【文徒】2020年（令和2）3月23日（第8巻52号・通巻1709号）つづき

３）【記事】「週刊文春」が放った「森友自殺＜財務省＞職員　遺書全文公開」の衝撃

《文春、読むべし。》（プチ鹿島）
https://twitter.com/pkashima/status/1239926597316046848
「文春オンライン」は3月20日付でプチ鹿島の「森友自殺“遺書公開”　安倍首相の『大きな言葉』と官僚の帳尻合わせはいつまで続くのか？」を公開している。
《「森友自殺＜財務省＞職員遺書全文公開『すべて佐川局長の指示です』」（「週刊文春」3月26日号）。
この記事はNHK出身で、大阪日日新聞記者の相澤冬樹氏によるもの。2018年12月に出版された相澤氏の『安倍官邸vs.NHK』を読んだとき、最も気になったのが「近畿財務局職員の自殺が残した謎」（第10章）だった。
自殺した「Aさん」（財務省近畿財務局管財部の上席国有財産管理官・赤木俊夫さん）が遺したメモには《改ざんは財務局が勝手にしたのではなく、本省からの指示があった。佐川（元理財局長）の指示で書き換えた》という情報があると。
もしこれが公開されたらすごいことになる。その日は来るのか？　気になって仕方なかった。その詳細が書かれた「手記」が遂に今回公開されたのだ。》
https://bunshun.jp/articles/-/36745
「イサの氾濫」や「幼な子の聖戦」で知られている小説家の木村友祐はフェイスブックに次のように綴っていた。
《〈これが財務官僚王国
最後は下部がしっぽを切られる。
なんて世の中だ、
手が震える。恐い
命 大切な命 終止府〉
公文書改竄に抵抗したが、せざるをえず、ウツになり、責任をとる形として自死した近畿財務局の赤木さんのメモ。「週刊文春」3/26号は読んだ方がいい。ひどすぎる。むせぶ。
赤木さんの人間性豊かなお人柄が伝わって、なおさら切なかった。自死する当日に書き上げたとされる、改竄の経緯を記した「手記」は、有能な公務員だったことを思わせる克明な記録。病に抗い、命を削って書いたのだろう。
安倍を支持する人たちは、これも薄ら笑うのだろうか。自分がどういう生き物になっているのか、気づかないのだろうか。》
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2637065649755290&set=a.244447382350474&type=3
ツイッターでは「週刊文春」を絶賛するコメントがTLにズラリと並んだ。
《「今でも夫のように苦しんでいる人を助けるためにも佐川さん、どうか改ざんの経緯を、本当のことを話してください。よろしくお願いします」
私に事実を話したのち、突然命を落とした現場職員や家族の顔が思い浮かびます。どうか、現場の真面目な人たちを苦しめないでください。》（青木美希）
https://twitter.com/aokiaoki1111/status/1240248036132917248
《一体全体どんな神経だ。図太く、鈍い。よくもまあ当事者中の当事者がこんな発言できるもんだ。あなたの発言がすべての元凶。
次回作は悪人が沢山登場する予定だが、束になっても敵うまい。》（ケラリーノ・サンドロヴィッチ）
https://twitter.com/kerasand/status/1240260389595578370
《「週刊文春」の当該記事を読んだ。やりきれない。腹も立つし、赤木さんとご家族が不憫でならない。特に若い人は必読。どういう国でこれから生きていこうとしているのか。これでも森友はもう済んだこと、と言う人は、最早、人間性の問題だろう。》（平野啓一郎）
https://twitter.com/hiranok/status/1240599073968668672
《文春、『森友自殺財務省職員遺書全文公開』今、ぜんぶ読んだ（文春が自宅に届くの今日だったからさ）。インタビューに答える奥さんの気持ちが入ってきて、読んでて泣いちゃった。どうか奥さんの気持ちがむくわれて欲しい。旦那さんはお亡くなりになってしまったし、最低限のその望みが叶ってほしい。》（室井佑月）
https://twitter.com/YuzukiMuroi/status/1240502675193528322
《近所の小さな本屋さんで最後の一冊。
国家権力者が真面目な良い人をじわじわと殺していく。ひたすら恐ろしく、涙なしに読めなかった。この国の異常さがここに全部詰まってる。文春、そして相澤冬樹氏、そして奥さんの昌子さん闘いは始まったばかりだ。》（川内有緒）
https://twitter.com/ArioKawauchi/status/1240566304274141189
《流石に「いや、貴方が改竄させて、貴方が改竄させた人を国税庁長官に取り立てたんでしょう。つまり貴方は改竄を褒めていて、欠片程も胸は痛んでいないんですよ」と思います。
アベシンジャーの皆さんは思いませんか？
相変らず「ヤトウガー」ですか？
その胸は痛みませんか？》（米山隆一）
https://twitter.com/RyuichiYoneyama/status/1240262715022573568
