【文徒】2020年(令和2)3月23日(第8巻52号・通巻1709号)つづき

4)【記事】私に「廃馬のニヒリズム」を教えてくれた松田政男亡くなった

映画批評家松田政男が亡くなった。朝新聞デジタルは320付で報じている。
松田政男さん(まつだ・まさお=映画評論家)17、肺炎で死去、87歳。本人の遺志で葬儀は営まない。後、しのぶ会を開く予定。》
https://www.asahi.com/articles/DA3S14409622.html
航思社が訃報とともに詳しいプロフィールを公開している。松田政男は澁澤龍彦に「本で最初に機動隊に立ち向かうのに、ヘルメットをかぶった武装集団を組織した」と言わしめたことで知られている。
《松田さんは1950年の共産党入党後から職業革命家として活動し、60年安保には吉本隆明らとともに六行動委員会の一員として反対運動に加わりました。その後、自立学校の設立運営、ベトナム反戦直接行動委員会に関わったのち、東京行動戦線やレボルト社などを主導、『世界革命運動情報』などを発行しました。
そのかたわら、50年代末から未来社現代思潮社などで埴谷雄高吉本隆明宮本常一らの著書を編集、独立後は第2次「映画批評」を創刊、編集長を務めました。
著書に『テロルの回路』(三一書房、1969年)、『薔薇と無名者』(芳賀書店、1970年)、『風景の死滅』(田畑書店、1971年/増補新版 航思社、2013年)、『不可能性のメディア』(田畑書店、1973年)、映画製作に「略称・連続射殺魔」(1969年)、映画出演に「絞死刑」(大島渚監督、1968年)、「赤軍PFLP・世界革命宣言」(声のみ、1971年)、「LEFT ALONE」(井土紀州監督、2004年)など。》
http://www.koshisha.co.jp/blog/archives/544
私が刊ゲンダイを買い始めたのは松田政男の映画評を読むためであった。「週刊漫画ゴラク」も松田政男の映画評を読むために買い始めた。スワッピング雑誌を初めて手に取ったのも、松田政男の映画評に惹かれてのことであったし、「シティロード」で毎号、見開きで映画の採点表が掲載されていたが、ここでも松田の星取りを私は圧倒的に信用していた。私のシドニーポラック好きは松田の影響である。むろん「映画批評」は毎号、買っていた。松田は足立正生佐々木守平岡正明相倉久人と批評戦線を結成、第二次『映画批評』を創刊したのである。こと映画に関して私に最も影響を与えた映画批評家松田政男なのである。大和屋竺の「毛の生えた拳銃」に出演しているし、大島渚の「絞死刑」に出演していることでも知られている。松田は未来社、現代思潮社の元編集者でもある。埴谷雄高を追悼する「アンドロメダ忌」の世話人であった。実は、私と松田は弁護士が同じであった。合掌。
SNSには多くの追悼が寄せられている。千坂恭二は松田がデビューさせたといっても良いだろう。フェイスブックに追悼を発表しているが、こう書き出されている。
《訃報。松田政男さんが死んだ。享年87歳。
松田さんは、私には特別な存在でもある。というのも、1970年に大阪から東京へ来た高卒の、しかも20歳そこそこのアナキストという、ある意味では東京の新左翼の運動や思想の界隈においても正体不明ともいえる私の思想を、「無政府主義の新たな地平」として評価し、松田さんが編集する雑誌『映画批評』に原稿を書くよう勧めてくれたからだ。》
https://www.facebook.com/chisaka.kyoji/posts/2796932073731190
若松プロ出身の井上淳一フェイスブックに追悼を公開している
《僕は、革命家、アナキスト時代の松田さんを知らない。名前を初めて知ったのは、中学生の時から読んでいたキネマ旬報でだ。他の評論家とは一線を画したその筆致は常に映画の向こうに社会を見据えていた。たがら、監督デビュー作『パンツの穴・ムケそでムケないイチゴたち』の映画評を松田さんが書いてくれた時は嬉しかった。荒井さんとの共同脚本『パートナーズ』の時、埴谷雄高さんの一節を引用し、その許可を埴谷さんの遺族に取ってくれたのも松田さんだ。
