【文徒】2016年(平成28)3月1日(第4巻39号・通巻726号)

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1)【記事】芳林堂書店の自己破産をめぐるネット上での貴重な(?)冷笑(岩本太郎)
2)【記事】秘密保護法違憲訴訟が東京高裁での控訴審へ。判決は4月26日(岩本太郎)
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】芳林堂書店の自己破産をめぐるネット上での貴重な(?)冷笑

かつて私(岩本)がオウム真理教問題を取材していた頃に知り合った西村雅史という人物がいる。1995年3月に教団信者が都心で引き起こした地下鉄サリン事件(まあ、今でいう同時多発テロの日本における先例だ)以降、マスメディアが連日連夜に渡って洪水のごとく流し続ける報道の内容に納得できず、自らも独自にオウム関連の資料や、事件後にはほぼ発禁状態になってしまった教団制作の書籍やらグッズやら何やらを収集しつつ、自身のサイト「VAJRAYANA真理の探究」を通じた情報発信を、もう20年にわたって続けている。
http://www.bekkoame.ne.jp/i/sinzinrui/
西村は自らを”オウマー”と称しているが、別にオウムシンパでもなければ過去にオウム信者だったわけでもない。基本的なスタンスは《「『正義の立場』でオウムを斬るサイト」でも、「破防法に反対する左翼のサイト」でもありません。無論、作者はオウムの信者ではありません。かつてマスコミで使われた用語を使えば、いわゆる「オウマー(不謹慎な人間)」に当たるかと思います》(同サイトより)。
本職は時に「アカの巣窟」などとも言われる都内の某有名私立大学の職員だが、自らは「アカ嫌い」の姿勢を公言しており、上記サイト上に開設したブログ「オウマ―日記」でも、最近では巷の話題に上ることもめっきり少なくなったオウムネタも相変わらず追い続ける一方、日本共産党や、左翼だリベラルだと目されるマスメディアや文化人に対しても冷笑や罵倒の限りを尽くすがごとき、まさに不謹慎な言説を連日吐きまくっている(と言って「右翼」でもない。少し前には、いわゆるネット右翼とそれに対抗するカウンターとの争いに関連して「在特会は左翼」とも喝破していたし)。
http://sinzinrui.blog.fc2.com/
などと前置きが長くなったが、こうしたキャラクターである西村が、今回の芳林堂書店の破産に関して私が自身のブログに書いた記事に絡める形で、「Amazonなど比べ物にならないほどに日本の出版文化を破壊し続けた『街の本屋』の限りない悪」と題した記事を書いていた。
http://sinzinrui.blog.fc2.com/blog-entry-3379.html
西村はマスメディア問題の専門家ではないが、前述の通りオウム騒動当時のマスメディアの報道に納得できなかったのがサイト開設の動機だったほか、勤務先の大学内に設けられた社会問題に関する研究所のスタッフだったキャリアを持つこともあってか、出版業界に対しても忌憚も容赦もなく、かつ結構鋭い批判を時折してくれることがある。上記の芳林堂問題についてのエントリもまさにその一つだと思ったので、以下に少し長めに引用してみよう。
《しかし、これほど同情の余地のない話もない気がする。
そういえば、随分と本屋の悪口をこのブログで書いた気がする。だって、いったいどこの業界で、仕入れた本が売れなかったら問答無用でロハで返品できる小売があるのだろうか。一方、返品される側も一切割り引いてはいけないと。俺様は文化なのだと。知の世界に貢献しているのだと。
実際は、漫画の皆様方やエロ本の皆様方やセンスプ様を筆頭にしたゴシップ週刊誌の皆様方のおかげで「街の本屋」とやらの「文化貢献」が守られていたに過ぎない。それがコンビニに奪われた。ザマーミロ以外の何物でもない。
もっとも、そういう意味では、芳林堂は文化に貢献しただろう(多分)。だって、(多分)芳林堂で「面白い本」を発見しで、買った経験がかなりあったと思う(多分)から。ええ、あくまでも(多分)。しかし、商店街に意味もなく点在していた「街の本屋」とやらは、いったい何の存在価値があったのだろうか。存在価値がないどころか、委託制度に守られ品揃えを考えなくて済む本屋と、定価販売が保証されている出版社との慣れ合いを隠蔽するために、教育機関やマスメディアが「本を読もう」と子どもたちを騙すのをいいことに、何の役にも立たない「良書」を売っつけていただけではないのか。
ちなみに岩波なる書物製造業者は教育産業と新聞産業に取り込み「良書の宝庫」なるマインドコントロールを展開し、本屋に買い取らせていたという。岩波、お主、悪やの〜。ってのか、いい加減なシステムのおかげで、岩波みたいなおかしなペテンが通用したのだろう。その実態、インターネット全盛の今となっては、著作権保護が切れ無料で配布されて然るべき本を若者に騙して売りつけていたとしか思われまい》
《本当は何も必要が無いのに、まるで知性と文化の発信基地化のように騙し続けた「街の本屋」の限りない悪を激しく批判したメディアが果たしてあっただろうか。本当は、それなりに有名な漫画とそれなりに売れている雑誌と、基礎英語みたいに定番のNHKテキストとベストセラーと、売れ筋の文庫本と新書しか置いてなく、唯一の工夫がエロ本だけという「街の本屋」が私腹を肥やし続けたという限りない悪を糾弾する人など誰もいない。いないどころか、その消滅を惜しみ涙し、日本の、否、世界の知性とマイナー文化の救世主であるAmazon様を、文化破壊の張本人化のように罵る馬鹿者があまたいるのである》
当の芳林堂や書店関係者、あるいは芳林堂の破産について嘆いたり「学生時代によく利用したのに……」といった感傷的な思いを述べる向きの心情を思いっきり逆撫でするというか、死者に鞭打ち傷口に塩を塗り込むがごときともいうべき言説であるが、こうした露悪的ともいえるくらいの言説が普通に語られるようになってこそ、むしろ今回の問題についての議論を建設的な方向に持っていけるのではないかという気もする。(岩本太郎)

