【文徒】2015年(平成27)8月10日(第3巻149号・通巻594号)

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1)【記事】「comico」は双葉社と組み エブリスタがアマゾンと組んだ
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】「comico」は双葉社と組み エブリスタがアマゾンと組んだ

NHN PlayArtは、「comico」(コミコ)に連載する作品の書籍展開を加速させるべく新たに出版事業を開始し、これにあわせてオリジナルレーベル「comico books」を設立した。第1弾として「comico」で連載中の「傷だらけの悪魔」「パステル家族」「和おん!」の3作品を新たにコミックス化し、双葉社に販売委託する形で出版し10月10日に発売する。
10月以降も、毎月12日を基本に3作品から5作品を出版していくそうだ。
http://www.nhn-playart.com/press/index.nhn?m=read&docid=8650134
双葉社は「君の膵臓をたべたい」(住野よる)を発行部数13万部とヒットさせているが、これは小説投稿サイト「小説家になろう」から生まれた作品である。
http://dot.asahi.com/webdoku/2015080700002.html
小説家になろう」のような小説投稿サイトがNHN PlayArtの「comico」のように出版事業に進出し、出版社が販売委託を引き受けるというケースも今後、考えられるのではないか。
実際、こんな動きも出て来た。エブリスタがAmazon.co.jpと共同で文学賞コンテスト「Amazon.co.jp POD 文学賞」の作品募集をスタートさせたのである。受賞作はPOD書籍としてAmazon.co.jp上で販売されるという。エブリスタが出版社の役割を担い、アマゾンが印刷所、書店の役割を担う。取次を通さない仕組である。
http://estar.jp/.pc/_estar_award2_view?key=pod_01

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2)【本日の一行情報】

自民党熊田裕通議員が「お詫び」を発表した。
「このたび私のHP上に記載した、若い頃にやってしまった度を過ぎた悪戯について、各方面より多くのご批判を頂きました。ご不快な思いをされたすべての皆様と、関係各位に心よりお詫び申しあげます。
なお当該記事は削除させて頂きました。ご理解頂きますようお願い申しあげます」
http://www.kumada-hiromichi.com/giin/index.html
http://www.j-cast.com/2015/08/05242075.html
問題となった発言はコレ。
https://web.archive.org/web/20150426075811/http://www.kumada-hiromichi.com/giin/index.html#2
簡単に削除できないのがインターネットの特性ということだろう。それほど有名ではない議員の発言がここまで話題になるのもインターネットなしにはあり得なかったろう。

朝日新聞社が「朝日新聞 機動戦士ガンダム版」を400円で販売している。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000121.000009214.html

◎連合こと日本労働組合総連合会が全国の15歳〜23歳の男女1,000 名にふだん、何からニュースなどの世の中の動きを知っているか聞いたところ、「テレビ」が最も多く82.6%。次いで、「ニュースサイト」50.7%、「SNS」49.2%、「インターネット検索」41.4%の順になった。「新聞」は20.8%、「雑誌」は9.2%。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/chousa/data/20150803.pdf
ニュースに若者たちは、お金をかけない。

◎動画サービス「niconico」のプレミアム会員数が250万人を突破し、総登録会員数が5,000万人を突破したという。
http://pdf.irpocket.com/C9468/ZSDY/fTnp/Vnm3.pdf

◎「100人斬り」は本当なのだろう。
http://mdpr.jp/gal/detail/1509666

津田大介の次のような指摘は頭に入れておきたい。
「ポリタスで『沖縄都知事選』の特集をしたときに、沖縄の方から、魂が込もった原稿がたくさん届いたんです。なかには2万字を超える原稿もありましたが、離脱率も低く、読まれるものはWeb上でもちゃんと読まれるんですね。
『ネットではライトなものしか読まれない』なんて言われますが、そんなことはないということが自分でやってわかったのは良かったです」
http://blogos.com/article/126738/
これはテーマが天下国家に限ってのことではあるまい。ファッションにしても、ビューティにしても同じではないのだろうか。

