忌花学廃人篇 其の八

柿色の殺意を纏ふ宿酔
恋してももちろん冬がやつて来る
日の本の国家死すとも雁渡る
父なれば小春日和の呆け悲し
国破れ裸婦の舞ひ散る神無月
胸反らし脚震はせて聖誕祭
武器ひとつ黒衣に秘めし冬薔薇
凩や乳房に埋まる夜の棒
極めつつ堕落奈落の落葉焚
擦れ違ふ聖誕祭の待ち惚け
絶巓の虚空に神は凍死せり (コメント参照)
液放つ公衆便所に冬の蠅
凍蝶の昇天前に果つる夢
マフラーで首吊る浪漫主義の王
性愛に斃るる棒の去年今年
鳩時計音色に刻む死は無数