【文徒】2017年(平成29)11月8日(第5巻210号・通巻1139号)

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1)【記事】「AbemaTV」の生番組「72時間ホンネテレビ
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】「AbemaTV」の生番組「72時間ホンネテレビ

「AbemaTV」で、元SMAPメンバーの草なぎ剛稲垣吾郎香取慎吾の3人が出演した72時間生番組「72時間ホンネテレビ」の累計視聴数は7,200万超と発表されたが、番組終了後には「7400万」に修正された。スポーツニッポンによれば、この番組は次のような記録も達成した。総てはインターネット絡みのものである。
「(1)総視聴数7400万超 AbemaTV過去最高視聴数を記録
(2)ツイッタートレンド入り総数 総計107個(国内トレンド98個、世界トレンド6個)
(3)「番組関連ワード」ツイート総数 508万超突破
(4)稲垣吾郎ブログ 「アメブロ」で3日間連続総合ランキング1位
(5)草なぎ剛ユーチューブ 3日間でアップした動画総再生回数が536万回を記録
(6)香取慎吾インスタグラム 3日間でフォロワー100万人突破
(7)香取慎吾インスタグラム 3日間の「いいね」総数1426万件」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2017/11/05/kiji/20171105s00041000500000c.html
更にいえば、元SMAP森且行と再会する企画も放映されたが、「森くん」というキーワードが「Twitterのトレンド世界1位」を獲得した。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1089855.html
むろん、「7400万」というのは「視聴数」であって視聴者数ではない。岡田有花は次のように書いている。
「仮に、今回の72時間テレビを同時接続で600〜700万人が見たと仮定すると、9月に一度でもAbemaTVを見た人のうち、7〜8割程度が同時接続した、という計算になります。これなら『ありそうな数字』かもしれません。また、累計の視聴者数(1度でもアクセスした人の数)はこれよりかなり多いはずで、1000万人を超えている可能性もありそうです」
https://news.yahoo.co.jp/byline/okadayuka/20171106-00077818/
72時間ホンネテレビ」は、ソフト化が検討されているようだ。サイバーエージェント藤田晋社長がツイッターに次のような投稿をしていた。
「このような声がとても多いので、DVDなんて作ったことないですが検討してみます。。」
https://twitter.com/susumu_fujita/status/926757239133683713
ジャニーズ事務所を辞めた元SMAP三人を新たに売り出すにあたってジャニーズ事務所がタブーとするインターネットを前面に押し出すとは、戦略的には大したものだ。ちなみに稲垣吾郎ツイッターアカウントのフォロワーは65.7万人もいる!
https://twitter.com/ingkgrofficial
ジャニーズ事務所とのビジネスを考える既存のマスメディアは、雑誌社でさえもこの三人を起用するのは躊躇するだろう。そんななか、サイバーエージェントが擁するインターネットTVであるAbemaTVは、ジャニーズ事務所退所三人組を大胆にも起用したことで、既存のマスメディアとの違いをアピールできたのかもしれない。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/217100/1
サイバーエージェントのやっていることって極めて「雑誌的」なことだと私は思う。雑誌は雑誌的であることを放棄しちゃったんかねぇ。そんなことないと反論できる雑誌は決して多くはあるまい。

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2)【本日の一行情報】

佐藤愛子のエッセー「九十歳。何がめでたい」(小学館)が発行部数100万部を突破。「女性セブン」の連載をまとめたものだ。小学館は出版(書籍)戦略において「週刊ポスト」と「女性セブン」を両輪とすることができる。
http://www.sankei.com/life/news/171107/lif1711070007-n1.html

◎「新春すてきな奥さん」(主婦と生活社)って未だ存在するんだね。
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20171106-OHT1T50053.html
表紙が森高千里。私の飲み仲間であった「電通雑誌局のT部長」が大ファンであったことを思い出す。

