【文徒】2019年(平成31)1月8日(第7巻2号・通巻1420号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】芸能人と政治について
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2018.1.8 Shuppanjin

1)【記事】芸能人と政治について

自民党の月刊女性誌りぶる」は安倍首相とTOKIOの対談を企画した。
https://www.sponichi.co.jp/society/news/2018/12/29/kiji/20181229s00042000060000c.html
安倍晋三のツイート。
TOKIOの皆さんに、総理公邸でお目にかかりました。東日本大震災の後、福島復興のために頑張ってくださっています。DASH村の思い出、福島への熱い思いを伺い、私も胸が熱くなりました。皆さんの益々のご活躍を期待しております!」
https://twitter.com/AbeShinzo/status/1078618225233915904
想田和弘のツイート。
TOKIOの皆さんのこの振る舞いは、安倍晋三の人気取りに進んで協力するという意味で紛れもなく『政治的』なんだけど、そう指摘する声は少ない。日本では政権批判は『政治的』だけど政権迎合は『政治的』ではないから」
https://twitter.com/KazuhiroSoda/status/1079101207250194434
佐々木俊尚のツイート。
「私はローラさんが辺野古埋め立て反対署名呼びかけるのも、TOKIOが安倍首相と写真に収まるのも、どっちも本人の自由だと思います。両方に反対する人もいるかもしれないけれど。個人的には片方だけに噛み付くダブスタ反対」
https://twitter.com/sasakitoshinao/status/1079522946408824832
中川淳一郎のツイート。
TOKIOが安倍首相と写真を一緒に撮影したことを問題視するんだったら、もうお前ら、プーチンとか習近平とかトランプとか香取慎吾とか石破茂とかあとはよく分からん一般人とかも含めて全方面に攻撃しとけよ、頑張れよ、『アベと写真許さない』派の皆様方。アベの時に国民栄誉賞取った人々も叩くの?」
https://twitter.com/unkotaberuno/status/1080623724578058240
日刊ゲンダイDEGITAL」が「ローラ“政治的発言”でCM降板は? スポンサー各社に聞いた」を掲載し、記事を次のように結んでいる
「芸能人の政治的発言が“タブー”の時代はもう古いのかもしれない」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/244701
日刊ゲンダイの指摘する通りである。ローラにはローラの、TOKIOにはTOKIOの政治にかかわる意見があって当然である。次のような紀伊国屋書店新宿店のツイートも批判される筋合いはないのである。
「あけましておめでとうございます。
本日、百田尚樹先生、有本 香先生にご来店いただき、『日本国紀』および『「日本国紀」の副読本』にサインを入れていただきました。元旦からありがとうございます!」
「【サイン本完売】『「日本国紀」の副読本』のサイン本は完売いたしました。尚、『日本国紀』のサイン本はまだ在庫がございますので、ご希望のお客様はお早めにお問い合わせくださいませ。MY」
https://twitter.com/KinoShinjuku/status/1079962173181325312
https://twitter.com/KinoShinjuku/status/1080319887149387776
例えば岩上安身は次のようなツイートを投稿しているが、岩上はこうしたツイートが招きかねない最悪の事態を想像できないのだろうか。
「残念ながら、これではもう、紀伊国屋書店には行けない。買えない。東京の出版化の象徴よ、さようなら。池袋ジュンク堂はどうだろう?まさかこんなバカな本の売り方をしていないだろうなと釘ジュンク堂の品揃えは以前から紀伊国屋を圧倒的に凌駕していた。健全なまま健在であることを望む」
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1080702488620064770
弁護士の太田啓子のツイート。
「もう私は紀伊國屋書店では絶対本を買わない。書店のこんな態度は本当にかなしい」
https://twitter.com/katepanda2/status/1080344095468318722
岩上にしても、太田にしても、この逆の事態を想像できないのだろうか。そもそも書店という商売は百田の「日本国紀」(幻冬舎)も売れば、山本おさむの「赤狩り」(小学館)も売るのである。書店は多様な価値を提供する商売なのである。
https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784098600854
https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784091898708
https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784091896872
幻冬舎見城徹のツイートにも耳を傾けたい。
幻冬舎は出版社だから堤未果の[日本が売られる]も百田尚樹[日本国紀]も出す。2冊とも売れている。大衆の胸に刺さっているからだ。頭の悪い弁護士ならともかく、岩上安身という表現者何故、特定の書店での[日本国紀]不買運動を叫ぶのか理解に苦しむ。日本に表現の自由はないのか?」
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1081335629118562304
百田尚樹のツイートとなると強烈だ。
「何が紀伊國屋書店不買運動だ!
左翼連中なんて、もともと本なんか読まないじゃないか!(読めない?)
その証拠に、左翼やリベラルの本なんか少しも売れない。テレビに出て偉そうに喋っている左翼コメンテーターが本を出しても全然売れない!!
不買運動を言う前に、少しは本を買ったらどうか」
https://twitter.com/hyakutanaoki/status/1080419757814247425