止められるか、俺たちを』では松田さんの台詞を書いた。演じたのは渋川清彦さんで、背が高過ぎるだろうと思った。最後に会ったのはいつだったろう? 若松さんの葬式だろうか。最近は記憶が覚束ないと聞いていたけれど、もし今の世の中をちゃんと認識されていたら、さぞ心残りだったことだろう。松田さん、ご冥福は祈りません。松田さんが夢見た革命がこの国に起こるように永遠に見守っていて下さい。》
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2345934652173524&set=a.134888543278157&type=3
「マル裸 青春地獄」でヒロインを演じた野繭子がツイートしていた。
松田政男さんの訃報を知る…
赤塚不二夫先生の葬儀の後、新宿まで2人で歩きましたね
それが最後…
斎藤正治さん、小林紘(正しくは、糸偏に宏)さん、阿部勉さん、伊藤公一さん、松島利行さん
天敵・若松孝二監督
育ての親・渡辺護監督…
79~80年代初頭、生意気な女優を可愛がって下さった方達がいなくなってしまった…》
https://twitter.com/mayuko_hino/status/1240304777600221188
頭脳警察PANTAフェイスブックで追悼している。
松田政男さんが亡くなった…
フランス警察に拘束されていたとき、貴様らが、そんなに大和魂か言うならノルマン魂を見せてやると言われ顔が変形するほど殴られたという話を楽しそうに語る松田さんの熱い口調が思い出される…合掌》
https://www.facebook.com/panta.zk/posts/1850055895127406
当然、映画監督や映画批評家のツイートが多く寄せられている。
松田政男さん、亡くなったのね。会えば口喧嘩ばかりだったけど、もう喧嘩相手もいないのかなあ.与那国島に行った話をしそびれた。合掌。》(「Helpless」「EUREKA」「共食い」青山真治
https://twitter.com/cooff/status/1240297382664761346
黒沢清も絶賛の、松田政男の演技が抱腹絶倒な大島渚監督『絞死刑』をみんなで観よう》(「拾って捨てろ!」「やわらかい季節」小野峻志)
https://twitter.com/1996ONOT/status/1240220941872812032
松田政男は私を自主映画作家として最初に評価してくれた人だ。大学時代にブレヒトリンドバーグの飛行」のテクストを元に8mmで作った『のらくら夜間飛行』をPFFに入選させようとしてくれたが、他の審査員全員から極左的と反対され、「お役に立てずすまない」と謝られた。》(荻野洋一)
https://twitter.com/oginoyoichi/status/1240443122879827968
松田政男さん死去。作り手と共闘する評論家だった。新宿で長崎監督や森重プロデューサーと飲み歩いていた時、松田さんの話になって、誰ががペットボトルを蹴飛ばしたら偶然向こうから歩いてきた松田さんに直撃したことがあったな。アルタ裏だった。御冥福をお祈りします》
長崎俊一監督の自主映画を「活ニューアクションの担い手」と初めて言ったのは松田政男さんだった。まだ70年代後半だった。40年以上前のことですよ。自主映画と撮影所末期の映画が地続きだった時代。ピンク映画と自主映画を世間に知らしめようと尽力したオルガナイザー。》(「発狂する唇」「血を吸う宇宙」「ケータイ刑事 THE MOVIE」佐々木浩久
https://twitter.com/hirobay1998/status/1240322932720599041
https://twitter.com/hirobay1998/status/1240325164597829634
《家に泊まった時、翌朝、本に囲まれて倒れてるので死んでるのかと思った。会うたびに、共通の知人である女優さんをあのコは男運が悪く不幸せな女なんだとつぶやき、<悲劇のヒロイン>にしていた。70代で30代の女性と付き合い、その人に「もうお前もおばさんだな」と言っていた。松田政男さんに合掌。》(切通理作