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2)【記事】秘密保護法違憲訴訟が東京高裁での控訴審へ。判決は4月26日(岩本太郎)

2013年12月に国会で可決・成立した特定秘密保護法については、私(岩本)が把握する限り現在までに全国で4つの違憲訴訟(東京・横浜・静岡・広島)が起こされているが、このうち私も含めたフリーランスのライターや編集者・写真家・映画監督ら40人以上が原告となって2014年3月に東京地裁に起こしていた違憲訴訟は、昨年11月18日に原告側敗訴の判決が言い渡された。
無論、原告団は即座に東京高裁へと控訴し、その第一回目となる口頭弁論が昨2月29日(月)の15時から霞ヶ関の東京高裁101号法廷で行われた。原告側からは今回、早川由美子(映画監督)、明石昇二郎(ルポライター)、豊田直巳(フォトジャーナリスト)、私(岩本=フリーランスライター)の4人が法廷で意見陳述を行った。
今回の原告4人はそれぞれ穏やかならぬ現場での取材経験を持つ。早川は現在も経産省前テントひろばなど市民運動の現場に泊まり込み取材をする中で警察のガサ入れに遭遇しているし、岩本も過去のオウム取材や近年の国会前抗議行動やヘイトデモ取材の現場で警察とは何かと攻防があった。
明石は80年代から六ヶ所村核燃料サイクル施設などの原発や環境問題の取材を進める過程で行政側とも様々なやり取りを重ねているし、豊田はイラク戦争での戦場取材から3.11後の福島での現地取材を精力的に行ってきた。そうした4人が独自の体験をもとに、秘密保護法が現場で取材を行うフリーランスのジャーナリストたちはもとより、メディア全体の報道の委縮を招きかねないのではないか……といった趣旨で一人あたり約3分、合計15分の意見陳述に臨んだ。
一審の東京地裁の弁論では、原告側の主要人物である寺澤有(フリージャーナリスト)が、それまで取材先として協力関係にあった自衛隊員が、秘密保護法ができた後に取材協力を避けるようになったことなどを事実として挙げたものの、判決で東京地裁は「それは取材対象者が取材を断るための方便にしか過ぎない」といった趣旨で退けた。当然、今回の弁論でもそこはツッコミどころとなり、私も「そんな方便を役人に許す法律を国が作ったり、そんな方便を裁判所が認めていいのか」なとと、目の前にいた裁判長に問いかけた。
とはいえ、「民事の二審はたいてい一回目の口頭弁論が終わったら即結審です」と、代理人弁護士の山下幸夫から聞いていた通り、結局今回の控訴審についても原告側から更に尋問を求めたものの敵わずやはり結審。判決は4月26日(火)15時から、今回と同じ東京高裁101号法廷で申し渡されることになった。もとより原告団としても最高裁まで上告することはあらかじめ織り込み済みであるほか、前述の通り全国各地で同様の違憲訴訟が進行中。さらには今後も新たに持ち上がってくるのではないかと思しき状況だ。
そんなわけで、今後4月26日にかけては様々なイベント的な仕掛けもしていこうということで原告団としては考えている。なお、今回の4人の意見陳述内容だが、取り急ぎ私が裁判所に提出した意見陳述書を自ら以下のブログにコピペしたので、関心がある向きはご参照まで。
http://air.ap.teacup.com/taroimo/1834.html
(岩本太郎)

