【文徒】2017年(平成29)11月13日(第5巻213号・通巻1142号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】スマートスピーカーAmazon Echo」が日本上陸
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                                • 2017.11.13 Shuppanjin

1)【記事】スマートスピーカーAmazon Echo」が日本上陸

イードは 同社が運営する「レスポンス」、「GameSpark」、「RBB TODAY」など11メディア を「Amazon Echo」に対応させる。
https://www.excite.co.jp/News/it_g/20171109/E1510229467846.html
電通アイソバーは、「Amazon Echo」の日本での発売に伴い、2つのAmazon Alexaスキルを開発、リリースする。
「ミュージックシャワー」はAlexaがラジオDJになったかのように、人々の暮らしを彩るパーソナルな音楽を提供するスキル。
「豆しば」は毎日一つ豆知識を披露してくれるスキル。電通と共同で開発したという。
http://www.dentsuisobar.com/news/2017-1108/
博報堂DYメディアパートナーズが提供する、ラジオ番組などを無料で聴取できる音声コンテンツ配信プラットフォームアプリ「ラジオクラウド」は、「Amazon Alexa」に対応し、コンテンツの提供を開始する。
http://www.hakuhodody-media.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/11/HDYmpnews20171108.pdf
ゼンショーホールディングス傘下の牛丼チェーン「すき家」は、「Amazon Alexa」に対応する「すき家のお弁当予約」を提供開始する。
http://www.sukiya.jp/news/2017/11/20171109.html
京王電鉄京王電鉄バスは、「Amazon Echo」による運行情報配信や空港連絡バス予約サービスを開始する。
https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2017/nr171108_alexa.pdf
ANAスマートスピーカーAmazon Echo」を通して、国内線・国際線の運航状況をいつでも気軽に確認することができ るようにする。
https://www.ana.co.jp/group/pr/201711/20171108.html?cid=anatwitterNEWSetcamazonecho201711080553
企業はノリノリなのである。東京電力も、三井住友銀行も、スシローも。
https://www.service.tepco.co.jp/s/Anshin_Tooku/
http://www.smbc.co.jp/news/j601525_01.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1711/09/news133.html
B.LEAGUE も名乗りを上げている。
https://www.bleague.jp/news/35658.html
スマートスピーカーAmazon Echo」の発売日は11月15日。ただし招待メールを申し込み、これを貰えないと買えないそうだ。
https://robotstart.info/2017/11/10/echo_1115.html
「Echo」「Echo Dot」「Echo Plus」 の3種類が発売されるが、佐々木俊尚は一番安い「Echo Dot 」をイチ押ししている。
https://twitter.com/sasakitoshinao/status/928402042284109825
Amazon Alexa担当 Senior Vice Presidentのトム・テイラー が来日。次のように語っていることに注目したい。
「米国では、Amazon Echoを使って、ピザを注文したり、レンタカーやタクシーを呼ぶこと等ができます。ニュースをサブスクライブすることもできます。これらは各社がスキルによって提供しています。日本でもすぐにそうなるでしょう。
ただ、私達が重視しているのは『多くの企業がスキルを提供することで、消費者の方々がAmazon Echoをより便利に活用できるようになる』ことです。まずはスキルの数を増やしたいと考えています。拙速にマネタイズを重視すると失敗に繋がると感じています」
https://robotstart.info/2017/11/10/amazon-vice-president.html
スマートスピーカーはLINEが「Clova WAVE」 を、グーグルが「Google Home」を擁しているが、買うのであれば私は「Amazon Echo」を買う。なぜなら・・・「東洋経済オンライン」で本田雅一は次のように書いている。
「グーグルならGoogle Play Music、LINEならLINE MUSICだが、それぞれ無料期間があるとはいうものの、何らかのサービスを契約せねばならない。
これに対してプライムミュージックは約100万曲とはいえ、プライム会員なら新たな契約なしにいつでも楽しめる」
http://toyokeizai.net/articles/-/196715
音楽ジャーナリスト・柴 那典 のツイート。音楽を「リビングの団欒」に回帰させる可能性がある。
Amazon Echo早速触ってきた。第一印象で感じたのは、この手のスマートスピーカー普及したら音楽のあり方変わるかもってこと。ウォークマンiPodスマホと音楽聴取を『個人の趣味』に位置付けるテクノロジーがここ数十年進歩してきたけど、それを『リビングの団欒』に上書きする技術 」
https://twitter.com/shiba710/status/928135455047946240
堀江貴文の次のような一言もある意味で本質を突いている。
「声出すのめんどい 」
https://twitter.com/takapon_jp/status/928869199027486720
一方で、こんな意見もある。
「海外の老人がスマートスピーカーで音楽をかけたり、しりとりゲームを楽しんでる映像を先程見たけれど、今から祖母やオカンに新しいiPhoneの操作を教えるより、スマートスピーカーに話しかけることを教える方が、確実に直感的で楽だろうな、と思った 」
https://twitter.com/gida_gida/status/928562451246866432
レダイ2 でディレクターをつとめる柳田義幸のツイートである。
http://www.eredie2.jp/index.html