https://twitter.com/risaku/status/1240339763451715584
松田政男さんの訃報を知った。
歌劇団ねじ式・紅い花」に観客席から特別出演してくださった。
ご冥福をお祈り申し上げます。あちらでまたぜひ高取と一杯やってください。》(歌劇団 二代目代表 白永歩美)
https://twitter.com/shirokuaruku/status/1240187949037187072
松田政男さんの訃報に接する。思い出すのは、映画の上映で一緒に大阪に行った時のこと。松田さんが同時代人として強く共感した朝鮮戦争と吹田・枚方事件』の脇田憲一さんも会場に来てくれた。》(「LEFT ALONE」井上紀州
https://twitter.com/eigagumin/status/1240451375516930048
《僕の映画を最初に発見してくれた、
松田政男氏のご冥福を心からお祈りいたします。
不義理をしていたのが悔やまれる…》(「蒼白者 A Pale Woman」常本琢招)
https://twitter.com/tsunemoto/status/1240266666270797824
松田政男さんの訃報を伝えるツイートが多数。もし本当なら、寂しいことだな。『リトル・ウィング』で俺を見直し、PFFで推薦してくれ、『三角正太のモジョ映画』のチラシにはウィスキー一本章を寄せてくれた。旧・新左翼の骨董品みたいに思われがちだが、どこかかわいい、憎めないオヤジだったよ。》(「リトル・ウィング」島田元)
https://twitter.com/shimadagen_/status/1240303380892798976
《『シティロード』の映画星取表は松田政男の安定感が半端なかった。同じ雑誌の別冊でのニューウエーブをめぐる蓮實重彦との対談もよかった。愚直な質問で蓮實の批評をうまく引き出してた。『翔んだカップル』のもぐら叩きは内面性ではなく縦のぴょこぴょこ運動という主題的一貫性から評価できるとか。》(早稲田大学学学術院教授 長谷正人)
https://twitter.com/mtokijirou/status/1240800205470978048
松田政男さん逝去。かつて働いていた書評紙や刊誌で執筆して頂いた。フェミ特集で連載以外女性にした時「男性は二人だけですね」とちょっと嬉しそうだった。待ち合わせの新宿の喫茶店、仕事場での会話、原稿用紙に鉛筆で手書きの字、はるか昔。鳥立ちのマスターから様子を聞いたのも数年前。合掌。》(大橋由香子)
https://twitter.com/yukatorawman/status/1240803062865747968
こんなこともあったのか!
《昔松田政男さんが中心となって企画した、池袋豊島振興会館会議室での、黒色戦線(?)連続講義で、映画評論家斎藤龍鳳浪人中の廣松渉吉本隆明の各氏の話を聴きました。廣松渉はドイイデオロギーの新解釈について、吉本隆明は言語にとって美とはなにかの構想を語りました。》
https://twitter.com/bentsudanuma/status/1240457421295738881
松田政男は「白昼夢を撃て」でシドニー・ポラックの「ひとりぼっちの青春」を評して次のように書いている。私の大好きな章である。
《ロバートが全力を出し切ったあの戦いのヒロインはグロリアである。この映画を見るひとは、おそらくグロリアの〈悲しい勇気〉に心を搏たれつづけることだろう。しかし、グロリアのように死ぬことも挫折ならば、ロバートのように生きることもまた挫折なのだ。彼らは、共に、廃馬である。そして、廃馬のように射たれ、また廃馬のように射つニヒリズムこそが、私たちの青春である。》
グロリアをジェーン・フォンダが演じ、ロバートをマイケル・サラザンが演じている。原作はホレス・マッコイの「彼らは廃馬を撃つ」である。「明に別れの接吻を」もホレス・マッコイである。
https://www.hakusuisha.co.jp/book/b205646.html
私は未だに「廃馬のように射つニヒリズム」を捨てるつもりは毛頭ない。今夜は風景映画「略称・連続射殺魔」を見ながら酒精を飲むか。

