【文徒】2017年(平成29)年9月6日(第5巻168号・通巻1097号)

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1)【記事】小学館が取り組む「国宝応援プロジェクト」
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】小学館が取り組む「国宝応援プロジェクト」

京都国立博物館で特別展覧会「国宝」(主催 毎日新聞社など)が10月3日(火)から11月26日(日)まで開催されるが、この展覧会に協賛している小学館から「週刊 ニッポンの国宝100」(50巻)が創刊された。
http://www.kyohaku.go.jp/jp/special/tenrankai/kyoto-kokuhou2017.html
http://www.shogakukan.co.jp/pr/kokuhou100/
この創刊を記念して、小学館の8誌連合によって東京国立博物館で開催されている興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」の特別内覧会を11月7日(火)に閉館後の19:00より実施する。
http://www.shogakukan.co.jp/pr/unkeievent/
更に、小学館をはじめ、JR東海日清食品、日販が結集して「国宝応援プロジェクト」が発足した。
JR東海は「国宝新幹線」を運行する。京都国立博物館で特別展覧会「国宝」を閉館後に見学する内覧会を実施するのである。オレ、これ乗りたい!
https://trafficnews.jp/post/78449
日清食品は、小学館の雑誌「和楽」と組んで、国宝「火焔型土器」を模して「Doki★Doki クッカー」を、300年の歴史ある民窯「瀬戸本業窯」で作成する。オレ、これ欲しい!カップヌードル縄文土器を結びつける発想はなかなかチャーミングである。その「暴力性」において雑誌的なのである。
https://twitter.com/i/web/status/904583138625519616
日販は、「第1回国宝検定」を来年10月28日(日)に、全国5都市(仙台・東京・名古屋・京都・福岡)で開催する。公式テキストは「週刊 ニッポンの国宝100」(50巻)である。
http://www.nippan.co.jp/news/kentei_kokuho2018/
オープンイノベーションという言葉が私の脳裏を過った。オープンイノベーションは「横に掘る」作業にほかならない。出版社においてもオープンイノベーションは社内外において必要なのである。

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2)【本日の一行情報】

◎竹田茂が日経BP社における主要ビジネスメディアや様々な実験的メディアのプロデュース経験をベースに設立したスタイルは、自社発行のウェブメディア「考えるメディア」を全面的にリニューアルし、映像講義を始めとする「ウェブムック」形式の課金コンテンツの販売を開始した。
第一弾として、橋本治の100分にわたる映像講義「最後になって突然、天皇の話が出て来たぞ!」の配信を開始した。全体は2部構成で、前半が自身の体験をふまえた実践的な教育論、仕事論を展開し、後半では、そこから天皇論へと飛躍し、現代社会にもなお残る「律令制」の名残りと、そこから導き出された現代社会論が語られる。
価格は800円(税別、視聴期間の制限なし)。橋本への聞き手は仲俣暁生がつとめる。スタイルは仲俣が編集発行人をつとめるウエブサイト「マガジン航」の事業パートナーである。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000012715.html
https://media.style.co.jp/hashimoto_osamu_01/
私は橋本治が描いた東大駒場祭のポスター「とめてくれるなおっかさん 背中のいちょうが泣いている 男東大どこへ行く」と赤瀬川源平による滝田修評論集「ならずもの暴力宣言」(芳賀書店)の装丁がともに好きな少年だった。

講談社が5月に刊行した「絶望を生きる哲学 池田晶子の言葉」が5刷で「1万2千部に迫っている」(産経)という。「絶望に効くブックカフェ」(小学館文庫)、「絶望手帖」(青幻舎)、「絶望読書」(飛鳥新社)など、「絶望」本が増えているのか。
http://www.sankei.com/life/news/170904/lif1709040007-n1.html

◎ぴあMOOK「ラーメンぴあ」が推奨するラーメン店「麺LABOひろ」が監修し、同店の人気メニュー「鶏そば醤油」をカップめん化した「明星 ラーメンぴあ 麺LABOひろ監修 鶏そば醤油」が10月23日(月)に新発売される。
http://www.myojofoods.co.jp/news/6353.html

◎「電通 vs 博報堂 広告代理店が注力する16業界の売上比率と電通が強い業界」なんていう記事を発見した。
http://adworld.hatenablog.com/entry/2017/09/03/155039

◎「WIRED」に掲載された「図書館のカードがあれば、Kindle電子書籍も“無料”で手に入る」は、米国の図書館で電子書籍を借りることを「無料」と言っているだけのことである。
https://wired.jp/2017/09/04/how-to-get-free-kindle-books-with-your-library-card/

◎「トッパンデジタルメディアカンファレンス2017」が今日から3日間、東京都文京区のトッパン小石川ビルで開催される。
http://www.toppan.co.jp/solution/seminar/tdmc2017/

