【文徒】2019年(令和元)11月6日(第7巻200号・通巻1620号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】「主戦場」上映で「しんゆり映画祭」が閉幕
2)【記事】最近書店閉店事情
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】「主戦場」上映で「しんゆり映画祭」が閉幕

朝日新聞デジタルは11月4日付で「映画『主戦場』、一転上映で列 反対派が舞台上る要求も」を掲載している。
川崎市麻生区で開かれてきた「KAWASAKIしんゆり映画祭」で、上映中止が撤回された映画「主戦場」が最終日の4日夜に上映された。会場近くの日本映画大学でもこの日、公開授業として「主戦場」が上映され、作品関係者のシンポジウムがあった。》
https://www.asahi.com/articles/ASMC444XXMC4UTIL00F.html
この記事を書いた北野隆一はフェイスブックに次のように投稿しているようだ。
《…上映直前、「主戦場」の上映禁止を求めて提訴している原告の一人である「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝副会長がアポなしでやってきて、会場内に入れるよう求めるという予想外の事態も起きました。報道陣に囲まれた藤岡氏は「デザキ監督が上映前に舞台あいさつをすると聞いた。私は出演者の一人なので、ぜひ私も監督と並んであいさつしたい」と主張。しばらく主催者や弁護士に囲まれていましたが、結局上映会場内には入らないまま、会場を後にしました(20:57)。》
神奈川新聞は11月4日付で「表現の自由の勝利 『主戦場』に長い列 しんゆり映画祭」を掲載している。
《主催のNPO法人「KAWASAKIアーツ」の中山周治代表は「多方面から支援が寄せられた。上映実現の最大の要因は人」。開幕直前に上映中止が報じられた10月下旬以降、「スタッフみんなで一生懸命、表現の自由と向き合った」日々を振り返った。》
https://www.kanaloco.jp/article/entry-206579.html
神奈川新聞社川崎総局編集委員の石橋学は次のようにツイートしている。
《「表現の自由の大勝利。勝ち続ければトレンドになる」というデザキ監督の言葉に奮い立つ思い。映画祭スタッフや表現者市民の力が合わさっての結果をつなげ、広げていきたい。》
https://twitter.com/ishibs_kanagawa/status/1191355914973937666
止められるか、俺たちを」の脚本家である井上淳一のツイートは重く受け止めるべきだろう。
《しんゆり映画祭の『主戦場』再上映をハッピーエンドにしてはいけない。今回はプログラムされていた映画が上映中止になったから問題が表面化しただけ。これからは作品選択段階で問題が起こる可能性のある作品は排除されて、問題は見えなくなる。だからこそ今回の問題をちゃんと検証しなくてはならない。》
https://twitter.com/gomikari/status/1191150564635111424
朝日新聞デジタルが11月4日付で「主戦場、上映中止覆した叫び『ビビリは検閲加担と同じ』」を掲載している。
https://www.asahi.com/articles/ASMC453VCMC4ULOB00C.html
止められるか、俺たちを」の監督である白石和彌の次のような発言を噛みしめれば、「主戦場」再上映をもってハッピーエンドにしてはならないことは明白だ。
《ぼくら自分たちのことを映画人というが、映画を愛してくれて、25回も川崎で映画祭を運営してくれている方たちも、映画人なんですよ。映画人は映画を守るべきで、プライドをもってほしいのに、そのプライドが見えない。どんな圧力を受けたとしても、そこで映画のためにたたかってくれる姿勢が1ミリでも見えたら、ぼくたちはどんなことがあっても闘えるし、背中を押します。
貧しい予算の映画祭もたくさんあるが、映画を愛して上映してくれるとなったら、自腹を出しても行くんです。井上先輩なんか、深夜バスで何往復もしてしまう。だからこそ映画を守ってほしいし、ぼくらも映画祭や映画館を守る。その気持ちがあれば、『主戦場』も上映できたと思います》
https://natalie.mu/eiga/news/353298?fbclid=IwAR087GsqXjIOdOU0oYXWz5twxSPm845XC52WO1PIQegOREnYXDdEy27jE_0

