【文徒】2016年(平成28)2月25日(第4巻36号・通巻723号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】講談社第77期 決算・役員人事報告会
2)【記事】小池一夫ツイッターが炎上
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2016.2.25.Shuppanjin

1)【記事】講談社第77期(平成26年12月1日〜平成27年11月30日)決算・役員人事報告会(2月24日14:00〜講談社本社)

野間省伸代表取締役社長による挨拶
みなさん本日はお忙しいところお越しいただきましてありがとうございます。本日午前10時より第77期定期株主総会が行われまして、決算または役員体制など全ての議案が承認され、無事終了いたしました。
第77期の決算につきましては後ほど取締役の金丸(徳雄)から説明をいたしますけれども、期末の昨年11月に売上を伸ばして、前年には及ばないものの営業利益を計上しております。数字としては減収減益ではありましたけれども、この苦しい市場環境の中で一定の成果を上げられたのではないかと思っております。
昨年、第77期のスタートにあたっては「世界中の多くの人たちの心を揺さぶる、おもしろくて、ためになるエンターテインメントコンテンツを作っていこう」「作ったものを読者に伝えるための方法を再発明しよう」と社員に呼びかけました。さらには、その二つを実現するために組織の再構築を進めました。それについてはまだ途上ですが、コンテンツの展開は結果を残しております。
コミック分野では引き続き好調な『進撃の巨人』や『七つの大罪』に加え、『監獄学園(プリズンスクール)』『コウノドリ』などの大ヒット作が出ていますし、書籍においても『流』が直木賞を受賞することができました。また、『ママがおばけになっちゃった!』は若い母親たちを中心に高い評価を受け、創作絵本としては異例の勢いで売上を伸ばしております。
デジタル関係も依然として順調です。『現代ビジネス』がページヴューを大きく伸ばしておりますし、講談社の雑誌が主力となっている「dマガジン」や、人気のユーチューバーを起用した動画媒体の『ボンボンTV』なども含め、伝え方の再発明への挑戦も進んでいるところです。
デジタル事業の伸長と相まって、海外やライツの展開も引き続き好調です。とりわけ海外展開の中では英語版コミックの電子配信・マーケティングを行う講談社アドバンスドメディアをサンフランシスコに作りましたが、こちらが早くも好成績を上げています。
既に始まっている今期(第78期)も、本谷有希子さんの『異類婚姻譚』が芥川賞を受賞し、幸先の良いスタートを切ることができました。さらには、小保方晴子さんの『あの日』も4刷・25万部を突破し、話題をさらっております。
出版界は依然として厳しい状況が続いており、予断を許しませんが、全社が一丸となって「おもしろくて、ためになるエンターテインメント・コンテンツ」を読者に届けていきたいと考えています。
役員の改選についてですが、この2月で任期満了の取締役・監査役は9名で、森武文、山根隆、清水保雅、鈴木哲、峰岸延也、渡瀬夏彦、森田浩章、非常勤取締役の重村博文、監査役の足立直樹さんの9名全員の重任とし、役員体制は変更いたしません。常勤役員の担務についてもこれまで通りといたします。昨年4月1日から大規模な機構改編を行い、現在の14局体制に移行しました。新体制となってから局長レベルの情報共有が格段に進んでおります。
また、『週刊現代』の新年特別号を第一事業局企画部が編集するなど、各局内でのシナジー効果も順次現れています。とはいうものの、新しい組織に実効性を持たせる施策はまだまだ道半ばです。情報共有についても局長レベルから部長レベル、さらには部員レベルへと進めていかなければなりません。役員には昨年4月以降取り組んでいただいている改革をさらに推し進めて確実なものとするようお伝えしました。今回役員体制を変更しなかったのはそのためだとご理解ください。役員の担務については後ほど専務の森から報告をさせていただきます。
先ほど申し上げたように今期は話題作が年初から連なるなど、年初から期待の持てる出だしとなっております。もちろん気を緩めることはできませんが、冒頭に申し上げた「世界中の多くの人たちの心を揺さぶる、おもしろくて、ためになるエンターテインメントコンテンツ」を作ること。我々が作ったコンテンツを求める人々に伝える仕組みを再発明すること。これらを忘れずに社員全員で前を向いて進んでいきたいと思っております。みなさまのご協力をよろしくお願い申し上げます。

