimishobo.co.jp/sp/fantasia2017/

◎宝島社の男性ファッション誌「smart」9月号の付録はJAM HOME MADEの本格スポーツサンダルだ。980円はお買い得だ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000554.000005069.html

ジェイアール西日本デイリーサービスネットは、JR大阪駅1F中央コンコース北側に、集英社オフィシャルショップ「ジャンプショップ」の新しいコンセプトショップ「ジャンプステーション」を8月7日(月)にオープンする。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000134.000010107.html

週刊プレイボーイ 創刊50周年企画として新宿・歌舞伎町にオープンした「週プレ酒場」が取り上げられている。集英社のコンテンツ事業部がハード面・事業面を担い、グラビアアイドルの稼働やお店のコンセプトは編集部が担っているという。
http://adgang.jp/2017/08/147615.html

ヨシタケシンスケの大人向け絵本「あるかしら書店」(ポプラ社)の妄想ぶりが楽しい。
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008129.html

塩尻市の市民交流センターえんぱーくで「うんこ漢字テスト」が開かれた。塩尻「市内の印刷会社『日本ハイコム』がドリルを印刷していることが縁で塩尻書店組合が主催」したそうだ。日本ハイコムは「出版人・広告人」の印刷も手がけてくれている。
http://www8.shinmai.co.jp/odekake/article.php?id=ODEK20170802008544

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3)【深夜の誌人語録】

前に出るばかりが能ではない。一歩や二歩退くことも大切である。