リアル書店「アマゾン・ブックス」の日本上陸はあるのだろうか。「アメリカン流通コンサルタント」を自称する後藤文俊の「激しくウォルマートアメリカ小売業ブログ」に「【アマゾンブックス】、コーヒーショップ併設型NY新店!日本の本屋にはできないこと?」が掲載された。「アマゾン・ブックス」はキャッシュレスなんだよねぇ。
「アマゾン・ブックスの際立った特徴に、決済がキャッシュレスということがある。クレジットカードやデビットカードのみの支払いで、現金決済ができないようになっている。アマゾン・ブックスではアプリから支払える決済機能も追加されている。アマゾン・ブックスではレジ近くにPOPで『アプリからのお支払い』と案内している。
利用者はアマゾン・アプリのカメラ機能で、POPにあるQRコードを読み込むと利用者のアカウントにアクセスするQRコードが表示されるのだ。それをレジ係りのスタッフにスキャニングさせることで、アマゾン・アカウントから支払いが可能となる。アマゾン・アカウントに登録しているクレジットカードで決済できる他、ギフトカード(ギフト券)の残高からも支払いが可能となるのだ。最近ではドラッグストアチェーンのCVSで、現金をアマゾン・アカウントに入金できるようにもなっている」
http://blog.livedoor.jp/usretail/archives/52035237.html

◎「ゲッサン」(小学館)で連載されている「吾輩の部屋である」がドラマ化される。。日本テレビで18日深夜にスタートする「シンドラ」の第2弾となるのだが、何と登場人物が1人のドラマとなるそうだ。むろん連続ドラマ史上初の試みとなる。主演をつとめるのはSexy Zone菊池風磨。日刊スポーツは次のように書いている。
「コミックスは12日ごろに5巻が発売予定だが、7月に担当編集者と最終回の打ち合わせをしていたという。その最中にドラマ化の話が舞い込み、連載の続行が決まるという、異例の展開でも話題となっている」
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1882460.html

◎少女マンガ誌「月刊フラワーズ」(小学館)で連載されている絹田村子の「重要参考人探偵」が「幸福の科学」の信者であることが発覚した新木優子と「Kis-My-Ft2」の玉森裕太の主演で連続ドラマ化される。放映はテレビ朝日
https://mantan-web.jp/article/20170903dog00m200015000c.html
http://dailynewsonline.jp/article/1351467/?page=all

ジェイアール東日本企画小学館集英社プロダクションタカラトミーの3社原案キャラクターコンテンツ「新幹線変形ロボ シンカリオン」がアニメ「エヴァンゲリオン」とコラボを行い、新キャラクター「シンカリオン 500 TYPE EVA」を誕生させた。
http://www.jeki.co.jp/info/detail/?id=655
https://www.youtube.com/watch?v=O9akJ868PJA&feature=youtu.be
このキャラクター、パチンコにも登場するのかな。

北野武が新潮社から恋愛小説「アナログ」を上梓する。
http://www.asagei.com/excerpt/87873
http://www.shinchosha.co.jp/book/381222/
三島由紀夫賞を獲得するかもしれない。そのくらいの力量を持った作家である。

大阪府内に住む中学2年の男子生徒13歳がフリーマーケットアプリ「メルカリ」にコンピューターウイルスの入手方法に関する情報を出品し、14〜19歳の少年4人に提供したという。
https://mainichi.jp/articles/20170905/k00/00e/040/231000c?fm=mnm

ドゥマゴ文学賞松浦寿輝の「名誉と恍惚」(新潮社)に決まった。谷崎潤一郎賞とあわせて二冠を達成。
http://www.sankei.com/life/news/170904/lif1709040028-n1.html

トランスコスモスとLINEの共同出資会社であるtranscosmos online communicationsは、エンドユーザーの趣味嗜好にあわせた情報配信や、自社Webサイトや店舗への誘導に活用できるLINE@対応のメッセージ配信ツール「KANAMETO」(カナメト)の提供を開始した。初期費用が70,000円、月額費用が70,000円。
http://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/170904.html
https://kanameto.me/

◎オプティムは、雑誌読み放題サービス「タブホ」へのコンテンツ提供について、大洋図書と業務提携を行い、「BITTER」を追加した。
https://www.optim.co.jp/news-detail/23408

博報堂DYメディアパートナーズのスマートメディアラボと東京理科大学理工学部 大和田研究室は、AIを活用した次世代型メディア・コンテンツの共同開発を開始している。第一弾は、今年の秋以降日本でも販売が予定されているスマートスピーカー向け音声メディアの開発。
http://www.hakuhodody-media.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/09/HDYMPnews20170901.pdf

SEKAI NO OWARISaoriこと藤崎彩織初の小説「ふたご」が10月28日に文藝春秋から発売される。
https://www.cinra.net/news/20170905-saori
SEKAI NO OWARIとコラボした「文春文庫 秋100ベストセレクション」フェアが9月5日より開催されている。
https://top.tsite.jp/news/j-pop/i/36968812/

