【文徒】2015年(平成27)5月15日(第3巻89号・通巻534号)

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1)【記事】女性誌を刊行していた芸能プロの社長が少女に性行為強要で逮捕された
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】女性誌を刊行していた芸能プロの社長が少女に性行為強要で逮捕された

田代仁なる日本名を名乗っていたフィリピン国籍の芸能プロダクション元社長が児童福祉法違反容疑で逮捕された。ベレン・オリバー・オリベッティ容疑者は15歳のモデル志望少女に「体形を確認する」と服を脱がせ、性行為に及んだという。この芸能プロダクションは「センディング」。六本木発アイドルグループ「Ange」(アンジュ)が所属しているし、20代向け女性誌「jiggy」(ジギー)も発行していた。
http://www.sankei.com/affairs/news/150513/afr1505130021-n1.html
http://jiggy-jiggy.jp/
http://sending.jp/
被害女性は複数に及んでいるようだ。容疑者は女性誌「jiggy」の専属モデルを餌に女性に迫ったようである。日テレNEWSで被害女性は次のように語っている。
「新しい雑誌を作るから専属にならないかと言われて、そのためには、お金の契約と俺の彼女になることが条件と言われた。その契約書を書く前に階段に呼ばれて、わいせつなことをさせられました」
http://news24.jp/articles/2015/05/13/07274926.html
雑誌の信用性まで毀損してしまう、後味の悪い事件である。

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2)【本日の一行情報】

◎確かに広告は「矢印」である。博報堂のコピーライター尾形真理子の発言である。
「コピーにもいろんな目的があると思うんですけど、その矢印をいかに作れるか。人を動かす言葉になっているか――というのが広告の役割です。
例えば『今日は晴れてるね』も、別に間違ってはいないですが、それを広告のコピーにするとしたら、『今日は外でランチを食べると気持ちいい日だね』になります。『今日は晴れてるね。じゃあ外でランチ食べると美味しいかもね』というと、人を外に出すモチベーションを作ることができるんです」
http://www.huffingtonpost.jp/2015/05/12/ogata-mariko-copywriter1_n_7262576.html
「今日は本当に晴れているのか」「明日は晴れるだろうか」と問うのがジャーナリズムの役割である。編集が「疑問」を抱かなくなったら、広告と同じになってしまうということだ。言うまでもなく編集者が担うべきはジャーナリズムであって、広告ではない。編集者がジャーナリズムを担っていればこそ、広告は編集に関心を持つのである。

KADOKAWAの実話小説「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」は単行本とこれをストーリー部分に絞って再編集した「文庫特別版」を合わせた累計発行部数が100万部を突破、映画「ビリギャル」の観客動員も100万人を突破した。
http://ir.kadokawa.co.jp/topics/20150512_fdg5w.pdf

◎「モンスターストライク」のミクシィが「パズル&ドラゴンズ」のガンホー・オンライン・エンターテイメントを売上で上回った。ミクシィの2015年1〜3月期の売上高は446億5千万円。モンストとパズドラは、ともに両社の売上の約9割を占める。ミクシィはモンストがなければ終わっていたはずだ。
http://www.asahi.com/articles/ASH5D549SH5DULFA01R.html

ソニーは4Kテレビに、グーグルが開発した基本ソフト「アンドロイドTV」を導入。パナソニックモジラの「ファイアーフォックスOS」、サムソンは日米の企業と共同開発している「タイゼン」を採用している。
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1505/13/news109.html

◎三役が横綱に勝っても金星にはならない。日本相撲協会ですらツイッターで間違えてしまった!
http://news.livedoor.com/article/detail/10104100/

リクルートホールディングスの決算は連結業績で、売上高が9.1%増の1兆2999億円、経常利益は2.9%増の1256億円、当期純利益は6.5%増の697億円。旅行事業の売上高は前年比10.3%増の534億円と2ケタ増を達成している。
リクルートホールディングスの峰岸真澄社長は決算発表の記者会見で参入を目論むヘルスケア事業について「中長期的には数百億、数千億円のビジネスを目指す」と語っている。
http://www.sankei.com/economy/news/150513/ecn1505130048-n1.html
http://www.travelvoice.jp/20150513-42799
出版社にとっても狙いどころの領域である。

光文社文庫の「舟を編む」が売れている。文庫特典書下ろし「馬締の恋文」が収録されているところがミソ。単行本を持っている読者でも、つい手を出してしまう。Honto月間ランキングだと2位も光文社文庫だ。佐伯泰英の「夢幻」がそうだ。3位が百田尚樹幻冬舎文庫「夢を売る男」。で4位が今年の本屋大賞受賞作「鹿の王」である。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1505/13/news076.html

デアゴスティーニパートワークのアイデアを募集している。商品のコンセプトを108文字以内の文章にまとめて応募し、採用されれば賞金総額100万円。受賞者が複数の場合、賞金は分配される。
http://deagostini.jp/ideaman/

学研パブリッシングは「LE VOLANT」で連載中の「萩原秀輝のSSSドラテク・アカデミー」の内容に基づいたドライビングスクールを、5月31日(日)に開催する。マセラティの最新モデルへの試乗できるほか、ギブリ、クアトロポルテ、グランカブリオを試乗車として用意しているそうだ。参加費は半日25,800円、1日49,800円(それぞれ税込)。富士スピードウェイで開催される。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000127.000007512.html

日本テレビ傘下のオンライン動画配信サービス「Hulu」は、テレビ朝日とコンテンツ・パートナーシップを締結した。これって読売・朝日同盟だよね。
http://getnews.jp/archives/954147

文部科学省は「みんなで使おう!学校図書館」のパンフレットを公開した。一部の書店にとっては朗報だろう。小学校10校(150学級)、中学校6校(80学級)のモデルケース地方自治体の場合の試算では、予算規模が蔵書と学校司書で1億7000万円となっている。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2015/04/20/1317831_01.pdf

◎マンガ家の高遠るい集英社の「グランドジャンプ」にヘイトデモ常連の漫画家「富田安紀子」が別名で原作を担当する作品を掲載していることに激怒している。ブログ「高遠るいの日記」で次のように書いている。
「…掲げる主張や日々の活動内容から言って、富田氏が常習的なヘイトスピーカーであることは議論を待た(ママ・正しくは「俟た」)ない。ハッキリ言おう。こういう筋の人間でも大手出版社のまともな本で仕事ができる、という前例をひとつ作ってしまったことが、今回の問題点である」
http://d.hatena.ne.jp/ruitakato/20150513
http://togetter.com/li/820953

集英社が創業90周年記念企画「冒険の森へ 傑作小説大全」の刊行をスタートした。書店の店頭を見ればわかるが、集英社は相当の数を刷っている。2万近く刷っているのではないか。販売力のみせどころということだろう。
http://www.asahi.com/and_M/information/SDI2015051442851.html

茅ヶ崎に根を張る長谷川書店が取り組んで来た絵本の読み聞かせが200回に達したと神奈川新聞が報じている。
http://www.kanaloco.jp/article/95810

共同通信によれば「米フェイスブック(FB)は13日、ニューヨーク・タイムズ英国放送協会(BBC)など九つのメディアと提携し、これらメディアの記事や動画を待ち時間ほぼゼロで表示できるようにサービスを改善した」そうだ。
http://www.47news.jp/CN/201505/CN2015051401000717.html

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3)【深夜の誌人語録】

ひとりで過ごす時間を大切にしたい。ひとりの時間が創造力を鍛えるのだから。