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3)【本日の一行情報】(岩本太郎)

◎今年の『文藝春秋』新年号のトップに掲載され、2月には単行本にまとめられたインタビュー『小泉純一郎独白』を手掛けた常井健一は現在36歳で、ノンフィクションライターとしてのキャリアはまだわずか3年。「便箋7枚に小泉氏への疑問を綴り郵送したところ、突然携帯電話に本人からの電話があり、すぐに独占取材が決定した」のだそうだ。『BLOGOS』の取材に答えた常井は、小泉純一郎が自分の取材申し込みに応じてくれた理由として次のように述べている。
《初めてお電話をもらった時に、「あなたが書いた進次郎の本、買って読ませてもらったよ。あれだけ現場を回って取材しているのは強いよ」と言われました。小泉さんとは面識はなかったのですが、そういったこれまでの積み重ねも、取材を受けていただくことができた理由の一つだと思います》
《小泉さんなりの目論見もあったと思うんです。私は大きく3つあったのではないかと思っています》
《1つ目は、保守論壇で発表したかった。"原発ゼロ"を訴えるのに、リベラルな新聞社や出版社の媒体に発表したのでは、もともと支持しているような人たち以外に広がりにくいですよね。そこで『文藝春秋』という雑誌に意見が載ることに意味が出てくる》
《2つ目は、正月号に載せたかった。月刊誌や週刊誌は、正月号の第一特集が一番読まれるんです》
《3つ目は、フリーランス記者の取材だったから。安倍政権の場合は、フジサンケイグループなど比較的思想の近いメディアに露出する傾向がありますが、小泉さんという人は、昔から雑誌やスポーツ紙にも自分の意見が載ることを重んじる人でした。支持の裾野がより広がるからです。/敏腕秘書だった飯島勲さんが雑誌記者やフリーランスにも、きめ細かく対応をしていたくらいなのです。ですから今回も、"若い無名のライターにオープンに書かせる"というのは、ある種のイメージ戦略でもあったと思うんですね》
http://blogos.com/article/162558/
京谷六二が『出版人・広告人』で連載中の「カッパブックスの遺伝子」で書いている、かつて編集者として接した小泉純一郎飯島勲についての記述も併せて読むと、この2人の人物像が頭の中でさらに立体的な広がりを持つ。ちなみに上記記事で常井は、若手のノンフィクションライターが育たなくなったと言われる現在の雑誌業界について語る中で
《マンガの編集者と話すのが、非常に勉強になることに気づきました。どう新人を発掘するか、育てるかということを日々考えていて、そういう意欲の高い若い編集者と仕事できるマンガ家の卵たちが羨ましくなります。ノンフィクションの世界でなんとか食えるようになってきても、同業者で批評し合う文化も出版界には存在しません》
など、いくつかの興味深い発言も行っている。