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2)【記事】最近書店閉店事情

林書店 喜多見店が9月19日(木)をもって閉店。
《なんと、林書店喜多見店、閉店ですと(世田谷上町店に統合とのこと)》
https://twitter.com/timebombbaby/status/1176094884228288512
宮脇書店イオン長岡店(新潟県長岡市)が10月14日(日)をもって閉店。
https://twitter.com/kaitenheiten/status/1183639077352083456
北海道旭川市の冨貴堂 南6条通店(=TSUTAYA)が10月27日(日)もって閉店
《そういえば帰り道、昨日を以て撤退した #冨貴堂 &TSUTAYA(南6条通店)の店舗跡を通りましたが、本やレンタルでお世話になったお店だけに淋しいです
25年間、有難うございました》
https://twitter.com/lulu_e_804629/status/1188745284819419139
《神居店に続き、南6のTSUTAYAも閉店しちゃうんだ!
なんだか寂しいね》
https://twitter.com/toyoParking/status/1158220359847444480
宮脇書店 東札幌店が11月24日をもって閉店。
《そうそう、帰りに本屋に寄ったんだが、ラソラの宮脇書店、11/24に閉店らしい。ラソラって、イーアスの頃からテナントの出入り激しいのだわな。跡にまた本屋入店しないかな…。》
https://twitter.com/mon_gc8c/status/1187355832079409152
朝陽館 荻原書店(長野県長野市)が12月31日(火)をもって閉店。
《【閉店のお知らせ】
日頃より朝陽館荻原書店をご利用いただき、ありがとうございます。このたび、当店は2019年12月31日をもちまして閉店することとなりました。
長きに渡り、皆様よりご愛顧いただきましたこと、こころより感謝申し上げます。》
https://chouyoukan.jp/home
https://twitter.com/chouyoukan/status/1190140093022916609

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3)【本日の一行情報】

◎「ダイヤモンド・オンライン」が11月1日付で「出版流通で“中抜き”を実現、京都にある『街の小さな書店』の挑戦」を発表している。京都の誠光社のことである。店主の堀部篤史がインタビューに応じている。
《「この書店を立ち上げたのは2015年11月のことです。初めから版元と直取引をすることを目指していました。版元からは3万円以上仕入れ、送料は版元負担、返品なしの買い切りという条件です。本だけを売って、利益を出すことを目標にしています。現在の月商は300万円前後です。常連のお客さんが次に来てくれたとき、違う本があるように、仕入れは毎日行っています」
出版流通の仕組みは、出版社(版元)を起点に、出版物が取次(卸)に流れ、書店に届く。3者の取り分は、出版社70%、取次8%、書店22%――が一般的だと言われる。1500円の単行本を1冊売れば、出版社には1050円が入り、取次は120円を取り、書店には330円が入る。
堀部の手法は、このうちの取次を中抜きし、書店の取り分を30%、つまり1500円の本を売れば、450円を書店の粗利にしようというのである。》
https://diamond.jp/articles/-/219194

NHK大河ドラマ「いだてん」は11月3日の放送で冒頭に次のようなテロップが流れた。
大河ドラマ「いだてん」は10月1日にすべての収録を終了しています
徳井義実さん演じる
日本女子バレーボールの大松博監督を描くシーンについては
編集などで できるだけ配慮して放送いたします》
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201911030000831.html

◎ネットフリックスは「2019年度版 最も視聴されている映画/ドラマ」のランキングを発表した。
<映画部門>
1位. 『バード・ボックス』- 8,000万回
2位. 『マーダー・ミステリー』- 7,300万回
3位. 『トリプル・フロンティア』- 5,200万回
4位. 『パーフェクト・デート』- 4,800万回
5位. 『トールガール』- 4,100万回
<ドラマ部門>
1位. 『ストレンジャー・シングス 未知の世界』- 6,400万回
2位. 『アンブレラ・アカデミー』- 4,500万回
3位. 『ペーパー・ハウス』- 4,400万回
4位. 『YOU ー君がすべてー』- 4,000万回
5位. 『セックス・エデュケーション』- 4,000万回
http://www.mtvjapan.com/news/67bw6c/191031-02

◎「ブルームバーグ」は10月31日付で「河井法相が辞任、週刊誌報道受け引責-1週間で2人目の閣僚交代」を公開した。すべて「週刊春」の仕事である。こうしたスクープは新聞にはできない週刊誌の独断場なのだが、その能力を駆使しているのは「週刊春」と「週刊新潮」の二誌になってしまった…。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-10-30/Q07MJODWLU6M01

