【文徒】2016年(平成28)6月21日(第4巻114号・通巻801号)

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1)【記事】現代書館刊『ドキュメント「みなさまのNHK」』刊行記念トークで聞こえた「NHKのみなさま」の叫び
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】現代書館刊『ドキュメント「みなさまのNHK」』刊行記念トークで聞こえた「NHKのみなさま」の叫び(岩本太郎)

先週末、6月17日の夜、東京メトロ表参道駅からほど近い南青山にあるNHK関連の宿泊施設「NHK青山荘」で「『きょうの料理』〜NHKピリ辛ソース炒め」と題したトークライブが開かれた。
きょうの料理」と言えば先に亡くなった冨田勲によるテーマ曲をオープニングに流しつつ半世紀も続いてきた国民的長寿番組。ではそのPRイベントなのかといえばさにあらず、逆に現在のNHKピリ辛に、それもNHKのOBのほか現役の職員でイタめるようなトークをしようという趣旨のものだった。
現代書館からこのほど、元NHKの報道ディレクターである津田正夫が上梓した『ドキュメント「みなさまのNHK」 公共放送の原点から』の出版記念イベントで、主催したのはNHKの「秘密結社」と呼ばれているらしい「トリイ会」という、現場職員たちが部署を超えて参加する有志の組織だった。
会場で会った版元の現代書館の代表・菊地泰博に聞いたところ「初版部数は2000部だが、NHKに働く人たちが読んでくれるのでは」とのことだった。何しろNHKは正規職員だけでも全国に約1万人いるから母数としては大きいし、この日の会場も見たところ60〜70人が参加。OBはもとより現役の職員、そしてこれからNHKに入るという学生も来ていて盛況だった。
https://www.facebook.com/taro.iwamoto/posts/1023823941005499?pnref=story
https://twitter.com/iwamototaro/status/743738848694308864
https://twitter.com/iwamototaro/status/743741708815335425
https://twitter.com/iwamototaro/status/743789549554270208
今年で73歳の津田はかつてNHKの報道現場で主に中京地区をベースに長良川河口堰などの数々な社会問題を報じてきたが、1995年に退職後は立命館大学産業社会科学部の教授などを務めながら日本におけるパブリック・アクセス(一般市民がマスメディアを通じて自らの表現を伝えること)やメディア・リテラシー教育の推進に努めてきた。そうしたことを取材してきた私ともかねがねご縁があったことから案内をいただき会場までやってきたのだが、トークのパネラーとして呼ばれた4名もなかなかに濃い目のメンツが揃っていた。順次紹介すると……。
NHK社会部記者の高野真光は、かつて地方支局勤務を終えて東京に戻ってくる際、政治部を希望したものの同部のデスクに「権力を監視する仕事に就きたい」と理由を述べたら「君は来なくていい」とその場で言われたという(このトークが終わった後に開かれた懇親会で私もNHK関係者から「NHKの政治部というのは権力の監視より局内の監視をする組織です」と言われたな)。
武蔵大学教授の永田浩三は現首相の安倍晋三が政権の座に就く前に起こった「ETV2001」番組改変問題にも携わり、異議を申し立てて早期退職した。「今回の舛添報道はあれだけ熱心にやる一方、昨年の安保法制での国会周辺での反対運動の盛り上がりはまともに報道しなかった」と指摘する。
元TBS報道キャスターの下村健一(現在は慶大特別招聘教授)はかつてのオウム事件で最前線で取材したものの1996年の「TBSビデオ問題」後に退職して「市民メディア・トレーナー」に。ところが2010年、大学時代に選挙運動を手伝った菅直人氏より請われて内閣官房の広報担当審議官に就任したことで「3.11」後の官邸前での反原発運動にも対峙。「ネットが普及したことで多様な言論が出てくるかと思ったら、現状では逆の動きが目立つ」と指摘。
現在も朝日新聞むつ支局長を務める隈元信一は、かつてNHKの会長人事の変遷をウォッチしてきた経験から「今の放送の制度をきちんと改めないとまた同様の問題が起こる。そろそろNHK=公共放送という出発点に立たず、民放や、最近各地で生まれている新たな公共放送ともいうべきメディアにも受信料を配分することも考えてはどうか」と提言した。
このようになかなかの論客が顔を並べたトークショーだったが、登壇者や客席にいた人の多くがNHK関係者で、外側に向けた発信という意味ではまだまだ弱いなと感じた。今後NHKが本当に「みなさまのNHK」になろうとするのであれば、もっと胸襟を開いて周りの社会に暮らす人々とも日常的にやりとりしながら番組を作っていくようにするべきだろう。でなければ「みなさま」ではなく「おれさま」のNHKへと陥ってしまいかねないし。