◆第77期(平成26年12月1日〜平成27年11月30日)決算報告
売上高 1168億1500万円(前年比98.1%)
《内訳》
雑誌        678億2000万円(同94.2%)
 (雑誌)     167億6600万円(同100.8%)
 (コミック)   510億5400万円(同92.2%)
書籍        175億6700万円(同82.3%)
広告収入      48億1100万円(同86.4%)
 (雑誌)     47億2900万円(同85.5%)
 (その他)       8200万円(同227.1%)
事業収入     218億5400万円(同134.8%)
 その他     16億0900万円(同190.6%)
 不動産収入   31億5100万円(同101.5%)
税引前当期純利益 34億6200万円(同89.4%)
当期純利益    14億5400万円(同52.8%)

◆金丸徳雄取締役による決算報告についての説明(※上記の決算データと重複する部分については略)
たる出版事業に関する売上高は製品売上・広告収入が落ち込みましたが、デジタル・版権分野を中心に事業収入が前年を大幅に上回りました。しかしながら合計では前年に及ばず1136億円(前年比98.0%)となりました。出版事業では製品売上は853億円(同91.5%)でした。また、上の「コミック」のうち当社で言うKCすなわちコミックの単行本は325億円でした。事業収入218億円のうちデジタル関連収入は121億円(同140.8%)、国内版権収入は66億円(同112.6%)、海外版権収入は30億円(同164.3%)となっています。
原価面では製品の直接製造費の削減に努めてまいりましたが、発行部数の減少と売上率の低下により原価率は前年並みとなりました。費用面においてはパートワーク創刊に伴う宣伝費は増加したものの、在庫の抑制等により費用全体は下回りましたが、売上の減少を補うには至りませんでした。以上の結果、税引前利益は前年より4億円の減益、当期純利益は同13億円の減益となりました。
ここ数年、出版ビジネスを取り巻く環境は厳しさを増していましたが、一昨年以降の中堅取次会社の破たんが示すように、コンテンツが読者へ自動的に届いた時代は終わりを告げたと認識しています。この認識のもと、大規模な組織改革を実施いたしました。編集部門はターゲット別視点で大括りに再編し、従来の紙だけの発想にとらわれず、読者・お客様の立場に立って新しい媒体の開発や事業に取り組むことを体現するため、名称を編集局から事業局に変更しました。営業部門もコマ切れだった組織を一体化させ、事業局に正対する組織構成に再編いたしました。
各部門についてですが、雑誌は本誌の売上減・広告集稿減に歯止めがかからず厳しい状況が続いています。その一方で「dマガジン」をはじめとするデジタルの売上は大きく伸長しました。また、ここ数年取り組んできた『現代ビジネス』『ゲキサカ』『FORZA STYLE』『mi-mollet』といったデジタルメディアは着実に読者をつかみウェブ広告収入も伸ばしています。
コミックは映像化作品から『アルスラーン戦記』『監獄学園(プリズンスクール)』『コウノドリ』などのヒット作が誕生しました。『進撃の巨人』『七つの大罪』も引き続き好調を維持しています。電子書籍が大きく伸びたほか、アニメ化・イベント・海外展開と多面的なビジネスの拡がりが収益に寄与しています。また、デジタル動画配信『ボンボンTV』を開局するなど新しい取り組みにもチャレンジしています。
書籍は小野正嗣氏の『九年前の祈り』が芥川賞東山彰良氏の『流』が直木賞を受賞し、講談社文芸の力を世に示すことができました。また、創作絵本としては驚異的な大ヒットとなった『ママがおばけになっちゃった!』など、様々なジャンルで話題作を創出しました。
しかしながら最も大きな市場である文庫の売上が大きく落ち込んだため、収入・利益と共に厳しい結果となりました。以上が事業報告の要約です。
そのうえで、既に始まっている2016年度(第78期)の計画について申し上げますと、売上高は1173億円(前年比100.5%)。このうち雑誌は662億円(同97.6%)で、このうちいわゆる「雑誌」は174億円(同104.3%)、「コミック」は487億円(同95.4%)になります。さらにその「コミック」のうち、当社で言うKCすなわちコミックスが323億円(同99.4%)となっています。書籍につきましては181億円(同103.1%)。広告収入は51億円(同106.2%)で、うち「雑誌」は50億円。事業収入は236億円(同108.4%)です。事業収入のうちライツ・国内版権収入が70億円(同106.2%)、国際版権収入が32億円(同106.8%)、デジタルが133億円(同110.1%)を見ています。不動産収入は計画で31億円(同100.2%)ということになっています。税引前当期純利益は67億円程度ということで増収増益の計画を立てています。ポイントとしては売上率の確保と原価の削減が鍵だと考えております。