◎石戸諭は「Yahoo!ニュース」に「『映える』ポピュリスト、異例づくしの表紙から浮かび上がる山本太郎の本質」を寄稿している。
《山本は私のインタビューで「右派、左派かなんていうのは、私にとっては重要ではない。それは人をカテゴライズするのに便利で万能なのかもしれないが、はっきり言ってどちらにも興味がない。私は右派でも左派でもなく、フリースタイル」とはっきりと語っていた。この発言にこそポピュリストとしての「山本太郎が象徴されている。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidosatoru/20191031-00149116/
確かに、こういうの聞くとオレだって涙腺が緩くなっちゃうもの。
https://www.youtube.com/watch?v=dL_SQs4RR64

◎「CNN.co.jp」は10月30日付で「米アマゾン、プライム会員への生鮮食品宅配を無料に」を公開している。
《米アマゾンは29日以降、プライム会員向けの生鮮食品宅配サービス「アマゾンフレッシュ」を無料で提供すると発表した。》
https://www.cnn.co.jp/tech/35144679.html

◎日経は10月31日付で「ヤマトHD、アマゾン向け運賃値下げ『事実でない』」を掲載している。
《2019年4~9月期の決算会見で芝崎健一副社長が「事実ではない。単価を下げて数を増やそうとは考えていない」と話した。》
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51645160R31C19A0X13000/

白泉社トーハンと協力して、「ノラネコぐんだん」店頭活性化企画の第二弾「ノラネコぐんだん リターンズ!」キャンペーンを11月7日発売のシリーズ最新刊「ノラネコぐんだん カレーライス」(工藤ノリコ 作/コドモエのえほん)を目玉に2020年1月13日(月・祝)まで約2ヵ月間にわたり、全国1020書店で展開する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000046848.html

主婦の友社からヒーロー庫の電子版の5シリーズが10月31日(木)に紙と同時発売された。 《読書の秋だけでなく、食欲の秋も刺激される異世界×グルメファンタジー》も2作品含む。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001008.000002372.html

キリンホールディングス電通は、キリンの独自素材「熟成ホップエキス」の健康機能を起点としてホップの価値を様々なシーンで提供するプラットフォームを構築するため、「INHOP(インホップ)株式会社」(社長 金子裕司)を10月15日(火)に設立した。
https://www.kirin.co.jp/company/news/2019/1031_01.html

凸版印刷のグループ会社であるONE COMPATH(ワン・コンパス)が運営する、ウォーキングアプリ「aruku&」(あるくと)は、光社が長野県で開催する「読もう!行こう!長野×光社」キャンペーンに合わせて、参加者に賞品が当たる特別コラボレーション企画を11月1日(金)から実施している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000110.000018526.html

藝春秋は、10月30日に発売となった「高倉健、その愛。」について、発売日に重版(2刷)を決定。さらに翌11月1日も重版(3刷)を決定し、異例の連日重版となった。累計発行部数は3万部。10月28日のフジテレビ系「ノンストップ!」、30日の日本テレビ系「ミヤネ屋」で大きく紹介された。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000043732.html

◎LINE Digital Frontierが運営する電子コミックサービス「LINEマンガ」は、集英社が刊行する少女・女性コミック誌全6誌(「りぼん」「マーガレット」「別冊マーガレット」「ザ マーガレット」「クッキー」「ココハナ」)とコラボして、オリジナルマンガ作品を公募するマンガ賞「第3回 集英社少女マンガグランプリpowered by LINEマンガ インディーズ」を開催している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001866.000001594.html

小学館のガガガ庫より2011年から刊行されている「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」(渡航)は、11月19日発売の第14巻で完結することになった。シリーズ累計900万部を超え、宝島社の「このライトノベルがすごい!2014-2016」にて3年連続で作品部門第1位に選出されたことでも知られている。TVアニメ第3期も決定。
https://akiba-souken.com/article/42180/

◎「この素晴らしい世界に祝福を!」(角川スニーカー庫刊)もシリーズ累計900万部を超え、映画も大ヒットしている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000006425.000007006.html

◎11月1日は「本の日」という記念日なのをご存知だろうか?
https://dime.jp/genre/799949/
数字の1が三つ並ぶ姿が本棚に並ぶ本に似ていることから「本の日」となったそうである。
https://honnohi.com/honnohi2019/