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2)【本日の一行情報】

◎ぴあより、シドの本「シドぴあ」が2月に発売される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001075.000011710.html

◎ぴあは、名古屋の「大須商店街」の魅力を1冊に詰め込んだガイドブック「大須完全ガイド」を刊行した。
http://yutosoken.com/wp/2018/12/27/pia/

ツイッターの2018年10月現在の月間アクティブユーザーは、全世界で3億2600万、日本で4500万超だと発表された。
https://jp.techcrunch.com/2018/12/26/twitter-2/

◎「#Twitterトレンド大賞2018」が発表された。2018年のTwitterトレンド大賞に選ばれたのは「W杯(サッカー)」。2位が「モンハン」、3位が「フォロワー」、4位が「スマブラ」、5位が「ゼロの執行人」、6位が「羽生くん」、7位が「荒野行動」、8位が「安室ちゃん」、9位が「ドラフト」、10位が「キンプリ」。
https://twitter.com/i/events/1066951572570042368
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1812/27/news005.html

博報堂DYメディアパートナーズは、ひとつの画面に複数の画面を同時に表示させる「Picture in Picture」の手法と、デジタルにおいては主流である「6秒CM」を組み合わせた、「6秒CM」×「Picture in Picture」を、TBSテレビと共同で企画し、12月31日に放送された「SASUKE」FINALステージにおいて実施した。
https://www.hakuhodody-media.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2018/12/HDYMPnews20181227.pdf

◎ドキュメント漫画の第一人者である吉本浩二が「漫画アクション」創刊秘話を描く「ルーザーズ~日本初の週刊青年漫画誌の誕生~」第2巻が、双葉社から発売された。「このマンガがすごい!2019」(宝島社)オトコ編の第7位にランクインしたマンガだが、第2巻は「ルパン三世」誕生秘話が取り上げられている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000118.000014531.html

春新書「一切なりゆき 樹木希林のことば」が大ヒットとなったが、二匹目の泥鰌を狙うにしても、この宝島社の運動神経の良さは、称賛に値しよう。しかも装丁は鈴木成一というクオリティ!宝島社が「樹木希林 120の遺言 死ぬときぐらい好きにさせてよ」を1月28日に発売する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000792.000005069.html

◎日経によればグーグルは2019年1月に日本で「グーグル・フォー・ジョブズ」の提供を始め、求人関連事業に参入する。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3945023027122018916M00/

◎「Business Insider Japan」が「少年ジャンプ+編集長に聞く『マンガ編集者がAIを使う』可能性 ── 中国には100万人の漫画家志望がいる」を掲載している。
「累計1000万ダウンロードをうたう集英社の漫画アプリ『少年ジャンプ+』と開発会社のReproは11月末、AIを使ったユーザーの行動予測の実証実験の成果として、AIを使うことで90%の精度で予測し、アプリの離脱率(チャーン予測という)を下げることができたと発表した。これは端的に言えば、AIの行動解析によって、『アプリの利用をやめそうな人』を見つけ出せるようになった、ということだ」
https://www.businessinsider.jp/post-182499