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5)【本の一行情報】

◎第1回大島渚賞は、小田香監督に決まった。「セノーテ」は未だ見ていないのだが、山形国際ドキュメンタリー映画祭でアジア千波万波部門特別賞を受賞した「鉱 ARAGANE」は、確かに大島渚ドキュメンタリー映画「忘れられた皇軍」に連なる傑作であった。
https://pff.jp/jp/oshima-prize/
坂本龍一が良い仕事をしてくれた。
《審査員長の坂本は、最初にディレクターの荒木が選んだ候補作の中に「大島渚の名前にふさわしい映画は残念ながらなかった」と告白。続けて「常に国家、権力、歴史、国境に翻弄された人々を描いてきた、あるいは常識に立ち向かってきた素晴らしい(大島)監督の名前を冠した人は誰かと考えた時に、今の本では小田香さんしかないと思い、僕の方から推薦させていただきました」と小田監督の受賞の経緯を明かした。》
https://www.cinematoday.jp/news/N0114780
小田は「サタンタンゴ」のタル・ベーラによる若手映画作家育成プログラム「film.factory」に第1期生として参加している。あれは1995年であったか、山形国際ドキュメンタリー映画祭で「サタンタンゴ」を初めて見た時に受けた7時間18分の衝撃が忘れられない。

◎朝新聞出版は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全国の多くの小学校が休校になったことを受け、国民的人気アニメ「サザエさん」原作の4コマ漫画の1巻と7~9巻を、317から期間限定(3下旬予定)で無料公開している。「サザエさん」のデジタル配信は国内初となる。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000931.000004702.html

産経新聞319付で「五輪中止なら経済損失4兆円超 関西大名誉教授が試算」を掲載している。
新型コロナウイルスの感染拡大で開催が危ぶまれている東京五輪パラリンピックが中止となった場合、経済損失は4兆円超-。こんな見通しを、関西大の宮本勝浩名誉教授が試算し、19発表した。中止の場合は約4兆5151億円、1年延期となった場合は約6408億円とそれぞれ試算しており、宮本氏は「も早く収束し、五輪が開催されることを願っている」としている。》
https://www.sankei.com/west/news/200319/wst2003190028-n1.html

信濃新聞は318付で社説「特措法と放送局 介入の危うさあらわに」を掲載している。
《先週成立した新型コロナウイルス特措法は、指定公共機関としてNHKなどを明示するほか、公益的な事業を営む法人を別途「政令で定める」としている。民放各局も対象となる余地がある。
特措法に基づき緊急事態宣言を発令した際、首相は指定公共機関に「必要な指示」ができる。内容は限定されていない。放送局が政府からの独立を保てず、報道の自由が損なわれる恐れがある。》
《特措法をめぐっても、民放の報道に、政府はSNSで番組を名指しして“反論”した。緊急事態を大義名分に、放送、報道の自由圧迫されることがあってはならない。特措法の運用に厳しい目を向けていく必要がある。》
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200318/KT200317ETI090007000.php

◎朝新聞出版は元NHK解説員でフリージャーナリストの柳澤秀夫の「記者失格」を刊行した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000926.000004702.html
NHKは優秀な人材を輩出している。

◎「TechCrunch Japan」は318付で「アップルが新型コロナによる実店舗閉鎖を無期限延長」を公開している。
《今週初め同社はプレスリリースで中華圏外の全店舗を327まで閉鎖すると発表した。そして現在、ウェブサイトにあるメモには、閉鎖は無期限とある。》
https://jp.techcrunch.com/2020/03/18/2020-03-17-apple-now-says-its-retail-stores-are-closed-until-further-notice/
本でもホームぺージを開くと、《お近くのApple Storeは、追ってお知らせするまで休業いたします。》と冒頭に出て来る。
https://www.apple.com/jp/