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2)【本日の一行情報】(岩本太郎)

◎『週刊文春』新谷学編集長は、とうとう「弁護士ドットコムNEWS」にまで登場した。今回のお題は同媒体のことゆえ当然「訴訟対策」。一問一答のインタビューに答える形で、記事をめぐって起こされた近年の訴訟の事例などにも言及しつつ次のように述べている。
《今、多くのメディアが訴訟リスクを避けるために、きわどい記事に踏み込むことを躊躇するケースが多くなったと聞きます。しかし、週刊文春に関しては『訴訟そのものを恐れる必要はない』と現場に伝えています》
《一番近いところでは、自民党から2013年の参院選に出馬しようとしていた田島美和さんが、過去に暴力団関係者と男女関係にあったと報じた記事(2013年5月16日号他)です。田島さんから名誉毀損で訴えられ、一審は負けましたが、控訴審では逆転勝訴することができました》
《地裁判決はかなり偏ったものだと考えました。特に、公人というものに対する裁判所の解釈についてです。選挙に立候補した人物は、極めて公人性が高いと考えていました。しかし、裁判所は、我々が思っている以上に彼女のプライバシーに配慮した判決を言い渡したので、非常に違和感がありました。
ですから、それを覆すために、控訴審では相当な労力をかけました。担当していた記者は、通常の週刊文春のための取材や執筆から2か月くらい外れて、裁判対策だけに集中してもらいました》
《(挿画や音声の重要性は)それは大きいんですよ。『言った、言わない』がないですから。ASKAさんが薬物で逮捕された時は、インタビューの音声を公開しました。記事の真実性を裏付ける強力な証拠になったでしょうね。裁判でも『言った、言わない』が大切な局面になってくると、裁判官から『録音はありますか』と聞かれることもあります》
《一番悪いのは、『訴えられるような記事を書く記者はダメなやつだ』と言って、記者を辞めさせたり、取材と関係ない部署に飛ばしてしまったりすることです》
https://www.bengo4.com/internet/n_4786/
https://www.bengo4.com/internet/n_4787/

◎本紙5月24日号でお伝えした「〈大震災〉出版対策本部」(日本書籍出版協会日本雑誌協会日本出版クラブ・読書推進協議会の出版4団体で構成)が、東日本大震災から5年の節目となる事業として企画していたイベントの概要がこのほど公表された。
JR東日本の仙台支社および盛岡支社との連携に加え「コミック出版社の会」、岩手日報社河北新報社・福島新報社・福島民友新聞社の協力による「マンガでつなGO東北」企画の一環として、『ONE PIECE』『ダイヤのA』『名探偵コナン』という子供たちに絶大な人気を誇る3作品のキャラクターを、それぞれディーゼルカー車両に別々にラッピングした「コミックトレイン」を被災した東北3県のJR線で運行するというのがメインとなる。
つまり『少年ジャンプ』『少年マガジン』『少年サンデー』発の作品から1作品ずつということだ。
スケジュールは、7月23・24日(東北本線石巻線の仙台―女川間)、7月30日(東北本線の仙台―盛岡間)、7月31日(釜石線の花巻―釜石間)、8月5・6日(磐越東線の郡山―いわき間)。
また、運行に合わせて女川町(宮城県)、釜石市岩手県)、いわき市福島県)の沿線の3つの主要駅周辺の会場で、マンガの複製原画やメッセージ入りサイン色紙の展示などを行う「特別企画展」も開催する予定だ。
http://www.shuppan-taisaku.jp/wp-content/uploads/2016/06/20160617_comictrain.pdf
http://trafficnews.jp/post/53812/