◎「週刊少年ジャンプ」(集英社)で昨年9月から連載されているギャグ漫画「ジモトがジャパン」(林聖二氏)が、連載開始から僅か7カ月の4月からテレビアニメ化される。
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2018/12/22/kiji/20181222s00041000138000c.html

◎ぴあと、「パンシェルジュ検定」を運営する日販は、3月1日(金) ~ 3日(日)の3日間、横浜赤レンガ倉庫イベント広場にて「パンのフェス2019春 in 横浜赤レンガ」を共同で開催する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001078.000011710.html

◎「現代ビジネス」が奥村信幸(武蔵大学社会学部教授/ジョージワシントン大学客員研究員)の「速報も広告もやらない『新メディア』のジャーナリズム哲学を読み解く」を掲載している。ここで言う「新メディア」とは、2013年にオランダでスタートした新しいニュースメディア「De Correspondent」が今夏アメリカでスタートさせる英語版の「The Correspondent」を指す。「The Correspondent」が興味深いのは、広告に依存するビジネスモデルを捨て、報道姿勢に賛同する読者のメンバーシップ料を唯一の収益源にしようとしていることであり、利益率に「5%」という厳格な上限を設定していることである。直接民主主義的なメディアを志向しているのである。
英語圏でのメディア開設計画でも、彼らは当初資金をクラウドァンディングで集めると宣言し、2018年11月14日から1カ月で250万ドルという目標を掲げ、締め切り33時間前に何とか目標を達成した。
支援を申し出た人は目標達成時で4万2780人、ニュースサービスに対するクラウドファンディングの人数としては、オランダで成功した時の記録を更新し世界最大規模になった。この原稿を書いている12月末現在、支援者はさらに増え、4万6000人を超えている」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59153

◎「日経クロストレンド」が「楽天からアマゾンへ、ヤフオクからメルカリへシフトした2018年」を掲載している。
「まず楽天市場Amazonについて、スマートフォンからの利用者数推移を見ていこう。18年1月時点では、楽天市場が4172万人、Amazonが3823万人と楽天市場が350万人ほどリードしていた。これが4月になると楽天市場3840万人、Amazon3802万人と一気に差が詰まり、7月にAmazon4014万人、楽天市場3947万人と逆転。以降4カ月連続でAmazonが楽天市場を上回り、10月はAmazonが100万人弱リードしている。
一方、パソコンからの利用者数は以前からAmazonがリードしており、両社とも微減で推移している。これでスマホ経由、パソコン経由ともに、Amazon利用者数が楽天市場の利用者数を上回ったことになる。なお、スマホからの利用者数、およびパソコンからの利用者数は両端末からアクセスした人を含むため、単純に合算はできない」
https://trend.nikkeibp.co.jp/atcl/contents/18/00037/00012/