◎『ガ島通信』の藤代裕之が『Yahoo!ニュース』の新たな展開について、Yahoo! JAPAN社長の宮坂学に同社広報を経由でインタビュー取材を申し込んだものの「『Yahoo!ニュース』については担当責任者から語らせたいという宮坂本人の意向」を理由に同社からは拒否回答が。ところが程なく朝日新聞に同じテーマでの宮坂へのインタビュー記事が掲載された。
http://www.asahi.com/articles/ASJ2H46Y3J2HULFA014.html
それに怒った藤代が「取材に対してウソをつく組織『Yahoo! JAPAN』が信頼と品質など担保できるわけがない」とのタイトルで書いた記事が『Yahoo!ニュース』に掲載された、というお話。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/fujisiro/20160224-00054718/

◎安保法制をめぐって昨年夏に国会前その他での大規模な抗議行動を呼び起して一躍「時の人々」となった学生団体「SEALDs」に、当時現場で半年間に渡り密着取材したドキュメンタリー映画『わたしの自由について〜SEALDs 2015〜』の劇場公開が決定した。5月14日より渋谷アップリンク他で順次全国公開とのこと。
http://www.qetic.jp/film/aboutmyliberty-160225/176508/

◎かつて『フォーカス』に掲載された田中角栄の法廷内写真や、三浦友和山口百恵のデート中の写真など数々のスクープで名を馳せたカメラマン・福田文昭が26日、「経済産業省の菅原郁郎事務次官を脅す内容の文書を同省に送った」として、脅迫の疑いで警視庁捜査1課に逮捕されたという。福田は「そのようなファクスを送ったが、仕事だからだ」と調べに対し供述しているとか。
しかし共同通信の記事が福田の肩書として載せた「自称記録カメラマン福田文昭容疑者(69)」には、フリーランスに対する悪意を感じる。ちなみに朝倉喬司が伊達正保の切腹事件で一緒に逮捕されたときの新聞記事でも、自称ルポライターだった。
http://this.kiji.is/75807525605572614
http://www.asahi.com/articles/ASJ2V416NJ2VUTIL017.html
http://hot-fashion.click/2016/02/26/post-4945/

◎1988年にRCサクセション東芝EMIから発売するはずだったアルバム『カバーズ』と、忌野清志郎が1999年にポリドールから発売するはずだった『冬の十字架』は、どちらも直前になってレコード会社から発売ドタキャンを食らった。前者は反原発ソングの収録、後者はアレンジした『君が代』の収録に対して、東芝EMIとポリドールが共に難色を示したからだとされるが、奇しくもその両社において二度にわたり幹部として忌野清志郎との交渉にあたった石坂敬一が、『Rolling Stone日本版』のインタビュー取材に応える形で当時の経緯を語った昨年6月号の記事をみつけた。
http://rollingstonejapan.com/articles/detail/25504/ALL

◎「脳卒中で意識不明となり病院に緊急搬送」などと初報で伝えられたオノ・ヨーコだったが、結局は「インフルエンザのようなもの」だったとかで既に退院もしているらしい。今や83歳というからそうした憶測が出回るのも無理からぬところだろうが、とはいえ今回の件で「あのオノ・ヨーコだっていつかは死ぬんだ!」というふうに驚愕した人たちも結構多かったんではなかろうか。ただ、かつては「世界で一番有名な日本人」とも言われたものだけど、今はどうなのかな?
http://yukan-news.ameba.jp/20160228-69/

サザンオールスターズ桑田佳祐が今年で還暦を迎えるということで、こうした連載が始まっている。デビュー曲『勝手にシンドバット』が発売される前にNHK-FMのラジオ番組『甲斐よしひろの若いこだま』でこの曲が甲斐による「これは絶対、売れる! この曲が流行んなきゃ、甲斐バンドも流行んないかも知れない」とまで推した当日の番組でかかった他の曲は、サディスティック・ミカ・バンドの『ダンス・ハ・スンダ』、内田裕也のアルバム『ア・ドッグ・ランズ』、四人囃子の『空と雲』、PANTAの『屋根の上の猫』などだったとのことだが、当時中学生だった私はこの曲を、沢田研二ピンク・レディーが席巻していた頃のTBS『ザ ベストテン』を、静岡の実家の茶の間で祖母や母や当時まだ保育園児だった妹たちと一緒に初めて聴いて以来のファンである。
http://www.tapthepop.net/song/42232

