【文徒】2017年(平成29)11月15日(第5巻215号・通巻1144号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】最近書店閉店事情
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                                • 2017.11.15 Shuppanjin

1)【記事】最近書店閉店事情

北海道恵庭市で68年の歴史を刻んで来た矢野書店が10月31日(火)をもって閉店。
https://twitter.com/zawak2129/status/925623864947642370
恵庭市にかつては10店舗ほど存在した「街の書店」は漁町のたけやま書店1店のみとなるそうだ。苫小牧民放は次のように書いている。
「『うちも、どこまでできるか分からないよ』。1967年オープンのたけやま書店(竹山栄代表)の竹山章一さん(63)は、矢野書店の閉店の知らせにこう語った。市内には30年ほど前のピーク時に10店舗程度の個人経営の書店があったというが、大型書店やコンビニの出店などで次々に閉店した」
https://www.tomamin.co.jp/news/area1/12426/
キャバクラ(?)のブログも矢野書店の閉店を惜しんでいる。この人、幼稚園ぐらいから矢野書店を利用していたようだ。
https://ameblo.jp/chitose-piano/entry-12318361874.html
兵庫県高砂市高砂町の新興書房高砂店が11月30日(木)もって閉店する。
「平素はご利用いただき、誠に有難うございます。
突然ではございますが、この度新興書房は、11月30日を持ちまして閉店することとなりました。
長い間ご愛顧いただきましたお客様に、心より御礼申し上げます。
残り1ヶ月、スタッフ一同皆様のお越しをお待ちしております」
https://twitter.com/shinkou_syobou/status/925645505069068288?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=http%3A%2F%2Fkaiten-heiten.com%2Fshinkosyobo-takasuna%2F
もともとは姫路一の規模を誇っていた書店であったが、ジュンク堂進出によって姫路からは撤退し、高砂店は何とか持ちこたえたという歴史があるそうだ。
http://blog.livedoor.jp/buna_1267/archives/1035951466.html
JR古賀駅(福岡県古賀市)のクオリティー21が10月20日(金)をもって閉店。40年の歴史に幕を閉じた。教科書の扱いはつづけるそうだ。
http://koga-style.com/close_quolity21/
ブックスアスカ TSUTAYA 西舞鶴店(京都府)が11月30日(木)をもって閉店。
https://twitter.com/heiten_map/status/927798153604079616
京都市山科区の山科書店 薬大前店が11月末日をもって閉店。
「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
このたび11月末をもちまして薬大前店を閉店することになりました。
皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解の上、今後ともお引き立て賜りますようお願い申し上げます」
https://t.co/uOpjvsBkFh
既報の通り北海道中川郡池田町の「趣味のナイガイ」が12月30日(土)をもって閉店。
https://www.hokkaido-np.co.jp/sp/article/143959
「うわあ…。小学生の頃、通っていたわ。趣味のナイガイ。懐かしいな。
お疲れ様でした…」
https://twitter.com/hassy_123/status/928472480779444226
「ああああ……『趣味のナイガイ』があ……。中学生時代は大変お世話になりました」
https://twitter.com/kogitsune_gonta/status/928508479987257344

                                                                                                                    • -

2)【本日の一行情報】

◎「BALMUDA(バルミューダ)トースター」をご存じですか。トースターといっても数千円で買える代物ではありません。税込みで約2万5000円もするんです!寺尾玄代表取締役はミュージシャン出身だ。
https://www.balmuda.com/jp/toaster/
光文社は「MartBOOKS」として「パンもおかずもおいしい!Mart BALMUDAトースターBOOK」(定価907円+税)を発売した。家電量販店での発売も予定しているそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000079.000021468.html
寺尾は今年4月新潮社から自伝を出している。
http://www.shinchosha.co.jp/book/350941/

JR九州で、博多駅(福岡市博多区)と由布院駅大分県由布市)を小倉駅北九州市小倉北区)経由で結んでいる特急「ゆふいんの森」は、11月10日から車内図書コーナー「ゆふ森としょかん」を設置しているという。
これは2014年に大分市中央町にオープンした「カモシカ書店」とタイアップした車内サービスだ。「列車の旅路で読んでいただくおすすめの本」として、絵本やエッセイ、詩など、およそ20タイトルの本を設置してあり、1冊ずつおすすめポイントをPOPで紹介しているそうだ。
https://response.jp/article/2017/11/13/302436.html