平成28年2月24日付役員人事(カッコ内は担当局)
代表取締役社長    野間省伸
専務取締役〈重任〉 森武文(広報室)
専務取締役〈重任〉 山根隆(社長室、総務局)
常務取締役〈重任〉 清水保雅(第六事業局)
常務取締役〈重任〉 鈴木 哲(第二事業局)
取締役       金丸徳雄(編集総務局、経理局)
取締役〈重任〉   峰岸延也(販売局)
取締役       古川公平(ライツ・メディアビジネス局、デジタル・国際ビジネス局)
取締役〈重任〉   渡瀬昌彦(第一事業局、第五事業局)
取締役〈重任〉   森田浩章(第三事業局、第四事業局)
取締役《非常勤》  重村博文〈重任〉
取締役《非常勤》  入江祥雄
取締役《非常勤》  大竹深夫
常任監査役     白石光行
監査役〈重任〉   足立直樹

◆2月24日付の機構改編および職務掌握の一部改編
1.広報室の読書推進事業部および植林事業部を解消し、その業務を室に移管する。
【チーム新設】
第二事業局生活実用出版部に生活実用第三編集チームを新設する。
第五編集局に文芸事業戦略チームを新設する。
【グループ新設】
広報室に読書推進事業グループを新設する。
広報室に植林事業グループを新設する。
(※この他の異動については後述)

◆森武文専務取締役による役員人事・機構改編についての説明(※上記と重複する説明については略)
先ほど社長のほうから話がありましたように、今回の任期満了の取締役・監査役は9名で、全員が重任。担務についてもこれまで通りということですが、皆様方にはまだ事業局のそれぞれの役割がはっきりおわかりいただけないところもあるかと思いますので私から説明させていただきます。
私と山根専務は社業全般につき社長を支える役割を担います。
清水常務は幼児誌・児童書・ディズニー関連を扱う第六事業局を担当します。
鈴木常務は大人の女性をメインターゲットとするコンテンツを作り、ブランド展開を図る部署、つまり女性誌・実用書を担当します。
峰岸取締役は販売・宣伝・業務・流通システム等を担う大括りの販売局を担当します。
古川取締役はライツ関連業務と、広告のコントロールタワーを担うライツ・メディアビジネス局などを担当します。
渡瀬取締役は大人の男性をターゲットとするジャーナル系・ノンフィクション系、つまり週刊誌や現代新書・学芸等の第一事業局と、文芸ジャンルの第五事業局を担当します。
森田取締役はコミックの、比較的年齢の若い層(第三事業局)と高い層(第四事業局)を共に担います。
機構改編についてお知らせしますと、講談社にとりまして読書推進事業は非常に大切ですし、菊池寛賞をいただいて、社会貢献も私どもを代表する事業です。今回、これまでやってきた機構改編に則って、広報室という大括りの中に「読書推進グループ」「植林事業グループ」という形で残します。そういった形でさらに事業を推進してまいりますので、よろしくお願いいたします。