◎「ITmediaNEWS」は318付で「配信サイトのPVは10倍に 新型コロナで漫画無料公開、秋田書店が狙う“脱・漫画離れ”」を公開している。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府が全国の学校に休校を要請したことを受け、出版各社が漫画雑誌や単行本を無料で公開し、反響を呼んでいる。その中の1社、秋田書店では、公開前と比べると配信サイトのPV(ページビュー)が約10倍、UB(ユニークブラウザ)は約2~3倍に伸びたという。》
KADOKAWAでは、無料公開した漫画雑誌20誌85冊のPVが、公開前週の平均より2倍以上増えたという。従来の値引きやポイントバックキャンペーンでは、電子書籍を多く購入しているユーザーの利用率が高かったが、今回は過去のキャンペーンでは反応が薄かったライトユーザーや、若年層のユーザーも取り込めたという。》
小学館は「コロコロコミック」などを無料で配信し、電子漫画ストアの32~11のPVが前(22~11)から約2倍以上に増加。公開初32)のPVは過去最高を記録したという。》
白泉社も漫画雑誌「花とゆめ」「LaLa」などを無料で配信。公開初35)を前(25)と比較すると、電子書籍ストアのPVは約12倍、スマホアプリのDL数は約18倍だったという。》
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2003/18/news114.html
まさか、こういう形で「電子書籍の時代」が本格化することになるとは思いもよらなかった。

◎JPIC読書アドバイザークラブによる「第1回 親子で読んでほしい絵本大賞」は小学館から刊行された「字のないはがき」(原作:向田邦子、 角田光代、絵:西 加奈子)に決まった。
https://www.jpic.or.jp/topics/2020/03/#entry-2103
https://www.shogakukan.co.jp/books/09726848
https://twitter.com/chikumashobo/status/1240207331327119360
角田光代西加奈子の対談が「小説丸」に掲載されている。
角田がこう語っている。
《さっきも言いましたけど、ひじょうに〝強い〟絵で、ほんとうに西さんにしか描けない絵だな、と思います。わたしが不思議だったのは、絵を見たあとの印象が、西さんの書く章を読んだあとの感じとそっくりで、絵と章と、ぜんぜん表現がちがうはずなのに、西さんていう表現者が表現すると、ほんとうにおなじものが出てくるんだなぁと思って、……絵が描けるっていいなぁ。》
《戦争の話ではあるんですけれども、わたしは、ことさら戦争を強調したくはなかったんですよね。向田邦子さんの書き方っていうのは、戦争というものを、大上段に構えないで、大きな意味としてとらえないで、自分のいる常から書いていく書き方をしているなぁと思います。「字のない葉書」は、子どもの目線から見える戦争の一部、が書かれていると思っていて、絵本の章を書くにあたり、そこは注意しました。戦争ってこういうものですよ、と書き加えたりしちゃうと、子どもが読むのも嫌になるだろうなぁと気をつけて、〝戦争のにおい〟は、そんなに出ていないと思っています。》
こちらは西加奈子の発言。
常が脅かされることが戦争やから、常のことをちゃんと描く。あのこわいお父さんが泣いたとか、まずそういうことやと思うんですよね。で、お父さんがなんで泣いたかっていうと、戦争が原因で、という〝矢印〟があって、まず戦争があって、戦争から〝矢印〟来てるわけじゃない感じは、すごいありましたね。
若いころは、恋愛と似てて、自分のなかに発火装置みたいなのがあって、そこから出てきたものを書いてましたけど、それがなくなってきたとき、どこに目が行くかっていえば、角田さんもむかしおっしゃっていた、新聞とかニュースです。そのニュースにまつわる雰囲気とかが気になって書くんですけど、たとえば核爆弾の例でいったら、あるひとりのひとがそのスイッチを押すまで、を書くっていったら変ですけど、そのひとも常を生きてきたわけだから、最初からスイッチを押すやつとして生まれたわけでもないし、とか。
そういう〝矢印〟のむかい方が、自分のなかでは決まってきた。それをこの絵本がまた強固にしてくれた感覚はあります。戦争って、ふつうの人間が死ぬことやし、ふつうの人間が行くことやし、そういうことやと思います。》
https://www.shosetsu-maru.com/special/kakuta_nishi/1?page=1
https://www.shosetsu-maru.com/special/kakuta_nishi/2?page=1
https://www.shosetsu-maru.com/special/kakuta_nishi/3?page=1
https://www.shosetsu-maru.com/special/kakuta_nishi/4?page=1
今回の受賞で私も初めて読んだのだが、自分自身の不明というか勉強不足を反省した次第である。傑作。