永六輔が自分の名前を冠した番組としては最後に残っていたTBSラジオの『六輔七転八倒九十分』は、パーソナリティである永自身が病気(パーキンソン病)のため休演中で、その回復の目途が立たないことを理由にこの6月を持って放送終了することが5月9日の放送で公式に発表されていたが、6月6日の放送では一転、進行役の外山惠理アナが7月以降も放送が続く(ただし「永六輔」の名は番組タイトルから外れる)ことを明らかにした。リスナーから番組継続を求めるメールや手紙がたくさん届いたことが理由とされているが、コミュニティFMなどの小さな局ならともかく、後番組の営業や、出演者やスタッフの手配も大変な在京キー局のラジオで、まさかこんな急転直下のケースがそれだけで決まるというものではないだろう。『週刊女性』は芸能プロ関係者の次のような見方を上げつつ報じている。
《永さんの復帰が突然白紙になり、しかも名前をはずしてほしいという要望があったので、番組を変えざるをえなかったわけです。ただ急な話でしたから、とりあえず今の出演者でなんとか凌ごうと考えていたんでしょう。番組継続は、うまくリスナーの反響に乗ったかたちです》
http://www.jprime.jp/entertainment/man_talent/28302

◎市民メディアの実践的活動のほか、東日本大震災被災地に学生たちを支援かつ取材に送り出したりしながら現在も現地からの報道を続けている武蔵大学メディア社会学科・松本恭幸ゼミの学生たちが、佐賀新聞が地元で運営する地域SNS「ひびの」の現状について担当者に取材。
http://alternas.jp/study/it_social/64657
https://up.musashi.ac.jp/pfm/japanese/researchersHtml/RT3S03001/RT3S03001_Researcher.html
「ひびの」は地方紙が(というか全国紙を含めた日本の新聞全体で)全国で初めて2006年10月に独自運営で開設した地域SNSだ。
《ユーザー層は20〜40代が多く、利用者平均年齢は37.7歳であったそうだ。「ひびの」の中で最も重要な役割を果たすのは日記だ。地域の人々がブログ形式で日記を更新していき、それがお店の口コミ情報につながったり、地域活性化につながることで県内の絆を強めるものとして一役買っている。一部プロのブロガーを雇って日記を更新しているそうだ。
佐賀新聞地域新聞社ならではの取り組みとして、紙面作成において行政面だけでなく地域情報を多く掲載している。子ども向けや若者向け、地元のJリーグチームのファン向け(サガン鳥栖)の別紙の新聞をそれぞれ作ることで、ターゲットに合わせた「新聞」を作っている。
佐賀新聞と「ひびの」との連動も見られる。最近生まれた赤ちゃんの名前と顔写真などを掲載する「ひびのハピバァ」の欄がそれだ。「ひびの」の一部有料の写真共有コンテンツとなる「ひびの写真館」から抜粋した写真を掲載するなど工夫が凝らされていた。》
背景には、佐賀県には地上波民放テレビ局がサガテレビ1局しかない(県内の大半が福岡県の民放局の放送エリアに含まれる)など地元発のメディアが手薄なこと、九州ブロック紙である福岡の西日本新聞と県内で競合する佐賀新聞の生き残りをかけた取り組みの一つと言った側面もあるようだ。
https://hibino.saga-s.co.jp/

地方・小出版流通センターの2015年度(4〜3月)の決算が発表された。総売上高は12億9462万円(前年比9.49%増)、経常利益は254万円(前年は経常損失839万円)、当期利益は443万円(前年は当期損失681万円)と、増収増益になったそうだ。
《一昨年、昨年と大幅な扱い高減少で2年連続の最終赤字決算でしたが、15年度は取次出荷が前年比11%増だったことで、なんとか最終赤字は逃れました。
図書館売上は−2.5%、直書店売上0.2%増、総売上は9.49%増で、売上総利益は11.82%増となりました。しかし、営業損益は−608万円、積立て金等を取崩した営業外収入866万円でなんとか黒字という有様で、苦しい採算状況であることは変わりません》
http://neil.chips.jp/chihosho/center/index.html
http://www.shinbunka.co.jp/news2016/06/160616-01.htm#PoORRB8.facebook_share_ninja_m