◆質疑応答(抄録)
――改めて出版市場全体、および昨年の業績を社長に振り返っていただきたい。
野間 先ほど金丸も多少言ってましたけど、取次の苦境の話題が大阪屋、栗田出版販売、そして今年の太洋社と続き、市場が縮小する中で取次の競争が厳しくなったり書店からの支払いが苦しくなる中、取次を含めた流通システムの破たんが起きてきたことが一番大きな出来事だったと思っています。紙の出版物の売上も昨年は統計開始以来で過去最高の落ち込みということでしたし、当社も製品売上では結構大きく落ち込んだと思っています。中でもこれまで非常に大きな収益源であった文庫の落ち込みは我々にとっても痛いところです。ただ一方で、デジタル関連やライツ関連、海外などの事業収入は当社の中でも非常に順調に伸びています。もちろん紙を減らしていいということではないんですが、紙以外の収入は大事です。コンテンツが生まれてくるところは一緒ですし、それを紙や電子、アニメ、映画、さらには日本に限らず全世界へ……ということで、お客様への伝え方も非常に多様化していますし、そこでさらに対応を図っていきたいと思っています。
――小保方晴子さんの『あの日』が好調とのことですが、大きな問題を引き起こしたことですし、改めて出版の意義についてお伺いしたい。
金丸 編集総務局には法務部がありますし、そういうことも検討したということで私が答えさせていただきますが、紋切り型になりますけど当事者の主張を世に出すことはやっぱり一番重要ではないかということで、検討した結果、出すに十分値すると判断したということです。
――海外版権収入は前年比で1.6倍になったとのことですが、主な市場は英語ですか? 最近伸びている中国市場については?
金丸 その時のレートにもよりますが、売上は多いところから現在、アメリカ・中国・フランスの順になっています。必ずしも英語ということではありません。ただ、中国に関してはマンガがやはり難しいということで書籍のほか雑誌のライセンスが主になっていると把握しています。
――比率については?
高橋(明男広報室長) すみません。今はその準備がないので後ほど説明させていただきます。
野間 海外は実はまだ紙の収入だけなんですよね。先ほど講談社アドバンスドメディアについて説明しましたが、あれも昨年後半から始めて、やっと売り上げが上がってきたという状況ですので、まだまだ伸ばせるなと思っています。
――雑誌の売上にはハースト婦人画報社の売上が含まれているんですか?
金丸 ハースト婦人画報社の売上については(雑誌の売上に)入っています。これが入っていないと我が社のぶんとしては残念ながらマイナスというのが正直なところです。
――デジタル事業が好調なのはわかるんですが、その部門での広告収入は決算報告におけるカテゴリーではどこに含まれるんですか? 広告収入の「その他」なのか、それとも事業収入、たとえばデジタルにカウントされるのか……。
金丸 こういう会見の場では「雑誌か? 書籍か?」という問いはよく求められるんですが、我が社の中でも事業局の中で(双方も含めた各ジャンルが)混在していますし、あまり意味を持たない。これが正しい分け方なのかはわかりませんが、ウェブの広告収入については雑誌の広告収入に入っているとお考えいただければと思います。広告収入のうちの「その他」というのは、例えばロゴの使用料や手数料など、まさに“その他”という感じのものが多いです。
――だとすると雑誌広告収入のうちウェブの収入は現状どのくらいの規模になっていますか?
金丸 まだ小さいので恥ずかしくて言えないというのが正直なところですが、今年の出だしからの動向を見ていると、数億円の規模になってくると思っております。
――デジタルという括りでは好調とのことですが、その内訳は?
金丸 コミックが10とするとテキストが1ということはお伝えしますけど、その内訳についてはご勘弁願いたいというのが我々の考え方です。
――コミックが好調とのことですが、新年度の予算ではマイナスになっています。これはコミックのヒット作がないからなのか、あるいは他に理由があるのか……。
森 コミックの単行本に関しては決算では96%台になっているほか、デジタル関連での売り上げが伸びているため、それを含めた全体としての売上は伸びています。
――単行本の売上がマイナスになるというのは?
森 昨年度もヒット作はあったのですが、その前に『進撃の巨人』が爆発的にヒットしたほどには至らなかったということです。
野間 来期の予算でコミックがマイナスを見込んだことについては、実は予算を決めた段階で想定していたよりも、決算の数字が結果的に上回ってしまったということです(笑)。常に増収の計画を立てるつもりで取り組んでいるのですが、その計画を立てているうちに前年度の最終的な売上が思った以上に伸びたため、予算の数字としては結果的に前年比でマイナスになったということです。たぶん、決算ではこれをもっと超えてくれるんじゃないかなとは期待していますが。
――文庫の売上が落ち込んだ理由は?
森 文庫については非常に苦戦したというのが実情です。文庫市場全体が冷え込んでいることは私もとても危惧していますし、私共も厳しい状況でした。ただ、昨年は百田尚樹さんや池井戸潤さんのヒット作品があったのに比べて、今回はそこまでのヒット作がなかったということが対前年比を大きく下回ってしまった理由です。とはいえ文庫は利益率が高い分野ですし、私共としても何とかテコ入れを図っていきたいと考えております。
――デジタルについての今後の方針は?
金丸 私は担当ではないのですが、デジタルのテキストのほうがまだかなり伸びる余地があるのではないかということで、電子化率を増やしたり、最近始まりましたが大物の作家で作品がまだ電子化されてない人を説得して電子化していく。それから、幼児ものとか学術ものとかは図書館等、新しいルートで売れるものについては開拓していくというのが伸ばす方向かなと考えています。コミックについては全体のヒットにかなり影響されますし、電子化率もかなり進んでいますので、その辺はそちらと一緒にやっていこうと考えております。