講談社は、LIVE エンターテインメントビル「Mixalive TOKYO(ミクサライブ東京)」を3  19 (木)にオープンできなかった。各フロアごとオープンは異なることになるが、3中のオープンはない。
https://mixalive.jp/wp-content/uploads/2020/03/MixaliveTOKYO_aboutopen200309.pdf

J-WAVEは、国連「SDGメディア・コンパクト」に加盟した。本のFMラジオ局として初めてとなる。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000631.000025404.html

山陽新聞社と毎新聞社、スポーツニッポン新聞社は、中四国県(岡山、広島、香川、愛媛、徳島、高知)で発行するスポーツニッポン新聞の印刷を山陽新聞印刷センターの倉敷印刷センターに委託することで合意。1124付から開始予定で、委託部数は約4万部。
これまで中四国6県の毎新聞とスポーツニッポン新聞を印刷してきた「毎新聞中四国印刷」は11をもって新聞印刷を終了する
https://www.sanyonews.jp/article/994687

◎国内電通グループのデジタル広告領域を牽引するD2C、CCI電通電通デジタルの4社は、「2019年 本の広告費」の調査結果のうち、インターネット広告媒体費について分析した「2019年 本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を発表した。次のようなことを書いている。
1)インターネット広告媒体費全体を広告種別の構成比でみると、ビデオ(動画)広告が約20%を占めるまでに成長し、前年比157.1%の3,184億円となった。
2)運用型広告が全体の約80%を占め前年比115.2%と成長、予約型広告も前年比117.4%と2桁成長となった。
3)SNSや動画共有プラットフォーム上で展開されるソーシャル広告は前年比126.0%の高い成長率で推移し、インターネット広告媒体費全体の29.5%を占める4,899億円となった。
4)2020年インターネット広告媒体費は、全体で1兆8,459億円(前年比111.0%)まで成長する見込みだ。
https://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2020016-0317.pdf

◎毎新聞は319付で「厚労省が『デマ』ツイート? 厚労相が国会で『おわびしなければならない』」を掲載している。
新型コロナウイルスに関する厚生労働省の公式ツイッターの信頼性が揺らいでいる。海外で行われている、車に乗ったまま受けられるドライブスルー方式のPCR検査(遺伝子検査)について「医師の診察を伴わないことが多い」とツイートしていたが、加藤勝厚労相は17衆院厚生労働委員会で「当初の発信に正確でないところがあった。おわびしなければならない」と謝罪。公式ツイッターは5にも、マスクの医療機関への優先配布について誤解を招く内容をツイートしており、「厚労省がデマを流してどうする」などと批判が高まっている。》
https://mainichi.jp/articles/20200318/k00/00m/040/403000c
新聞によれば厚労省の広報担当者は取材に「ツイッター発信後、ドライブスルー方式を実施している韓国やドイツの一部などで、医師が診察しているという報道があることが分かった。情報確認が不十分だった」と説明したそうだ。これは酷い!
一方、農水省SNS戦略は評価されている。「J-CASTニュース」は317付で「農水省『攻めた』ネット発信、広報担当者が明かす戦略 新型コロナに即応、SNSで人気呼ぶ」を発表している。
《ウェブサイトに限らずSNS発信も積極的だ。フェイスブックは12、職員らがコサージュなどで実際に花を活用している写真を掲載。コミカルで親しみやすい雰囲気となっている。
ここに登場するのは農水省公式YouTubeチャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」のメンバー。同チャンネルは12に公開した動画「農水省から皆様へのお知らせ」が話題を呼んだ。「花いっぱいプロジェクト」への協力を、2人の職員が淡々とした口調で呼びかけているのだが、ところどころで一瞬画面が切り替わり、戻ってくると花がどんどん増殖。最後には2人の姿がほとんど見えなくなるほど花に囲まれ、1人はなぜかサングラスをかけはじめるという「シュールさ」が反響を集め、約50万回(17夕時点)再生されるヒットとなった。》
https://www.j-cast.com/2020/03/17382475.html?p=all