スターツ出版から刊行された青春小説「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」が9刷7万部を突破。
「野いちご大賞」大賞受賞作でもある。著者の汐見夏衛は愛知県在住の現役高校教師なんだって!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000890.000000607.html
書店の評判では、未来屋書店四條畷店が「君の膵臓をたべたい」の次はコレ!だとツイートしている。
「大号泣必至!!といま話題の1冊
『君の膵臓をたべたい』の次はコレ!らしいというくらい、確かに売れてます
作者の汐見さんご協力のもと、サイン本もご用意したほか、キャンペーンも実施予定です
続報をお待ち下さい...」
https://twitter.com/ms_shijonawate/status/916548476514607104
作者の汐見夏衛のツイートも紹介しておこう。
「優等生を演じる茜と、自由奔放な青磁。嫌い合っていた二人の距離が、ある事をきっかけに縮まり、共に過ごす時間が増えていく。でもある日、青磁は茜から離れて行って…
ラストで明かされる青磁の秘密と、タイトルの意味にご注目ください」
https://twitter.com/NatsueShiomi/status/905962211595530240
こまめに重版を重ねながら部数を重ねているだけに化ける可能性がある作品だ。しかも、汐見が作家として本格派であることも付記しておこう。ちなみに読者には「夜君」と呼ばれている。

講談社の「ヤングマガジン」が「史上最高のヤンマガフェア」を開催。雑誌と単行本を連動させたフェアである。「ヤングマガジン」の発売日でもある11月6日に発売された「中間管理録 トネガワ」「監獄学園」などの単行本を買うと、グラビアアイドル・小倉優香デカポストカード(6種類のいずれか)がもらえる。また「ヤングマガジン」本誌と単行本を合わせて購入して応募すると、現金3万円やPS4やダイソンのクリーナーなどの豪華賞品が抽選で合計1000名に当たるプレゼント企画も実施している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001503.000001719.html
http://yanmaga.jp/spcontents/kcf2017-11.html

◎米コンデナストは「ティーン ヴォーグ」を休刊し、「GQ」「グラマー」「ALLURE」は年12回から11回、「BONAPPETIT」は年11回から10回へと刊行形態を変更する。こうした取り組みは日本の大手出版社も参考にすべきなのかもしれない。
https://www.wwdjapan.com/505706
日本の場合、特に女性誌では月刊から季刊への移行が模索されても良いのかもしれない。

◎これは話題になるんじゃないの。「週刊少年ジャンプ」(集英社)が「モンスト×ハンターハンター」のコラボを告知した。
http://www.appbank.net/2017/11/06/iphone-application/1441192.php

実業之日本社刊「崩れる脳を抱きしめて」記念・知念実希人さんトーク&サイン会が11月28日(火)にジュンク堂書店那覇店で開催される。
https://honto.jp/store/news/detail_041000023662.html?shgcd=HB300

◎KADOKAWAの富士見L文庫かくりよの宿飯」がテレビアニメ化されることになった。
https://prw.kyodonews.jp/opn/release/201711067610/

◎「琥珀の夢」(集英社)でサントリーの創業者である鳥井信治郎の生涯を描いた伊集院静が「・・・急成長しているIT企業の創業者などを見ても、大半は『自分だけが儲かればいい』という発想のように見えます」と「ダイヤモンドオンライン」で喝破している。
http://diamond.jp/articles/-/147965
これテレビドラマ化しないのかな。TBSの日曜午後9時枠でさ。

カズオ・イシグロが売れている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000182.000009424.html

◎「WWDジャパン」が11月6日号で創刊2000号を迎えた。
https://www.wwdjapan.com/s/500939

沖縄タイムスの阿部岳が「大弦小弦」に「作家の百田尚樹氏から『悪魔に魂を売った記者』という異名をいただいた・・・」を書いている。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/166154
産経は「百田尚樹氏の講演会に現れた沖縄タイムス記者 その『言いがかり』の中身とは?」を掲載し、百田と阿部のやり取りを再現しているが、百田寄りの記事である。
http://www.sankei.com/politics/news/171105/plt1711050006-n1.html

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3)【深夜の誌人語録】

敗北や挫折が心を鍛える。