◎日販は、イギリスの出版社DK社および同社の日本での総代理店であるフォルトゥーナと共同で、「贈りたい贈られたいDK社の美しい本」フェアを全国の書店9店舗で11月10日(金)以降、順次開催する。
書店9店舗は次の通り。
ブックセンタークエスト小倉本店(北九州市
コーチャンフォーミュンヘン大橋店(札幌市)
未来屋書店ナゴヤドーム前(名古屋市
有隣堂たまプラーザテラス店(横浜市
未来屋書店レイクタウン越谷市
ブックセンタークエスト黒崎井筒屋店(北九州市
紀伊國屋書店札幌本店(札幌市)
紀伊國屋書店京橋店(大阪市
三省堂書店そごう千葉店(千葉市
http://www.nippan.co.jp/news/dkfair201711/
出版協の一員として10月19日に日販図書館選書センターを見学したのだが、このときDK社の図鑑に触れて驚いたことを思い出す。当たり前だけど紙のメディアにしか実現できないことは間違いなくあるし、そこにこだわらない限り、時代の波に飲み込まれ、時代の藻屑となるのがオチである。
フォルトゥーナは、こういう会社だ。
http://www.frtn.co.jp/

◎「AbemaTV」で勝負に出たサイバーエージェント藤田晋社長に「Business Insider Japan」がインタビューしている。次のように認識できるのがサイバーエージェントの強みである。雑誌も含め旧来のメディアビジネスに携わっていると、どうしても、こうは考えられない。
「ただ僕は広告の収益にこだわらなくてもいいかな、と思っているんですね。人がたくさん集まるコンテンツを作れば、何らかの形で収益を獲得できると思っています。有料化でもなく、広告でもない第3の収益を狙う。十分にその可能性は開ける。アマゾンはeコマースの収益をコンテンツの投資に回しています。そういうふうに、必ずしもメディア事業だけで成立させる必要はないと思います」
https://www.businessinsider.jp/post-107058

◎HAROiDは、テレビとスマートスピーカーを連携させるテクノロジーを開発し、テレビで放送されている気になるトピックを声だけで記録できる「HAROiD Note」を、11月15日(水)から幕張メッセにて開催されるInterBEE CONNECTED(ホール7)に出展する。
Amazon Echo」に「アレクサ、テレビノートで保存して」と話しかけるだけで、テレビで放送されている気になるトピックを記録できるようになるというサービスだ。
http://magazine.haroid.com/haroidnote/

◎11月12日にテレビ朝日系で「シン・ゴジラ」が放映されたが、小出恵介の出演シーンは削除された。スポーツ報知によれば「映画では小出は消防士役で登場し、市民に避難を呼びかける役でセリフもあった」そうだ。ちなみにWOWOWで7月に放送された際はカットされなかった。
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20171112-OHT1T50198.html

◎LINEの左右独立型Bluetoothイヤホン「MARS」は、LINE独自のクラウドAI「Clova」を搭載している。
例えば日本人とアメリカ人ががMarsを装着してすると、日本人には相手の話す英語が日本語に翻訳されて耳に届く。
https://www.gizmodo.jp/2017/11/line-clova-mars.html

◎ドイツのトラベルグッズ&アクセサリーブランド「エムシーエム」(MCM)は、マガジンハウスの女性ファッション誌「GINZA」とコラボしたクラッチポーチを発売する。カラーはブラック、コニャックが用意されていて、価格は37,000円(税抜)。
http://www.afpbb.com/articles/modepress/3150277