トーハンは、累計で100万部以上発行された絵本を紹介し、書店店頭での増売を目指す「ミリオンぶっく2020」を、3下旬より全国約1,000書店で展開する。
https://www.tohan.jp/news/20200317_1550.html

319(木)夜10時放送の「カンブリア宮殿」のゲストは学研ホールディングス代表取締役社長の宮原博昭だった。宮原は《経営が行き詰っていた学研を、医療福祉や塾の全国展開で業績を回復させ、10期連続の増収と、V字回復を果たすこと成功した》経営者であり、《防衛大学校出身で貿易会社に勤務していた異色の経歴の持ち主》である。
https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/2020/021435.html
宮原は航空自衛隊を目指すも、自衛隊で任官していない。確か伊藤忠の瀬島龍三に可愛がられていたはずだ。

◎米で4にローンチする動画配信サービス「Quibi」(クイビー)は、すべての動画が10分未満であることが特徴だ。「Quibi」とは「クイックバイト」の略である。広告付きプランが額4.99ドル(約530円)、広告なしプランが額7.99ドル(約850円)。
https://www.cosmopolitan.com/jp/entertainment/internet/g31720434/what-is-quibi-app-200318-hns/?slide=1

NHKの同時配信サービス「NHKプラス」の申し込みが20万件以上に及ぶという好調なスタートを切ったそうだ。
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/200318/ecc2003181725002-n1.htm

◎225に発売された光社のムック「女性自身 介護スペシャル『老親と10年後のあなたの要介護度をゼロにするぴんぴん習慣100』」が重版した。TBS「噂の! 東京マガジン」(31放送)に紹介されたことが大きい。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000305.000021468.html

電通と国内電通グループ10社は「Dentsu Commerce Room」を発足し、オンラインやオフラインに関わらず、ITを活用して消費者の買い物体験を最適化し、デュアルファネル(新規顧客の獲得と既存顧客の育成)を包括的に支援するコマースソリューションの提供を開始した。を指す。
https://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2020017-0318.pdf

◎サンドラ・ヘフェリンの光社新書「体育会系 本を蝕む病」が2刷3,000部を増刷。累計11,000部となった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000307.000021468.html

◎「ガジェット通信」は319付で「『女性自身』の『医師が提言する「いまやめるべき薬」』記事がWebで批判殺到→削除! 324・31合併号に掲載」を公開している。
《週刊誌『女性自身』(光社)324・31合併号に掲載された記事が『医師が提言する「いまやめるべき薬」、ウイルスに備えるために』と題されて2020年318にWebに掲載され、Yahoo!ニュースなどポータルサイトにも配信。薬剤師の宇多川久美子氏に話を聞き、胃薬・抗生物質・鎮痛剤・解熱剤・ステロイドが「やめるべき薬」として挙げられるという内容ですが、ネットで批判が殺到。『女性自身』のWebサイトや配信先から削除される事態となりました。》
https://getnews.jp/archives/2455006
帝京大学ちば総合医療センター医師の萩野昇がこうツイートしている。
《1. 医師が提言していない。
2. いま処方されているステロイドは継続が必要。
2-1. 突然の中止は、最悪の場合、生命の危険も。
2-1-1. いま医療現場の仕事を増やさないで。
最悪の記事。
ちょっと抗議に行ってくる。》
https://twitter.com/Noboru_Hagino/status/1240074237877968896
萩野は五本木クリニック院長ブログが2016年831にエントリした「トンデモ薬剤師さんの理論背景はやはりニセ医学でした!!」を紹介している。
《薬を飲まない薬剤師さんである宇多川久美子さんの信奉している医学理論は「酵素栄養学」というトンデモさん系医療関係者が大好きなニセ医学です。》
https://www.gohongi-clinic.com/k_blog/2999/

