【文徒】2017年(平成29)年8月2日(第5巻144号・通巻1073号)

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1)【記事】全日空商事と主婦の友社が協業プロジェクトを開始
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】全日空商事と主婦の友社が協業プロジェクトを開始

空港や機内等で赤ちゃん連れの家族旅行を支援する試みを続けてきた全日空商事と、育児誌「Baby‐mo」を軸に、ベビー向け商材を扱う企業と連携したマーケティング活動を行っている主婦の友社は、小さな赤ちゃんを持つママ・パパの不安を解消し、子育てをより楽しむことを目的としたベビー向けサービスプロジェクト「@baby」を8月1日よりスタートさせた。既に両社は「赤ちゃんごきげん沖縄の旅」を実施している。
「@baby」は、赤ちゃんとその家族のためのプロジェクトとして、2 方向での展開を予定しているという。一つは、両社のリソースを活用して消費者目線で商品やサービスの価値を伝えるブランドとして、ライセンス事業の展開。
もう 1 つは、赤ちゃん連れ専用の旅行企画「@babyフライト(仮称)」など自主事業への協賛を募集していく展開である。第一弾として、花王「メリーズ」からの協賛が決定しているそうだ。ANA グループが実施する各種旅行企画や「@baby フライト(仮称)」へ商品を提供するほか、雑誌「Baby-mo」の読者組織や ANA グループの客室乗務員へのアンケート等を実施することで、商品のPRやマーケティングまたはブランディングに寄与する取り組みを進めていく予定だという。
http://www.anatc.com/wp-content/uploads/2017/07/News-Release-17-05.pdf
雑誌ビジネスは、こうした「協業」を模索し、実現し、なおかつ成功させることが大切である。

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2)【本日の一行情報】

白泉社の「月刊MOE」主催の創作絵本グランプリで第4回(2015)入賞作となった「とりこしふくろう」(滑川まい)が書籍化された。滑川は茨城大学教育学部情報文化課程アート文化コース卒業後、絵本や雑誌、パッケージのイラストレーションを手がけていた。
http://www.hakusensha.co.jp/booklist/49924/
絵本を母胎にしたアニメ化、マンガ化、小説化、英語化も模索できないのだろうか。絵本こそ世界に通用するコンテンツを生み出せる場なのではないだろうか。

荒木経惟と青木陽子は「社内」結婚なのである。
「2人の出会いは昭和43年。大手広告代理店『電通』のカメラマンだった荒木が、社内報撮影で訪れた文書部タイプ室に陽子がいた。都立白鴎高校を卒業して入社2年目。もっさりとした前髪を行儀よくピンで留めた素朴な女の子に『何かある』と直感した荒木は、彼女をセンターに座らせてカメラを構える。当時の心境を陽子はエッセーにこう記していた。
『一人の男の出現によって、季節がはっきりと区切られていくのを、秘かに自分の心の中に感じていた。私、20才。彼、27才。冬の終わり頃だった』」
http://www.sankei.com/life/news/170730/lif1707300018-n1.html

電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」は、データ分析とパフォーマンス・マーケティングに強みを持つインドのデジタルエージェンシー「Sokrati Technologies Private Limited」(ソクラティ社)の株式51%を取得する。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2017090-0727.pdf

田辺茂一は「物好き」であったと思う。「物好き」なればこそ、大島渚の映画「新宿泥棒日記」に出演したり、矢内廣に中村義治を紹介したりしたのではなかったろうか。そういう「物好き」が出版業界では絶滅危惧種となりつつある。ぴあの矢内廣社長が産経の「話の肖像画」に登場した。
http://www.sankei.com/life/news/170731/lif1707310026-n1.html

◎TVアニメ「僕のヒーローアカデミア」と、東京お台場の温泉テーマパーク「大江戸温泉物語」がコラボすることになった。原作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)に連載されている堀越耕平の同名マンガである。
https://animeanime.jp/article/2017/07/31/34809.html