川崎市市民ミュージアムは、テレビ・ラジオ番組の脚本や台本を6月17日から公開中。今回公開されているのは、日本放送作家協会が収集し、日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアムが引き継いだ約5万冊のうち、1981年〜2012年に放送された約1万3500冊。1980年以前の約2万7000冊は国立国会図書館で公開されているとのこと。
http://www.kawasaki-museum.jp/wp-content/uploads/2016/06/kyakuhon-2.pdf
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1606/16/news086.html

◎6月16日に東京都内で行われた公開討論会「テレビ報道と放送法−何が争点なのか」の模様を産経が上下2回に分けて報道。
放送法遵守を求める視聴者の会」からはケント・ギルバート(タレント)、上念司(経済評論家)、小川榮太郎(文芸評論家で同会の事務局長)の3名、「放送メディアの自由と自律を考える研究者有志」からは醍醐聡(東大名誉教授)、砂川浩慶(立教大学教授・メディア総合研究所所長)、岩崎貞明(メディア総合研究所発行の雑誌「放送レポート」編集長)の3名がそれぞれ出席。
そのスタンスや伝え方への評価はともかく、産経はこうしたメディア関連の集会については紙面を割いてよく伝えるほうだ。
http://www.sankei.com/entertainments/news/160616/ent1606160006-n1.html
http://www.sankei.com/entertainments/news/160616/ent1606160007-n1.html

視覚障害者の観賞にも対応すべく、FMラジオによる音声ガイドや字幕朗読などのシステムを備えたバリアフリー映画館「シネマ・チュプキ・タバタ(CINEMA Chupki TABATA)」が都内・田端で9月にオープンの予定。これに際してwebDICEがクラウドファンディングサイトのMotionGalleryで支援プロジェクトを実施している。
https://motion-gallery.net/projects/cinema_chupki_tabata?utm_source=webdice&utm_medium=news&utm_campaign=webdice_cinema_chupki_tabata
http://www.webdice.jp/dice/detail/5158/

クラウドファンディングで映画といえばもう一つ。『いちばん美しい夏』『スターフィッシュホテル』『佐渡テンペスト』などで知られるジョン・ウィリアムズ監督が、現代の東京を舞台にカフカ『審判』を映画化するという制作プロジェクトが目下進行中。上記と同じMotionGalleryで制作資金のファンディングが行われている。
ちなみにプロデューサーを務める郄木祥衣の本職はNPOインターネット放送局「OurPlanet-TV」の事務局スタッフで、普段はもっぱら事務仕事に専念してあまり表に出てこないが、英語に堪能であり、神保町の事務局オフィスからネットを通じて世界各地のジャーナリストや映画監督とも日々連絡を取り合う若き才媛である。
https://www.facebook.com/shinpan.film/
https://motion-gallery.net/projects/shinpan

大友克洋の新作短編マンガが6月25日発売の『芸術新潮』7月号に掲載される。新作といっても4年前の2012年4月号の同誌に掲載された短編の続編で、タイトルは『Est-ce que les robots mechants vont aussi en enfer? 悪いロボットも死んだら地獄に行くの?』。オールカラー8ページでの掲載になるとのこと。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1606/15/news106.html
http://natalie.mu/comic/news/191140

◎ロシアのドーピング問題をめぐり、この件を逸早く取り上げて追及し続けてきたドイツのテレビ局ARDと、ロシア国営テレビとの攻防はすさまじい。
インタビューのためやってきたロシア国営テレビの女性記者と、ドーピング取材にあたったARDの男性記者がホテルの一室で膝詰めでやりとりを始めるも、最後は怒ったARDの記者がロシア国営テレビ取材班の撮影機材を部屋の外に放り投げて女性記者も叩き出し、非常階段からさらにはホテルの外の路上にまで出て喧嘩まがいの攻防を繰り広げる様子が、しっかり映像で報じられている。
何事も密室内での「忖度」で決まる日本の政治とメディアの世界とはえらい違いだ。
http://news.biglobe.ne.jp/sports/0618/jj_160618_3530296096.html
http://jp.sputniknews.com/sport/20160610/2285705.html