《文春読んだ。黒川検事長定年延長問題につながる話として注目すべきは、大阪地検特捜部が事態を把握しながら何もできなかったところにあるのでは。統治機構の暴走へのリミッターが機能しておらず改竄隠蔽し放題のこの国で何でコロナ対策だけ公明正大にやってると思うのかしら。》（津田大介）
https://twitter.com/tsuda/status/1240201335774957568
《僕は今日初めて文春を買って30分以上かけて読んだ。この腐りきった官僚世界にも良心ある人はまだいると信じたい。官僚の心にも手記はきっと響いたはず。良心ある官僚は立ち上がり、反旗を翻し、彼の無念を弔って欲しい。》（河出文庫「福島第一原発収束作業日記  3.11からの700日間」のハッピー）
https://twitter.com/Happy11311/status/1240232290703138817
《文春のスクープだけど他社もどんどん後追いして欲しい。
今度もまた、今度こそは、かつてならば一瞬で政権が飛ぶ出来事だ。
関係者はしらばっくれるだろう。司法検察の動きは不自然なほど鈍いだろう。一部のテレビは取り上げようとしないだろう。
だが命をかけた告発を無駄にしてはならない。》（佐々木敦）
https://twitter.com/sasakiatsushi/status/1240268732460498944
《文春の亡くなってしまった財務省職員さんの遺書の記事読んでいて一番腹立ったのは、残された妻への財務省同僚たちの態度。
妻本人じゃなく妻の兄に連絡するとか、事務次官の弔問のときに「一番偉い人ですよ、わかってます？」って言うとか、遺族をバカにしてるとしか思えない。》（小川たまか）
https://twitter.com/ogawatam/status/1240221713108856832
《これでも40%以上が政府を支持する。自分が安全であればそれでいい。他者のことを思うことがないのだろう。教育の失敗。これ以外にあるか？》（俳優　古舘寛治）
https://twitter.com/Mkandhi091/status/1240215302379425798
《森友学園で自死された近財の方の遺書、経緯、お連れ合いの言葉、悔しくて、何度も声が出た。辛くて一気に読めなかった。
遺書を記者に渡して後追い自死しようと考えた下り、苦しかった。
とりあえず皆さん文春買って、遺書を受け取りましょう！
この問題は許せない、注目してると意思表示しましょう！》（おしどりマコ）
https://twitter.com/makomelo/status/1240147368361820165
《週間文春のスクープ記事、重いな。本来なら大新聞が追求しなければいけないことだった。今からでも、徹底的に追求して欲しい。これほどあからさまな嘘がまかり通る政治を変えなければいけない。》（平川克美）
https://twitter.com/hirakawamaru/status/1240116863314604036
《文春の記事はこちら。ネット上で読める。途中から有料だけど数百円で読めるから、記者のためにも払って読んでもらいたい。
Ｔポイントとかでも払える。》（神奈川新聞記者　田崎基）
https://twitter.com/tasaki_kanagawa/status/1240263288715239424
《これはみんな読むべき記事だよ。》（弁護士　明石順平）
https://twitter.com/junpeiakashi/status/1240118948697444352
《今週号の「週刊文春」。《「森友自殺財務省職員遺書全文公開「すべて佐川局長の指示です」》（相澤冬樹）を読むためだけでも買いましょう。》（適菜収）
https://twitter.com/tekina_osamu/status/1240239913238278145
《亡くなったご本人とご家族を思うと言葉がない。相澤記者の執念と、掲載した週刊文春に敬意を表して、ページを開く。》
《相澤冬樹記者の覚悟の深さに感じ入る。文春記事冒頭にある取材の経緯を読むと、基本動作の徹底の先に今回の記事があることがわかる。身が引き締まる。》（朝日新聞横須賀支局長　太田泉生）
https://twitter.com/otaminao/status/1240153759369564160
https://twitter.com/otaminao/status/1240443934238593026
《文春買って読んだ。森友事件で亡くなった近財職員の手記、相澤冬樹氏の取材には、残された妻の思いも書かれている。涙なしに読めない。妻は国と佐川氏を訴追するとのこと。もっと大きく報道されるべき。》（文芸評論家　土居豊）
https://twitter.com/urazumi/status/1240173890321563649
《「週刊文春」今週号、「完売」とのこと。
さすがの「文春」でも、ここ最近、「完売」はなかったんじゃないか。