◆2月24日付人事異動
【新編集長(チーム長)】
第一事業局学芸部部次長 青木肇 現代新書編集長
第一事業局学芸部部次長 篠木和久 ブルーバックス編集長
第二事業局生活実用出版部担当部長 高附厚 生活実用第三編集長
第六事業局第二出版部部次長 太田美千子 ディスニーファン編集長
【人事異動(部長以上)】(カッコ内は異動前の旧職)
第二出版事業部長兼務を解く=第六事業局長・清田則子
文芸第二出版部長兼務を解く=第五事業局担当局長・唐木厚
広報室植林事業部長兼務を解き広報室担当局長兼務とする=販売局担当局長・小岩茂樹
広報室読書推進事業部長を解く=広報室次長兼第六事業局次長・田中秀幸
庶務部長兼務を解く=総務局次長・阿部利行
広報室次長兼務とする=第一事業局長・奥裕好
総務局庶務部長(販売局第二事業販売部次長)新海雅之
兼文芸第二出版部長(兼同部担当部長)第五事業局部長・西川太基
兼第二出版部長(兼同部担当部長)第六事業局部長・佐々木健

                                                                                                                        • -

2)【記事】小池一夫ツイッターが炎上

小池一夫ツイッターが炎上した。2月21日の次のようなツイートが原因だ。小池のカミさんの発言と言った方が正確か。家出中の中1女子が出会い系サイトに登録し、男に連れ去られた事件を取り上げ、次のように書いた。
「【今日の家人】今日も中1の女の子を連れ去ったと、馬鹿な男が捕まっていたけど、きっかけはネットの出会い系サイトなのよ。中1で男が欲しかったのか、お金が欲しかったのか分からないけど、中1で出会い系サイトで男と知り合う女の子は、もう女の子じゃない。女。しかも、倫理観も貞操観念もない女」
https://twitter.com/koikekazuo/status/701261058237812737
「今回の暴言は今までにもまして酷いですね。その子の事情を想像すらせず断罪する「家人」、疑問も持たずにそのまま垂れ流す小池氏。夫婦そろって被害者を冒とくするんですね。本当に酷い」
セカンドレイプの概念もわからないのか、わからないふりをしているのか」
「ひどい家庭に育ってやむにやまれず家出している最中かもしれないし、そうでなくともただなにか心に空洞があって構ってほしいだけかもしれないだろうに、いきなり倫理観も貞操観念もない女とは何事ですか びっくりする」
「出会い系サイトがどんな目的か、男性は完全に理解していたでしょうが、13歳の少女が無知だった可能性がゼロだと思いこみ、このように決め付けるのは偏見。未成年者に、出会い系サイトにアクセスする危険性を具体的に知らせないこの社会で、加害者を免責するような発言です」
小池一夫自身も次のようにツイートしている。
「若い人に言いたいのは、子ども時代は子どもらしく遊び、思春期には恋をするという風に、自分の世代毎の事をきちンと経験しながら大人になる事の大切さだ。そういう事をすっとばしてしまうと、大人になってからもう一度、人生を生き直す事になる。しかも、歪な形で」
https://twitter.com/koikekazuo/status/701292524544000000
「そういう経験や段階を積ンで大人にならないと、金や地位を手に入れて自由になった時、子どもが欲しがるようなものをコレクションしたり、異性に異常に執着したりする。大人が大人になるには、自分の世代をきちンと経験しておかねばならないのだ」
https://twitter.com/koikekazuo/status/701292660183543809
こうした発言が火に更に油を注ぐ結果となり、炎上がつづいた。しかし、小池は炎上を忌避すべき事態と捉えるのではなく、ソーシャルメディアの言わば「平場」における対話を通じて学んでいく。2月23日に小池は自らのブログに「僕の変わったところ、変わらないところ。」を発表する。そこで小池は「皆さまの意見を読んで、僕の意見もずいぶん変わりました」と書く。「変えさせてくれて、ありがとうございます」とまで言う小池は変わった点を列挙する。
「…考えが大きく変わったのは、女の子はあくまで女の子であり、僕を含め「子どもは社会が守る」ことが前提であるという意識が欠落していたことです」
「僕は、13歳の女の子の落ち度を責めるよりも、加害者の男や、予備軍の男たちを断罪すべきでした」
「その女の子の背景を考えず、『子供なのに出会い系で男と知り合おうとした少女』という点にのみ言及したことです」
「被害に会った女の子に「自らどういう場所かわかっていただろう」と責めるのは、当事者ではない僕ではなく、その子の親や、警察が注意指導すべきことです。
僕がツイッターで責めるべきことではありませんでした」
そのうえで小池は次のように述べる。
「…最後まで変わらなかった意見は、『何があっても、女子中学生や女子高生は『出会い系サイト』等にアクセスするべきではない』という点です。連日、少女たちの被害が報道されますが、泣寝入りしている人も多いでしょう」
http://lineblog.me/koikekazuo/archives/4036947.html
新聞や雑誌といったソーシャルメディアが可能にした水平軸のコミュニケーション(広場性)によって生み出される「ライブ」のダイナミズムである。