◎「電ファミニコゲーマー」が「【佐藤辰男×鳥嶋和彦対談】いかにしてKADOKAWAはいまの姿になったか──ライトノベル定義は『思春期の少年少女がみずから手に取る、彼らの言葉で書かれたいちばん面白いと思えるもの』」を掲載している。
元「週刊少年ジャンプ編集長」にして、現在、白泉社代表取締役である鳥嶋和彦が「莫迦にした段階で、敗北は確定していたよね」と語っている。大手出版社はライトノベルを低く見て莫迦にしていたから、ライトノベルではKADOKAWAに敗北したというニュアンスが込められているのだろうが、多くの編集者がインターネットを莫迦にした段階で、出版の敗北は確定したとも言えるかもしれない。
「売れると、いつのまにか自分たちを正当化して、キレイにものを作ろうとする」とは、カドカワで初代代表取締役社長をつとめた佐藤辰男の発言だが、結局、キレイなものは次々に休刊していった。この対談が行われたのは、12月12日。場所は白泉社であろう。
対談の中で鳥嶋は、こうも語っている。
「雑誌をコンビニで買えるようになって何が起きたかっていうと、書店が減り、その結果、雑誌から子どもたちが離れていったんだよ。小中学生がコンビニで雑誌と缶コーヒーをまとめて買うかといったら買わないし、買えない。
もうひとつ決定的だったのは、コンビニで雑誌は生鮮食品と同じ扱いで、週刊誌は3日で棚から下げられるんだよ。月刊誌は1週間で下げられる。
書店だったらつぎの号が出るまでは置かれたりしていたものが早々に切られる。
でも目先の数字はいいから、とくにヤング誌や青年誌がそこで異常に売れたから、それを前提にして出版社がどんどんコンビニに部数を突っ込んでいったんだ。そうやって自分たちのいちばん大事な書店をダメにしていった」
佐藤は、こんな発言をしている。
「それと雑誌が売れなくなったいちばんの原因は、やっぱり携帯電話だと思うよ。iモードが1999年に始まり、通信料がムチャクチャ高かったから、定期的に200~300円マンガに出してきた習慣がサラリーマンの重荷になってきたんだよ。
可処分時間の使いかたも変わったわけだし。それがいちばん大きいんじゃないかと僕は思う。『コミックスになってから買えばいいや』って」
この鳥嶋の発言も重要だろう。
「…いま白泉社の人たちや集英社の少女マンガなど、『ジャンプ』グループ以外のものはみんなそうだけど、メディアミックスで本を売るために、アニメの権利を一部渡し続けている。
 なおかつ番組化するとき、提供費、つまりスポンサーとしてのお金も払ってくれと言われている。要するに、圧倒的な不平等条約を強いられている。いまはそういう莫迦なことをやっているわけだ」
佐藤のこの発言も頭に残しておこう。
「いま流行りの“なろう系”小説のことを書いた本に、『なぜ売れているか』の理由が載っていて、そこに書かれていた『ネットなら自由に小説が書ける』、『読者の反応がビビッドに返ってくる』など、理由がすべて『かつて自分たちがライトノベルを作ったときに感じていたこと』だったんですよ」
http://news.denfaminicogamer.jp/projectbook/181228

◎「PRESIDENT Online」に掲載された「コスト意識を持たないバカ会社員は消えろ」で中川淳一郎が次のように指摘している。
「バイトであれば、時間を提供すればお金は発生する。しかし、大御所以外のフリーランスには発生しない。このゆがんだ商慣習の改善を、安倍政権が推進する『働き方改革』にも盛り込んでいただきたいと切に願う次第である」
https://president.jp/articles/-/27121
広告業界には、こういうケースが昔から多いんだよね。私も社会人の出だしが制作進行だったから、よく分かる。

◎「丸善」が創業150周年か。丸善は明治2年に、福澤諭吉の門下であった早矢仕有的が創業した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000015407.html

山上たつひこによる「春助の青春」の連載が始まった。自伝だ。
https://gqjapan.jp/culture/manga/20181228/harusuke-01
ネットでは、こういう大胆な企画が可能になる。

◎「光社古典新訳庫」の中町俊伸編集長は、広告部、「女性自身」編集部、学芸編集部、「バーサス」編集部を経て、古典新訳庫創刊の2006年から翻訳編集部に属し、2016年11月から編集長というキャリアである。
https://honsuki.jp/pickup/12519.html

◎まの瀬は、ユーザー投稿型WEB漫画アプリ「ジャンプルーキー!」出身の作家だが、「少年ジャンプ+」で「顔がこの世に向いてない。」の連載をスタートさせた。まの瀬は縦スクロール漫画賞を受賞している。
https://www.oricon.co.jp/news/2126514/full/