◎「LINEマンガ」は、”本当に面白いWEB発マンガ”を選出・表彰するマンガ大賞「100万人が選ぶ 本当に面白いWEBコミックはこれだ!」を「マンガワン」「マンガボックス」「comico」「ピッコマ」「エブリスタ」「GANMA!」「マンガハック」「TSUTAYA」とともに実施する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000801.000001594.html
https://page.line.me/100manwebcomic
小学館の「マンガワン」の名前があることに注目したい。

◎「レタスクラブ」(KADOKAWA)の松田紀子編集長の本籍地はメディアファクトリーである。
http://president.jp/articles/-/23007

◎「広辞苑」の編者は新村出だが、孫の新村恭が「広辞苑はなぜ生まれたか ― 新村出の生きた軌跡」を世界思想社から上梓した。
https://mainichi.jp/articles/20170904/dde/018/040/006000c
http://www.sekaishisosha.co.jp/cgi-bin/search.cgi?mode=display&code=1703
今年は没後50年に当たる。新村出の初の伝記だそうだ。

◎「週刊現代」の編集長が鈴木崇之に替わる。OBの元木昌彦は次のように書いている。
「鈴木編集長は2度目の登板になる。編集長が替われば誌面が変わる。変わらなければ能力が問われる。どんな誌面になるのか楽しみである」
http://www.cyzo.com/2017/09/post_34295_entry.html

凸版印刷は、スタートアップ企業の育成支援事業を展開する一般社団法人「StartupGoGo」と共同で、九州の地域活性化や魅力の拡大に貢献する新事業を共創する公募型のオープンイノベーションプログラム「co-necto」(コネクト)を実施する。
http://www.toppan.co.jp/news/2017/newsrelease170901_1.html

◎「プログラミング教育ワーキンググループ(WG)」の設立準備会メンバーは内田洋行学研ホールディングス増進会出版社大日本印刷電通、日本マイクロソフト富士電機ITソリューション、ベネッセコーポレーションの8社である。
https://ictconnect21.jp/programmingwg_170904/

◎リンベルと、ハースト婦人画報社は、大人の女性のためのカタログギフト「婦人画報×RING BELL」シリーズの最高額コースとして、5 万円コース「源氏香」を新たに開発した。既存 5 コース(3 千円、5 千円、1 万円、2 万円、3 万円)と合わせて、全 6コースの品揃えとなったわけである。
http://www.ringbell.co.jp/pdf/genjiko.pdf

白泉社のマンガ誌「AneLaLa」が、5日発売の10月号をもって休刊。
https://mantan-web.jp/article/20170904dog00m200020000c.html

◎「東洋経済オンライン」が「『駅ナカ書店』の売れ筋は、駅ソトと全然違う」を掲載している。
「ブックエキスプレス文庫2017年上半期2位に入った『京の縁結び 縁見屋の娘』も駅ナカならではの売れ行きといえる。この作品は2017年第15回『このミステリーがすごい!大賞』で次点の優秀賞を受賞している。ただしトーハンの同順位ではベスト10には入らなかったし、大手書店のランキングでも同様だった。
なぜ駅ナカ書店では2位に入るほど売れたのか。その理由として、車内広告との相性の良さが指摘されている。
同書は、東京周辺のJR全車両に車内広告を展開した。版元(宝島社)から車内広告を打つという知らせを受け、ブックエキスプレスでも目立つところに平台で置いた。すると特に店頭前を多くの乗客が通る品川店をはじめ抜群の売れ行きを示した」
http://toyokeizai.net/articles/-/186688

◎日販の8月書店店頭売上調査によれば前年同月比1.1%減。内訳は雑誌3.5%減、書籍0.6%減、コミック1.2%減、開発品28.4%増。
https://ryutsuu.biz/sales/j090505.html

◎梅田蔦屋書店で、大人のためのeラーニング講座「つたがく」が10月より始まる。
http://real.tsite.jp/umeda/event/2017/09/post-368.html

◎「週刊文春」の公式ウエブサイト「週刊文春WEB」がリニューアルオープン。スマートフォンでの表示にも対応し、見やすく、分かりやすいデザインとなった。
http://shukan.bunshun.jp/
スクープ動画に果敢に取り組んでいる。

集英社から刊行されている空知英秋のマンガが原作のアニメ「銀魂」の新作ゲームタイトルが「銀魂乱舞」(バンダイナムコエンターテインメント)に決まった。
https://mainichi.jp/articles/20170904/dyo/00m/200/020000c

スマホゲームの対戦型サッカーシミュレーションゲームキャプテン翼 〜たたかえドリームチーム〜」が、総合して300万ダウンロードを突破したそうだ。原作のマンガは言うまでもなく集英社から刊行されている。
http://otapol.jp/2017/09/post-tsubasa0904.html

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3)【深夜の誌人語録】

実行できない決断は徒労を招くだけである。