トーハンは、11月1日「本の日」と連動した店頭活性化企画「本屋さんで雑誌を買おう 5社合同 秋の女性誌キャンペーン」をPOS V導入書店で開始した。5社は講談社、光社、集英社小学館マガジンハウス。POS Vに実装されている「レシートキャンペーンシステム」と「共通ポイントシステム」を活用したトーハンオリジナル企画である。
https://www.tohan.jp/news/20191101_1486.html

◎「LINEマンガ」は「秋の新連載8連弾」を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001869.000001594.html
紙のマンガ誌は淘汰されてゆく時代なのかもしれない。

集英社の公式コスメ通販サイト「HAPPY plus BEAUTY」はスキンケアブランドの「ラピスラズリ」を取り扱うことになった。
https://tv.prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000050720.html
これが「ラピスラズリ」。
https://lapislazuli.jp/

◎2019年啓堂書店芸書大賞は宇山佳佑の「この恋は世界でいちばん美しい雨」(集英社)に決まった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000093.000011454.html
http://www.keibundo.co.jp/award/prize/detail/2019_10.html
集英社は特設サイトを開設している。
http://renzaburo.jp/uyama/

◎関西TSUTAYAは、11月2日(土)から11月4日(月・祝)までの3日間限定で、比叡山延暦寺 大書院とのコラボレーションとして「東塔大書院 BOOKSTORE produced by TSUTAYA」を開催した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51674830R01C19A1000000/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000881.000018760.html

藝春秋が運営するニュースサイト「春オンライン」の10月の純PV(自サイトでのページビュー)が、月間2億606万PV(GoogleAnalytics調べ)に達し、開設以来初の2億PV超えを達成したという。
UU(自サイトでの閲覧者数)は月間2939万UU。また、外部配信先での閲覧を加えた総PVは月間5億253万PVを記録。純PV・UU・総PVともサイト開設以来最高の数字となったそうだ。
https://news.nicovideo.jp/watch/nw6126001

◎620円で腕時計が買えてしまうということである。小学館の少女まんが誌「ちゃお」11月2日(土)発売12月号の付録はホンモノの腕時計である。
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000426.000013640&g=prt

◎育児誌「Baby-mo」(ベビモ)を刊行する主婦の友社は、日本郵便と連携し、大切な人に我が子の成長とともに感謝の想いを伝える年賀状「育児誌ベビモコラボテンプレート」を11月18日(月)にリリースする。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001015.000002372.html

◎「春オンライン」が横田増生の「潜入ルポ アマゾン帝国」(小学館)から第1章「15年ぶり2度目の巨大倉庫潜入」の一部を抜粋して掲載している。
《アマゾンの作業現場には、「ワーカーさん」と呼ばれる私のような一番下っ端のアルバイトがいて、その上が《トレーナー》、さらにその上に《リーダー》がいる。一番上となるのは《スーパーバイザー》である。全員で400人いるピッキングのアルバイトのうち、トレーナーが20人、リーダーが10人、スーパーバイザーが5人といった感じか。
いずれも時給で働くアルバイトに過ぎない。
時給は「ワーカーさん」が1000円とすると、トレーナーは1050円、リーダーは1100円、スーパーバイザーは1200円──という程度だ。いずれも派遣会社と半年契約を結ぶアルバイトであり、アマゾンとの直接の雇用関係はない。要は、同じアルバイト同士である。そのアルバイトに序列をつけ、アルバイトがアルバイトを管理するようになっている。》
https://bunshun.jp/articles/-/15129

集英社のブランド事業部が運営するビューティメディア「MAQUIA ONLINE」は、公式インスタグラムでライブコンテンツの配信を開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000099.000011454.html

電通デジタルは、Twitterに特化した動画広告を半日で作り上げるワークショッププログラム「DD TW #NEST」(ディーディー・ツイッター・ネスト)」の提供を開始した。
https://www.dentsudigital.co.jp/release/assets/DD2019029_1101.pdf

◎宝島社が刊行した青山テルマの「人生ブルドーザー」が売れそうな予感がする。タイトルが良いもの。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000943.000005069.html

◎「太陽がいっぱい」のマリー・ラフォレが亡くなった。彼女の「黒く塗れ」を聞こう。
https://youtu.be/hl2yQu6IogE
サウンドオブサイレンス」もステキだよ。
https://youtu.be/9wvqcQ3MHE0

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4)【深夜の誌人語録】

夢中から無理が生まれる。