◎グローバル・スポーツ・メディア・プロパティであるONEチャンピオンシップ(ONE)は、日本の地上波キー局の1つであるテレビ東京と提携した。テレビ東京は日本国内におけるONEチャンピオンシップのオフィシャル放送局として、ONEのコンテンツをグループのBSテレビ東京や様々なデジタル・プラットフォームでプロモートする。
ONEチャンピオンシップはムエタイ、キックボクシング、空手、カンフー、シラット、散打、ラウェイ、MMA、テコンドー、サブミッション・グラップリングなど、あらゆるスタイルの試合を提供する世界最大のマーシャルアーツ団体である。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000040379.html

◎内外切抜通信社によれば、ニュースサイトの調査媒体数は2009年の1,466サイトから2018年に4,018サイトとなり、2.7倍に増加。一方、新聞・雑誌の調査媒体数は2009年の1,708媒体から2018年に1,860媒体と微増だったが、発行部数の合計では、新聞が2009年の約1億5,376万部から2018年には約1億2,339億部に減少(19.8%減)、雑誌は約1億5,511万部から約1億449万部に減少(32.6%減)となり、WEBメディアと紙メディアの勢いの差が鮮明に表れる結果となった。
https://digitalpr.jp/r/30895

NHKラジオ第一は1月1日(火)午前10:05より「高橋源一郎の『平成学論』」を放送した。高橋が平野啓一郎、古川日出男、赤坂真理と語り合った。SMAPの「夜空の向こう」から番組は始まり、ロスジェネ世代の平野が最初に登場した。平野は、平成を時代が自分探しをした時代と規定した。高橋と平野が古井由吉の「野川」(講談社)を平成学の最高傑作として評価していることに私は深く同意した。
近代日本はジェンダー操作によって出来上がっているという赤坂真理は小島てるみの「ヘルマフロディテの体温」を絶賛している。「ヘルマフロディテの体温」はランダムハウス講談社新人賞優秀賞を受賞している。真性半陰陽(ヘルマフロディテ)の大学教授、年老いた女装街娼、去勢された男性歌手が登場する。
古川日出男川上弘美の「神様2011」(講談社)を朗読した後、「字と字の間にいないものが見えてくる」と評している。「神様2011」は、川上自身の「神様」を被曝させた作品である。
http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=17232
https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=P000114_01
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000204539
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032049113&Action_id=121&Sza_id=F2
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000186994

◎「WWD」が「作るだけではなく、届ける 出版の先を見据える『アカツキプレス』」を掲載している。「アカキプレス」はオークラ出版が社内に立ち上げた出版レーベルで、ディレクターに編集事務所Kichi主宰・柴田隆寛を迎え、オークラ出版の編集者・長嶋瑞木と2人でスタートさせたプロジェクトである。柴田はマガジンハウスの「& Premium」でエグゼクティブ・ディレクターを務めた経験を持つという。
第1弾は、ラテンをベースにしたオブトロピーク(of Tropique)のCD付きアートブック「ラパルマ アナザーデイ イン パライソ(La Palma ANOTHER DAY in PARAISO)」。第2弾は、白石和弘の写真集「また、あうものたち」を1月末に刊行する。
https://www.wwdjapan.com/762093

◎日販の調査によれば、2018年「最も書店で検索された本」の第1位は「大家さんと僕」(新潮社)であった。第2位は「東海オンエアの動画が6.4倍楽しくなる本」(講談社)、第3位は「漫画 君たちはどう生きるか」(マガジンハウス)、第4位は「トラペジウム」(KADOKAWA)、第5位は「名探偵コナン安室透/バーボン/降谷零シークレットアーカイブスPLUS」(小学館
http://hon-hikidashi.jp/more/72365/

小学館「ガガガ庫」のライトノベルコップクラフト」のTVアニメ化が決まった。
https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1546251597

