【文徒】2017年(平成29)年8月1日(第5巻143号・通巻1072号)

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1)【記事】朝日新聞記者が半年前の『LITERA』安倍政権批判記事をそのままツイートして炎上
2)【本日の一行情報】

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1)【記事】朝日新聞記者が半年前の『LITERA』安倍政権批判記事をそのままツイートして炎上(岩本太郎)

朝日新聞記者の赤田康和(文化くらし報道部)が29日朝10時過ぎにTwitterに投稿した記事をめぐって炎上に見舞われた。既に削除されているが、以下のようなツイートだった。
《安倍サマのためならデマも平気で垂れ流す、安倍政権御用ジャーナリスト大賞を発表! 2017年もコイツらには要注意》
と言っても、これは赤田自身の考えをつぶやいたものではなかった。ウェブメディアの『LITERA』が今年の1月4日付で「新年特別企画◎安倍政権御用ジャーナリスト大賞」と冠して掲載し、評判になった特集記事のメインタイトルがこれだった。
NHK記者の岩田明子やジャーナリストの山口敬之、時事通信田崎史郎など安倍首相と親しいことで知られる面々を順番に7位から1位まで列挙して論評するという内容の記事(文責は同誌編集部)で、これを赤田がTwitterで紹介しただけの話だった。
http://lite-ra.com/2017/01/post-2828.html
7か月近く前の記事を今頃になって何故赤田がTwitterで紹介しようとしたのかは不明だが、この時に彼が記事タイトルの真下に置かれたバッチボタンをクリックし、自らのコメントは添えずにそのままツイートしたことが失敗につながった。
この場合、Twitterでは元記事のタイトルが、それを引用したユーザーのタイムライン上にそのまま当人によるツイートと同じ形で表示される。つまり、朝日新聞記者である赤田自身が自らの見解として「安倍サマのためならデマも平気で垂れ流す/コイツらには要注意」とつぶやいたとも思えるような体裁で表示されてしまったのだ。
これをネット民が見逃すはずもなく、さっそく赤田に対して以下のような批判が殺到した。
《皆さん読んで上げて下さい。
これが #朝日新聞 記者サマのお言葉です。
いくら私人・捏造新聞社とは言え、少なからず社会に影響力のある記者。
まさに 反日左翼御用達 朝日クオリティw》
https://twitter.com/250_political/status/891148969023201280
《失礼ながら、品位の欠片も無い文章ですね。流石、朝日クオリティ》
https://twitter.com/Vbz8cFo/status/891130854948216832
これらに対して赤田も逐一釈明しつつ謝罪。
《ネットメディアの記事の一つとして紹介しただけです。わたくしの意見という意味ではありません。「コイツラらには要注意」などの言葉は元のサイトの言葉がそのまま載ってしまいました。失礼しました。》
https://twitter.com/akadayasukazu/status/891172511211180034
《失礼いたしました。ウェブメディアの一つとして紹介するつもりが、リテラの見出しがそのままわたくしのつぶやきのようになってしまいました。多様な意見の共存は何より重要だと考えております。》
https://twitter.com/akadayasukazu/status/891175131942313984
《大変失礼いたしました。わたくしの文章ではありません。リテラのサイト内のツイッターで紹介するボタンを押したら、リテラの見出しがそのままわたくしのつぶやきのように載ってしまいました。》
https://twitter.com/akadayasukazu/status/891173381017653248
《誤解を招くツイートでした。大変申し訳ありませんでした。》
https://twitter.com/akadayasukazu/status/891527841250017281
もっとも、ネット上では他でも《朝日の新聞記者っていつも上から目線。もうすぐ会社なくなるかもしれないのにねぇ》といった批判ツイートが続出。《普通、リテラの記事のtweetバッチボタンを推すか・朝日記者》などと炎上騒ぎに言及するブログ記事も続々登場。
https://twitter.com/ja1bus/status/891226145395539968
http://tsuisoku.com/archives/51793155.html
http://odoaba.com/katsukazan/?p=2118
さらには産経も(惻隠の情というやつなのかどうか赤田の名前は伏せて)取り上げた。
http://www.sankei.com/politics/news/170730/plt1707300004-n1.html
ちなみに『LITERA』の元記事は、この炎上騒ぎのおかげかどうか、半年以上前の記事なのに31日の時点で同誌の「人気記事ランキング」の第4位に入っていた。

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2)【本日の一行情報】(岩本太郎)

◎上記に限らず、安倍首相に近い関係の記者はマスメディアの世界には多い。親族でも、例えば弟の外務副大臣岸信夫の長男・信千世(つまり安倍晋三の甥)はフジテレビ局員。これまで社会部で警視庁担当だったが、先日の人事異動で宮内庁担当に移ったそうだ。
https://www.news-postseven.com/archives/20170731_600157.html