◎雑誌に貼られた「立ち読み防止テープ」を「剥がして読んだら犯罪になる?」との問いかけに答える形での「弁護士ドットコム」の解説記事。
https://www.bengo4.com/c_1009/c_1404/n_4338/
それにしても、店頭での雑誌や書籍の「立ち読み」という昔からの慣習が、実は読者と出版物との貴重な出会いの場になってきたのだということを、出版物が売れなくなってしまった昨今になって、遅まきながらというか出版関係者の多くも真剣に捉え始めているのだなという気はする。『出版人・広告人』の今年1月号のインタビューに応じた小学館の相賀昌宏社長も「あくまでアイデアの域を出ないとの前提で申し上げれば」と前置きしつつ、コンビニに立ち読み専用の雑誌を買い取ってもらうことも考えていいのではないかとの趣旨の発言を行っている。

◎あのスーパー過激な映画監督・渡辺文樹の次回作は『安倍晋三』になるのか? さる週末に恵比寿界隈をはじめとした各地に掲出された渡辺恒例の捨て看板によると、既に公開は決定し、「次作の出演者とスタッフを募集中」とのこと。少し前に告知されてた『池田大作』はどうなったのかな。
http://mkimpo.blog.shinobi.jp/Entry/2543/

◎かつて日本テレビ深夜の「NNNドキュメント」のディレクターとして数々の作品を手掛け、「ネットカフェ難民」という言葉の生みの親とも呼ばれてきた水島宏明は現在は法政大学の教授だ。その法政大学の学生が1月の軽井沢でのツアーバス事故で4名が死去。その法政大学の学内で、自らの古巣である日本テレビが学生たちに強引な取材を行った件について、同大学が抗議したという話を、水島自身が書いている。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20160224-00054696/

ドキュメンタリー映画だけを集めた「大倉山ドキュメンタリー映画祭」が3月26・27日に横浜市大倉山記念館で開かれる。映画製作者や地域のボランティアらによる実行委員会が主催する映画祭。今年のテーマは「あったかく気さくな」。
http://o-kurayama.jugem.jp/
http://mainichi.jp/articles/20160227/ddl/k14/040/273000c

◎これは良い視点からの記事だろう。JRが各地で昨今導入しようとしている富裕層向けの超豪華クルーズ列車を成功させるためには、国鉄時代の1980年代初頭に設定されてから30年以上たった今も人気商品として春・夏・冬に発売されている「青春18きっぷ」(1日乗り放題の特別企画乗車券。5枚セットで1万1850円)こそが、そうした高齢の富裕者市場からの顧客獲得の下地をなしているのだと指摘した記事。
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1602/26/news048.html
実際、欧米の若いバックパッカーたちは旅先の各地で一泊数百円のゲストハウスに泊まり歩きながら旅した後、帰国して就職した新たな職場で長らく働き、老いてから今度は再び超豪華旅行に出るのだ。このあたりの市場の動きは日本のメディア業界人も押さえておくほうがよいのではなかろうか。

静岡県三島市に「マンガ喫茶のあるマンション」が誕生したそうだ。
http://otapol.jp/2016/02/post-5813.html

KADOKAWAの「カクヨム」が昨日ローンチされた。
http://ddnavi.com/news/288875/a/

◎「しらべぇ」が「じつは犯罪?『粗大ごみ』や『電車の棚の雑誌』の持ち帰り率は」と書いているが、そもそも都心を往くJRや私鉄、地下鉄の車内の棚に雑誌が置かれている光景を見ること自体が今や少なくなった。
http://sirabee.com/2016/02/27/84201/

◎目が鱗ものの話である「ユーチューバ―」の台頭。たぶん、ひと昔やふた昔前だったら雑誌の世界にやってきたであろう人材を、今ではこうしたメディアが群雄割拠しながらどしどし活用しているということではあるまいか。
http://digital.asahi.com/articles/ASJ2R6RCJJ2RUCVL02R.html?rm=399

◎「自主廃業」発表以降、徳島県内では太洋社の帳合書店が2月末までに5店、閉店や休業に追い込まれた。
http://www.topics.or.jp/localNews/news/2016/02/2016_14566365375227.html

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4)【深夜の誌人語録】(岩本太郎)

粉々に砕け散ってしまった夢のかけらを拾い集めるところから、未来は始まる。