【文徒】2018年(平成30)6月20日(第6巻113号・通巻1287号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】地震とデマとツイッター
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                                • 2018.6.20 Shuppanjin

1)【記事】地震とデマとツイッター

地震が起きるとツイッターでデマが拡散される。熊本地震を経験している熊本市長の大西一史がツイッターで注意を呼びかけていた。
「【デマにご注意】熊本地震時の経験から、情報の発信元にはみなさん十分注意して信頼できる情報なのかどうか?今一度十分に確認をして下さい。未確認の情報をむやみにリツイートせず、情報の真偽を確かめてから責任をもってツイートして下さい」
https://twitter.com/K_Onishi/status/1008514998253977600
BuzzFeed Japan」記者の播磨谷拓巳がツイートしている。デマはデマにとどまらない。デマによって対応が遅れてしまうのだ。
熊本地震のとき、『ライオンが脱走』というデマが広がりました。当時、現地取材していたのですが、地元警察の方が「ネットで情報があがっていたら確認しに行かないといけない。その分、ほかの対応が遅れる」と言っていました。デマを流すとはそういうことです」
https://twitter.com/takumiharimaya/status/1008572712774598656
今回もデマが大量にツイートされたようだ。こんな具合。
「京セラドーム大阪の屋根に亀裂が入っている」
京阪電車が脱線している」
「シマウマが脱走」
「在日外国人の窃盗・強盗にはくれぐれも注意を」「外国人は地震に慣れていないから真っ先にコンビニ強盗を始めるか空港に殺到する」といった差別ツイートも氾濫したようだ。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180618/k10011483421000.html
毎日新聞は「大阪震度6弱 電車脱線、シマウマ脱走…デマ拡散 注意を」を掲載している。
「シマウマの写真を添えて『大阪府北部の震度6弱地震でシマウマ脱走って』との投稿も。この写真は、2016年に愛知県の農場から逃げたシマウマを撮影したものとみられる」
https://mainichi.jp/articles/20180619/k00/00m/040/046000c
「女性セブン」に「立て板に泥水」を連載中の深爪のツイート。
「『地震でシマウマが脱走した』とデマを流した人、前に『ライオンが脱走』のデマで逮捕者が出たけど草食動物ならギリセーフみたいに思ってそうだし、やることが完全にゾウリムシ以下」
https://twitter.com/fukazume_taro/status/1008624811063439360
バンド「凛として時雨」のピエール中野は偉い!ツイッターは災害時に「武器」としても使える。
「災害情報のアカウントをリスト化してるので、お役立てください。また、このアカウントも加えた方が良いなどあれば教えてください。 https://twitter.com/pinakano/lists/jishin …」
https://twitter.com/Pinakano/status/1008549380738019328
「日経 xTECH 」の編集委員の木村岳史は「福田村事件」に触れせている。
「相変わらず、災害時でデマを発信したり、リツイートして喜んでいるアホが何人もいるようだが、たいがいにしないと、そのうち取り返しのつかないことになるぞ。私が住む東葛地域にも悲惨な例がある。福田村事件でググってみるべし」
https://twitter.com/toukatsujin/status/1008860251976695808
関東大震災から5日後のことであった。東京人権啓発企業連絡会の「ひろげよう人権」は福田村事件について次のように説明している。
「この大震災と、流言蜚語の生み出した社会不安のなか、地震発生から5日後の9月6日に、千葉県東葛飾郡福田村(現・野田市)の、利根川河畔にあった三ツ堀の渡し付近で、大災害のために組織され、警戒にあたっていた福田村、田中村(現・柏市)の自警団に、香川県三豊郡出身の売薬行商団一行15人が、『不審者』として疑われ襲われました。そして一行のうち幼児、女性を含む9名が殺害され、死体は利根川に流されてしまうという大惨劇となりました。
事件の発生地が旧福田村であったことから、『福田村事件』といわれています」
https://www.jinken-net.com/gozonji/step/0308-2.html

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2)【本日の一行情報】

芥川賞の候補に俳優や映画監督としても活躍する松尾スズキが3回目のノミネート。受賞すれば話題になるだろうな。
http://mainichi.jp/articles/20180617/dyo/00m/200/015000c

◎100周年を迎えた「パナソニックは3月9日、全国紙や地方紙、業界紙を含めた全60紙の朝刊に、47都道府県すべて違う異色の新聞広告を一挙に掲載」していたのか。これは大変な作業だったと想像する。しかし、何故、私は気がつかなかったのだろうか。「アエラ」6月18日号によれば「SNSなどで積極的に発信すれば、この広告は、おそらくネット上でも大きな話題となったはずだ。けれども、そうした手法はあえて封印された」ということだ。
https://dot.asahi.com/aera/2018061500032.html?page=1

◎「創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展 VOL.3 2000年代〜、進化する最強雑誌の現在(いま)」は、森アーツセンターギャラリーにて7月17日から9月30日まで開催されるが、「Weeklyコーナー」が設置され、初日の7月17日には、7月14日発売の「週刊少年ジャンプ」33号の表紙の原画などが展示され、以降も最新号が発売されるごとに展示内容が変更される。まさに「現在」を伝える仕掛けだ。
https://natalie.mu/comic/news/287110