◎そのフジテレビで総合事業担当を務める常務の大多亮は、28日に開催した定例の社長会見の席上、ハリウッドで実写ドラマ版が制作されることが集英社から発表された『ONE PIECE』について《今、私のところに具体的に集英社さんから、その件についてこうしよう、ああしようとか、一緒にこうしませんかという話がちょっと入っていない》と説明。
https://www.daily.co.jp/gossip/2017/07/28/0010413005.shtml

◎同じくフジテレビの競馬中継番組『みんなのKEIBA』で立て続けに中継中のミスが発生。フジに手厳しい視聴者からは「中継やめろ」などの声が上がっているようだ。
http://biz-journal.jp/gj/2017/07/post_3962.html

電通が27日に発表した、労働環境改善に向けての基本計画について、 人材コンサルタント常見陽平千葉商科大学国際教養学部専任講師)は「評価できる」としつつ次のように論評。
《山本社長は記者会見で「時間短縮と業務品質向上の両立を簡単ではないが必ず成し遂げる」などとコメントしている。ただ、この言葉自体、すでに矛盾に満ちているし、昔ながらの電通イズムを感じるものである。そもそも、この期に及んで「業務品質の向上」なのか。いや、上場企業としてこの点にこだわり続けなくてはならないのは分かる。ただ、電通長時間労働の原因はこの過剰なまでの品質、顧客期待への過剰なまでの対応ではなかったか。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/tsunemiyohei/20170729-00073895/

◎昨年相次いで営業を開始した電・博のデジタル部門2社の担当者が、スタートから1年を経た両社の現状や今後の課題などについて『MarkeZine』で対談。電通デジタルからは杉浦友彦(執行役員 広告事業統括責任者)、博報堂DYデジタルからは糸永洋三(執行役員 アカウントプロデュース本部本部長)が出席。司会は野崎大輔(株式会社ホールハート アカウント本部デジタルマーケティングチーム マネージャー)。
http://markezine.jp/article/detail/25226

◎『リクルートのすごい構“創”力』著者の杉田浩章(ボストンコンサルティンググループ日本代表)とリクルートワークス研究所副所長の中尾隆一郎が『BUSINESS INSIDER』で2回に渡って対談。前編は「リクルートはどこよりしつこく、諦めない」。後編は「リクルートはこの10年で別の会社になった」。
https://www.businessinsider.jp/post-100507
https://www.businessinsider.jp/post-100509

◎文庫の売れ行きが低迷する中、書店側も様々な売り方を模索中。埼玉県坂戸市TSUTAYA坂戸八幡店では昨年4月から文庫棚の並べ方を出版社・レーベル別から著者名の五十音順に変更し、今年5〜6月の文庫の売り上げが前年同期比115%に伸びたとか。都内江東区紀伊國屋書店ららぽーと豊洲店では早見和真のミステリー『イノセント・デイズ』(新潮文庫)について、発売から2週間後の3月中旬より巻末解説をフィルム綴じにして〈未読の方は絶対に読了後に〉などと記した宣伝文を挟んだところ、売れ行きが約10倍に急伸したそうだ。
http://www.sankei.com/life/news/170731/lif1707310020-n1.html

凸版印刷を舞台にした労使問題が紛糾しているらしい。上司からパワハラや不当な配置転換命令を受けたとして社内の凸版労組に相談したものの「取り合ってもらえなかった」という男性が、個人で「日本労働評議会」(労評)に加入のうえ交渉しようとするも、会社側は団交を拒否。都労委は会社側に対して団交に応じるように命じるとともに《「今後、このような行為を繰り返さないように留意します」などとする文書を、「会社内の従業員の見やすい場所に、10日間提示しなければならない」と命じた》という。
https://www.buzzfeed.com/jp/kazukiwatanabe/20170730

新聞労連などの主催によるシンポジウム「新聞奨学生と求人詐欺〜改正職安法は学生をまもれるか?」が8月6日の13:30から江戸川橋の文京福祉センターで開催される。求人票と実態が異なる「求人詐欺」の先駆的なケースでありながら、新聞が取り上げてこなかった新聞奨学生制度の問題点について、同問題に関わってきた相談員や新聞奨学生当事者らが登壇するそうだ。
http://syogakusei110.blog32.fc2.com/blog-entry-149.html

◎今年3月の文化庁メディア芸術祭で漫画部門優秀賞に選ばれた筒井哲也の漫画『有害都市』は、東京五輪を控えた近未来の日本が舞台。有識者によって「有害図書」や「有害作家」が社会的に抹殺されていく社会で、主人公の若いホラー漫画家が葛藤するという内容だ。実は筒井自身が自作を長崎県で「有害図書」に指定されており、そうした実体験にも基づく作品だという。
https://www.bengo4.com/internet/n_6433/

茨城県では県内の自治体が発行する広報誌の電子書籍が7月から44市町村全て閲覧できるようになったそうだ。水戸市の印刷会社「光和印刷」が運営する「イバラキ・イーブックス」がそれで、同社が2014年3月のサイト開設以降、個別に各自治体との掲載契約を結びつつ広報誌の電子書籍化を進めてきたという。
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15014206297694