                                                                                                                        • -

3)【本日の一行情報】

講談社女性誌「フラウ」に掲載された山口智子へのロングインタビューが話題になっている。新聞としては最左派の2月24日付「東京新聞」が何と「こちら特報部」で「産まない選択 ダメですか」として取り上げている。また2月23日売「女性自身」は「『産まない女はダメですか?!』―それは彼女の心の叫びにほかならない」として取り上げている。山口は次のように語っている。
「何を結婚の定義にするかにもよると思います。私は特殊な育ち方をしているので、血の結びつきを全く信用していない。私はずっと、『親』というものになりたくないと思って育ちました。私は、『子供のいる人生』とは違う人生を歩みたいなと」
http://www.joseishi.net/2016/02/18/604/
http://www.kobunsha.com/shelf/magazine/current?seriesid=101001
日刊ゲンダイでも取り上げている。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/175350

徳間書店は「チャンスの波に乗りなさい」の発売を記念し、著者である澤満壽子と、特別ゲストに娘の澤穂希を迎えて「母娘トークイベント」を2月28日にホテルメトロポリタン エドモントで開催する。「チャンスの波に乗りなさい」は重版するなど売れ行きが良いようだ。
http://www.tokuma.jp/topicsinfo?tid=9490

◎ 復刊であるにもかかわらず、ギャグ漫画「翔んで埼玉」(宝島社)が30万部を突破。表紙に「埼玉県民にはそこら辺の草でも食わせておけ!」と入れたのが商売としては大正解だったのだろう。インパクトあるもの。
http://www.sankei.com/photo/daily/news/160223/dly1602230007-n1.html

◎ 「新日本プロレスぴあ2016」が2月29日に発売される。
http://cyclestyle.net/article/2016/02/23/32914.html
こういう出版は、ぴあの得意とするところである。

◎日販とぴあが3月11日(金)〜13日(日)の3日間、横浜赤レンガ倉庫前広場にて開催する「パンのフェス 2016 in 横浜赤レンガ」(http://pannofes.jp/)の出店が続々と決まっているそうだ。第1弾として発表されたのは、次の通りだ。
■AFFIDAMENTO BAGEL(アフィダメントベーグル) ■THE OPEN BAKERY ■カラヘオベーカリー ■キナリノワ ■小麦と酵母 満 ■特定非営利活動法人NGBC ■トライベッカベーカリー ■Natural Meal Lab. ■Pain de U ■Fusubon(フスボン) ■ブーランジェリー アツシ ■ブーランジェリー ア・ラ・ドゥマンド ■ブーランジェリー ルレイ ■ベーカリー ペニーレイン ■ボンジュール・ボン ■ボンヌ・ジュルネ ■ポンパドウル ■ますやパン ■麦カフェ ■MEINA ■ 焼きたてパン工房 ゆうは ■横浜市綜合パン協同組合 ■横浜パンの家 ■ローゼンボア
http://www.dreamnews.jp/press/0000127314/
これは行きたくなるよね。