                                                                                                                    • -

2)【本日の一行情報】

◎古希(70歳)を迎えた元大学教授・西田輝夫の独り暮らしを描いたエッセイ「70歳、はじめての男独り暮らし」(幻冬舎)が発売即重版。カミさんに先立たれた70代にとっては切実な内容である。
http://www.gentosha.jp/articles/-/9058
西田は山口大学医学部眼科学教室教授であった。「格好よく、愉しく生きるのよ」が亡くなった奥さんの遺言だ。

朝日新聞記者が盗撮で逮捕されたが、産経によれば電車に乗り合わせた日本テレビのカメラマンの通報で現行犯逮捕された。
http://www.sankei.com/affairs/news/171108/afr1711080025-n1.html

◎通販「家庭画報ショッピングサロン」で「家庭画報」限定おせちの予約販売をスタートさせた。「菊乃井本店」特製三段おせちは172,800円 (税込)。世界文化社創立70周年記念70品目の特大おせちは27,000円 (税込)。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000379.000009728.html

◎池袋にある「梟書茶房」に並ぶのは袋とじの「シークレットブック」だけである。
https://style.nikkei.com/article/DGXZZO23029330S7A101C1000000?channel=DF180320167076

KADOKAWAはムック「レタスクラブ くり返し作りたいベストシリーズ」を毎月1回のペースで刊行している。
https://ddnavi.com/review/411794/a/

電通10月度単体売上高。雑誌は前年比84.2%。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2017121-1108.pdf

◎「週刊少年ジャンプ」の公式作画アプリ「ジャンプPAINT」が6月から無料配信を始め、現在までに50万ダウンロードを突破した。
http://www.yomiuri.co.jp/life/book/news/20171031-OYT8T50122.html

講談社「週刊少女フレンド」連載40周年を記念して「劇場版はいからさんが通る 前編 〜紅緒、花の17歳〜」が公開された。
https://animeanime.jp/article/2017/11/08/35904.html

島本和彦の「炎の転校生」(小学館刊)が、ジャニーズWESTメンバー全員を主演に迎えNetflixオリジナルドラマ「炎の転校生REBORN」として蘇る。全8話が配信開始された。
http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1510124903

◎日販は、IT関連およびデジタルコンテンツの人材養成スクール・大学・大学院を運営するデジタルハリウッドとともに、オープンイノベーションによる新規事業創出事業「日販グループアクセラレーター2017」を始動した。
http://www.nippan.co.jp/news/nippan_accele2017/

◎日販は、読書メーターと「ダ・ヴィンチ」(KADOKAWA)の共催による「第2回レビュアー大賞」において、最優秀賞者となったベスト・オブ・ベストレビュアーが選ぶ「今読んで欲しい渾身の1冊フェア」を全国約500書店にて実施している。フェアの対象となるのは宮下奈都「神さまたちの遊ぶ庭」(光文社)。
http://www.nippan.co.jp/news/2-reviewer-shoten-fair/
https://bookmeter.com/reviewer_awards/2017
http://hon-hikidashi.jp/enjoy/38872/