◎KADOKAWAは、平成30年頃の稼動を目指し、製造・物流が一体となった最新性能の生産設備を導入するという。ユーザーの多様なニーズに応えるべく、書籍の迅速な生産・発送を可能とする最適な生産プロセス、物流システムを構築するそうだ。
また、書籍の小ロット生産や適量生産・適時配送を実現することで印刷費用、資材費用等の直接原価を削減し、返品率を改善することで利益率向上に繋げるという。このプロジェクトを通じて、出版業界全体の製造・物流プラットフォームを構築するだけでな く、業界内における流通革命を実現していくことを目指すそうだ。それだけの体力がKADOKAWA・DWANGOにあるのだろうか。
http://pdf.irpocket.com/C9468/ZSDY/fTnp/E2jo.pdf
ADOKAWA・DWANGO の第1四半期(4-6月)の連結最終損益は2.2億円の赤字であった。
http://pdf.irpocket.com/C9468/ZSDY/fTnp/eVTj.pdf

又吉直樹「火花」と羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」という芥川賞作品の全文を掲載した「文藝春秋」9月特別号の発行部数は92万3000部。
http://www.yomiuri.co.jp/culture/20150806-OYT1T50067.html
200万部超を刷った「火花」の単行本の売れ行きに響かなければ良いのだが。

◎香港政府観光局(HKTB)は、講談社女性誌FRaU」とコラボし、9月号の香港特集の特別付録として「いま旬のホットな5エリアを歩く!アガる香港ガイド」を配布するという。
http://travelvision.jp/news/detail.php?id=68606

◎ハフィントンポスト日本版の月間PVが1億を突破した。編集主幹の長野智子が次のように書いている。
「なにより、ネットメディアの強みの一つは、新聞・テレビなどのレガシーメディアでは埋もれてしまいがちな声を、『聴こえる声』にすることだと思います」
http://www.huffingtonpost.jp/tomoko-nagano/huffpost-one-hundred-million_b_7953716.html

◎「ViVi」(講談社)専属モデルの大石参月が「AneCan」(小学館)に移籍した。
http://www.daily.co.jp/gossip/2015/08/07/0008281372.shtml

佐賀県は宝島社の制作による佐賀県情報誌「SAGA TRIP GUIDE」(佐賀トリップガイド)とヘッドレストカバーを、Spring Japan春秋航空日本)の全便(成田−佐賀、広島、高松)で、全座席に設置している。
http://japan.cnet.com/release/30112227/

宝島社文庫ぼくは明日、昨日のきみとデートする 」(七月隆文)が刊行一年で13刷43万部を突破した。
http://www.work-master.net/201535731

デジタルカタパルトが運営し、ユーザーの80%以上を女性が占める電子書籍配信サイト「ソク読み」は、8月7日から白泉社作品の配信を開始した。
http://sokuyomi.jp/kod/special/201508hakusen/hakusen1.html

白泉社が「ヤングアニマル特別編集 戦後70周年記念ムック 漫画で読む『戦争という時代』」を刊行。
http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784592843023
「戦後70年」を特集するとか、別冊や増刊を刊行した女性ファッション誌ってあったっけ?

◎マガジンハウスから「ダカーポ特別編集 戦後70年を考える。」が刊行された。
http://getnews.jp/archives/1076682?utm_source=antenna

◎「globe 20TH ANNIVERSARY SPECIAL ISSUE 小室哲哉ぴあ globe編」が発売された。
http://www.oricon.co.jp/news/2057238/full/

◎「LINE MUSIC」は公開8週間でダウンロード数740万件、楽曲再生数10億回を突破した。
http://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2015/1055

◎「ゲッサン」(小学館)に連載中の歴史マンガ「信長協奏曲」(石井あゆみ)が映画化される。小栗旬主演で、公開は2016年1月23日(土)。
http://natalie.mu/comic/news/156257

◎今年2月に79歳で亡くなった隆祥館書店(大阪市中央区安堂寺町)の二村善明による「今、書店として考えること」という1800字のメッセージが話題になっている。
「子供たちに読書を広め、その読書力に貢献し、遠くまでゆくことのできないお年寄りの読書の力添え、作家と読者への橋渡し、そしてその心の交流、出版をただ売れればいいという商業主義の餌食にすることなく、出版を文化として作家を支え、読者が出版を育てるこの仲介者が書店と考えております」
http://www.sankei.com/west/news/150807/wst1508070042-n1.html

ハースト婦人画報社の「ヴァンサンカン」は今年、創刊35周年を迎えるのを記念して10月3日(土)に、恵比寿ガーデンホールで同誌史上初の大型美容イベントとなる「プリンセス美容博覧会」を開催する。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000014888.html

電通7月度単体売上高。前年比85.0%。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2015088-0807.pdf

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3)【深夜の誌人語録】

仕事で基礎をおろそかにしていると次を読めなくなってしまう。勘などよりも基礎の積み重ねが大切なのである。