◎昨日報じた村上春樹が「POPEYE」誌面に登場する件。特集は「サーフボーイと夏休み!」である。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000030125.html
最近、加山雄三の映画「若大将」シリーズを見直しているのだが、「POPEYE」の原点は若大将なんだと痛感した次第である。マガジンハウスで加山雄三を担当したのは「POPEYE」を創刊することになる木滑良久である。デビュー直後の加山に石原裕次郎を葉山で会わせたのも木滑である。

◎いや本当にそうだ。電通だけの話ではない。電通ビジネスプロセスマネジメント局局長 兼 CoE推進室長の小柳肇が「ダイヤモンド・オンライン」の「電通長時間労働対策で『ロボットが業務代行』に辿り着くまで」で次のように語っている。
「・・・現在のマネジメント層は自分の手を使って大量のデータ処理の実務をした経験が乏しく、営業やクリエーティブで培った業務経験がマネジメントに活かしにくい世代です。部下の過重労働をやめさせ、スタックがあれば解消することが責務だと分かっていても、部下が出すデータの作成にどのくらい時間がかかるものなのか、手触りとしてわからないのが実情です。この、『自分の経験したことのないことについてマネジメントしなければならない』という状況は、広告業界に限らずすべての業種・業態で起こっているのではないかと思います」
https://diamond.jp/articles/-/172411

電通は、市場の拡大が見込まれるスポーツ・エンターテインメント領域のVRビジネス開発支援体制を強化し、スポーツ・エンタテインメントコンテンツ体験の第1弾として、リアルとVRを行き来する新しいスポーツ観戦体験のためのプロトタイプ「Fanglass」を開発した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2018066-0618.pdf

◎「WEBRONZA」に掲載された「『漫画 君たちはどう生きるか』が売れる時代」でマガジンハウスの鉄尾周一取締役編集担当の発言。
「先日、日大アメフト部の選手による反則タックル問題がありましたね。あの日大の選手が『君たちはどう生きるか』の主人公である中学生“コペル君”とダブってみえて仕方ありません」
確かに、そうだ。次のような発言にも納得。
「先ほど述べたように、学校でのいじめや暴力、所得格差や貧困といったこの小説が扱うテーマは、実はどの時代にもある普遍的なテーマです。しかし、バブルの頃は、所得格差や貧困の問題はバブルという「オブラート」に包まれ、今ほど深刻に感じなかったのではないでしょうか」
http://webronza.asahi.com/culture/articles/2018061200004.html

花田紀凱の指摘。
「『週刊文春』(6月21日号)のトップは「新幹線殺人犯小島一朗 実父語る150分『息子を棄てた理由』」。このタイミングでこれができるのは『文春』の実力」
http://www.sankei.com/life/news/180617/lif1806170006-n1.html

KADOKAWAは、スマホ向け公式アプリ「KADOKAWAアプリ」を6月15日(金)にリリースした。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000004648.000007006.html

テレビ朝日は、7月放映開始予定の連続ドラマ「幸色のワンルーム」の放送を中止することになった。関西地区では朝日放送が予定通り放映する。朝日新聞デジタルは次のように書いている。
「原作に対しては、埼玉県朝霞市で誘拐された少女が同年3月に東京都内で保護された事件をモデルに創作したのではないかとの臆測が広がった。ドラマ化すれば被害者を中傷し、誘拐を肯定しかねない、と反発が出ていた」
https://www.asahi.com/articles/ASL6L53Y0L6LUCLV00M.html

国際紙パルプ商事が6月26日、東証1部に上場する。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018061800835&g=eco

◎神戸市と楽天は6月13日、楽天グループが展開する電子図書館サービス「Rakuten OverDrive」の提供に関わる協定を締結した。これにより「KOBE電子図書館 by Rakuten OverDrive」を6月22日に開設する。
https://resemom.jp/article/2018/06/18/45155.html

◎「図鑑NEO」シリーズ(小学館)の新CMが公開された。出演する芦田愛菜も今や中学2年生。
https://mantan-web.jp/article/20180618dog00m200052000c.html

◎ローソンはアニメ「BANANA FISH」とタイアップしたキャンペーンを7月31日よりスタートする。原作は小学館から刊行されている吉田秋生の同名マンガである。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1806/19/news029.html

小学館の女性ファッション誌「CanCam」が空間プロデュースするナイトプール「CanCam×Tokyo Prince Hotel Night Pool」が7月7日から9月17日まで、東京プリンスホテルで開催される。入場料は、女性4320円、男性6480円。
https://mainichikirei.jp/article/20180618dog00m100004000c.html

◎「KAT-TUN」が、集英社が擁する女性誌7誌にリレー形式で登場する連動企画「Many sides of KAT-TUN」がスタートするそうだ。20日発売の「non-no」8月号を皮切りに「MAQUIA」「Myojo」「SPUR」「MORE」「eclat」「Marisol」に登場する。
https://mantan-web.jp/article/20180618dog00m200042000c.html

ワコムは7月26日(木)より全国4都市(大阪、札幌、福岡、東京)で、夏休みイベント「りぼんデジタルまんが教室」を開催し、各会場で20名を抽選で招待する。
https://www.wacom.com/ja-jp/about-wacom/news-and-events

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3)【深夜の誌人語録】

権力を笠に着て権威をひけらかすことが個性であると勘違いしてはなるまい。