◎嘘を書くのはカネのため。毎日新聞の「フェイクニュース 作られ方 ブログ管理人が内幕語る」は次のように指摘する。
フェイクニュースをまき散らすトレンドブログが後を絶たないのはなぜか。
広告収入という『実益』をもたらすサービスが後押ししている可能性がある。『近畿地方の30代男性』の利用するサービスの一つがグーグルの『アドセンス』だ。管理人がグーグルに申請しブログ内容の審査に通れば広告がつき、クリック数に応じて金が入る。申請は無料で、汗をかいて広告主を探す必要はない」
「それ以上に問題なのは、事実無根の情報を含んだトレンドブログが、グーグル検索で上位を占めていることだ。検索にかからなければ存在しないも同然。逆に検索上位なら人々を引きつけ、広告収入が転がり込む」
https://mainichi.jp/articles/20171114/k00/00m/040/021000c?fm=mnm
https://mainichi.jp/articles/20171114/k00/00m/040/024000c
インターネットにおいてはデマがビジネスとして成立してしまうのである。誰もがメディアを持てる時代の負の側面であり、怖さである。しかし、このことをもって時代を逆行させることはできまい。

◎日経の「楽天、じわりアマゾンの影 経済圏拡大や広告に活路」。楽天に対して攻勢を強めるアマゾンに対して、楽天はアマゾンの攻勢を正面から受けて立つのではなく、金融や広告に活路を見い出していく方針のようだが、先に金融や広告に手を出したほうが負けると三木谷浩史会長兼社長は考えないのだろうか。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23412270T11C17A1DTC000/
私の場合、楽天を使って本を買うということがまるでない以上、何を買うにもアマゾンを使うようになってしまっている。

横綱日馬富士の暴行疑惑はスポーツニッポンのスクープである。
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2017/11/14/kiji/20171114s00005000046000c.html

日本維新の会足立康史衆議院議員が「朝日新聞、死ね」とツイートした。
https://twitter.com/adachiyasushi/status/929462477770723328
むろん、足立は確信犯である。「BuzzFeed News」は「維新議員が朝日新聞に『死ね』とツイート。その意図は『良い炎上商法』と説明」を掲載している。
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/ishin-asahi?utm_term=.qt6ooD2RR#.opr99rVbb
全国紙では毎日新聞が記事にしている。
https://mainichi.jp/articles/20171114/k00/00m/040/057000c
これは江川紹子のツイート。
「こういう話題をしっかり記事で取り上げる姿勢がよい。足立議員の言い分も取材。内容は『へ?!』って感じだけど」
https://twitter.com/amneris84/status/930263696726663169
足立康史の怒りは収まらないようだ。再び、こんなツイートを投稿している。
「まだ言うか、と言われそうだが、何度でも言う。朝日新聞は“万死に値する”と。だいたい加計学園の問題について、朝日新聞のねつ造報道はあまりに酷い。取材に来た朝日新聞の記者にも改めて指摘したが、今年5月17日の『総理のご意向』報道に始まるマスコミの偏向報道、ねつ造報道は度を越している」
https://twitter.com/adachiyasushi/status/930284807858241537
こうもツイートしている。
「マスコミの取材では、ツイートを削除しないのか、撤回しないのか、謝罪しないのか、と繰り返し問われていますが、しません、と回答している。もちろん、朝日新聞がねつ造報道について、山尾議員が『日本死ね』を国会で取り上げたことにについて、謝罪し撤回すれば、私も撤回する。
当たり前ですよね」
https://twitter.com/adachiyasushi/status/930285259433709569
足立は通産省出身である。産経から「維新のトランプ」の異名を持つと評されたこともある。現在、書店には足立の「永田町アホばか列伝」が平積みされている。版元は悟空出版。小学館出身の佐藤幸一が立ち上げた出版社である。
http://www.goku-books.jp/book/b317319.html

幻冬舎が運営するウェブマガジン「幻冬舎plus」は、11月12日に開設から4周年を迎え、これを機に11月13日、コンセプトを「自分サイズが見つかる進化系ライフマガジン」とし、サイトデザインもリニューアルし、、バルミューダのトースター、Google Home、衣類スチーマーなどが当たるキャンペーンを開始した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000339.000007254.html

                                                                                                                    • -

3)【深夜の誌人語録】

大きい声が重い声であるとは限らない。小さくとも重い声を聞き取る必要があるのだ。