セガゲームス コンシューマ・オンライン カンパニーは、「ぷよぷよ」シリーズ25周年を記念したニコニコ生放送番組“ぷよにこテレビ”を2月25日(木)18:30から22:40の250分間配信する。
http://www.famitsu.com/news/201602/22099946.html

ドワンゴは、9月15日(木)から9月18日(日)までの4日間、幕張メッセで開催する「東京ゲームショウ2016」において、特別協力企業として同イベントをサポートすることになった。日経BP社が共催するイベントでもある。
http://dwango.co.jp/pi/ns/2016/0223/index.html

◎LINEはアップデートにより、1,500万曲以上のLINE MUSIC収録曲の中から好みの楽曲をプロフィール画面に設定できる「BGM設定機能」の提供をiPhone版で開始した(Android版は1月21日より提供済み)。
http://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2016/1242

◎LINEは、「LINE Creators Market」において、ユーザーがLINEの「着せかえ」(LINE全体の画面デザインを変更することができる機能)を制作・販売できる「クリエイターズ着せかえ」を4月下旬より開始する。個人でもできるということだ。
http://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2016/1243
既存のメディアは「誰でもできる」というアプローチを大の苦手としている。

◎「& Premium」(マガジンハウス)の芝崎信明編集長が次のように語っている。
「やはり情報の発信の仕方がウェブと雑誌では違いますよね。雑誌には紙の束であることの利点もあると思います。ページをぱらぱらとめくることで気づくこともありますし、読みたかった記事の隣の記事がおもしろかったみたいなこともあるでしょうし、一冊全体でのストーリー性や、世界観なども伝えることができますよね。いまは本誌がA面だとしたら、andpremium.jpがB面のような存在です」
http://top.tsite.jp/news/magazine/i/27738671/?sc_int=tcore_news_recent
「& Premium」であれば雑誌がA面で、ウエブがB面という考え方で良いと思う。数万部という規模で伝統芸のようなクオリティで勝負する雑誌であれば、と言い換えても良いだろう。10万部を超える雑誌となれば、話は別である。また、「新しい事件」を起こすなり、時代に波紋を起こそうと企むのであれば、ウエブがA面という選択肢しかないはずである。いずれにしても、芝崎編集長は誰にも真似することが出来ないような雑誌をつくりつづける天才的なアルチザンである。

KADOKAWAは、電撃文庫ソードアート・オンライン」において、日本IBMとのコラボにより、 バーチャル・リアリティー・ゲーム「ソードアート・オンライン」の世界観をIBMクラウド・サービス「SoftLayer」上で再現・体感できるイベント「ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM」を、3月18日から3月20日まで東京都内において開催する。
http://www.vrmmo-project.jp/
http://gamebiz.jp/?p=157316

◎「絶歌」を上梓した少年Aを最初に直撃したのは「女性セブン」(小学館)であった。
http://www.news-postseven.com/archives/20160223_387288.html

◎1986年に刊行した外山滋比古「思考の整理学」(ちくま文庫)が、2月24日に搬入された107刷目の重版をもって累計発行部数が201万4,400部となり、ダブルミリオンを達成した。19刊行以来、30年をかけての快挙だ。
https://www.atpress.ne.jp/news/90547
既刊本だった「思考の整理学」がベストセラー街道を走り始めたのは、さわや書店での仕掛けが成功してのことであった。元社員の大河久典のことを思い出さずにはいられない。