◎ぴあが2020年春、横浜・みなとみらい地区に開業予定のアリーナの内観完成予想図を公開した。12月に着工する。
http://corporate.pia.jp/news/detail_arena_news_vol1.html

宇野常寛の「母性のディストピア」(集英社)。
「もう一度断言する。いまこの国に本当の意味で語るに値する現実は一つも存在しない。この国の現実に想像力の必要な仕事は一つもない。
だからこの本では徹底して虚構について考える。サブカルチャーについて、アニメについて考える。この国の戦後という時代の中で奇形的な発展を見せた商業アニメーションの想像力を通じて考えることから全てを始める」
http://president.jp/articles/-/23573
宇野の心意気は認めたい。

博報堂DYホールディングスの2017年4〜9月期の連結決算において、営業利益は前年同期比11%増の197億円。同期間として過去最高。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1528941

博報堂、大広、読売広告社10月度単体売上高。博報堂のテレビは前年比93.4%。大広が前年比110.3% 。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1531336

◎「週刊女性」(主婦と生活社)が契約記者(業務委託) を募集している。待遇の記載がないということは、それほど期待できる待遇ではないということだろう。
https://en-gage.net/shujoprime/work_44018/
http://www.jprime.jp/articles/-/11048

KADOKAWAは、ドワンゴの運営する無料マンガア プリ「ニコニコ漫画」に KADOKAWA のコミック作品を今までも一部提供してきたが、提供作品数を一挙に増やし約 500 作品とし、今後も追加していく予定だという。
http://ir.kadokawa.co.jp/topics/20171109_i9dcs.pdf

カドカワは、第2四半期累計(4〜9月)の連結を発表。 売上高1014億円(前年同期比1.7%増)、営業利益28億円(同35.3%減)、経常利益30億円(同24.2%減)、最終利益17億円(同42.1%減)。Webサービスと出版が 足を引っ張り減益となった。映像・ゲーム事業 は好調。
http://pdf.irpocket.com/C9468/Rt66/g9xP/vs4S.pdf

クックパッドの1〜9月期決算(国際会計基準) について日経は「レシピサイトで料理に関連しない広告掲載を抑制し、有料会員の伸びで補えなかった 」と書いている。純利益は前年同期比35%減の24億円だった。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2330932009112017DTD000/

小学館が運営するWEBサイト「CanCam.jp」は、3月1日にローンチ後、10月期には、2,854万PVを達成。ユニークユーザー数も681万 を達成した。
https://www.atpress.ne.jp/news/142721

インドネシア 国産のヒーロー戦隊 マンガ「ヌサ・ファイブ 」は小学館アジアとの共同制作だそうだ。「じゃかるた新聞」は次のように書いている。
「ヌサ・ファイブには小学館アジアがアイディアやアドバイスを提供。小学館本社の漫画編集者も協力し、国内の青年層を主な対象にしてきたスウェタさんの作品を、少年層や他国の読者にも受け入れられるよう仕上げた」
http://www.jakartashimbun.com/free/detail/38420.html

◎光文社の「Mart」から生まれた大人のためのおいしい街歩きガイド「Sprout」第4弾が発売された。今回の特集は「昭和」をキーワードに した「もうひとつの『銀座』 もう一つの『下町』」。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000078.000021468.html
こういう企画はデジタル展開やリアルイベントも絡めて立体的に組み立てるべきなのではないか。
情報を提供するにとどまらず、サービスそのものを提供してしまうというジャーナリズムの方向もあることを念頭に置いておきたい。

経済産業省による「特定サービス産業動態統計調査」。9月の広告売上高は前年同月比でマイナス4.2%と、減少傾向。新聞、雑誌、テレビ、ラジオの旧メディアはマイナス、インターネット広告はプラス 。新聞が最も下げ幅が大きく、マイナス7.9% 。
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20171110-00077965/

野間文芸賞は、高村薫の「土の記」(新潮社)に 決定。野間文芸新人賞は今村夏子の「星の子」(朝日新聞出版)と高橋弘希の「日曜日の人々(サンデー・ピープル)」(講談社) に決定。野間児童文芸賞は山本悦子の「神隠しの教室」(童心社) に決定。
http://www.sankei.com/life/news/171110/lif1711100047-n1.html
今村の「星の子」は芥川賞候補になった時点で読んだのだが、これこそ小説という作品であっただけに芥川賞は獲得できなかったにしても、野間文芸新人賞が獲得できて良かったのではないか。