◎創刊45周年を迎えた講談社の「おともだち」9月号の付録はプリキュアの声が聞ける「音声付き自販機」だそうだ。定価780円(税込)は安いよね。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001411.000001719.html

講談社のマンガ誌「モーニング」が創刊35周年を記念し、連載300回を目前に控える「宇宙兄弟」の特大ポスターを、7月31日(月)早朝よりJR新宿駅改札内北通路に掲出を開始した。このポスターの表面を覆い尽くすのは、「宇宙兄弟」のキャラクターと名台詞をデザインした全8種類の特製コースター計1000枚超であり、コースターはテイクフリーで、自由にはがすことができて、すべてのコースターがはがされた時、初めてポスターの全貌が現れるという凝った仕掛けである。
http://morning.moae.jp/news/3816

◎新潮社は村上春樹の「騎士団長殺し」を刷り過ぎた…。発売前に130万部も刷ったが、60〜70万部が売れ残っているのではないかという「噂」は私たちも耳にしている。
http://www.cyzo.com/2017/07/post_33774_entry.html

◎学研プラスのグループ会社Glatsは、オンライン英会話レッスン「Kimini英会話」で、すぐに使える「実践英会話コース」をリリースした。
http://ict-enews.net/2017/07/30kimini/
どういう料金体系になっているのかといえば、「毎日50分プラン」が月額9,480(税込: 10,238)円。「毎日100分プラン」が月額15,480(税込: ¥16,718)円といった具合である。
https://jp.glats.online/plans/
https://glats.co.jp/

◎ヤフーの2018年3月期第1四半期(4〜6月)連結決算は、売上高が前年同期比4.1%増の2127億2900万円、営業利益が同2.6%増の522億900万円、四半期利益は同6.5%増の375億200万円。
特筆すべきは「Yahoo!ショッピング」。ソフトバンクとの連携が奏功し、「Yahoo!ショッピング」と「LOHACO」の取扱高は、同39.9%増の1398億円と大幅に拡大した。
https://about.yahoo.co.jp/ir/jp/archives/present/2017q1/index.html

ナノ・ユニバースが提供するメンズの新レーベル「ナノ・ライブラリー」(Nano・Library)は「メンズクラブ)」前編集長の戸賀敬城が手がける。
https://www.youtube.com/watch?v=PUinfb9nHLA

◎これは買わなければなるまい。デザイン誌「月刊MdN」9月号の特集は「マンガ雑誌をMdNがつくってみた!」。別冊付録が何と176ページに及ぶマンガ雑誌「COMIC MdN」!
http://kai-you.net/article/43903

◎故スティーブ・ジョブズの夫人であるローレン・パウエル・ジョブスが立ち上げた社会活動団体エマーソン・コレクティブが、米国の老舗雑誌「アトランティック」の過半数の株を買うことになった。
https://zuuonline.com/archives/164768
「アトランティック」のデジタルシフトはグローバルシフトでもあったようである。
http://digiday.jp/publishers/atlantics-branded-content-division-driving-international-expansion/
https://www.theatlantic.com/news/
ジョブズは電話を再発明したが、雑誌も再発明される運命にある。それを誰がやるのかということだ。

ミヒャエル・エンデの「モモ」がオーディオブック化された。
http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1501471372

早稲田大学文化構想学部在学中の阿部智里による八咫烏シリーズ第一部の完結編である第6弾「弥栄の烏」(文藝春秋)が売れている。
http://books.bunshun.jp/sp/karasu
「文春オンライン」にはインタビューが掲載されている。
「『玉依姫』を書いたのは16歳の時でした。大筋は変わっていませんが、単行本を出す際に自分が言いたいことを伝えるために全力を尽くして書き直しました。この6巻のなかで一番大変だったのは『玉依姫』のリライトでしたね」
http://bunshun.jp/articles/-/3479
http://bunshun.jp/articles/-/3480
阿部による書店回りの模様を知りたければ、これを見て下さい。
https://twitter.com/yatagarasu_abc