ディー・エヌ・エーグループのペロリは同社が運営し、2000万UUを誇るキュレーションメディア「MERY」で、外部パートナーのコンテンツの閲覧を可能にする「MERY Partner Program」の提供を開始した。メディア企業13社と連携して「MERY」内の各カテゴリページで、合計15媒体のコンテンツの閲覧ができるようになった。外部パートナーは次の通り。
アソビシステム「HARAJUKU KAWAII!! STYLE」
エムオン・エンタテインメント「andGIRL」「mamagirl」
カエルム「NYLON.JP」
グッドライフOS「AUTHORs JAPAN BEAUTY」
三栄書房「FUDGE.JP」
集英社「MAQUIA ONLINE」「SPUR.JP」
主婦と生活社「web!ar」
昭文社「ことりっぷ」
ソニー・ミュージックレーベルズ「ARCH DAYS」
ハースト婦人画報社「ELLEgirl」
バイバース「GODMake.」
Food & Design Post
メディアジーン「MYLOHAS」
RIDE MEDIA&DESIGN「箱庭 haconiwa」
http://peroli.jp/news/release_2016_02_23.pdf
これが「MERY」。
http://mery.jp/
MERY」を開発したペロリ取締役の河合真吾は商学部出身の「文系技術者」なのだそうだ。こんな発言をしている。
「技術面だけでなく、サービスまで含めてみています。意識しているのは、サービスとマーケティングを絡めてプロダクト設計すること。プロダクトは何かと何かを組み合わせるとレバレッジが効いてくると考えていて。最近の好きな言葉は『マーケティングを実装する』というもの。いろんなサービスを横串で見て、プロダクトとして勝てる仕組みを作っていきたい。とにかく数字を作れる人になりたいんです」
http://thebridge.jp/2015/10/takanori-oshiba-interview-series-vol-24
代表取締役の近藤綾太郎は、次のように語っている。
「雑誌業界は右肩下がりと言われていますが、とはいえ、なんだかんだ言って、ファッション誌を読んでいる女性はまだまだ多いな、という思いを持っていました。
新聞はWEBに置き換わりつつありますし、恋愛コラムなどもWEBに置き換わっています。ただ、雑誌業界は右肩下がりと言われているにも関わらず、ファッション、ヘアやネイルの情報は、まだまだファッション誌がメインで、WEBには圧倒的な存在が無いな、と感じていました。
インターネット上では情報自体がありすぎて逆に、どういったアイテムがかわいいのか、どういった美容の情報が正しいのかとか、どのヘアアレンジの情報が人気かなどがわからなくなっている、という思いもありました。
であれば、女の子が求めるような情報を、専門性の高い人たちがキュレーションという形でコンテンツ化してくれるプラットフォームがあれば、多くの女性の役に立つのでは、と考え、2013年4月に『mery』をリリースしました」
http://bireki.jp/mag/management/2014/02/03/33310/

◎「relax」の一号限りの復刊を記念して代官山蔦屋書店で、元「relax」編集長の岡本仁と「GINZA」編集長の中島敏子によるトークショーが2月28日に開催される。中島も「relax」の元編集者である。
http://top.tsite.jp/lifestyle/lifetrend/campaign/27738453/

渡辺京二の「熊本から雑誌を出そう。」という一言から、文芸誌「アルテリ」が創刊された。こんな目次である。
詩経試訳……伊藤比呂美
鬱どきのスケッチ……坂口恭平
歳月……大津 円
上田秋成「死者のゑがほ」口語訳……渡辺京二
石牟礼道子の歌……浪床敬子
カナタバル奇譚……高山文彦
続・花うり日記……坂村岳志
天女伝説……三砂ちづる
カリガリ物語……磯あけみ
ももと社の一週間……谷川魚太郎
弱者の文学……田尻久子
くすの芽……石牟礼道子
東京で扱っている書店は「青山ブックセンター本店、往来堂書店、オンサンデーズ、HADEN BOOKS、Title」だそうである。おいおい「Title」が入っているではないか。一昔前であれば東京堂書店には必ず並んだはずなのだが、今は昔である。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjC-cyVhJDLAhWFJZQKHV1JAL8QFggbMAA&url=http%3A%2F%2Fwww.zakkacafe-orange.com%2Fblog%2F2016%2F02%2F%25E3%2580%258C%25E3%2582%25A2%25E3%2583%25AB%25E3%2583%2586%25E3%2583%25AA%25E3%2580%258D%25E5%2589%25B5%25E5%2588%258A%2F&usg=AFQjCNFwD6iISmcds3R2P6Et9XdjyqEkRg&sig2=PloNgCPSM3__1H8WChoCAA

                                                                                                                        • -

4)【深夜の誌人語録】

数字もまた嘘をつく。数字を読むとは、数字を鵜呑みにすることではないのである。