夜景観光コンベンション・ビューローと、ぴあは、11月9日(木)、「第五回イルミネーションアワード」授賞式を京王プラザホテル43階「スターライト」で開催した。 総合エンタテインメント部門の第1位は5年連続でハウステンボス「光の王国」 。第2位、第3位も昨年同様に「江の島湘南の宝石」「東京ドイツ村 ウィンターイルミネーション/千葉県袖ヶ浦市」が獲得した。イルミネーション部門の第1位は「あしかがフラワーパーク『光の花の庭』/栃木県足利市」、プロフェッショナルパフォーマンス部門の第1位は「なばなの里 イルミネーション/三重県桑名市 」。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000675.000011710.html

◎エキサイトニュース「スマダン」 が「女性誌mina』の“SNS恋愛指南”がヤバい 『一歩間違えればネットストーカー』」を掲載している。
「女性ファッション誌「mina」(主婦の友社)に掲載されている“とある企画”がTwitter上で話題を呼んでいる。注目を集めているツイートには『美容室に置いてある雑誌に地獄のような企画が載っていた』という言葉とともに、『mina』の誌面が撮影されたものが投稿されていた。
このツイートは現時点で17,000リツイート以上(9日16時時点)拡散されるほど話題となっている」
https://www.excite.co.jp/News/smadan/E1510210243065/

◎「ITpro」が 「広告以外の新たなビジネスモデルの候補として、『暗号通貨マイニング』を使った手法」を紹介している。
「2017年9月、クラウド(crowd)マイニングのビジネスモデルへの適用を試行している取り組みが2件確認された。1つがBitTorrentの検索サイト『The Pirate Bay』、もう1つが動画ストリーミングサービス『Showtime』だ」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/278383/110700063/

集英社が運営する男性ファッション誌「UOMO」の公式ウェブサイト「WEB UOMO」は「すべてが動く」を合言葉に、全コンテンツが動画になって全く新しいウェブメディアとして10月24日より始動している。
http://www.dreamnews.jp/press/0000163458/
集英社は着実にデジタルシフトを進めている。

◎「潜入取材」ものが私は昔から好きだ。横田増生の「ユニクロ潜入一年」(文藝春秋)は 松原岩五郎の「最暗黒の東京 」とか、横山源之助 の「日本之下層社会 」などの系列に属するノンフィクションであると私は思っている。
https://www.news-postseven.com/archives/20171111_628234.html

ハースト婦人画報社とキャンペーン・フォー・ウールがタッグを組んで、渋谷ヒカリエにて開催された「アマゾン ファッション ウィーク東京 2018SS」で、ドキュメンタリー映画「Slowing Down Fast Fashion」の日本初上映会、ジャパンプレミアを共同開催をしていた。 こういうジャーナリスティックな触覚を日本の女性ファッション誌は育てられなかったのではないか。
http://www.elle.co.jp/fashion/news/slowing-down-fast-fashion-premiere-171110-hns

集英社は「ジャンプフェスタ2018」を12月16日(土)、17日(日)に幕張メッセで開催する。
http://www.jumpfesta.com/

◎フジテレビのチケット販売サイト「フジテレビダイレクト」 に不正ログインがあった。
http://www.sankei.com/affairs/news/171110/afr1711100059-n1.html

◎山本めゆは「山口放送『奥底の悲しみ』の演出とクレジット非表示問題」で次のように書いている。
日本学術振興会特別研究員の山本めゆと申します。山口放送制作「奥底の悲しみ」において私の論文の知見があたかもこの作品のオリジナルな発見であるかのように表現されたことから、今後のクレジット表示等を求めて山口放送とディレクターの佐々木聰氏に対し申入れを行いました」
https://okusokomondai.blogspot.jp/2017/11/2013coegcoepdf-httpci.html

                                                                                                                    • -

3)【深夜の誌人語録】

前進は大胆に。退却は繊細に。