それだけ、政権が必死に幕引きを図ろうとしている、また、検察が立件しなかった「公文書改竄問題」に対する、国民の疑問や怒りが大きいということだろう。》（西岡研介）
https://twitter.com/biriksk/status/1240552211425329152
《森友自殺職員の遺書を初めて公開した「文春」が完売とのこと。50万部超が、一日で売り切れたのか、すごい。完売は、「安倍首相に鉄槌！」「船越英一郎が松居一代に離婚調停」の記事が載った2017年7月13日号以来らしい。》（朝日新聞記者　小峰健二）
https://twitter.com/kenji_komine/status/1240559829287964672
スポーツ報知は3月19日付で「『森友問題』自殺職員の遺書公開した『週刊文春』５３万部完売…『読者の支持を得られたことは励み』」を掲載している。
《文藝春秋は１９日、「森友問題」で自殺した財務相近畿財務局の職員の遺書を公開した「週刊文春」３月２６日号が完売したことを発表した。発行部数は５３万部。同誌の完売は「船越英一郎が松居一代に離婚調停全真相」を掲載した２０１７年７月１３日号以来となる。》
https://hochi.news/articles/20200319-OHT1T50157.html
こんなツイートも発見した。
《森友問題で他界された赤木上席。私は近畿財務局出向中、当時、金融監督第３課におられた上席から幾つものご質問を頂戴し、ご回答申し上げました。いつも笑顔で朗らかでおられました。あなたのような誠実な方が亡くなられたことは、我が国にとって損失であったと私は確信しております（弁護士山田祥也）》（竟成法律事務所）
https://twitter.com/KyoseiLaw/status/1240204546380410880
「レイバーネット日本」は原一男の映画「れいわ一揆」で「ど庶民」ぶりを如何なく発揮した渡辺てる子の「残酷な『ドラマ』が私たちの現実にある～『週刊文春』森友自殺職員の手記」を3月19日付で公開している。
《あるコンビニで最後の1冊を買った。こらえきれず車中でページを開いた。すぐに読むのをあきらめた。車中で嗚咽を我慢できなくなったからだ。帰宅して読んだ。動悸が止まらない。胸が苦しい。言葉が刺さる。不正を許さず、泣いて公文書改ざんを拒否した者が死に追いやられ、あっけらかんと「修正作業」を行う者がのうのうと生きている。こんな残酷な「ドラマ」が私たちの現実にある。》
http://www.labornetjp.org/news/2020/0319teru
元木昌彦は「J-CASTニュース」に発表した「深読み週刊誌　元NHK相澤冬樹が放った渾身のスクープ。『森友』で自殺に追い込まれた財務省職員赤木の遺書がもっと早く出ていれば安倍に大打撃になったのに！」で次のように書いている。
《今朝の朝日新聞と東京新聞は一面トップでこれを報じていたが、読売新聞は第二社会面に小さく載せただけである。読売新聞はメディアとして恥ずかしくはないのだろうか。
恥ずかしいといえば、今日発売の週刊現代を、迷った末に買うのをやめたのも、現代OBとして恥ずかしく感じたからである。今週の週刊文春を見て、週刊現代の編集部員たちは何も感じないのだろうか。時代と切り結べとまではいわないが、巻頭が「人生は最後に間違える」というヒマネタ特集では、週刊と名乗るのをやめるべきではないか。
コロナ関連はやってはいるが、「医者がためらいながらも出している薬」「偏差値70の有名私大ミスコン優勝者　初のAV現場」「涙は心の汗だ　僕らは青春ドラマで大きくなった」という特集を、部員たちは喜々としてやっているのだろうか。520円も出して買う読者がどれほどいるのだろう。
今度こういう企画をやったらいい。「520円で買えるモノ大特集」。牛丼ならお釣りがくる。安い居酒屋なら、日本酒が2合と少し飲める。平野啓一郎の『マチネの終わりに』(文春文庫)はKindle版だと468円だ。いかに520円が"理不尽"な値段か、考えたほうがいい。》
https://www.j-cast.com/tv/2020/03/19382648.html?p=all
元木さん、「週刊現代」はダメだけれど、樋田毅の「最後の社主　朝日新聞が秘封した『御影の令嬢』へのレクイエム」は面白そうだよ。
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000323023

-----------------------------------------------------

４）【記事】私に「廃馬のニヒリズム」を教えてくれた松田政男が亡くなった

映画批評家の松田政男が亡くなった。朝日新聞デジタルは3月20日付で報じている。
《松田政男さん（まつだ・まさお＝映画評論家）１７日、肺炎で死去、８７歳。本人の遺志で葬儀は営まない。後日、しのぶ会を開く予定。》
https://www.asahi.com/articles/DA3S14409622.html
航思社が訃報とともに詳しいプロフィールを公開している。松田政男は澁澤龍彦に「日本で最初に機動隊に立ち向かうのに、ヘルメッ