新左翼雑誌の老舗『情況』が、実はこの春に一時期『SITUAION』に改題していた(ただし正式誌名は変更なし)という件は特に話題にもならなかったらしい。私も紀伊国屋書店新宿本店1Fの雑誌売り場で今春見かけて初めて知ったのだが、雑誌コードを外して発売元も情況出版から関連会社の世界書院へと移した今年の2/3月号の表紙タイトルが、いきなり「情況」の英語直訳に変わっていた。
もっとも次の4/5月号の表紙は再び漢字二文字の本来の誌名に戻っているところからすると、センテンススプリングにあやかったかエイプリルフールの冗談だったんだろうか? それにしても紀伊國屋本店の書棚での置かれ方といえば『WiLL』と『月刊Hanada』に挟まれた位置に置かれたり(これは誰か客が勝手にやったらしい)、『第三文明』や『The Liberty』や『PHP』やドナルド・トランプを特集した『別冊宝島』に囲まれていたりするのが、見る者に何やら悲哀を感じさせる。
https://www.instagram.com/p/BF8owJejqF9/?taken-by=taroimo0424
https://www.instagram.com/p/BGoJatPjqON/?taken-by=taroimo0424

◎ジャーナリストの林克明が、法曹関係者やジャーナリストの間から多数の問題点を指摘されながらも先の国会で法案が可決・成立してしまった刑事訴訟法と通信傍受法(俗にいう盗聴法)の"改悪"について、『週刊金曜日』5月27日号に寄稿した「民進・生活が与党案に賛成」という記事の中で、「同じ委員会(参議院法務委員会)で審議されていたヘイト・スピーチ規制法案を通す見返りに、本法案に賛成するという取引があったからではないか」と言及。
その記事の中で法案に反対してきた関東学院大学名誉教授(刑法)の足立昌勝が、同委員会理事の有田芳生に対して「ヘイト・スピーチ規制法案さえ通過すれば良しとしていたとすれば基本的に誤りである。私たちは、そんな国会議員はもういらない。今度の改選でぜひ落選してもらいたい」とコメント。それを見た有田が怒り、twitter上で『週刊金曜日』の購読解除を5月26日に宣言。
http://togetter.com/li/981603
驚いた『週刊金曜日』が有田にさっそくアプローチしたうえで翌週号の編集後記に「関係者にお詫び申し上げるとともに、今後、事実関係を精査していきたいと考えます」とのお詫びを入れたが、林のほうは当然これで収まるわけもない。最新の6月17日号では、この問題を受けて再び林が自らの見解を同誌に寄稿しており、次号(6月24日号)では有田による見解が掲載されるそうだ。もっとも、さる6月17日にこの問題にも関連して開かれた集会の席で林が語ったところによると、当初は両者の意見を同じ号で掲載するという話だったのが、有田がこれを拒否したという。その集会の模様は以下に映像でアップされている。
http://sarasoujunohana.blog.fc2.com/blog-entry-1005.html
ちなみに、私は林とはジャーナリスト約40名による「秘密保護法違憲訴訟原告団」に一緒に名を連ねているほか、『週刊金曜日』でも連載コラムを持ち、なおかつ有田とも過去にオウム問題やヘイトデモの取材などで知己があり、そんなこともあって上記の集会にも出席して最後のほうで少し発言したりもしたのだが、それをめぐって同じくジャーナリストで「秘密保護法違憲訴訟原告団」メンバーの寺澤有より「岩本さんともあろう人が、なにいい子ぶってんだよ」とさっそくtwitterで批判された。それは謙虚に受け止めるとして、どうやら今後も波乱含みの展開が待ち受けていそうだ。
https://twitter.com/Yu_TERASAWA/status/744128485824696328

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3)【深夜の誌人語録】(岩本太郎)

なまじ「私は中立です」などとほざくより「お前ら両方とも敵に回してやる」と宣言すればよいのだ。