◎「Business Insider Japan」の「【LINEの逆襲】出澤剛社長が語るLINE経済圏の全貌『2019年は激動の年』」。当然、次に掲げるのは出澤の発言。
「『動』から『激動』へと変わる年だと思います。
2019年は、決済の領域が世の中で一気に変わっていく年になります。それは、LINEの有無に関わらず、お金のまわりの習慣が大きく変わるでしょう。
例えば、PayPayさんのようなすごいプレイヤーが登場して、競争というよりお互いに認知度が上がっていくでしょう。規制緩和という面でも、消費増税に対するポイントバックや給与支払いがデジタルウォレットへ入るようになる動きがあります。
いまは“現金で”と言っていることが、ピンポイントでガラッと変わる。そのタイミングが2019年もしくは2020年だと思っています」
https://www.businessinsider.jp/post-182619

◎「ニュース砂漠」とは、地元紙もなく、民主主義に必要な情報に十分にアクセスできない地域も含めた独自の概念だそうである。東京新聞が1月1日付で「広がる米のニュース砂漠」を掲載している。
「…米国内の新聞は7112紙(うち1283紙が日刊)で、04年から1779紙(20%)減った。全米3143郡のうち2000郡以上で、地元の日刊紙がない」
「…米国内の平日の新聞発行部数は15年間で、1億2200万部から7300万部へと4割縮小。特に直近4年間だけで2000万部も減った」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201901/CK2019010102000109.html

小学館の「週刊少年サンデー」が3月17日に創刊60周年を迎えるが、小学館は1月1日、読売新聞朝刊に「日本に、もっと日曜日を。」というコピーのもと、マンガ「タッチ」の主人公・上杉達也が横になって漫画を読んでいるシーンが作者のあだち充によって描かれている全面広告を出稿した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000214.000013640.html
また、WEBサービス「サンデークロック」もスタート。これは1分ごとに「週刊少年サンデー」をはじめサンデーレーベルの人気作の1コマがランダムに表示される時計サイトで、表示されるコマは人によって違う仕組みとなっている。
https://sundayclock.shogakukan.co.jp/

日本テレビは、2018年の年間視聴率がゴールデン帯(午後7~10時)、プライム帯(午後7~11時)、全日帯(午前6時~翌午前0時)のすべてで1位となり、5年連続で年間視聴率「3冠王」を獲得した。
https://mantan-web.jp/article/20190102dog00m200000000c.html

◎これは百田尚樹が10月22日に投稿したツイート。むろん、「日本国紀」について呟いている。
ブックオフには出ないと思います。
なぜなら、読み終えた後、『ずっと持っていたい!』『繰り返し、何度も読み返したい!』と思うはずだからです。
もし大量にブックオフに並んだら、作家として私の完敗、いや、物書きの資格なし、です。
作家を辞めてもいいです」
https://twitter.com/hyakutanaoki/status/1054272107599675397
1月5日にブックオフ座間警察署前店がリプライ。
「…結構あるけど…ね…」
https://twitter.com/bookoffzama/status/1081537811021348864

スクウェア・エニックスは、1,900万ダウンロードを突破しスマホ用タイトル「星のドラゴンクエスト」(略称 星ドラ)の新TVCM「稲垣吾郎さんの告白」篇(15秒、30秒)を、1月1日よりオンエアを開始している。稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾という新しい地図の三人が「星ドラ」プロデューサーに就任したと告知されるのだが、稲垣が「ドラゴンクエストをプレイしたことがない」ことを逆手に取って、なかなか印象深い内容となっている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000032490.html
スクウェア・エニックスは、出版も手掛けているゲーム会社ということになるのだろうが、従来、出版を本業としていた出版社の兼業化が急速に進むのではないだろうか。兼業書店に、兼業出版社というように生き残りのためのキイワードは兼業化であろう。取次は、どのようにして兼業化を進めるのだろうか。書店を傘下に入れる兼業化は「不良債権」を増やすようなものだろう。

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3)【深夜の誌人語録】

奇跡でも何でもなく、一歩退くことでゴールが近づくこともある。