丸善池袋店が8月10日(木)にオープンする。併設の、お酒も飲めるブック&ステーショナリーカフェ「ほんのひととき」において、テレビドラマ「居酒屋ふじ」の原作者である栗山圭介のトークイベントが8月30日(水)に開催される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000168.000009424.html

◎コンデナスト・イタリアは、メンズの「ルウオモ ヴォーグ」(L'UOMO VOGUE)、キッズの「ヴォーグ バンビーニ」(VOGUE BANBINI)、ウエディングの「ヴォーグ スポーザ」(VOGUE SPOSA)、ジュエリーの「ヴォーグ ジョイエッロ」(VOGUE GIOIELLO)を休刊するらしい。
https://www.wwdjapan.com/454580

◎Jリーグは、電通とともに、スタジアム観戦を主たる指標とするCRMサービスを共同で開発し、Jリーグ公式アプリ「Club J.LEAGUE」としてリリースした。
https://www.jleague.jp/news/article/9808/
https://www.jleague.jp/app/

小田急電鉄世界文化社は、作家・エッセイストとして活躍中の阿川佐和子の講演会を10月3日(火)に開催する。これは「バブルノタシナミ」の刊行を記念し、小田急ポイントカードにおけるサービス「大人のための学びと旅を提案する『小田急まなたび』」の企画として開催される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000263.000012974.html

◎通信添削学習サービスの「ドラゼミ」を運営する小学館集英社プロダクションは、“こんな夏休みあったらいいな♪”をテーマに、[夏休み][おかあさん(おとうさん)][ドラえもん]の3つの言葉を使った絵日記を募集するコンテスト「ゆめ絵日記コンテスト」をスタートさせた。
小学館の「原点」でもある「小学一年生」9月号でも、コンテストの告知がされており、雑誌についている専用用紙から作品を応募すると全員に「ドラゼミ きみだけのすごろくキット」が届けられる。
https://www.atpress.ne.jp/news/134038

集英社の公式ウェブメディアプラットフォームのひとつである「non-no Web」が、リニューアルからわずか3ヶ月で、800万PVを突破したそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000011454.html

浅田飴は、ジュンク堂書店池袋本店が実施する「本がつなぐ、本でつながる」と題した各種トークイベントにて、「浅田飴薬用のど飴(指定医薬部外品)」等をプレゼントするキャンペーンを8月1日より実施する。
https://www.atpress.ne.jp/news/134543

◎「?」と「!」を禁じ得ない番組だなあ。テレビ朝日の「ザ・スクープスペシャル ビキニ事件63年目の真実〜フクシマの未来予想図〜」。番組概要には、こう書かれている。
「1954年、マーシャル諸島を地獄絵と変えた水爆実験『ブラボー』。特別の許可を得て、『死の灰』を浴びた元島民とともにヒバクの島を独自取材。さらに、米国の核実験博物館でそれが人体実験だったことを示す衝撃的な機密文書を発掘、ビキニ事件の真実を検証する。また、被ばくした第五福竜丸の元乗組員の慰霊の旅を密着取材する」
http://www.tv-asahi.co.jp/scoop/


◎「comicoチャレンジGP 2017」が縦スクロール、フルカラーのマンガ作品を募集している。グランプリは「賞金300万円+ 公式連載確約」。賞金総額は1000万円に及ぶ。
http://www.comico.jp/notice/detail.nhn?no=2281

ジャンヌ・モローが亡くなった。ルイ・マルの「死刑台のエレベーター」、フランソワ・トリュフォーの「突然炎のごとく」、トニー・リチャードソンの「マドモアゼル」、ルイス・ブニュエルの「小間使の日記」、ジョゼフ・ロージーの「エヴァの匂い」など、フィルモグラフィを見ればわかるが、女優の中の女優だった。新聞社にはジャンヌ・モローをリスペクトする記者はいないのだろうか。
http://www.asahi.com/articles/ASK706QRTK70ULZU00Z.html
http://www.sankei.com/life/news/170731/lif1707310045-n1.html

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3)【深夜の誌人語録】

自分は忘れてしまっても、忘れない他人が存在するということを忘れてはなるまい。