マクドナルドは、ハッピーセットドラえもん」を320(金・祝)から期間限定で全国のマクドナルド(一部店舗除く)にて販売する。今回のハッピーセットドラえもん」には、「映画ドラえもん のび太の 新恐竜」にちなんだおもちゃ全8種が登場する。
http://www.mcdonalds.co.jp/company/news/2020/0313a/

時事通信318付で「読テレ関連会社で不正アクセスか 社員アドレスから不審メール」を発表している。
読売テレビ大阪市)は18、グループ会社社員のメールアカウントが何者かに不正アクセスされ、番組制作に関わる個人情報を含むメールが閲覧された可能性があると発表した。この社員のアカウントから、不正サイトに誘導する不審なメールも複数送信されており、メールアドレスやパスワードを変更し、関係先に謝罪したという。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020031801185&g=soc

東京新聞320付で「相沢記者が生出演 森友スクープ解説 今夜のユーチューブ」を掲載している。相沢冬樹が「メディア酔談」で記事の解説をライブ配信した。
《メディア酔談は、相沢記者と高校の同級生でメディアコンサルタントの境治が、ゲストらとテレビやジャーナリズムなどについて語り合うチャンネル。視聴はユーチューブの「メディア酔談」で検索を。無料。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/CK2020032002000165.html
相澤冬樹と境治は鹿児島ラ・サール高校の同級生だ。相澤冬樹がツイッターに連投した。
《今夜のメディア酔談を東京新聞が記事にしてくれました。近畿財務局で改ざんを迫られ命を絶った赤木俊夫さんの遺書と手記について取材経緯をお話しします》
《ふつう記者が決して話さない取材手法や裏話を私は平気で明かしてしまいます。記者がどうやって取材しているかを知って頂いて報道への信頼を取り戻したいと考えているからです。もちろん差し障りないよう気をつけながらですが》
《取材手法についてはこちらの著書「安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由」でもかなり明らかにしています。よろしければご一読ください。》
https://twitter.com/fuyu3710/status/1240825410314571777
https://twitter.com/fuyu3710/status/1240826049442668545
https://twitter.com/fuyu3710/status/1240827587909185536
金子勝のツイート。
《【正義を殺すな】週刊春で森友問題をスクープした元NHK者の相沢冬樹氏が語る「メディア酔談」。安倍首相と麻生大臣の言動の非人間性。残念だが、TVはまともな番組は本当に少なくなった。Youtubeを探して見ないと真実が分からない時代になった。》
https://twitter.com/masaru_kaneko/status/1241128316486074368
これがそう。今回からペイペイを使って投げ銭を開始している。
https://www.youtube.com/watch?v=i_8wj3iOKk8
相澤はスクープに至る「過程」を番組に公開している。相澤は週刊誌、地方紙、ソーシャルメディアを意識的に組み合わせようとしている。この番組で自殺した赤木俊夫は坂本龍一が大好きであったという。書棚には坂本の「音楽は自由にする」(新潮社)が置かれていたそうだ。
「#赤木さんを忘れない」も立ち上がった。
あれ、「メディア酔談」から削除されてしまっている。
https://www.youtube.com/channel/UCyKsoV6G2k6fP9fbW4C6-yQ
こういうことも「見える」のだ。

電通新型コロナウイルスの現況に鑑み、リモートワークを323)以降も継続していくとともに、新しい働き方のひとつとして、中期的に「持続可能なリモートワーク」を目指し推進していくという。
https://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2020019-0319.pdf

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